弁護士 坂和章平による
   「独断」と「偏見」にもとづく

                映 画 評 論
                  
                         更新日 2014(平成26)年1月10日

 〔目 次〕
               注) タイトルの後ろの(年)の表示は映画の製作です。
                  本文はネタバレを含みます。

洋13-1 私の少女時代(我的少女時代/My Girlhoot)(2011年) 
                                              

        <シネ・ヌーヴォ>         2013年1月2日鑑賞
        (中国映画)               2013年1月9日記
   ・・・「中国のヘレン・ケラー」と言われた女性の自叙伝の映画化だが、下半身マヒ
   状態での生活ぶりや、下放先での独学による医学の習得などキレイ事に過ぎる面
   がプンプンと・・・。しかし、それを差し引いても、地元の子供たちとの心の交流のス
   トーリーは感動的。
    文化大革命の最中だってこれくらい頑張れば!!そんなストーリーは、むしろ今
   の日本の少女たちに見せてあげたい・・・。


洋13-2 ロスト・イン・北京(苹果/Lost in Beijing)(2007年)
                                             

        <シネ・ヌーヴォ>         2013年1月2日鑑賞
        (中国映画)              2013年1月7日記
   ・・・サントリー・ウーロン茶で有名な、可憐で美しい女優・范冰冰(ファン・ビンビン)
   がド派手なセックスシーンに挑戦!ややもするとそこばかり強調されるが、本作の
   本質は何とも意味深な邦題に・・・。
    窓拭きの夫が見ている前でレイプされた挙げ句に妊娠。しかし、子どものできな
   い夫婦にしてみれば、これはひょっとして朗報?四人四様の思惑が交錯する中、
   無事生まれた男の子を軸に展開する4人の人生模様は?
    経済成長を遂げた現代北京だが、カネがすべての時代状況の中で失われた人
   間性は、一体どこに・・・?


洋13-3 五人の娘(五朶金花/Five Golden Flowers)(1959年)
                                                

        <シネ・ヌーヴォ>          2013年1月2日鑑賞
        (中国映画)               2013年1月7日記
   ・・・雲南省の大理を舞台とした金花と名乗る白族の美しい娘をめぐる、中国版「君
   の名は?」は意外にミステリアスな展開に?その多くはスレ違いが原因だが、そこ
   には若い娘たちの嫉妬心も・・・。
    革命歌劇『白毛女』はOKだったが、文化大革命中、本作は「大毒草」とされたが、
   この程度で「資本階級のムードを宣伝する大毒草」に?そんな新生中国50年の歴
   史を考えながら、雲南版青春賛歌の楽しさをタップリと・・・。


洋13-4 白毛女(白毛女/The White Haired Girl)(1950年) 
                                                

        <シネ・ヌーヴォ>          2013年1月2日鑑賞
        (中国映画)               2013年1月7日記
   ・・・地主打倒!八路軍万歳!共産党万歳!そんな「革命歌劇」が、新中国建国後
   の1950年に映画化されてスクリーンに!
    暴虐の限りを尽くす地主の仕打ちに耐えた白毛女とその村は八路軍の入村によ
   って、今やっと解放!「国民党支配下の旧社会は、人を鬼(妖怪)にするが、共産党
   による新社会は鬼を人にする」。そんなテーマの本作は映画としての面白みには欠
   けるものの、なるほどこれが白毛女!いつか、そのバレエ版も見なければ・・・。


洋13-5 ジャッジ・ドレッド(2012年) 

        <角川映画試写室>           2013年1月9日鑑賞
        (イギリス、南アフリカ映画)        2013年1月10日記
   ・・・近未来。核戦争後のアメリカ。そんな設定は面白いが、犯罪都市メガシティ・
   ワンにはなぜ8億人もの人口が?ジャッジ・ドレッドは英国コミックの伝説的ヒー
   ローだが、逮捕、判決、刑の執行をすべて行う「ジャッジ」というキャラはいかがな
   もの・・・?
    本作が描く世界観は興味深いが、意外に単純な戦いの連続は正直言って子ど
   もだまし程度・・・。


洋13-6 もうひとりのシェイクスピア(2011年) 

        <TOHOシネマズ梅田>        2013年1月12日鑑賞
        (アメリカ映画)               2013年1月16日記
   ・・・『恋におちたシェイクスピア』(99年)は魅力的な映画だったが、『もうひとりのシ
   ェイクスピア』とは一体ナニ?そして、文学史上最大の謎、「シェイクスピア別人説」
   とは一体ナニ?知らなかったなあ・・・。
    他方、エリザベス1世は「処女王」として有名だが、それってホント?ひょっとして
   愛人や隠し子もいたのでは?すると、そのお相手は?
    そんな壮大な歴史秘話を王位継承をめぐる権力闘争とともにじっくり堪能したい。
   本作の結末を見るとシェイクスピアを少し嫌いになるかもしれないが、作者が誰で
   あっても作品の価値は永久に不滅!


洋13-7 ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝(龍門飛甲)(2011年)
                                              

        <TOHOシネマズ梅田>       2013年1月12日鑑賞
        (中国映画)                2013年1月17日記
   ・・・徐克(ツイ・ハーク)監督が、武侠映画を中国初の3Dで!李連杰(ジェット・リー
   )演ずる孤高の義士は宮廷の権力をバックにした秘密警察、西廠の督主ユーといか
   なる死闘を?4人の美女に注目しつつ、権力と義、愛と欲が入り乱れる、「これぞ武
   侠!これぞワイヤーアクション!」の展開をタップリと堪能したい。
    しかして、彼らが集ったのは龍門の財宝都市だが、そこを60年に一度の砂嵐が
   襲う中、最後の勝者は?


洋13-8 一瞬の夢(小武/Xiao Wu)(1997年) 

        <シネ・ヌーヴォ>         2013年1月13日鑑賞
        (中国、香港映画)          2013年1月17日記
   ・・・第6世代監督の旗手・賈樟柯(ジャ・ジャンクー)の名を一躍世界に知らしめ
   た、1997年のデビュー作をやっと鑑賞。テーマは山西省の地方都市、汾陽(フェン
   ヤン)を舞台として改革開放政策の流れに取り残されていくスリの姿を描くもの。長
   回しのシーンと、タバコを吸うシーンがやたら多いのが特徴だ。
    うっとうしい男の生きザマの描写はその当時としては新鮮だったのかもしれない
   が、今観ると少し陳腐な感も・・・?


洋13-9 プラットホーム(站台/Platform)(2000年) 

        <シネ・ヌーヴォ>          2013年1月13日鑑賞
        (香港、日本、フランス合作映画)  2013年1月18日記
   ・・・賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督の2作目は、4人の男女が織りなす青春群像
    劇。1979年から1991年までの激動の12年間で、若き劇団員たちは劇、音楽、
    ファッション等々にいかなる変化を?
     タイトルに反して中身は長距離バスでの移動を伴うロードムービーだが、四人
   二様の恋模様の展開も「あの時代」らしい。長回しカメラの描写を2時間31分も見
   続けるのはしんどいが、「オフィス北野」の出資にも注目し、「作家性」と「資金調達」
   の両立についてもしっかり考えたい。  


洋13-10 マーサ、あるいはマーシー・メイ(2011年) 

        <シネマート心斎橋>       2013年1月15日鑑賞
        (アメリカ映画)             2013年1月21日記
   ・・・新しい才能が結集するサンダンス映画祭で、見事監督賞を受賞した新人監督
   に注目!同時に、タイトルどおり引き裂かれた2つの人格を見事に演じ分けた、無
   防備なエロスを発散する新人女優にも注目!
     オウム真理教とは異質のカルト集団の恐さと反社会性を認識しつつ、なぜマー
   サはそこに惹かれたのかをじっくり掘り下げたい。もっとも、今どきのやさしい邦画
   に見慣れた日本の観客の目には、本作は少し難しすぎるかも・・・。



洋13-11 エンド・オブ・ザ・ワールド(2012年) 

        <テアトル梅田>          2013年1月18日鑑賞
        (アメリカ映画)           2013年1月22日記
   ・・・どこかの惑星が地球に衝突したら、人類は・・・?デンマークの奇才ラース・
   フォン・トリアー監督の『メランコリア』(11年)はそんな想定の下で壮大な世界観
   を披露したが、同じ想定でも本作は大違い!
     地球滅亡までの日をあなたはどう過ごす?その答えが「家族と共に」というの
   はいかにも優等生的だが、さて本作の主人公たちは?ロードムービーの展開は
   意外だが、その行き着く先は?そして、地球滅亡の日を2人で迎えることができれ
   ば・・・。


洋13-12 野蛮なやつら/SAVAGES(2012年) 

        <東宝東和試写室>         2013年1月23日鑑賞
        (アメリカ映画)              2013年1月30日記
   ・・・主人公は大麻栽培のベンチャー事業で大富豪になった2人の男。性格は正反
   対だが、ウマが合ううえ、恋人まで「共有」というから恐れいる。巨大麻薬組織が業
   務提携の申し入れ(体のいい乗っ取り?)をしてきたところから展開される中年男
   2人を加えた、タイトルどおりのドロ沼戦は見物。他方、女2人の存在感はイマイチ
   ・・・?
    しかも人生は1回こっきりだから、ラストに見る2通りの結末は邪道なのでは?


洋13-13 世界にひとつのプレイブック(2012年) 

        <GAGA試写室>       2013年1月24日鑑賞
        (アメリカ映画)           2013年1月30日記
   ・・・あなたはアメフトのルールを知ってる?その作戦図がプレイブックだが、その
   フォーメーションは極めて複雑。しかして、「天敵」と思われたイカれた男女2人は、
   それぞれいかなるプレイブックを?
    アカデミー賞作品賞、監督賞をはじめ、主演・助演男優賞、主演・助演女優賞等
   のノミネートに拍手しつつ、クライマックスのダンスシーンと感動的なフィナーレをタ
   ップリと味わいたい。やっぱりやる時はやらなくちゃ!


洋13-14 ゼロ・ダーク・サーティ(2012年) 

        <GAGA試写室>          2013年1月24日鑑賞
        (アメリカ映画)             2013年1月26日記
   ・・・こりゃすごい。『ハート・ロッカー』(08年)のキャスリン
・ビグロー監督が、ビン
   ラディン追跡の「一部始終」を綿密な取材のもとに公開!主人公はCIAの女性情報
   分析官マヤ。華奢で年若い新米の彼女のどこにそんな馬力と分析力、そして執念と
   信念が・・・?
    2011年5月1日の「突入劇」のニュース映像は今なお目に焼き付いているが、そ
   こに至るまでの本作に見る情報収集と大統領の「決断」のあり方には息を呑む。ア
   カデミー賞作品賞、主演女優賞へのノミネートは当然だが、私の大胆予測=「決断」
   では、両賞の受賞はズバリ本作!


洋13-15 明日(アシタ)の空の向こうに(2010年) 

        <テアトル梅田>            2013年1月31日鑑賞
        (ポーランド、日本合作映画)     2013年2月4日記
   ・・・「国境越え」をテーマにした問題提起作は『フローズン・リバー』(08年)や『闇
   の列車、光の旅』(09年)など数多いが、3人の子供たちによるこの「国境越え」は
   一体なぜ?『禁じられた遊び』(52年)は第二次世界大戦中の悲しい物語だった
   が、本作は現代。こんな「冒険」に挑んだ子供たちの目に映る、東欧の空の色や広
   がりは?
    「演技達者派」ではない「ナチュラル演技派」の子供たちのすばらしい演技を引き
   出した、ポーランドの女性監督ドロタ・ケンジェジャフスカの技に脱帽!  


洋13-16 塀の中のジュリアス・シーザー(2012年) 

        <シネ・リーブル梅田>      2013年2月1日鑑賞
        (イタリア映画)           2013年2月5日記
   ・・・このタイトルは一体ナニ?シーザーやブルータスを演ずる俳優たちは一体誰?
   なぜ、本作がベルリン国際映画祭金熊賞を?そんな疑問でいっぱいだが、刑務所
   という「塀の中」の密閉空間で、囚人たちがシェイクスピア劇を演ずる濃密な76分
   間の充実度は高い。
     他方、囚人たちのこの風貌、この体格、この表情には大拍手だが、長期拘束さ
   れている彼ら一人一人の思いに目を向けると・・・。   


日13-17 みなさん、さようなら(2012年) 

        <テアトル梅田>        2013年2月1日鑑賞
        (日本映画)           2013年2月5日記
   ・・・高度経済成長の申し子である「団地」に住む、小6の主人公は「団地内で一生
   暮らす!」と宣言。その動機は?また、その実践は?
    12歳から30歳までを演ずる濱田岳の演技に拍手しつつ、18年間に及ぶ団地の
   歴史と同級生たちの人生に注目。さらに、Wマドンナの「性の芽ばえ」にも・・・。
    都市問題の視点からはもちろん、人生の一断面を見事に切りとっている点で興
   味深い映画だが、終盤からラストにかけての展開はこれが限界?それにしても、い
   いタイトルをつけたものだ。   
  


日13-18 つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語(2012年)
                                         

        <梅田ブルク7>        2013年2月3日鑑賞
        (日本映画)           2013年2月8日記
   ・・・「恋愛モノ」に定評のある行定勲監督が原作にホレてつくったオムニバス風の
   さまざまな「男と女の愛のカタチ」は、私にはイマイチ消化不良。6人の女優陣は豪
   華だが、不治の病であの世に旅立とうとする奔放な女、艶が今なおこんなに影響力
   を持つのは一体なぜ?
    女優陣の熱演には拍手だが、人間は忘れっぽい動物だとすれば、本作のストー
   リー構成はちょっとこじつけ気味では・・・。


洋13-19 ジャンゴ 繋がれざる者(2012年)

        <角川映画試写室>       2013年2月4日鑑賞
        (アメリカ映画)           2013年2月7日記
   ・・・奴隷解放宣言から150年の今、クエンティン・タランティーノ監督が黒人奴隷を
   ガンマンに!一見紳士風のドイツ人賞金稼ぎの男によって、黒人奴隷から一流の
   ガンマンに変身したジャンゴは今、最愛の妻を救出するべく大陸横断の旅へ。そこ
   に待ち受ける残忍な領主とは?
    奴隷の物語とマカロニ・ウエスタンを融合させた、とんでもないストーリー展開に
   大興奮!こりゃ必見!


