人物交遊録          

   小林研一郎さん(事務所だより第17号・2011年盛夏号)

1)「コバケン」こと「炎のマエストロ」小林研一郎氏は、外国ではハンガリー国立交響楽団常任指揮者、日本では日本フィルハーモニー交響楽団首席指揮者などを歴任した日本を代表する指揮者の1人。今回は、そのコバケンが私の交遊録に登場!
2)私がそんなすごい人と知り合えたのは、長年顧問弁護士をつとめ、数年前から監査役をしている潟Iービック主催の「春を呼ぶコンサート」に01年に参加した時だから、早や10年になる。もともとクラシック音楽が大好きでオーディオやLPレコードに凝っていた私は、そんなコンサートに招待されたことに大喜び。いつの頃からか、コンサート終了後の会食にもご一緒するようになった。オービックの創業者である野田順弘社長は10年6月に日経新聞「私の履歴書」で1カ月間連載され、『転がる石は玉になる』(日本経済新聞出版社)という単行本にもなった立志伝の人だ。そんな彼は「これは!」と信じる人間とはトコトン付き合う人。それはオービックのコマーシャルに登場するプロゴルファー青木功氏との交遊でよくわかるが、まさにコバケンとの交遊もそれと同じだ。
3)コバケンはリスト作曲の「ハンガリー舞曲」をよくアンコールで使っていた。それはリスト記念勲章やハンガリー文化勲章を受けるなどハンガリー政府との交流が深いためだが、最近は「ダニーボーイ」も多く、その選曲にはしびれてしまう。またコバケンの十八番は、ベルリオーズの幻想交響曲、チャイコフスキーの交響曲第5番、ベートーヴェンの交響曲第7番などだが、これらはいずれもLPレコードで何十回、何百回と聴いた私の大好きな曲。「コバケン節」と呼ばれる全身を使った指揮にまさにピッタリの曲ばかりだ。
4)普通なら「雲の上の人」として接触不可能なこんな人と親しく交遊できるようになったのは、野田社長を中心とした「人の和」のおかげだが、弁護士という職業のありがたさと生来の厚かましさで、私はコバケンさんに急接近!ゴルフの腕前は格段の相違があるから、同じコンペに出ても同じ組で回らせてもらうことはないが、コンペ終了後の懇親会ではあくまで対等。またカラオケルームに入れば、日本を代表する指揮者もナニワのおっちゃん弁護士も同じ土俵上での勝負だ。コバケンさんと交遊してびっくりするのは、日本を代表する指揮者とは思えない物腰の柔らかさと言葉遣いの丁寧さ。女性に対してそうなるのはわからないでもないが、私のようなガラの悪い弁護士に対してもあくまで紳士的だから、逆に恐縮してしまう。
             
5)上の写真は11年6月2日にザ・シンフォニーホールで開催されたコンサート後の会食の席で撮ったもの。この席では、彼が福島県いわき市の小名浜生まれであることが語られ、3.11東日本大震災からの復興とその支援のあり方を熱く語り合った。たまたま同日は、菅総理の内閣不信任決議案が提出されたにもかかわらず、圧倒的多数で否決された、日本の恥ずべき猿芝居の日。こんなニッポンでどうするの!そんな語り合いの中で会食は終了したが、「炎のマエストロ」がつくり出す音楽が、被災地の人たちが復興するための力強い支えになることを期待したい。