洋15-85

「ターミネーター 新起動/ジェニシス」
    

               2015(平成27)年7月12日鑑賞<TOHOシネマズ西宮OS>

監督:アラン・テイラー
原作:ジェームズ・キャメロン
T-800/アーノルド・シュワルツェネッガー
サラ・コナー/エミリア・クラーク
カイル・リース/ジェイ・コートニー
ジョン・コナー/ジェイソン・クラーク
T-1000/イ・ビョンホン
2015年・アメリカ映画・126分
配給/パラマウント

シュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガーは、ハリウッドスターとしての顔と、政治家、カリフォルニア州知事としての顔の2つを持っている。それだけでもすごいが、本作では1984年当時の若きT-800の姿と、それから30年後の年老いたT-800の姿を両方見せるから、さらにすごい。
 人間が年を取っていくのは仕方ないが、機械だって部品が古くなれば少しずつポンコツになっていくのは当たり前。しかして、アーノルド・シュワルツェネッガー扮する旧型のT-800も、表皮は人間の皮膚組織なので、外見は年老いていくという設定をして、ストーリーをうまくアーノルド・シュワルツェネッガーの年齢の経過に合わせているのがミソ。したがって、元ボディービルダーで、肉体派俳優としてのアーノルド・シュワルツェネッガーと、演技派俳優としてのアーノルド・シュワルツェネッガーの2つの顔は、さて本作ではどのように・・・?

人工知能の「スカイネット」率いる殺人機械郡と人類が最終戦争を戦っている2029年から、T-800が生まれた1984年までタイムスリップさせていくストーリーはかなりややこしい。また、その設定にどこまでの整合性があるのかも、私にはよくわからない。2029年の今、危機的状況にあった人類を指導してきたリーダーはジョン(ジェイソン・クラーク)。このジョンを産んだのは1984年のサラ(エミリア・クラーク)だから、1984年にタイムスリップして新型T-1000を送り込み、サラを殺してしまえば、ジョンは産まれてこないことになる。スカイネットはそう考えたらしい。なるほど、理屈はたしかにその通りだが、ホントにそれをストーリーの軸に・・・?しかして、ジョンはそれに対抗するべく、若手ながら信頼できる腹心の部下カイル・リース(ジェイ・コートニー)をタイムスリップさせて1984年に送り込み、サラを守ろうとしたところから本作の本格的ストーリーがスタートしていくことに・・・。

私は『ターミネーター3』(03年)(『シネマルーム3』121頁参照)と『ターミネーター4』(09年)(『シネマルーム23』13頁参照)を観て評論を書いているが、1984年の『ターミネーター』はTVで観ている程度なので、ターミネーターシリーズ全体についての正確な知識は持っていない。本作はターミネーターシリーズの第5作目だが、本作を含めた「新3部作」のスタートになるもの。
 しかして、旧型のT-800と新型のT-1000とは性能がどのように違うの?さらに、ターミネーターシリーズ全体を通したキーワードとなる『審判の日』や『ジェネシス』とは一体ナニ・・・?
 『ターミネーター』シリーズと同じように、新シリーズが開始した『猿の惑星』シリーズでは、『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』(11年)(『シネマルーム27』95頁参照)も、『猿の惑星 新世紀(ライジング)』(14年)(『シネマルーム33』246頁参照)もその理解は比較的容易だったが、「ターミネーター新3部作」については、よほどシリーズ全体を整理したうえで鑑賞しなければ、理解するのは難しいだろう。

本作では、せっかく2029年から1984年にタイムスリップし、サラと合流したカイルは再度サラと共に2017年にタイムスリップしてくるから、話はややこしい。さらに、カイルがタイムスリップした1984年のサラは、「おじさん」と呼ばれるT-800の教育よろしくを得て立派な戦士になっていたから、カイルはビックリ。ところが、そんなカイルは生体組織に損傷を受け、タイムスリップできない「おじさん」を1984年に残したまま、今度はサラを連れて2017年にタイムスリップしてくるから、そんな展開に私はビックリ。少なくとも私には、その目的がイマイチはっきりしない。
 さらに、その2017年の時代に2029年のジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)が再登場してくると、もはや頭の中はゴチャゴチャに混乱してしまうことに・・・。しかして、このジョンは何者?ホンモノのジョン?それとも・・・?クライマックスで展開される「対決」は迫力十分で、「さすが、これぞハリウッド映画!」という醍醐味を見せつけてくれるから、それをお楽しみに。しかして、「ターミネーター新3部作」の今後の展開は?そのためにはシュワちゃんにしっかり長生きしてもらわなければならないが、さて・・・。
                                  2015(平成27)年7月14日記