日13-20 東京家族(2013年)

        <梅田ブルク7>        2013年2月8日鑑賞
        (日本映画)           2013年2月12日記
   ・・・小津安二郎監督の『東京物語』(53年)から60年。日本は、そして日本の家族
   のあり方は、その間いかに変化を?
     「家族」を描くことにかけてはピカイチの山田洋次監督が、そんな名作のリメイク
   に挑戦!瀬戸内海の小島から久しぶりに東京に住む子供たちを訪れた老夫婦をめ
   ぐって、2012年の今どんな家族の物語が・・・?
     起承転結の「転」の部分からの展開に注目!この国の未来はこんな若者の手に
   ・・・。


洋13-21 ある海辺の詩人 ―小さなヴェニスで―(2011年)

        <宣伝用DVD鑑賞>      2013年2月9日鑑賞
        (イタリア、フランス映画)    2013年2月13日記
   ・・・『オーギュスタン/恋々風塵』(99年)の張曼玉(マギー・チャン)がフランスで大
   活躍なら、賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督のミューズ、趙濤(チャオ・タオ)はイタリア
   で大活躍!ちょっと長い邦題だが、その邦題どおり「屈原」の詩と共に展開される、
   美しく切ないストーリーをじっくりと味わいたい。
     それにしても、いきなりのイタリア映画でイタリア・アカデミー賞の主演女優賞と
   は!趙濤の今後の活躍に注目!



洋13-22 アウトロー(2012年)

        <TOHOシネマズ梅田>     2013年2月11日鑑賞
        (アメリカ映画)           2013年2月15日記
   ・・・トム・クルーズが“世界で最も危険な流れ者”ジャック・リーチャー役に初挑戦!
   元陸軍のエリート捜査官が、なぜアウトローに?それが最初のポイントだが、中盤
   はベッピン女弁護士と共に働かせる「推理力」がポイントに。
    そして見せる、クライマックスでの格闘能力と弁護士を無視したアウトロー最後の
   「裁き」に注目!しかして、狙いどおり『M:I』シリーズから新シリーズへの転換
   は・・・?


洋13-23 アンナ・カレーニナ(2012年)

        <GAGA試写室>        2013年2月12日鑑賞
        (イギリス映画)          2013年2月15日記
   ・・・やはりキーラ・ナイトレイは『プライドと偏見』(05年)や『つぐない』(07年)のよ
   うなドレス姿の方がよく似合う。ならば、「世界文学全集」最高のラブストーリーのヒ
   ロイン・アンナを、今こそ演じていいのでは?
     本作ではストーリー展開以上に、アカデミー賞美術賞、衣装デザイン賞等にノミ
   ネートされた帝政ロシア時代の豪華絢爛たる美しさに注目!とりわけ舞踏会のシー
   ンは圧巻!そして、その美しさがアンナに訪れる後半の悲劇をより儚いものに。
     なお、トルストイの『戦争と平和』を含めた世界観、人生観についても再度しっか
   り確認を!


洋13-24 ヒルデンブルグ 第三帝国の陰謀(2011年)

        <梅田ブルク7>        2013年2月16日鑑賞
        (ドイツ映画)          2013年2月18日記
   ・・・豪華客船タイタニック号の沈没事故が映画として大ヒットするのなら、巨大飛行
   船ヒンデンブルグ号の爆発炎上事故だって!核実験にはウランやプルトニウムが
   不可欠だが、飛行船にはヘリウムが不可欠。水素で飛行していたヒンデンブルグ
   号は、なぜ爆発炎上事故を?
    それは事故ではなく、ひょっとして「第三帝国の陰謀」では?そんな自由な発想
   で、この巨大な「物体」から「あの時代」を見つめ直してみると・・・?


洋13-25 王になった男(2012年)

        <梅田ブルク7>        2013年2月17日鑑賞
        (韓国映画)           2013年2月19日記
   ・・・『王の男』(05年)は燕山君を、本作は光海君を描いたが、なぜ2人は「暴君」
   に?そんなお勉強の下に、イ・ビョンホンによる一人二役の「入れ替え」劇の面白さ
   をタップリと!代役は所詮代役。もともとはそんな使い捨ての存在だが、なぜ「王に
   なった男」に?
     王の価値とは何かを『影武者』(80年)や『チャップリンの独裁者』(40年)と対
   比しながら考えれば、本作の面白さは更に・・・。


洋13-26 汚れなき祈り(2012年)

        <角川映画試写室>             2013年2月18日鑑賞
        (ルーマニア、フランス、ベルギー映画)  2013年2月20日記
   ・・・『4ヶ月、3週と2日』(07年)でルーマニア初のカンヌ国際映画祭パルムドール
   賞を受賞したクリスティアン・ムンジウ監督が、2005年に起きた「ルーマニアの悪
   魔憑き事件」を題材にしたが、その視点は?その出来は?
     2時間32分の長尺ながらそれが見えず、ストーリー展開に終始しているため、
   私はかなりイライラ。有罪とされた刑事裁判の展開も少しは見せてほしかったの
   に・・・。


洋13-27 ベラミ 愛を弄ぶ男(2012年)

        <角川映画試写室>        2013年2月19日鑑賞
        (イギリス映画)           2013年2月20日記
   ・・・フランス語の「Bel Ami」(ベラミ)とは、美貌の友(美しい男友達)という意味。
   下層の貧しい男でも、美貌さえあれば上流階級の女たちはイチコロ!1890年の
   パリの社交界を舞台に、モーパッサンが描いたスキャンダラスな世界は興味津
   々・・・。単なるプレイボーイではなくギラギラした権力欲がなければ面白くないが、
   そんな主人公ジョルジュに『トワイライト』シリーズのロバート・パティンソンはお似合
   い?
     フランスのモロッコ侵攻をめぐる政治問題は120年後の今も共通点があるか
   ら、それにも注目しながらこの男の「居直り」と「ふてぶてしさ」をしっかり学びたい。


洋13-28 人生、ブラボー!(2011年)

        <シネ・リーブル梅田>       2013年2月24日鑑賞
        (カナダ映画)             2013年2月26日記
   ・・・693回の精子提供で、533名の子供が誕生。そして、142名の子供から父親
   の身元開示を求める裁判を・・・。そんな深刻かつ重大な物語に、なぜ『人生、ブラ
   ボー!』という邦題が?
     それは、フランス映画『最強のふたり』(11年)と同じように、あくまでハートフル
   な人間讃歌の物語に仕上げられたから。その人気ぶりを見るとたしかに「観客に一
   番愛された映画」かもしれないが、近時大問題となっている「人工授精」の問題点だ
   けはしっかりと・・・。


洋13-29 悪人に平穏なし(2011年)

        <シネ・リーブル梅田>       2013年2月25日鑑賞
        (スペイン映画)             2013年2月26日記
   ・・・ゴヤ賞6部門に輝くスペイン映画だが、チョイ悪(極ワル?)刑事を主人公にし
   たスリルとサスペンスはひどく難解!それは、2004年3月11日にマドリードで発
   生した同時爆破テロ事件と、その背景に日本人が無知なため。
    しかし、日本でリメイクすればビートたけしが絶対お似合いの、この主人公の生き
   ザマは強烈!なぜアル中気味の彼はあんな犯罪を?また、なぜ彼はテロリストた
   ちと一人で対峙を・・・?


洋13-30 ヒッチコック(2012年)

        <GAGA試写室>           2013年2月26日鑑賞
        (アメリカ映画)             2013年2月28日記
   ・・・ヒッチコック監督って誰?そんなことを言う人は観ても仕方ないが、『サイコ』(6
   0年)や『鳥』(63年)を観て大ショックを受けた人には本作は必見!『サイコ』は、そ
   してあの「シャワー・シーン」はこんな風につくられたのか・・・。
     アンソニー・ホプキンスがいい。ヘレン・ミレンがいい。ドキュメンタリーでは「こ
   の味」は絶対出なかったのでは!そこで見えてくるのは、ヒッチコックも偉かったが、
   やっぱり男は女房次第ということ・・・。


洋13-31 魔女と呼ばれた少女(2012年)

        <GAGA試写室>          2013年2月27日鑑賞
        (カナダ映画)             2013年3月1日記
   ・・・平和で安全な国ニッポン。それはそれでありがたいことだが、世界に目を向ける
   と、コンゴ共和国にはこんな現実が!
    12歳の時に自分の手で両親を射殺。そして、数々のゲリラ戦の中でなぜ彼女は
   「魔女」と呼ばれるように?クライマックスはゲリラのリーダーとの「対決」と、一人ぼ
   っちでの出産。人間って、女って、ホントにこんなことができるんだ・・・。
    静かなそして心温まるラストシーンには思わず「ほっ」とするが、「内向き」の安
   全や繁栄に甘えることなく、こんな現実にもしっかり目を向けなくちゃ・・・。


洋13-32 ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮(2012年)

        <GAGA試写室>          2013年2月28日鑑賞
        (デンマーク映画)          2013年3月5日記
   ・・・デンマークでは、「フランス革命」に先駆けて啓蒙思想にもとづく「上からの改革」
   を実践!それをウラで操ったのはドイツ人の「侍医」だったが、その王宮には何と
   不倫スキャンダルが・・・。
     こりゃ週刊誌的にはもちろん、「権力闘争」の実例としても興味深い。この「不
   倫」がなければあの「改革」は成功していたの?それとも、そもそも改革自体がな
   かったの?そんな視点から、「愛と欲望の王宮」の実態をしっかりと・・・。


洋13-33 アルゴ(2012年)

        <TOHOシネマズ梅田>      2013年3月3日鑑賞
        (アメリカ映画)            2013年3月9日記
   ・・・大使館が襲撃され占拠されたら、大使館員たちは?1979年には在イラン米
   国大使館でそんな騒動が起き、一触即発状態となったが、その原因は?
    そんなイランの近代史を前提に、「アルゴ作戦」と名づけられた6名の「人質救出
   作戦」が決行され、結果的に成功したが、そのウソのようなホントの話とは・・・?
    ベン・アフレックとジョージ・クルーニーの目の付けどころの良さに感心しつつ、アカ
   デミー賞作品賞もなるほど、とうなる爽快なスリルとサスペンスを堪能したい。


洋13-34 フライト(2012年)

        <TOHOシネマズ梅田>      2013年3月3日鑑賞
        (アメリカ映画)            2013年3月12日記
   ・・・神ワザ的操縦で多くの人命を救ったこの機長はヒーロー(英雄)?それとも犯
   罪者?アカデミー賞主演男優賞の受賞は逃したものの、アル中機長の光と陰を巧
   みに演じ分けたデンゼル・ワシントンはさすが。
    弁護士倫理どこ吹く風の悪徳弁護士(?)の協力を得て、運輸安全委員会の調
   査も無事パス。そう思った途端、良くも悪くも人間の本性が・・・。ところで、あなた
   は性善説?それとも性悪説?


