都市計画法は、都市計画の内容である区域区分や地域地区を定めることによって土地利用の在り方を定め、また都市施設の整備や市街地開発事業に関する都市計画決定やその事業施行の手続を定めています。また、一定の開発行為や建築行為を制限するなどして土地の利用規制を行います。都市計画法はこれら各種の定めによって、都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることを目的とした最も根幹的な法律です。

 土地の開発行為はもちろん、建築物を建築するについても当然都市計画法に従わなければならないため、地方自治体等の都市計画の担当者をはじめ、土地開発業者や建築関係者は同法を正しく理解し、誤りなく運用しなければなりません。

 しかし、都市計画法は、昭和43年に制定されて以来、そのときどきの社会情勢に対応してさまざまな制度改正が行われてきました。また、都市計画法は、その根拠となる各種上位法はもちろんのこと、都市計画法と関連する都市再開発法や土地区画整理法など多種多様な事業法と複雑に絡み合っているため、その内容を正確かつ体系的に理解するのは容易なことではありません。他方、平成12年4月には地方分権一括法が施行され、都市計画の分野での地方分権が一層推進されました。

 また、都市計画法は平成12年改正法によって32年ぶりに大改正され、さらに平成14年には、建築基準法も併せた改正がなされています。これらの大改正は実務に対する影響は大きいものの、より複雑、難解になった面も否定できないため、関係者にとってはより一層都市計画法の学習と理解を深める必要性が強くなっています。このような状況下において、都市計画法に何らかの関係や興味をもつ多くの方々に対して、都市計画法をわかりやすく解説した本書を出版することは大変意義深いことだと考えます。

 本書では、都市計画法の条文ごとにキーワードを設け、趣旨を簡潔にまとめたうえ、そのポイントを解説しています。そして、難解な条文についてはケーススタディを設け、理解しやすくするための工夫をしています。本書を活用することによって、我が国の都市計画に関する最も根幹的な法律である都市計画法が正しく理解されることに、少しでも寄与することができれば、これにまさる喜びはありません。

                   平成15年7月

                   都市計画法令実務研究会

                   代表  弁護士 坂和章平