洋15-17(ショートコメント)

「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密」
 

                2015(平成27)年2月7日鑑賞<TOHOシネマズ西宮OS>

監督:デヴィッド・コープ
原作:キリル・ボンフィリオリ『チャーリー・モルデカイ(1)英国紳士の名画大作戦』(角川文庫刊)
チャーリー・モルデカイ(インチキ美術商)/ジョニー・デップ
ジョアンナ・モルデカイ(チャーリーの妻)/グウィネス・パルトロウ
マートランド(チャーリーを追うMI5警部補)/ユアン・マクレガー
ジョージナ・クランプ(チャーリーを誘惑する謎の女)/オリビア・マン
ジョック・ストラップ(チャーリーの最強の用心棒)/ポール・ベタニー
ミルトン・クランプ(アメリカの大富豪)/ジェフ・ゴールドブラム
エミル・ストラーゴ(国際テロリスト)/ジョニー・パスボルスキー
ロマノフ/ウルリク・トムセン
グラハム・アーチャー卿(美術商のライバル)/マイケル・カルキン
2015年・アメリカ映画・107分
配給/KADOKAWA

◆本作は、タイトルになっているチャーリー・モルデカイを演じる名優ジョニー・デップの他、その妻のジョアンナ・モルデカイ役に美人女優グウィネス・パルトロウが、ジョアンナの獲得戦にチャーリーに敗れたMI5警部補のマートランド役にこれも名優のユアン・マクレガーが扮する豪華キャストだから、こりゃ必見!
 そう思っていたが、幻のフランシスコ・デ・ゴヤの名画の争奪戦をテーマとした本作全編を貫くポイントは、ちょびヒゲ。「ウサン臭い」という形容詞が彼には褒め言葉になっているという、怪しいキャラクターのチャーリーは異常なほどひげにこだわりをもっているが、それは一体なぜ?逆に妻のジョアンナはそれが絶対にイヤなようで、ひげのままキスをすると吐き気を催すらしい。

◆他方、名画を狙う男エミル・ストラーゴ(ジョニー・パスボルスキー)もチャーリーに負けず劣らずヒゲ自慢のようだから、2人の対決シーンには、必然的にヒゲが絡むことになる。
 更に、盗まれた名画のありかを探すため、ロサンゼルスに飛んだチャーリーが出会うのが、大富豪ミルトン・クランプ(ジェフ・ゴールドブラム)の一人娘で色気タップリのグラマー娘ジョージナ・クランプ(オリビア・マン)だが、ジョージナはジョアンナと違って大のヒゲ好きらしい。そのため、チャーリーにちょっとした浮気心が生まれたのは仕方ないが、なぜかロサンゼルスのクランプ家のパーティーにはジョアンナも駆けつけてきたから、そこで大波乱が・・・。

◆『死亡遊戯』(78年)や『ドラゴン危機一髪』(71年)、『ドラゴン怒りの鉄拳』(72年)、『ドラゴンへの道』(72年)、『燃えよドラゴン』(73年)におけるブルース・リーは、極限まで研ぎ澄まされたカンフー・アクションを売りにしたのに対し、同じカンフーの達人ながら『ドランクモンキー酔拳』(78年)、『酔拳2』(94年)等でコメディ的なアクションを売りにしたのがジャッキー・チェン。私は別にコメディ映画が嫌いではないが、本作でジョニー・デップが演じる、ちょびヒゲをネタにしたコメディはちょっとレベルが低すぎる。
 本作は冒頭から、チャーリー独特のナレーションが効いているが、そのナレーションで紹介されるのがチャーリーの忠実な用心棒ジョック・ストラップ(ポール・ベタニー)。何ゴトもノー天気(?)なチャーリーに対して、実務とリスクを全面的に負担するのがジョックだが、チャーリーから誤って拳銃で撃たれても「仕方ないさ」と許してくれるこんな立派な用心棒はそうそういるものではない。
 本作では、モスクワで起きた絵画の争奪戦で、当然のようにカーチェイスのシーンが登場する。しかして、そこで展開される、チャーリーのようなノー天気な男と、ジョックのような超マジメな男のコンビによるカーチェイスの出来は?私はジャッキー・チェンのコメディタッチのカーチェイスは大好きだが、本作にみるカーチェイスを面白いと思う人は少ないのでは・・・?

◆私は本作を時間つなぎのために鑑賞したが、何と座席はほぼ満席。それもあって、少しはその内容に期待したが、残念ながら途中からあくびが出て仕方がなかった。おまけにすぐ隣の若い男の2人連れは、上映中ずっとポップコーンを何の遠慮もなくボリボリと。要するに本作はそんなアホバカ客が楽しむだけの映画ということだ。
 ちなみに、本作の評論を書くにあたってウィキペディアを調べてみると、そこには<本作は批評家から酷評されている。・・・サイト側による批評家の意見の要約は、「非常に奇妙で、意図的につまらない作品にしているかのようだ。誤った演出がなされた『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』は『オパイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ以降のジョニー・デップ出演作の中でも屈指の駄作であろう。>と書かれていたが、全くそれに同感。久しぶりに時間のムダだったと思える映画を観たが、そんな映画にジョニー・デップは別として、グウィネス・パルトロウとユアン・マクレガーが出演していたことにガッカリ。
                                  2015(平成27)年2月10日記