洋13-35 カルテット!人生のオペラハウス(2012年)

        <GAGA試写室>          2013年3月7日鑑賞
        (イギリス映画)            2013年3月9日記
   ・・・最近の邦画は原作本の映画化ばかりだが、名優ダスティン・ホフマンの初監
   督作品はヴェルディ生誕200周年記念の『カルテット!』。さすが、文化の薫りが
   高い!しかして、あなたはヴェルディ中期の傑作オペラ『リグレット』の第3幕で歌
   われる四重唱『美しい恋の乙女よ』を知ってる?
    まあ、ほとんどの日本人はそれを知らないだろうが、それでも本作は十分楽しめ
   る「つくり」になっている。したがって、年金受給が始まり、ボチボチ「老人ホームを
   ・・・」と考えているあなたは、是非本作を・・・。


洋13-36 ライジング・ドラゴン(十二生肖)(2012年)

        <角川映画試写室>        2013年3月8日鑑賞
        (香港、中国映画)          2013年3月13日記
   ・・・還暦を目前にしたジャッキー・チェンが、ノースタントによるアクションにおさらば
    する決意を。そんな彼の最後のド派手なアクションは見どころいっぱい!
     阿片戦争で英仏に強奪された円明園の財物の中国への返還は重大な問題。し
    かし、そんな難しいことは横に置き、トレジャーハンターとして十二生肖を探し求め
    るジャッキー・チェンの勇姿に注目!3人の美女を絡めた冒険とアクションを、タッ
    プリと堪能したい。


洋13-37 命をつなぐバイオリン(2011年)

        <テアトル梅田>           2013年3月10日鑑賞
        (ドイツ映画)             2013年3月13日記
   ・・・『カティンの森』(07年)はポーランドの悲劇だったが、ウクライナは?独ソ不可
   侵条約の破棄=独ソ戦の開始と共に、その支配権はボリシェヴィキからナチス・ドイ
   ツに交代。すると、そこに住むユダヤ人たちは?
     スターリンの前でも腕前を披露した2人の「神童」は家族と共に逃げ回ったが、
   神童であるが故に最後に課せられた命を賭けた完璧な演奏の行方は?さあ、歴史
   はどう動く?そして、神童たちの命は?
     陳凱歌(チェン・カイコー)監督の名作『北京ヴァイオリン』(02年)のクライマッ
   クスと比較しつつ、あらためて「音楽の価値」を考えたい。


日13-38 戦争と一人の女(2012年)

        <宣伝用DVD鑑賞>           2013年3月13日鑑賞
        (日本映画)                2013年3月18日記
   ・・・今ドキ、『堕落論』で有名な坂口安吾のニヒリズム小説(?)を誰が映画に?そ
    れは「見たい映画がないのなら、自分たちで作ってしまおう」と考えた寺脇研氏と本
    作で長編デビューした、亡き若松監督の弟子・井上淳一監督。
    敗戦直前の東京を舞台に、三文文士と元娼婦が織りなす物語は退廃そのもの。
   そして、支那帰りの兵士は強姦魔に・・・。なるほどそれも道理、と納得してはダメだ
   が、タブーだらけの今の時代、こんな映画から考えるべきことが山ほどあるので
   は・・・。


日13-39 舟を編む(2013年)

        <松竹試写室>           2013年3月14日鑑賞
        (日本映画)             2013年3月15日記
   ・・・2012年本屋大賞を受賞した三浦しをんの『舟を編む』の映画化だが、いくら
   石井裕也監督でも辞書作りにまつわる人間ドラマだけで2時間ももたせるのはちょ
   っとしんどい・・・?
    「用例採集」と「語釈執筆」に見る辞書作りの大変さと面白さはよく表現されている
   し、「馬締」という奇妙な姓と主人公のキャラも面白いが、それだけでは・・・。


日13-40 千年の愉楽(2011年)

        <テアトル梅田>           2013年3月16日鑑賞
        (日本映画)              2013年3月23日記
   ・・・若松孝二監督が、なぜ中上健次文学に挑戦?今の時代、『千年の愉楽』に描
    かれた「被差別部落」や「路地」の物語の映画化は不向きでは?
     高良健吾、高岡蒼佑、染谷将太演ずる3人の美しい「中本の男」たちは、それ
    ぞれ女との絡みの中で死んでいくが、それは一体なぜ?それは「高貴で穢れた血」
    のためだが、今ドキそんな生死と壮大な「世界観」をどう表現すれば映画に?201
    2年10月17日に亡くなった若松監督の遺作から、そんな問題点を掘り下げたい。


洋13-41 愛、アムール(2012年)

        <シネ・リーブル梅田>             2013年3月17日鑑賞
        (フランス、ドイツ、オーストリア映画)     2013年3月21日記
   ・・・『白いリボン』(09年)に続いてカンヌ国際映画祭パルムドール賞を受賞した
    ミヒャエル・ハネケ監督の最新作だが、80歳超の老人夫婦の物語だけにちょっ
    と・・・。案の定、自宅での夫による妻の介護をテーマにした本作は、ずっと観てい
    るとちょっとしんどくなってくる。老夫婦の深い愛情と音楽を通じた強い絆はわかる
    が、何もここまで・・・。
     日本で近時多発する介護疲れによる殺人事件も考えながら、じっくり鑑賞し、
    深く考えたい。


日13-42 モンスター(2013年)

        <GAGA試写室>          2013年3月18日鑑賞
        (日本映画)              2013年3月22日記
   ・・・顔は、そして美しさは女の命。すると、小さい頃から「モンスター」と呼ばれた女
   の子は?その将来は?
    ハリウッド版『モンスター』(03年)ではシャーリーズ・セロンが殺人鬼になってい
   ったが、本作のテーマは整形による変身!いくら何でもそりゃムリだろうと思うこと
   でも、映画なら可能だ。しかして、絶世の美女に生まれ変わった高岡早紀「モンスタ
   ー」の真の願いとは・・・?



洋13-43 オデット(2005年)

        <シネ・ヌーヴォX>         2013年3月19日鑑賞
        (ポルトガル映画)          2013年3月23日記
   ・・・これまでごく一部の人しか知らなかった、ポルトガルの新星ジョアン・ペドロ・ロ
    ドリゲス監督が遂に関西上陸!本作のテーマは同性愛、性的倒錯、青春、純愛の
    4つ。とりわけ前二者だが、さてあなたは、ゲイの恋人に死なれた男と恋人とケンカ
    別れした女が織り成す怒涛の展開についていける?
     ラストに見る性交渉(?)シーンもジョアン・ペドロ・ロドリゲス監督ならではだが、
    さて淡泊な日本人の好みに合う?合わない?



洋13-44 恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム(2007年)

        <シネ・リーブル梅田>       2013年3月20日鑑賞
        (インド映画)             2013年3月22日記
   ・・・169分にわたる歌と踊り、そして輪廻をテーマとした、恋と復讐のスリリングな
   物語はまさにボリウッド!原作ものに頼りっ放しの邦画や、AKB48に頼りっ放し
   の音楽界はこのエネルギーに学ぶとともに、本作のような新人美人女優を発掘し
   てほしい。
    また、『風と共に去りぬ』(39年)や『オペラ座の怪人』(04年)との共通点(?)を
   探しながら、宝塚大劇場での上演も是非視野に入れてほしいものだ。



洋13-45 ザ・マスター(2012年)

        <TOHOシネマズ梅田>      2013年3月24日鑑賞
        (アメリカ映画)            2013年3月26日記
   ・・・第2次世界大戦の戦勝国アメリカでも、元海軍兵士の傷ついた心が求めるの
    はやはりカルト集団・・・?ホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマンと
    いう演技派俳優2人の「教義」をめぐる激突は圧巻だが、さらにそこにエイミー・
    アダムスの演技が加わると・・・。『世界にひとつのプレイブック』(12年)が演技4
    部門にノミネートなら、こちらだって3部門にノミネート!
     教義の「難解さ」が玉にキズ(?)だが、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(07年)に
    続くポール・トーマス・アンダーソン監督の深い深い問題提起をじっくりと・・・。


洋13-46 後宮の秘密(2012年)

        <GAGA試写室>          2013年3月27日鑑賞
        (韓国映画)              2013年3月30日記
   ・・・王位継承をめぐる「毒殺」絡みの権力闘争はどこでも同じだが、本作は先王の
    愛妾をめぐる確執をテーマにしたところがミソ。「あまりにも脱ぎすぎ」「また脱いだ」
    との批判も何のその、美人女優チョ・ヨジョンの美しい肢体が全編のストーリーをリ
    ードするが、「伊達騒動」と同じように毒味役が血を吐いて倒れると・・・?
     「女は弱し、されど母は強し」のことわざがしっかり確認できること請け合いだが、
    それ以上に「女は恐ろしい」という実感が・・・。


洋13-47 モネ・ゲーム(2012年)

        <GAGA試写室>          2013年3月28日鑑賞
        (アメリカ映画)            2013年3月29日記

        ショートコメントのとおり。


洋13-48 キング・オブ・マンハッタン-危険な賭け-(2012年)

        <テアトル梅田>           2013年3月29日鑑賞
        (アメリカ映画)            2013年3月30日記
   ・・・『フォーブス』の表紙を飾るヘッジファンドの大物は「一番の誇りは家族!」とキ
    レイ事を言うが、彼が率いる投資会社の内実は火の車・・・?そんな心労が続く中、
    飲酒運転による交通事故で愛人を死亡させてしまうと、その対処は?
     どんな男にも、どんな富豪にも二面性があることをトコトン思い知らされる展開
と、リチャード・ギアのカッコ良さにホレボレ。さらに、一難去ってまた一難!前門の虎、
   後門の狼!という本作の結末に大注目!


洋13-49 シャドー・ダンサー(2011年)

        <シネ・リーブル梅田>        2013年4月3日鑑賞
        (アイルランド、イギリス映画)    2013年4月5日記
   ・・・南北分断に苦しむ韓国には名作『二重スパイ』(03年)があるし、イギリスにも
   サーカス(英国諜報部)がKGBの二重スパイ「もぐら」を捜し出す『裏切りのサーカ
   ス』(11年)という名作がある。しかして、イギリスと長い間戦ってきたアイルランド
   のIRA(アイルランド共和軍)にも「二重スパイ」が・・・。
     息子を守るなら、家族をそして組織を裏切る密告者になれ!そう迫られた場合、
   あなたならどんな選択を?『裏切りのサーカス』と同じくストーリーは難解だが、「シ
   ャドー・ダンサー」とは一体誰?それをテーマとした「二重スパイ」の悲しみは、あな
   たの胸にどう響く?


洋13-50 リンカーン(2012年)

        <東映試写室>            2013年4月5日鑑賞
        (アメリカ映画)             2013年4月9日記
   ・・・南北戦争150周年の今、リンカーン大統領を描いた映画が花盛りだが、ダニ
   エル・デイ=ルイスがリンカーンを演じた本作はその本命中の本命!アカデミー賞
   主演男優賞受賞は当然!の熱演が見モノだが、ゲティスバーグ演説のカッコ良さ
   (?)以上にリンカーンの人間としての苦悩にウエイトが・・・。   
     奴隷解放宣言だけではダメ!やはり憲法改正が!そう覚ったリンカーンの議会
   対策は意外にも今の日本と同じようなものだが、根本的な違いは?これぞ言論の府
   !これぞ民主主義!その真髄を、本作に見るリンカーンの「議会対策」からしっかり
   と学びたい。
     


洋13-51 イノセント・ガーデン(2012年)

        <GAGA試写室>           2013年4月12日鑑賞
        (アメリカ映画)             2013年4月15日記
   ・・・タイトルからは何の映画かサッパリわからないが、韓国のパク・チャヌク監督が
   ハリウッドからのたっての「ご指名」でオリジナリティあふれた脚本の映像化に挑
   戦!父親の死亡と行方不明だった叔父の突然の登場、そして連続する奇妙な事
   件の中、18歳になったばかりの少女はいかなる変貌を?
     予測不能な展開と美しい映像に見る人間心理のミステリアスな深層を堪能でき
   ること請け合い!


洋13-52 グランド・マスター(一代宗師/THE GRANDMASTER)(2013年)
                                        

        <GAGA試写室>           2013年4月16日鑑賞
        (香港、中国、フランス合作映画)  2013年4月19日記
   ・・・あなたは「ブルース・リーの師」としても有名な葉問(イップ・マン)を知ってい
    る?また、少林寺拳法でもなくジャッキー・チェンの『酔拳』でもない、詠春拳を知っ
    てる?本作を観れば、中国大陸で複雑に分布する中国拳法の各流派と、その宗
    師たちによる「一代宗師」(グランド・マスター)争いの激烈さがわかるはずだ。
     まずは、「数年間に及ぶハードなトレーニングに極限まで打ち込んだ」有名俳優
    たちのアクションをたっぷりと堪能。そして、日中戦争というあの激動の時代背景の
    お勉強もしっかりと!

 


洋13-53 コズモポリス(2012年)

        <テアトル梅田>            2013年4月20日鑑賞
        (フランス、カナダ映画)        2013年4月22日記
   ・・・マネーゲームによって、28歳にして大富豪に!しかし、そこには資本主義制度
    の根源的矛盾も孕んでいるのでは?それをホリエモンこと堀江貴文との対比でしっ
    かりと!
     そう期待したが、中味は空虚で上滑りの議論ばかり。さらに、この主人公は決し
    て利口と思えないうえ、やる事成す事が子供じみているから、いい加減うんざり!
    ああ、時間のムダだった・・・。

 


洋13-54 三姉妹~雲南の子(2012年)

        <GAGA試写室>           2013年4月22日鑑賞
        (フランス、香港合作映画)      2013年4月30日記
   ・・・党幹部や政府要人への「接待」と、それに伴う腐敗・汚職を防止するべく習近平
    政権は「贅沢禁止令」を出した。しかし、中国でも最も貧しい雲南省にある標高32
    00mの洗羊塘(シーヤンタン)村の三姉妹の生活は?
     靄齢・慶齢・美齢という「宋家の三姉妹」やお市の方が産んだ茶々・お初・お江と
    いう「浅井の三姉妹」は有名だが、「雲南の三姉妹」は王兵(ワン・ビン)監督のカメ
    ラが無ければ世に知られることはなかったはず。
     『鉄西区』の9時間5分も観るのはしんどかったが、本作の2時間33分も同じ。
    しかし、それでも本作は必見!やはり現実は現実として直視しなければ!そして、
    そこからあなたは何を感じ取る・・・。
 


洋13-55 ローマでアモーレ(2012年)

        <GAGA試写室>            2013年5月9日鑑賞
        (アメリカ、イタリア、スペイン映画)  2013年5月10日記
   ・・・『ミッドナイト・イン・パリ』(11年)から今度は「ローマ」に舞台を移し、ウディ・ア
    レン監督が「すべての愛(アモーレ)はローマに通ず」とばかりに、「アモーレ」を軸と
    する4つの物語を展開!
     観光名所は『ローマの休日』(53年)以上に多く、同時並行する4つの物語は
    それぞれ遊び心がいっぱい。また「有名人」をキーワードにした人生訓もタップリ。
    こりゃ必見!久々に映画を観てトクした気分に・・・。


洋13-56 エンド・オブ・ホワイトハウス(2013年)

        <アスミック・エース関西支社>    2013年5月10日鑑賞
        (アメリカ映画)              2013年5月13日記
   ・・・訪米した韓国の朴槿惠大統領の議会での演説が注目されたタイミングで、本作
    の試写を!訪米した韓国首相を射殺し、合衆国大統領を人質にした北朝鮮のテロ
    リストの要求は・・・?制圧されたホワイトハウス内に潜入した元シークレットサービ
    スは「約束する。必ず救出する」と宣言したが、さてその孤独な戦いは?
     ありえない想定(?)をいかにスペクタクル・エンタテインメントとして構成?それ
    が本作のポイントだが、いやいやこれは現実にも想定可能?観客にそう思わせた
    ら、本作は大成功だが・・・。


洋13-57 L.A.ギャングストーリー(2013年)

        <TOHOシネマズなんば>       2013年5月12日鑑賞
        (アメリカ映画)              2013年5月15日記
   ・・・アル・カポネは知っていても、1949年当時のロサンゼルスを牛耳るギャング
    の親玉、ミッキー・コーエンは知らないのでは?
     『七人の侍』(54年)は百姓に雇われて野武士に立ち向かったが、個性豊かな
    「6人の警察官」たちの戦いの原動力はナニ?それを考えながら、「正義のためな
    ら法をも犯す!」というギャングまがいの抗争劇の醍醐味(?)をタップリと。
    それにしても、マシンガンってあんなに当たらないもの・・・?


洋13-58 殺人の告白(2012年)

        <GAGA試写室>            2013年5月15日鑑賞
        (韓国映画)                2013年5月17日記
   ・・・「あの当時」の殺人事件の公訴時効は15年。すると、15年経てば「私が犯人
   だ」と名乗り出てもOK?さらに、その暴露本を出版すればバカ売れだから、犯人は
   ウハウハ・・・?
     そんな発想でつくられた本作は3つのアクションも見モノだが、テレビでの公開討
   論会における「あっと驚くどんでん返し」が最大のポイントだ。遺族会の面々の執念
   と連続殺人犯を追う刑事の執念を軸に置きながら、意外に手の込んだ伏線に富ん
   だストーリーの面白さをしっかりと味わいたい。


洋13-59 欲望のバージニア(2012年)

        <GAGA試写室>           2013年5月15日鑑賞
        (アメリカ映画)             2013年5月17日記
   ・・・「禁酒法」時代なればこそ密造酒業者が生まれ、ギャングが生まれ、その抗争
   が映画のネタに!普通は密造酒業者が悪で、取締官が善だが、本作は逆!無法
   地帯のバージニア州に実在した密造酒づくりを業とする不死身の三兄弟とは?
     権力を笠に着た露骨な賄賂要求に屈しては男がすたる!東映のヤクザ映画に
   も通じる、そんな「事実に基づいたストーリー」は興味深い。クライマックスにおける
   不死身ぶりにもビックリだ。こんな映画と対比しながら、自由に酒を買い飲むことが
   できる今の時代の幸せをしみじみと!


日13-60 探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点(2013年)

        <梅田ブルク7>             2013年5月16日鑑賞
        (日本映画)                2013年5月20日記
   ・・・弁護士として札幌出張の仕事が増えると、ススキノや『探偵BAR』シリーズが
    身近に。その上、大阪弁いや岸和田弁をしゃべるヒロインとしてバイオリニストに
    扮した尾野真千子が登場するとなると…。
     アクションのキレや洗練度は16作も続いた『悪名』シリーズに及ばないが、基本
    テイストがしっかりしているから十分楽しめる。また、殺人犯捜しの謎解きとミステリ
    ー性はイマイチだが、ヒロインをめぐる別の謎解きとミステリー性に注目!


洋13-61 愛さえあれば(2012年)

        <TOHOシネマズ梅田>       2013年5月18日鑑賞
        (デンマーク映画)           2013年5月21日記
   ・・・シリアス性と問題提起性が持ち味のデンマークの女流監督スサンネ・ビアが、
    本作ではちょっと「軽め」のラブロマンスに挑戦!とは言っても、ハリウッド流の若い
    美男・美女のそれではなく、乳がんの手術、夫の浮気等々の試練を乗り越えた
    中年女性のそれだ。
     見モノは、イタリア南部の太陽と海に囲まれた美しい町ソレントの風景。レモンの
    香りいっぱいの別荘でくり広げられる結婚式に向けたドタバタ劇を楽しみつつ、そこ
    から生まれてくる大人のラブロマンスをじっくりと味わいたい。


洋13-62 ビトレイヤー(2013年)

        <テアトル梅田>            2013年5月19日鑑賞
        (イギリス、アメリカ映画)       2013年5月23日記
   ・・・本作は「『二枚看板』のブリティッシュ・ノワール」だが、実は「イギリスにおける
    銃規制のあり方」が、もう一つのテーマ。
     「ビトレイヤー」とは①裏切り者、売国奴、②内通者、密告者という意味だが、刑
    事VS大物犯罪者の対決の中で、どのようなビトレイヤーが浮き彫りに?テーマの
    分散が少し残念だが、スタイリッシュなストーリー展開を存分に。


日13-63 真夏の方程式(2013年)

        <東宝試写室>            2013年5月23日鑑賞
        (日本映画)              2013年5月25日記
   ・・・東野圭吾の『ガリレオ』シリーズの傑作ミステリーが、美しい自然が残る玻璃ヶ
    浦で展開。16年前のホステス殺人事件とここで起きた元刑事の死亡とは、いかな
    る関連が?旅館を経営する一家が長年抱えてきた秘密とは?
     多くのキーパーソンが登場し、多くの嘘と罪が重ねられ、謎が謎を呼ぶ複雑な方
    程式の解明は到底不可能?いやいや、変人ながら天才的な頭脳を持つ物理学者
    湯川が示す価値観と人生観は、人間の性(さが)や人間の営みをテーマとした真夏
    の方程式の解明にも有効だ。すべてを知った上で自分の進むべき道を決めるべき
    ことの大切さ、を今一度しっかりと確認したい。


洋13-64 ニューヨーク、恋人たちの2日間(2012年)

        <GAGA試写室>             2013年5月24日鑑賞
        (フランス、ドイツ、ベルギー合作映画) 2013年5月27日記
   ・・・ウディ・アレン監督が作品の舞台をパリやローマに移したのなら、私は逆にニュ
    ーヨークへ!『パリ、恋人たちの2日間』(07年)で大成功したフランス人女流監督
    ジュリー・デルピー監督がそう考えたかどうかは知らないが、今度は「人種のるつ
    ぼ」ニューヨークで何とも面白いドタバタ劇を!
     パリからニューヨークへの3人の「闖入者」はフランス人ではなくゴール人!そう
   言われてもわからないだろうが、本作に見るかみ合わない会話劇は最高に面白い。
   内向き志向からの脱却を目指す日本人は、是非本作を!


洋13-65 バーニー みんなが愛した殺人者(2011年)

        <GAGA試写室>             2013年5月24日鑑賞
        (アメリカ映画)               2013年5月25日記
   ・・・1996年にテキサスで起きた、39歳の「町一番の人気者」が、81歳の「町一番
    の嫌われ者」を殺害した事件をもとに本作が!ドキュメンタリーではなく、地元住民
    のインタビューを中心に、「みんなが愛した殺人者」を描いた本作は大ヒットだが、
    弁護士の私の目には少し不満!バーニーが終身刑とされたのは、弁護人の努力
   不足があったのでは?
     ドストエフスキーの『罪と罰』の現代版と言えるかどうかも考えながら、この奇妙
    な殺人事件のアレコレをしっかり考えたい。


洋13-66 嘆きのピエタ(2012年)

        <宣伝用DVD鑑賞>           2013年5月25日鑑賞
        (韓国映画)                2013年5月28日記
   ・・・ピエタ=慈悲深い母の愛をテーマにしたキム・ギドク監督の最新作は、天涯孤
    独に生きてきた借金取りの男の前に、母親だと名乗る謎の女の登場からスタート。
    前半1時間は涙の再会物語だが、後半からはキム・ギドク流のマジックが炸裂!若
    者の変化を操るかのような、この女は誰?その狙いは一体ナニ?
     女の二度にわたる「劇中劇」による若者の心の変化は痛ましいが、キム・ギドク
    監督は、後半さらにそれに追い打ちを。そして、常識を覆す前代未聞の愛の結末
   に唖然!第69回ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞は当然、と納得できる問題作   をじっくりと!


日13-67 爆心 長崎の空(2013年)

        <GAGA試写室>             2013年5月27日鑑賞
        (日本映画)                 2013年5月30日記
   ・・・本作は深刻なドキュメンタリー映画ではなく、母親を失った女子大生と、幼い娘
    を失った母親の、喪失と再生を「長崎の原爆」をキーワードとして描くもの。
     「あの時〇〇していれば・・・」という後悔は誰にでもあるが、それによって大切な
    人を失ってしまうと・・・。「死者との対話」は言うは易く、行うは難しい。しかし、本作
   を観ていると・・・。すべてに「甘めなつくり方」が私には少し不満だが、これはこれ
   で・・・。


洋13-68 コン・ティキ(2012年)

        <GAGA試写室>             2013年5月31日鑑賞
        
(イギリス、ノルウェー、デンマーク、ドイツ合作映画)2013年6月3日記
   ・・・ポリネシア人の祖先は、南米のペルーから海を渡ってやってきた。通説に反す
    るそんな「新説」を実証するためには、やってみせるのが一番!1947年のそんな
    冒険談が、「七人の侍」ならぬ「6人の海の男」たちによってスクリーンいっぱいに
    大展開!
     1500年前と同じ材料でつくったいかだ船、コン・ティキ号はうまく南赤道海流に
    乗れるの?周りをうじゃうじゃと泳ぐサメとの死闘は?男たちの対立と友情は?
     そ して、クライマックスに見る大波乗りによるラロイア環礁越えは・・・?


洋13-69 オブリビオン(2013年)

        <TOHOシネマズ梅田>         2013年6月2日鑑賞
        
(アメリカ映画)               2013年6月5日記
   ・・・トム・クルーズ主演のハリウッド大作だが、宇宙もの、SFものはちょっと・・・?
    しかし、共演が「あの美女」ならこりゃ必見!そう思ったが、やっぱり・・・。
     60年後の地球は?エイリアンは?人類は?スカイタワーで主人公はどんな任
    務を?トム・クルーズの活躍ぶりはさすがだが、司令本部や宇宙船の話はわかり
    にくいし、クローンが登場してくると、さらに・・・。
     まあ、娯楽大作と割り切って気楽に観ればいいのだろうが・・・。


日13-70 極道の妻(つま)たち Neo(2013年)

        <梅田ブルク7>              2013年6月8日鑑賞
        (日本映画)                 2013年6月10日記
   ・・・岩下志麻が圧倒的な極道の妻(おんな)としての存在感を発揮した、1986年
     の第1作から26年。十朱幸代、三田佳子、高島礼子の後を継いだ、黒谷友香の
     『極道の妻(つま)たち Neo』での存在感は?
      正当派ヤクザ映画の系譜が乏しくなった昨今、おじさん的には大いに期待した
     が、なんじゃこれは・・・。あらゆる意味での「日本国の劣化」を再確認してしまう羽
    目に・・・。


洋13-71 アンチヴァイラル(2012年)

        <テアトル梅田>              2013年6月9日鑑賞
        (カナダ、アメリカ映画)           2013年6月11日記
   ・・・『バイオハザード』シリーズにみる近未来の「細菌モノ」は単純(?)だが、「感染」
     をテーマとするカナダ人監督デイヴィッド・クローネンバーグの息子ブランドン・
    クローネンバーグ監督が描く近未来の「細菌モノ」はマニアックで薄気味が悪い。
     あこがれのセレブリティと一体になれるなら、そのウイルスを自分の身体に注入
    したい?そんな風に思う人は必見だが、そうでない人は一定の距離感を持って本
    作の世界観と問題提起を受け止めれば、それでOK・・・。


洋13-72 アフター・アース(2013年)

        <GAGA試写室>             2013年6月12日鑑賞
        (アメリカ映画)                2013年6月17日記
    ・・・ジャッキー・チェンが『ベスト・キッド』(10年)でジェイデン・スミスと共演し、
    「師弟の絆」を強調したことにジェラシーを感じたウィル・スミスが、ホンモノの「父
    子の絆」をこのSF大作で実現!偶然に不時着した1000年後の地球で見せる、
    父子による二人三脚の「生きるための戦い」とは?
     上官としての存在?それとも父親としての存在?要領よくまとめられたストー
    リー展開から、少しずつ取り戻されていく「父子の絆」をしっかり確認しよう!


日13-73 少年H(2013年)

        <東宝試写室>              2013年6月13日鑑賞
        (日本映画)                 2013年6月17日記
   ・・・『日本のいちばん長い日』(67年)や『日本海大海戦』(69年)など、かつて東
    宝が誇った終戦記念日の「戦争大作」は今はなくなったが、今夏は心打つ「戦争良
    心作」が登場!妹尾河童の自叙伝的小説をもとに、降旗康男監督が心を込めた本
    作は「先行き不安な今の時代」だからこその指針に!
     参院選挙後の「この国のかたち」のあり方を考えるについても、自分の目でしっ
    かり物事を見定めなければ。今夏は、少年Hとその父親から教えられることが山ほ
    どありそうだ。


洋13-74 31年目の夫婦げんか(2012年)

        <GAGA試写室>             2013年6月14日鑑賞
        (アメリカ映画)               2013年6月17日記
   ・・・結婚生活も31年目ともなれば、ごく一部の「ラブラブ夫婦」以外はすべて倦怠
     期・・・?それは当然だが、その何が悪い!夫はそう考え、日々の「夫婦生活」
     に満足していたが、「もう一度あなたと結婚したいの!」と望む妻の方は?
     そこで登場するのが「カップル集中カウンセリング」だが、さてそれはホンモ
     ノ?それともインチキ?また、その効能は?子供用の童話は数多いが、本作は
     「大人用の童話」として倦怠期の夫婦に最適。そのバイブルになるかも・・・?


洋13-75 華麗なるギャツビー(2013年)

        <TOHOシネマズ梅田>         2013年6月15日鑑賞
        (アメリカ映画)               2013年6月21日記
   ・・・寡聞にして、フランシス・スコット・フィッツジェラルド原作の、アメリカを代表する
     『華麗なるギャツビー』を知らなかったが、本作を観てなるほど、なるほど・・・。
      第1次世界大戦終了後の1922年、空前の好景気に湧いたニューヨークで若
     き大富豪ギャツビーは、なぜ毎夜豪邸でパーティーを?その背後に、『タイタニッ
     ク』のジャックと同じような純愛物語が潜んでいたことにビックリ!
      大富豪?それとも成り上がり者?その区別は難しいが3Dのスクリーン上でくり
     広げられる日本のバブルをはるかに上回る絢爛豪華さに酔いしれながら、こ
    の男の生きザマをじっくりと味わいたい。


洋13-76 インポッシブル(2012年)

        <TOHOシネマズ梅田>         2013年6月16日鑑賞
        (スペイン映画)               2013年6月20日記
   ・・・大地震や大津波から生まれる悲劇は数多いが、その中にも感動の物語が!
    04年のスマトラ島沖地震に伴う大津波によって引き裂かれた家族5人の、生き抜
    くための闘いと感動的な再会物語が映画に!
     冒頭に見るナオミ・ワッツの水との格闘は特筆モノ。主演女優賞がムリなら、
    せめて敢闘賞を!なおこの機会に、2011年の3・11東日本大震災のため上映
    中止とされた、クリント・イーストウッド監督の『ヒア アフター』(10年)も合わせて
    鑑賞してみては・・・。


洋13-77 ザ・タワー 超高層ビル大火災(2012年)

        <GAGA試写室>             2013年6月17日鑑賞
        (韓国映画)                 2013年6月20日記
   ・・・40年前の『タワーリング・インフェルノ』(74年)の21世紀型韓国版だが、ビル
    の高さ・階数比較は?本作に見る大火災の直接の原因は人為的な判断ミスだが、
    新築ビルにおける設計・施工上の「瑕疵担保責任」という法的論点はしっかり押さ
    えておきたい。
     その上で「伝説の消防士」を中心とするダイナミックなパニック・スペクタクルを
    存分に楽しもう。さらに、消防士たちの任務感の高さに心から敬意を表すると共
   に、それと対比される「ダラ幹」たちの腐敗ぶりなど、パニックの中で浮かび上がっ
   てくる人間模様もタップリと・・・。


日13-78 さよなら渓谷(2013年)

        <シネ・リーブル梅田>         2013年6月29日鑑賞
        (日本映画)                2013年7月4日記
   ・・・15年前のレイプ事件の加害者と被害者が、今は夫婦として仲良く一緒に?そ
     んなバカな!隣家で発生した殺人事件を調べる週刊誌記者の前に、次々と現わ
    れてくる驚くべき過去の事実の数々とは?
      「逃避行」を描く名作は多いが、本作では奇妙な男女の「二人旅」に注目!さら
     に本作では「私たちは幸せになるために一緒にいるんじゃない!」との決めゼリ
    フをどう解釈?それがポイントだ。
      「内面の演技」に挑戦した真木よう子に注目!そして、第35回モスクワ国際映
     画祭審査員特別賞に拍手!


日13-79 風立ちぬ(2013年)

        <東宝試写室>              2013年7月1日鑑賞
        (日本映画)                 2013年7月6日記
   ・・・戦闘機は大好きだが、戦争は大嫌い!そんな根本「矛盾」を持つ宮崎駿の
    『風立ちぬ』の主人公は、ゼロ戦の設計者堀越二郎と小説家堀辰雄をごちゃま
    ぜにした人物堀越二郎。薄幸のヒロイン菜穂子との恋愛を含めた、その人物像
    の成否は?また、「あの時代」と「あの戦争」の認識は?
     それをあまりにもサラリと夢の中の出来事のように描いている本作に私は少
    し不満だが、さて宮崎駿ファンのあなたは・・・?


洋13-80 オーガストウォーズ(2012年)

        <GAGA試写室>             2013年7月3日鑑賞
        (ロシア映画)                2013年7月4日記
   ・・・このタイトルだけで南オセチア地方における「ロシア・グルジア」戦争を連想した
    人はかなりの国際情勢通だが、そんな日本人は少ないはず。「先の大戦」すら知ら
    ない日本の若者は、巨大ロボットが登場する本作をひょっとしてゲーム感覚で楽し
    むのでは・・・?
     子供に対する母親の愛の強さは時としてありえないウーマンパワーを発揮させ
    るが、本作では美人女優の八面六臂の活躍を楽しみながら、その愛の強さを確認
    したい。もっとも、映画としての出来はどうかと聞かれると、それは・・・?


洋13-81 マニアック(2012年)

        <テアトル梅田>              2013年7月5日鑑賞
        (フランス映画)               2013年7月6日記

        ショートコメントのとおり。



日13-82 桜姫(2013年)

        <テアトル梅田>             2013年7月5日鑑賞
        (日本映画)                 2013年7月6日記

        ショートコメントのとおり。



洋13-83 ベルリンファイル(2013年)

        <梅田ブルク7>              2013年7月13日鑑賞
        (韓国映画)                 2013年7月22日記
   ・・・平和で安全なニッポン国では、7月21日に実施された参議院議員選挙と全英
    オープンで大活躍した松山英樹選手の話題でいっぱいだが、ベルリンにある北朝
    鮮大使館では、スパイたちがどんな暗躍を・・・?
     国際的な武器取引、金正日から金正恩の政権移譲に伴う権力闘争と銀行の秘
    密口座のありかをめぐる争い、それを監視する韓国の国家情報院。邦画では到底
    描けないそんな世界を、たまにはしっかり鑑賞したい。
     スパイたちの間で展開される監視と裏切り、そして怒涛のアクション。本作に見
    るそんな多くの見どころから、今あなたは何を学ぶ?


洋13-84 ホワイトハウス・ダウン(2013年)

        <GAGA試写室>             2013年7月19日鑑賞
        (アメリカ映画)               2013年7月22日記
   ・・・ホワイトハウスが乗っ取られ、合衆国大統領が持つ核兵器発射装置がテロリ
    ストたちの手に落ちると・・・?考えたくもない、そんな想定が『エンド・オブ・ホワイ
    トハウス』(13年)に続いて同時期に2度までも。
     大統領を救出し、ホワイトハウスを守る議会警察官の奮闘ぶりが見どころだ
    が、本当はもっとシリアスな問題提起も・・・。テロリストが北朝鮮か中東かの違い
    はあっても、内部の裏切り者の存在、大統領不在、死亡の際の決断のあり方等は
    両作を対比しながらしっかり検討したい。ところで、日本の総理官邸は大丈夫・・・
    ?


日13-85 利休にたずねよ(2013年)

        <梅田ブルク7>             2013年7月22日鑑賞
        (日本映画)                2013年7月29日記
   ・・・「美は私が決めること」。信長に対してそう言い放つ利休を演ずるのは市川海
    老蔵。そんなシーンがピタリと決まるのはさすがだが、さて若き日の利休は・・・?
     切腹のシーンから時代を遡っていく山本兼一の原作は、若き日の利休と高麗の
    女とのラブストーリーが出色。なるほど、こんな体験と悔いのもとに利休の独特の
    美の感覚がつくられ、人生観が形成されたわけだ。通常の信長モノや秀吉モノとは
    違う視点から、利休の生きザマと死にザマをじっくりと考えてみたい。


洋13-86 黒いスーツを着た男(2012年)

        <GAGA試写室>             2013年7月24日鑑賞
        (フランス、モルドヴァ映画)        2013年7月26日記
   ・・・スーツ姿のカッコ良さだけではなく、危険な香りもアラン・ドロンの再来!轢き逃
    げ事故の犯人となったそんな主人公は、目撃者の女や不法移民の被害者の妻と
    いかなる人間関係を?
     「玉の輿」結婚を控えた、成り上がり者特有のいやらしさの反面、黒いスーツを
    着た男が持つ人間的誠実さは意外!薄っぺらな邦画と違い、女流監督が描く三者
    三様の人間像は奥深い。それぞれの内面に問題を抱えた男女が、交通事故後に
    織り成す三者関係をじっくり鑑賞したい。ちなみに、あなたは決してこの主人公の
    真似をしないように・・・。


洋13-87 タイピスト!(POPULAIRE)(2012年)

        <GAGA試写室>             2013年7月25日鑑賞
        (フランス映画)               2013年7月29日記
   ・・・女性の社会進出が始まった1950年代のフランスでは、彼女たちのあこがれの
    職業は秘書。秘書を目指す田舎娘ローズの得意技はタイプの早打ちだが、一本指
    打法では所詮・・・?しかし、秘書としてはイモでも、これを鍛えてタイプ早打ち大会
    で優勝すれば・・・?雇主がそんな夢を抱いたところから、本作の楽しくもドラマティ
    ックなストーリーが展開していく。
     タイプ→ワープロ→パソコンと道具は変わっても、それを扱う人間の営みとその
    闘いの中で生まれる男女の恋模様は不変。現代のオードリー・ヘプバーンの登場
    に拍手するとともに、フランス映画特有のおしゃれな面白さをタップリと堪能したい。


洋13-88 終戦のエンペラー(EMPEROR)(2012年)

        <梅田ブルク7>             2013年7月27日鑑賞
        (アメリカ映画)               2013年7月30日記
   ・・・流血を最小限に抑えた「明治維新」の実現が奇跡なら、戦後の混乱を最小限
    に抑えた「戦後復興」も奇跡。それは、なぜ実現できたの?それを考えるうえで、
    「象徴天皇」を戴く日本人は、本作必見!
     東條英機のお孫さんの東條由布子氏は先日亡くなったが、関屋貞三郎宮内次
   官のお孫さんで本作のプロデューサーである奈良橋陽子氏の企画力に感謝!本作
   に見るマッカーサーの人物像と昭和天皇の戦争責任の有無を勉強しながら、「あれ
   から68年後」の8・15を控え、今後の日本のあり方をしっかりと考えたい。


日13-89 シャニダールの花(2012年)

        <テアトル梅田>             2013年7月27日鑑賞
        (日本映画)                 2013年7月29日記

        ショートコメントのとおり。


洋13-90 オン・ザ・ロード(2012年)

        <GAGA試写室>            2013年7月29日鑑賞
        (フランス、ブラジル映画)        2013年8月5日記
   ・・・ジャック・ケルアックが書いた不朽のビート文学『路上/オン・ザ・ロード』を、あ
   のフランシス・フォード・コッポラが映画化。そう聞いても島国ニッポン人の多くはわ
   からないだろうが、1947~50年にわたってアメリカ大陸を縦横に旅した2人の若
   者の無軌道ぶり=ヒッピーぶりにビックリ!
     良識派はきっと眉をひそめるだろうが、良くも悪くもこれがあの時代のアメリカ
   の若者のエネルギー。そんな青春の光と影を、このロードムービーからタップリと。
   しかして、それぞれが迎える「旅の終わり」とは・・・?


洋13-91 大統領の料理人(2012年)

        <GAGA試写室>             2013年7月30日鑑賞
        (フランス映画)               2013年8月2日記
   ・・・大統領のプライベート・シェフとは一体ナニ?家庭料理が作れるというだけで、
    エリゼ宮の男ばかりのシェフ社会の中でこの女シェフはホントにやっていけるの?
     本作のヒロインの場合、そんな心配はご無用!料理を愛する気持があり、大統
    領においしいものを食べさせたいという情熱さえあれば、いかなる抵抗勢力も粉
    砕!そんな女シェフの奮闘ぶりと共に、本作の主役=料理の数々に舌鼓を!


日13-92 そして父になる(2013年)

        <GAGA試写室>            2013年7月30日鑑賞
        (日本映画)                2013年8月1日記
   ・・・6年間育てきた息子が、他人の子供?そんなバカな!自分も父親になった是
    枝裕和監督が、血を優先?それとも時間を優先?という困難なテーマに挑戦し、
    見事第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員賞を受賞!
     本作に見る2組の夫婦は両極端。どちらが子供にとって幸せかは難しいが、あ
    なたは福山派?それともフランキー派?母親は子供が生まれた瞬間から母親だ
   が、父親になるとは、どういうこと?それを本作からじっくりと・・・。


洋13-93 ペーパーボーイ 真夏の引力(2012年)

        <テアトル梅田>             2013年8月4日鑑賞
        (アメリカ映画)               2013年8月7日記
   ・・・1969年、南部のフロリダ。そこは、今の大阪と同じように、うだるような暑さだ
    ったらしい。地元で働く草食系男子ジャックは、新聞記者の兄による4年前の殺人
    事件の調査に巻き込まれると共に、金髪の美女と運命の出会いを!
     黒人差別、冤罪さらにゲイ。『プレシャス』(09年)の黒人監督リー・ダニエルズ
    が描く本作は、多くのテーマがギューッと凝縮。ニコール・キッドマンとマシュー・マコ
    ノヒーのあっと驚く「艶技」に注目!そしてまた、ラストに見るあっと驚く結末に注
    目!こりゃ力作。こりゃ必見!


洋13-94 あの頃、君を追いかけた(那些年,我們一起追的女孩)(2011年)
                                      

        <GAGA試写室>             2013年8月5日鑑賞
        (台湾映画)                 2013年8月8日記
   ・・・団塊世代の男女なら誰でも、舟木一夫が歌った『高校三年生』の歌詞を今でも
    覚えているはず。そんな「あの頃」を懐かしく思い出させてくれるのが、本作だ。
    『九月に降る風(九降風)』(08年)と同じ青春群像劇だが、なぜ台湾映画にはこん
    なテーマの秀作が多いのだろうか?
     考えるのはアレだけ。高校生の男は誰でもそうだろうが、そこからどうやって大
   人になっていくの?また、同じ年なのになぜか大人めいた憧れの美少女に、いかに
   アプローチしていくの?たとえうまくいかなくたって、その思い出だけで・・・。
     長ったらしい邦題は長ったらしい原題をそのまま日本語にしたものだが、本作の
   良さはそれだけで十分!


日13-95 永遠の0(2013年)

        <東宝試写室>              2013年8月8日鑑賞
        (日本映画)                 2013年8月19日記
   ・・・百田文学のエッセンスを、本作ではじめて実感!「あの時代」と「この時代」を生
    きるゼロ戦搭乗員たちを核とした複雑な人間関係の中で、興味深い「取材」にもと
    づく物語が次々と・・・。
     「死にたくない」とほざくゼロ戦乗りは、一体ナニを考えていたの?そして、なぜ
    特攻に?宮崎アニメの『風立ちぬ』(13年)に少し失望していた私は、本作で涙
    ポロポロ。そして、号泣!
     あれから68年。こんな映画こそ今年の8・15で上映して欲しかったが、満を持し
    て12月8日の日米開戦の日に、家族ぐるみでじっくりと・・・。


洋13-96 エリジウム(2013年)

        <テアトル梅田>              2013年8月14日鑑賞
        (アメリカ映画)                2013年8月16日記
   ・・・150年後の近未来。そこでは、環境汚染と人口増加のため、一握りの超富裕
    層は宇宙空間に建造されたエリジウムへ移り住み、荒廃した地球には汚染と貧困
    の中に人類が・・・。南アフリカのヨハネスブルグ出身のニール・ブロムカンプ監督
    が『第9地区』(09年)に続いて、再びあっと驚く世界観を!
     環境汚染と格差の拡大が進めば、なるほど、なるほど・・・。そんな説得力が不
    気味だが、しょせん人間の脳が作り出した世界なら、脳データをパクればその変更
    も可能!しかして、150年後のスパルタカスやイエス・キリストは・・・?   


洋13-97 アイアン・フィスト(2012年)

        <テアトル梅田>              2013年8月15日鑑賞
        (アメリカ映画)                2013年8月17日記
   ・・・19世紀の中国。猛獅会と群狼団が対立する叢林村に、なぜか黒人の鍛冶屋
    が!そして、何とラッセル・クロウ扮する謎の白人が!彼らが狙うのは5万両の金
    塊だが、売春宿の女主人も結構なしたたか者・・・。
     そんな設定で、タランティーノ流の、無国籍・無原則・何でもあり、さらにお色気も
    ほど良くまぶされた極彩カンフー活劇が炸裂!まさに、これぞ最強の拳!


洋13-98 ワールド・ウォーZ(2013年)

        <TOHOシネマズ梅田>         2013年8月17日鑑賞
        (アメリカ映画)                2013年8月21日記
   ・・・バンパイア映画もゾンビ映画もさすがに飽きてきたが、ブラッド・ピットがレオナ
    ルド・ディカプリオと争ってまで映画化した本作は?『28日後...』(02年)、『28
    週後』(07年)に連なるゾンビ映画正統派の系譜と、本作での新たなアイデアに
    は一見の価値がある。
     しかし、家族の絆の強調(しすぎ)はいかがなもの・・・?また、韓国、イスラエル
    という米国の同盟国が舞台になるのに、日本が全く登場しないのはなぜ?まあ日
    本の現状を考えると、米国からこの程度に見られるのは仕方ないかもしれない
    が・・・。


洋13-99 ローンレンジャー(2013年)

        <TOHOシネマズ梅田>         2013年8月24日鑑賞
        (アメリカ映画)                2013年8月28日記
   ・・・『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズに続くエンタメ巨編だから、頭を空っぽ
    にして楽しめばOK!しかし、本作の時代と同じ明治維新の日本と比較したり、
    中国の裁判所で現在審理中の薄煕来裁判や日本で大ヒット中の『半沢直樹』の
    ドラマに照らして本作を観れば、面白い論点がいっぱい!
     さらに、1869年に大陸横断鉄道を完成させた鉄道王を、現在の孫正義や三木
    谷浩史に重ね合わせながら政官財の癒着構造を考えたり、ジョニー・デップが怪演
    する悪霊ハンターの真の敵は誰かを考えれば、興味は更にあちこちに・・・。
     もっとも、今ドキの若いアベックには、そりゃとてもムリ?それならそれで仕方な
    いが、いずれそんな日本人は本作に見るコマンチ族に・・・?


日13-100 清須会議(2013年)

        <東宝試写室>              2013年8月27日鑑賞
        (日本映画)                 2013年9月2日記
   ・・・織田信長の後継者はダレ?それが織田軍団の武将たち最大の注目点だから、
    清須会議は「会議という名の戦(いくさ)」だ。
     ナポレオン失脚後のヨーロッパ秩序の再建と領土分割を決めるために開かれた
    1931年の「ウィーン会議」は、「会議は踊る、されど進まず」となった。しかし、「本
    能寺の変」から25日後に開かれた清須会議は、わずか4日間で後継者を決定!
     しかして、その会議での戦(いくさ)ぶりは?
     TVドラマ『半沢直樹』に見る銀行員たちの戦(いくさ)ぶりも面白いが、今から40
    0年前の、言論による民主主義的戦(いくさ)も興味深い。こりゃ必見!


洋13-101 マン・オブ・スティール(2013年)

        <TOHOシネマズ梅田>         2013年8月31日鑑賞
        (アメリカ映画)                2013年9月5日記
   ・・・なぜ、異星人の赤ん坊が1人で地球にやってきたの?遠いクリプトン星で起きた
    『十戒』(56年)と同じようなストーリーは、圧倒的な映像美とともに圧巻!『宇宙戦
    艦ヤマト』(77年)とも対比しながら、その世界観を堪能したい。
     しかして、本作のテーマは「自分探しの旅」になるが、敏腕女性記者はそれにど
    う絡んでいくの?他方、クリプトン星爆発の中で生き残ったゾッド将軍たちの目指す
    ものは?惑星VS惑星対決の「代理戦争」とも言える重量級の激突がクライマック
    スで展開されるが、『アイアン・フィスト』(12年)と比べてその評価は・・・?


洋13-102 パッション(2012年)

        <GAGA試写室>             2013年9月4日鑑賞
        (フランス、ドイツ映画)           2013年9月9日記
   ・・・華やかな広告業界で成果を挙げ出世するためには、何でもあり?男同士の権
    力闘争と出世争いの醜さは人気絶頂のTVドラマ『半沢直樹』でも明らかだが、女同
    士のそれはキスや「愛してる」の言葉が絡むからややこしい。しかしやっぱり、女の
    敵は女!
     殺人事件が起きた後半以降は『ワイルドシングス』(98年)のように二転三転す
    る犯人捜しのスリルとサスペンスが興味深いが、クライマックスに向けてはさらに四
    転五転・・・。  
     こりゃ面白い!本作を観ていると1933年生まれの渡辺淳一の最新小説『愛ふ
    たたび』のテーマは「性的不能」だが、1940年生まれのパルマ監督は、女にかけ
   てはまだまだ現役・・・。


洋13-103 ブッダ・マウンテン~希望と祈りの旅(観音山/Buddha Mountain)
                               (2010年)

        <GAGA試写室>             2013年9月6日鑑賞
        (中国映画)                 2013年9月10日記
   ・・・李玉(リー・ユー)監督と范冰冰(ファン・ビンビン)が組んだ前作『ロスト・イン・北
    京』(07年)は范冰冰の激しいセックスシーンが評判だった(?)が、ホントは「カネ
    がすべて」となった現代都市・北京で生きる男たちへの問題提起作。打って変わっ
    てその第2作は、心に悩みを抱える一人の中年女性と3人の若者たちの、ブッダ・   マウンテンへの旅を通じた、奥深くかつ敬虔な物語だ。
     彼らが抱える悩みとは?煩悩とは?その捌け口は一体どこに?四川大地震か
    らの復興と再建を目指す観音山で、彼らはどのように目覚め、成長していくの?小
    さいながら奥深い物語を、老若3人の名優と一人の「太っちょ」が見事に表現!
     しかして、あなたの、煩悩からの解放は・・・?


日13-104 夏の終り(2012年)

        <テアトル梅田>              2013年9月8日鑑賞
        (日本映画)                  2013年9月10日記
   ・・・91歳の今でも元気いっぱいの作家・僧侶である瀬戸内寂聴さんが、半世紀前
    にこんなドロドロした不倫関係にあったとは!よくまあ、ここまで生々しく自分の体
   験を小説に書けるものだと感心しつつ、この不倫ストーリーは今を生きる元気な
   女性こそ必読、必見!
     若くてキレイすぎるため、平行して描かれる現在と過去のストーリーの区別がつ
    きにくいのが難点だが、ヒロインを熱演する満島ひかりの演技に注目!ちなみに、
    本作で目立つのが喫煙シーンの多さだが、日本禁煙学会が『風立ちぬ』(13年)に
    文句をつけるのなら、本作に言うのが本筋では・・・?


洋13-105 トランス(2013年)

        <GAGA試写室>             2013年9月10日鑑賞
        (アメリカ、イギリス映画)          2013年9月13日記
   ・・・本作のテーマは、ズバリ「記憶の中へ!」。このテーマの難点はメチャ難しいこと
    だ。催眠療法で失くしたキーを発見できたのなら、強奪したゴヤの名画のありか
    だって、記憶の中をたどれば思い出せるはず。理論的にはその通りだが、主人公
    の頭の中はゴチャゴチャになっているから、その読み解き方は大変だ。
     しかして、中盤の意外な展開から、ラストの驚愕の結末へ。さすが、ダニー・ボイ
    ル監督の手腕とも言えるが、やっぱりちょっと難解・・・?


洋13-106 フローズン・グラウンド(2013年)

        <GAGA試写室>             2013年9月12日鑑賞
        (アメリカ映画)                2013年9月18日記
   ・・・現実に起きた連続殺人事件は多いし、それをテーマにした名作映画も多いが、
    「アンカレッジ売春婦連続殺人事件」の犯人ロバート・ハンセンの凶悪さには唖然
    !
    さらに、ジキル氏とハイド氏の二面性の極端さにもビックリ!
    他方、一度は犯人の魔の手から救出しておきながら、被害者の言い分をロクに聞
    かない警察のこの捜査は一体ナニ?
    有罪にするには自白だけではなく、客観的な物証で!それはそれでわかるもの
    の、その大変さを本作でじっくりと・・・。


日13-107 許されざる者(2013年)

        <梅田ブルグ7>             2013年9月14日鑑賞
        (日本映画)                2013年9月18日記
   ・・・クリント・イーストウッド監督・主演の名作『許されざる者』(92年)が、李相日
   監督の視点で日本版に!ストーリーの軸はオリジナル版と同じく賞金稼ぎ。また、
   渡辺謙、柄本明、佐藤浩市たちが演じる役のキャラクターも全く同じだが、舞台が
   明治維新直後の蝦夷地(=北海道)だけに、アイヌ抑圧の物語が更にプラス。
    こりゃ必見!「勧善懲悪」モノではない、善悪を併せ持った人間たちの業をじっくり
   堪能したい。


日13-108 共喰い(2013年)

        <大阪ステーションシティシネマ>   2013年9月15日鑑賞
        (日本映画)                2013年9月20日記
   ・・・タイトルだけでも異色だが、授賞式での芥川賞作家・田中慎弥の発言は更に異
    様。中上健次文学のキーワードは「血族」と「路地」だったが、田中文学では?
     女の顔を殴りながらの性行為は最高!そんな男の血を引いていることを自覚し
    たら?また、「川辺」で一生生きていかなければならないとしたら・・・。
     『千年の愉楽』(11年)に若松孝二監督が挑戦したように、青山真治監督がそん
    なテーマに挑戦した本作は、刺激的な論点が満載。こりゃ、しんどいけど、こりゃ
    必見!


洋13-109 サイド・エフェクト(2013年)

        <TOHOシネマズ梅田>          2013年9月16日鑑賞
        (アメリカ映画)                2013年9月20日記
  ・・・降圧剤「ディオバン」問題一つをみても、新薬開発をめぐる医師と製薬会社との
   結託は大問題。本作でジュード・ロウ演じる精神科医が処方した、新しい抗うつ剤の
   「サイド・エフェクト」(副作用)とは?
     夫を殺しても、それが薬の副作用のせいで心神喪失状態であれば無罪。
   それが法律上の大原則だが、もしそこに恐るべき陰謀が仕組まれていたら・・・。
     スティーブン・ソダーバーグ監督最後の劇場映画となった本作の問題提起は鋭く
   かつ深い。こんな映画は医学部の学生のみならず、法学部生も必見!


洋13-110 遥かなる勝利へ(2011年)

        <ビジュアルアーツ専門学校 試写室>   2013年9月20日鑑賞
        (ロシア映画)                   2013年9月24日記
   ・・・『戦火のナージャ』(11年)で観た戦闘シーンの連続と美しいラストシーン
   には大感激だったが、ニキータ・ミハルコフ監督が描く全三部作の完結編となる
   本作の感動とは・・・?共産党内部の権力闘争の激しさは、9月22日に「終身刑」の
   言い渡しを受けた中国の薄熙来裁判の展開を見れば明らかだが、スターリンが
   かつて革命の英雄であったコトフに対して下したハチャメチャな命令とは?
   そして、その任務に就いたコトフが取った、何とも奇妙な突撃命令とは?
     戦闘シーンの激しさでは、「ロシア版プライベートライアン」と呼ばれた
   前作には及ばないが、父娘の情の濃さとあっと驚くラストシーンの余韻は
   前作以上!
   たまには、こんな重厚な作品に全神経を集中させながら、大きな感動を味わって
   みたいものだ。


日13-111 地獄でなぜ悪い(2013年)

         
<梅田ブルク7>              2013年9月29日鑑賞
         (日本映画)                  2013年10月3日記 
   ・・・私の大好きな園子温監督が大監督になったと思ったら、なぜか急に10年前に
   書いていた脚本に回帰。将来、永遠に刻まれる一本を!そのためなら死んでも
   いい、という若き日の情熱が、今ヤクザの抗争の中で実現することに・・・。
    血の海がいい。10歳の少女のテレビCMがいい。映画バカや親バカ丸出しの
   ヤクザもいい。そして、何よりもハチャメチャさがいい。『蒲田行進曲』(82年)を上
   回る(かもしれない)映画づくりへのパッションを、本作で!
    もっとも、こんな映画が好きか嫌いかは、あなたのご自由だが・・・。


日13-112 凶悪(2013年)

         <梅田ブルク7>              2013年10月6日鑑賞 
         (日本映画)                  2013年10月10日記
   ・・・多くの凶悪殺人の死刑囚が、スクープ雑誌の記者に余罪の3件の殺人罪を
   告白!
    その目的は娑婆でのさばっている首謀者の「先生」を追い詰めること。しかし、
   そんな話は信用できるの?綿密な取材から発掘された、身の毛もよだつような
   実話に、あなたはどう立ち向かう?
    園子温監督の『冷たい熱帯魚』(10年)も人間の凶悪さに迫ったが、本作は
   実話にもとづくだけに、そのリアルさはすごい。さすが、若松孝二監督の
   薫陶を受けた白石和彌監督の手腕に拍手!


日13-113 四十九日のレシピ(2013年)

        <GAGA試写室>             2013年10月8日鑑賞 
        (日本映画)                  2013年10月11日記
   ・・・「レシピ」とは料理のつくり方だが、その他にも処方箋という意味がある。急に
   逝ってしまった乙美の「四十九日のレシピ」には「みんなで楽しく呑んで食べて
   大宴会」とだけ書いてあったが、さてそのココロは・・・?
    残された夫と娘はそれを見て、大宴会の目玉を乙美の「人生の年表」と設定した
   が、さて、その年表は誰がどのように埋めていくの?『八日目の蝉』(11年)に
   続いて永作博美の演技力が抜群。また、残された初老の父親を演じる石橋蓮司の
   存在感もいい。
    大したテーマではないが、思わず涙ポロポロになることまちがいなし!


洋13-114 ルノワール 陽だまりの裸婦(2012年)
        <テアトル梅田>              201310月13日鑑賞
        (フランス映画)                2013年10月16日記

        ショートコメントのとおり。


洋13-115 悪の法則(2013年)
        <GAGA試写室>           2013年10月23日鑑賞
        (アメリカ映画)              2013年10月29日記
   ・・・「豪華五大スター」の共演が本作の売りだが、あなたは5人とも知ってる?
   原題になっているカウンセラーが主人公だが、若く有能な弁護士がこんな裏の
   ビジネスに手を染めていいの?楽をして金を稼ぎ、ダイヤモンドをプレゼントして、
   いい女を手に入れる。それも悪くはないが、その代償は?
    邦題となっている「悪の法則」とは一体どんなもの?私はそれを知りたくて鑑賞
   したが、さてあなたは本作からそれをどう読み解く?
    スタイリッシュな映像美とスリリングな展開には満足だが、何かもの足りない
   感じも・・・。


洋13-116 マラヴィータ(2013年)
        <GAGA試写室>             2013年10月23日鑑賞
        (アメリカ、フランス映画)            2013年10月28日記
   ・・・「マラヴィータ」とは、本作の主人公の愛犬の名前だが、イタリア語で「裏社会」
   という意味。そう、ロバート・デ・ニーロ演ずる本作の主人公は、FBIの証人保護
   プログラムの対象となっている元マフィアのボスなのだ。そんな一家が、フランスの
   ノルマンディ地方で織りなす隠遁生活は、いかなる展開を?
    リュック・ベッソンとマーティン・スコセッシが組み、ロバート・デ・ニーロが主演
   した、ちょっと異質な、しかし「家族の絆」を際立たせたストーリーは、メチャ面白い。
   マフィアだって、こんな家族の絆が!本作から、それをしっかりと学びたい。


洋13-117 危険なプロット(2012年)

        <テアトル梅田>           2013年10月24日鑑賞
        (フランス映画)            2013年10月28日日記

   ・・・「書き弁」としては事実に則り、かつ法律に適合していることが大切だが、
   小説家にはそれは全く不要。あれこれと登場人物を想定し、ストーリー構成を
   考えながら文章を綴るのは楽しいものだ。しかして、多感な少年が中産階級の
   級友の家を舞台として綴る、スリルとサスペンスそして官能に満ちた(?)物語とは
   ・・・?
    空想が空想を生み、妄想が妄想を生むのは小説の宿命かもしれないが、ここまで
   他人の生活に介入していいの?フランソワ・オゾン監督作品はユニーク!そして、
   フランス映画は面白い!


日13-118 人類資金(2013年)

        <大阪ステーションシティシネマ> 2013年10月26日鑑賞
        (日本映画)              2013年11月1日記
   ・・・戦後60年を迎えた2005年には『亡国のイージス』(05年)をはじめとする福井
   晴敏の原作が3本も映画化されたが、それはなぜ?そして今、福井晴敏と阪本順治
   監督のコンビが「M資金」に焦点をあてて、『人類資金』なるタイトルの映画を完成さ   せたのは一体なぜ?
    山本薩夫監督の『金環蝕』(75年)のような重厚な社会派エンタメ映画を!それが
   本作の狙いだが、リーマン・ショックを経験した私たちには本作の問題提起とその前
   向き提案の説得力は十分。
    今どきの若者にはかなり難しいだろうが、パンフレットやネットで勉強しながら、本
   作の壮大な世界観と「新しいルール」づくりの模索をしっかり受け止めたい。


洋13-119 「タンゴ・リブレ 君を想う」(2012年)

        <テアトル梅田>               2013年10月26日鑑賞
        (ベルギー・ルクセンブルク・フランス映画)  2013年10月29日記

   ・・・刑務所の看守がタンゴ教室で一緒に踊った、ちょっといい女は、受刑者の妻
   だった。こりゃ、何かの悪い冗談。そう考えて接触を断てば良かったのだが・・・。
    タンゴは魂の踊り、タンゴは自由の舞。それは否定しないが、それは無軌道とは
   違うのでは?思わずそう叫びたくなるような看守とヒロインの動きに、私は大きな
   違和感が・・・。
    なぜ本作が、2012年のベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門で審査員特別
   賞を?誰か、それを私に教えて・・・。


洋13-120  鑑定士と顔のない依頼人(2013年)

       <GAGA試写室>              2013年10月28日鑑賞
       (イタリア映画)                2013年11月1日記

   ・・・邦題は何となく間が抜けている(?)し、おじさん鑑定士が主人公というのも
   あまりパッとしない。しかし、鑑定を依頼したのがお屋敷の「隠し部屋」に閉じこもる
   美女という設定は面白い。
    『ニュー・シネマ・パラダイス』(89年)で心温まる人間模様を描いたシチリア生ま
   れのジュゼッペ・トルナトーレ監督が、本作では美術品の真贋に焦点をあてた面白
   いドラマを描きながら、実は人間の真贋にホントの焦点を・・・。ラスト10分間の、
   あっと驚く展開に注目!
    あなたの映画鑑賞眼が平凡なら、きっと騙されるはずだ。


洋13-121  ファントム 開戦前夜(2012年)

      <テアトル梅田>               2013年10月29日鑑賞
      (アメリカ映画)                 2013年11月1日記

   ・・・久しぶりの「潜水艦モノ」に注目!そこに登場するのは、「東西冷戦時代」の
   ソ連の原子力潜水艦B-67だ。旧型艦ながら、そこに積まれた試作装置“ファント
   ム”とは?また、そこに乗り込んできたKGB特殊部隊の狙いとは?
    本作は、ハリソン・フォードが艦長に扮した『K-19』(02年)との対比が不可欠。
   そして、核弾頭付きミサイルの発射をめぐる緊張感が最大のポイント。テーマは
   最高だが、若干わかりにくいのが玉にキズ。また、いくらハリウッド映画とはいえ、
   艦長がこれほど「親米」ではちょっと現実感が・・・。


洋13ー122 グランド・イリュージョン(2013年)

     <大阪ステーションシネマ>            2013年11月4日鑑賞
     (アメリカ映画)                    2013年11月7日記
   ・・・マジックをテーマにした映画は『幻影師 アイゼンハイム』(06年)が面白かった
   。しかし、それは所詮19世紀のイリュージョンだから、本作で“フォー・ホースメン”
   が魅せる最新・最高のイリュージョンとはケタ違い!
    ラスベガスの会場に320万ユーロの札束の吹雪を降らせたり、大富豪の口座
   から1億4000万ドルの預金を移し替えたりするイリュージョンの仕掛けは?また
   その可否は?それって、犯罪では?
    グランド・イリュージョンでは、金庫に眠る5億ドルの札束がニューヨークの会場
   に舞い散るからお楽しみに。しかして、彼らは一体何のためにこんなイリュージョン
   を?ド派手な外面とは裏腹のその点を、じっくりと考えてみたいものだ。


洋13-123  ある愛へと続く旅(2012年)

     <大阪ステーションシネマ>            2013年11月4日鑑賞
     (イタリア・スペイン映画)              2013年11月7日記
   ・・・不妊治療で悩む夫婦の最終到達点は「代理母」だが、それにもいろいろな
   パターンが?スペインの名花ペネロペ・クルスがあえて“老け役”に挑んだ本作の
   舞台は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で有名になった旧ユーゴスラビアの首都
   サラエボ。
    代理母をめぐって2つの時間軸をクロスさせながら描かれる物語は少し難解だが
   、ラスト20分には驚愕の展開が!もっとも、それが邦題どおりの生き方につながる
   のかどうかは、あなたの見方次第だが・・・。


洋13-124 ふたりのアトリエ~ある彫刻家とモデル

      <ビジュアルアーツ専門学校試写室>     2013年11月7日鑑賞
      (スペイン映画)                   2013年11月9日記

        ショートコメントのとおり。

 


日13-125  かぐや姫の物語(2013年)

     <TOHOシネマズ梅田・試写会>         2013年11月8日鑑賞
     (日本映画)                      2013年11月11日記

   ・・・「かぐや姫」の物語は日本人なら誰でも知っている。しかし、なぜかぐや姫は
   月に帰ってしまったの?と聞かれると・・・?また、5人の公達からの求婚をどうやっ
   て断ったのかも誰でも知っているが、そこに「捨丸にいちゃん」の存在があったこと
   を知っている人は・・・?
    「半世紀を経て」高畑勲監督が実現させた本作は、「姫の犯した罪と罰」がテーマ
   。美しい作画とは裏腹の、そのクソ難解なテーマに挑みつつ、二階堂和美が歌う、
   心に沁みとおる主題歌もじっくりと!


洋13-126  セイフヘイヴン(2013年)

     <テアトル梅田>                   2013年11月9日鑑賞
     (アメリカ映画)                     2013年11月12日記

   ・・・恋愛小説の旗手ニコラス・スパークス作品、8本目の映画化はミステリーに
   挑戦!?冒頭のスリリングな緊張感と、その直後に訪れるオーソドックスなラブ
   ストーリーとの落差が面白い。自分の恋人が一級殺人罪で指名手配されているのを
   知った時のショックは、あなたなら・・・?
    ヒロインのキュートな魅力がベースだが、もう一人の隣人の女性にも注目!ちょ
  っとおせっかいだが、いいお友達と思っていると・・・?ああ、やられた!その心地 
  よさをタップリと!


洋13-127  47RONIN(2013年)

     <TOHOシネマズ梅田 試写会>         2013年11月12日鑑賞
     (アメリカ映画)                     2013年11月19日記

   ・・・タイトルからわかるとおり、日本人にお馴染の『忠臣蔵』をモチーフに、ハリウッ
   ドが「未体験の忠臣蔵」に挑戦!日本を表現するキーワードは、かつては桜、
   富士山、芸者だった(?)が、本作ではサムライ、ローニン、忠義、切腹だ。
   しかして、あなたは侍トム・クルーズ派?それとも、浪人キアヌ・リーヴス派?
    妖術あり、天狗ありのエンタメ作品だが、ハリウッドスター真田広之扮する大石
   内蔵助とカイとの共闘による主君の仇討ちは日本文化そのもの。今年の12月は、
   日本人によるこんな「英語劇」を楽しむのも一興では・・・


洋13-128 フォンターナ広場 イタリアの陰謀(2012年)
     
<GAGA試写室>                   2013年11月18日鑑賞
     
(イタリア・フランス合作映画)             2013年11月21日記
   ・・・学生運動が高揚し、ベトナム反戦運動が盛り上がった1960年代後半、日本
   では1969年1月の東大安田講堂事件に世間の注目が集まった。そんな時代に
   イタリアでは12月12日にフォンターナ広場に面した全国農業銀行の爆破事件が!
    その事件の犯人はアナキスト。当初の見込みはそうだったが、極右組織、ネオ
   ファシストや軍警察、情報局さらにはNATO軍やCIAまでの関与が疑われる中、
   いかなる捜査を・・・。
    現実に起きた警視と容疑者2人の視点を中核に描く本作は興味深いが、チョー
   難解!本作の鑑賞にはバックグラウンドの勉強が不可欠だが、それも映画鑑賞の
   醍醐味では…?こんな映画必見!



洋13-129  ゲノムハザード ある天才科学者の5日間(2013年)

        <GAGA試写室>             2013年11月20日鑑賞
        
(日本・韓国合作映画)           2013年11月25日記
   ・・・「記憶の中へ」タイプの映画はわかりにくいのが欠点(?)だが、本作は「記憶の
   上書き」がテーマ。A男の記憶の上にB男の記憶が上書きされたら、さてその男
   の頭の中は?そして、A男の妻とB男の妻は・・・?
    本作冒頭に起きた妻の殺人事件は現実?それとも夢?さらに、そもそも殺され
   た女は誰の妻?そんなややこしい物語が日本と韓国を又にかけて展開していくか
   ら、頭は混乱するばかり。
    アルツハイマーの特効薬が待ち望まれている昨今だが、解禁された薬のネット
   販売でそんな新薬を自由に買える日はいつ来るの?そんなことを考えながら、難解
   な本作を鑑賞するのも一興かも・・・。


洋13-130  RUSH/プライドと友情(2013年)

     
<TOHOシネマズ梅田・試写会>           2013年11月21日鑑賞
     (アメリカ、ドイツ、イギリス合作映画)           2013年11月25日記

   ・・・『ベン・ハー』(59年)の4頭の馬に曳かれた二輪戦車競争の見事さは今なお
   語り草だが、1976年のF1グランプリの死闘も語り草。スクリーン上に響き渡る
   エンジン音と、時速270kmのスピード感は圧巻!
    ベン・ハーとメッサラ、項羽と劉邦、宮本武蔵と佐々木小次郎等々のライバル物語
   は面白いが、F1きってのプレイボーイ、ジェームス・ハントと、冷静沈着で「走る
   コンピューター」と言われたニキ・ラウダとのライバル物語も興味津々だ。
    人生を楽しもうとしたハントは引退後45歳で死亡したが、ラウダをして「私が嫉妬
   した唯一の男」と言わしめた男の魅力が本作で全開!さあ、今年のアカデミー賞
   レースに向けての本作の疾走は・・・?


洋13-131 オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(2013年)

        
<GAGA試写室>              2013年11月22日鑑賞
        (アメリカ、イギリス、ドイツ映画)      2013年11月25日記

        ショートコメントのとおり。

 


洋13-132  大脱出(2014年)

    
 <GAGA試写室>                 2013年11月25日鑑賞
     (アメリカ映画)                   2013年11月29日記

   ・・・「人質交渉人」なる職業のあるアメリカには、脱獄不可能と思われる刑務所から
   の脱獄を専門にする職業もあるらしい。もっとも、それにはバックの応援が不可欠
   だから、もしそれがなくなれば、そのプロも一生監獄に・・・?
    CIAが絡んだり、イスラム教徒が絡んだりと刑務所内は大賑わい(?)だが、巨大
   タンカーの中に設置された刑務所という設定が面白い。肉弾相撃つ大活劇と知能
   ゲームの両方を本作で堪能したい。さらに、あっと驚く結末もお楽しみに・・・。


洋13-133  グォさんの仮装大賞(飛越老人院/FULL CIRCLE)(2012年)
                              

     <宣伝用DVD鑑賞>                2013年11月26日鑑賞

    
 (中国映画)                      2013年11月29日記
   ・・・『胡同のひまわり』(05年)で父子の確執を描いた張楊監督が、老人ホームで
   くすぶる(?)老人たちを主人公に、温かい笑いとユーモアそして感動と涙の物語
   を。
    そのテーマは邦題どおりの「仮装大会」、その手法は「飛越老人院」という原題の
   とおりの老人ホームからの飛び出しだ。
    老人問題は、私たち団塊世代にとってもすぐ間近。老人ホームへの入所だけで
   その孤独から逃れることは不可能だが、こんな映画を観てパワーを吹き込みたい。
   敬老の日の上映会を企画するとともに、是非日本版のリメイクを!


洋13-134  ルートヴィヒ(2012年)

     
<ブロードメディアスタジオ>          2013年11月28日鑑賞
     (ドイツ映画)                   2013年11月29日記


   ショートコメントのとおり。
  


洋13-135  キャプテン・フィリップス(2013年)


    
 <TOHOシネマズ梅田試写会>           2013年11月30日鑑賞
     (アメリカ映画)                      2013年12月5日記

   ・・・本作は2009年4月にソマリア沖で現実に起きた、海賊によるコンテナ船乗っ取
   り事件を題材とした、ポール・グリーングラス監督による「ドキュメンタリー・ドラマ」
   だが、さてそのリアルさは?緊迫感は?
    一人の人質を救うために、護衛艦や空母の他、NAVY SEALsまで総動員する
   アメリカという国が驚きなら、厳しい状況下、ギリギリの決断を次々と下していく
   フィリップス船長の人間力にもビックリ!
    もっとも、私の目には海賊たちの行動がイマイチ不可解なうえ、船長の決断にも
   かなりヤバイ面があるのでは・・・?本作の反面教師として、ひょっとして、日本的
   な「カネで解決しよう」というのも悪くはないのかも・・・?


日13-136  ニシノユキヒコの恋と冒険(2013年)  

     
<TOHOシネマズ試写室>          2013年12月5日鑑賞
     (日本映画)                   2013年12月6日記


   ショートコメントのとおり。
  


洋13-137  パリ、ただよう花(Love and Bruises)(2008年)

     <ビジュアルアーツ専門学校試写室>        2013年12月10日鑑賞
     (フランス・中国映画)                   2013年12月13日記

   ・・・5年間の映画製作・上映禁止処分中にロウ・イエ監督が『スプリング・フィーバー
   』(09年)に続いて製作した本作は、北京とパリの二都を舞台とし「愛、セックス、
   孤独、暴力、人種、文化・・・“はざま”」に揺れ動くヒロイン、ホア(花)に注目!
   ホアはなぜマチューのような粗暴な男とのセックスに溺れるの?また、北京に戻
   り結婚まで決まったのに、なぜ再びパリに飛ぶの?
    ロウ・イエ版『ラスト・タンゴ・イン・パリ』の揺れ続ける手持ちカメラは、『スプリング
   ・フィーバー』(09年)と同様、浮遊し不安定な女ゴコロを見事に浮き彫りに!残る
   のは「気だるさ」だけかもしれないが、それだって本当の人生なら・・・。


洋13-138  地中海式 人生のレシピ(2009年)

     
<ビジュアルアーツ専門学校試写室>      2013年12月10日鑑賞
     (スペイン映画)                   2013年12月16日記


   ・・・料理が大好きなら、女性だって一流シェフに!今やそういう時代だから、2人の
   男友達の強力な応援があるソフィアなら、それに向けて一直線!!もっとも、シェフ
   修行と結婚さらに3人の子育ての両立は難しいが、そこに「妻妾同衾」の逆をゆく、
   トニとフランクの応援があれば・・・。
    同性愛のカミングアウトは最近大流行だが、本作ラストにみる「女1人男2人」の
   カミングアウトは?ちょっとマンガ的だが、底抜けに明るい地中海なら、こんな世界
   もひょっとして現実に・・・。
  


洋13-139  大統領の執事の涙(2013年)

      <GAGA試写室>               2013年12月11日鑑賞
      (アメリカ映画)               2013年12月16日


   ・・・1950年代から80年代のアメリカの現代史を、7人の大統領に仕えた黒人
   執事の目から見れば、『フォレスト・ガンプ』(94年)とは全然違う世界が・・・。
    父親が白人に仕えるなら、俺は公民権運動だ!マルコムXだ!そんな長男との
   対立は必然だが、「父子の絆」の回復は一体いつ?「YES WE CAN!」の熱
   狂の中で黒人初のオバマ大統領が誕生したのは奇跡に近いが、「世界で唯一の
   大国」の地位は今、風前の灯火に・・・。
    日本の戦後史を、歴代総理の執事の目から見ればどうなるの?それを考えな
   がら、1950年代から80年代の日本の現代史を描いた映画を待望したい。


洋13-140  メイジーの瞳(2013年)

      <GAGA試写室>               2013年12月19日鑑賞
      (アメリカ映画)               2013年12月25日記

   ・・・夫婦の離婚に伴う、親権と養育費の処理。弁護士にとって、それは日常的な
   事件だが、そこにはさまざまなテーマが・・・。『キッズ・オールライト』(10年)も
   『アイ・アム・サム』(01年)もよかったが、6歳の女の子の目から、両親の動きと
   その再婚相手の動きを追っていくと・・・。
    「血のつながり」は大切だが、ひょっとして人間にはそれ以上に大切なものが・・・。
   また、本作に氾濫する「愛してる」という言葉は万能ではないということを、しっかり
   確認したい。


洋13-141  ほとりの朔子(2013年)

      <シネ・ヌーヴォX・試写会>           2013年12月26日鑑賞
      (日本、アメリカ映画)              2013年12月29日

   ・・・私の大好きな女優兼プロデューサーである杉野希妃が、私が絶賛した『歓待』
   (10年)の深田晃司監督と再び組み、私の大好きな女優・二階堂ふみと鶴田真由
   を起用して、すばらしいオリジナル作品を!
    そもそもタイトルからして意味シンだが、2週間の夏休みを海のほとりのまちで
   叔母と2人で過ごす18歳の女の子は、どんな「ひと夏の経験」を?
    『地獄でなぜ悪い』(13年)『四十九日のレシピ』(13年)におけるエキセントリック
   な演技も面白かったが、本作で二階堂ふみがみせる等身大の瑞々しい演技に注目
   !こんな良質な邦画こそ、もっと拡大して上映してほしいものだが・・・。


日13-142  もらとりあむタマ子(2013年)

        <テアトル梅田>            2013年12月30日鑑賞
         (日本映画)              2014年1月7日記


   ・・・2013年大晦日の紅白歌合戦で引退宣言をした大島優子に先立って、AKB
   48を卒業した「センター」の前田敦子の女優としての能力に注目!
    「不機嫌は若い女の子だけに許された、専売特許的な魅力」らしいが、実家で
   食べて、寝て、マンガを読んでいるだけのバカ女の、どこに、どんな魅力が・・・?
    春から始まるビバルディの『四季』は完結した美しい世界を描いているが、大学
   卒業後の秋から始まる『もらとりあむタマ子』の四季は、いかなる形で完結を・・・?


洋13-143  おじいちゃんの里帰り(2011年)

        <テアトル梅田>             2013年12月30日鑑賞
         (ドイツ映画)               2014年1月7日記

   ・・・年末年始の「里帰り」とUターンラッシュは日本の風物詩だが、トルコからドイツ
   に出稼ぎ労働でやって来た後、定住してしまったイルマズ家はなぜ一家で「里帰り」
   を?三代にわたる一家ともなれば移動はマイクロバスだが、その距離は一体
   何百キロ?
    観光立国宣言をした日本への観光客は2013年にはやっと1000万人を突破
   したが、戦後ドイツの移民政策に対して島国ニッポンの移民政策は?少子高齢化と
   核家族化が急速に進む日本は、本作を参考にしながら「あるべき移民政策」を議論
   すべきでは?
    もっとも、そんな難しいことは何も考えず、国際的ホームドラマとして本作を楽しむ
   だけでも、安モノのTVドラマとは一味違う教養とセンスが身につくはずだ。


洋13-144  ゼロ・グラビティ(2013年)

        <梅田ブルク7>             2013年12月31日鑑賞
         (アメリカ映画)              2014年1月10日記

   ・・・ゼロ・グラビティ(無重力)の宇宙空間に、シャトルから一人放り出されたら?
   それは、サーカスにおける空中ブランコの命綱が切れたようなもの・・・?
    登場人物は宇宙服で完全装備された2人だけ。そして、空間はゼロ・グラビティ。
   そんな映画が成立するのは、美術・視覚効果における映画テクノロジーの素晴ら
   しさのおかげだが、何の何の、人間的感情の描き方もすばらしい。
    何もかも未体験ゾーンの「実況中継」をタップリと楽しもう!