弁護士 坂和章平による
   「独断」と「偏見」にもとづく

                映 画 評 論
                  
                         更新日 2012(平成24)年3月8日

 〔目 次〕
               注) タイトルの後ろの(年)の表示は映画の製作です。
                  本文はネタバレを含みます。

日10-1 釣りバカ日誌 ファイナル(2009年)     

       <梅田ピカデリー>             2010年1月1日鑑賞
        (日本映画)                 2010年1月5日記
   ・・・寅さん亡き今、やっぱりお正月は『釣りバカ』を!『ファイナル』にふさわしい
   北海道への釣り旅行は豪華だし、遺言騒動や隠し子騒動(?)もうまい
   隠し味に。
      他方、日本経済全体からみれば、一代で急成長を遂げた鈴木建設の
   行方が大問題だが、ゼネコン不況の今鈴木会長はいかなる舵取りを?
      平成とともに歩んだ22年間は残念ながら「失われた20年」だが、それを
   支えたのが『釣りバカ日誌』。さて今後の10年、20年を支えてくれる新シリーズ
   の登場は?


洋10-2 肉体の悪魔(1947年)     

       <テアトル梅田>             2010年1月2日鑑賞
        (フランス映画)                 2010年1月5日記
   ・・・文学青年なら誰でも知っているレイモン・ラディゲのあの名作が、
   1947年に完成。さすがフランスだが、いくら美青年のジェラール・フィリップ
   とはいえ17歳の高校生役にはちと違和感が。
      テーマは年上の人妻との禁断の恋だが、妊娠発覚後のフランソワの
   行動が見モノ。日本人には馴染みの薄い第一次世界大戦の時代状況を
   勉強しながら、感性豊かな危険な香りをタップリと!
      もっとも、30歳をこえて婚カツに苦労している今ドキの恋愛状況では、
   14歳のラディゲのような、また17歳のフランソワのような、ヤバい恋の展開は
   とてもムリ?


日10-3 ゲキ×シネ「いのうえ歌舞伎★壊PUNK
            蜉蝣峠(かげろうとうげ)」(2009年)
  

       <試写会・梅田ブルク7>         2010年1月8日鑑賞
        (日本映画)                 2010年1月9日記
   ・・・ゲキ×シネ鑑賞は、元気の素!今や私はそんな「体質」になっているが、
   今回もオリジナル性とケレン味豊かなスト-リーの魅力をタップリと。
      記憶喪失と自己再生をテーマとし、「蜉蝣峠で待っている」をキーワードと
   したアウトローたちの抗争と生きザマを、しっかり胸に刻みたい。もっとも、品の
   悪さ(?)はここらを限界にした方がいいのでは?


洋10-4 天使の眼、野獣の街(2007年)  

       <ユウラク座>             2010年1月10日鑑賞
        (香港映画)                 2010年1月12日記
   ・・・ターゲットの追跡には、防犯カメラとハイテク装備の監視班の活躍が
   不可欠。狭い香港の雑踏を舞台とした、追う者と追われる者の知能戦は
   緊張感いっぱい!
      他方、ベテラン対決に、キリリとした目の新人女優が絡むのが本作のミソ。
   1月11日の成人式ではバカ成人の暴走が目立ったが、この新人美人刑事の.
   成長ぶりは?
      「杜琪峰(ジョニー・トー)組」から監督デビューした、游乃海(ヤウ・ナイ
   ホイ)監督のスタイリッシュな演出にも注目!


洋10-5 LOFT ロフト(2008年)     

       <ホクテンザ2>             2010年1月11日鑑賞
       (ベルギー映画)              2010年1月12日記
   ・・・『キサラギ』(07年)が5人の男による怒濤の推理の面白さなら、
   「情事部屋」の美しい女の死体を前に集まった5人の男たちの怒濤の
   推理の緊迫感は?
     不倫願望は万国共通(?)だが、5人の妻たちの監視の目は?
   2人のキーウーマンがストーリー形成に大きな役割を果たすが、「共有」
   についての男たちの理解の違いとキャラの違いが、次第に問題を大きく
   していくことに。
     もちろん、あっと驚く展開は、あなた自身の目でしっかりと。


洋10-6 アバター(2009年)      

       <TOHOシネマズ梅田>     2010年1月11日鑑賞
       (アメリカ映画)             2010年1月25日記
   ・・・ひょっとして、全世界興行収入の最高記録をもつ、あの『タイタニック』
   (97年)を抜くかも?そんな期待のかかる3D大作をやっと鑑賞。3Dは魅力も
   倍だが、疲れも倍?私にはそんな実感が。
      ①壮大な世界観、②ストーリーのオリジナル性、③造形と色彩の美しさが
   本作の特徴だが、底流を流れる思想は人間の強欲さ?
      ハッピーエンドが絶対条件だから大きな展開は読めるが、やっぱり私には
   アバターとナヴィよりジャックとローズの方が・・・。


洋10-7 誰がため(2008年)      

       <テアトル梅田>             2010年1月11日鑑賞
       (デンマーク、チェコ、ドイツ映画)     2010年1月12日記
   ・・・舞台はナチスドイツ占領下のデンマーク。その地下組織に、幕末に
   暗躍した人斬り以蔵こと岡田以蔵のように純粋な若者がいたことにビックリ!
     フラメンが相棒のシトロンと共に命をかけて暗殺稼業に専念したのは、
   一体ナゼ?それを、私たち日本人もしっかり学ばなければ。
     美しき女スパイが絡むのもドラマではなく実話だが、「男は理想派、
   女は現実派」という仕分けには、少し異論も・・・。


日10-8 笑う警官(2009年)      

       <ホクテンザ1>       2010年1月17日鑑賞
       (日本映画)           2010年1月21日記
   ・・・大阪市職員による裏金づくりは有名(?)だが、それは北海道警も同じ?
   民主党小沢一郎幹事長の4億円疑惑は、目下検察や国会でいかなる究明が
   なされるかが焦点だが、北海道警のそれは「百条委」が焦点!
      “ミス道警”の殺人事件は、東大出と私大出のキャリアの確執が発端?
   誰が味方で誰が敵かわからなくなる問題提起作は人間不信に陥りそうだが、
   そこでタイトルの意味をしっかりと!もっとも、脚本は少しつくりすぎの感が・・・。


日10-9 人間失格(2009年)      

       <角川映画試写室>        2010年1月18日鑑賞
       (日本映画)               2010年1月21日記
   ・・・酒と女と放蕩の日々。それが津軽の資産家のお坊っちゃまの生きザマ
   だが、それは生来のもの?それとも・・・?
     なぜ、葉蔵はこんなに女にもてるの?なぜ、堀木は葉蔵を嫌ったの?
   そんな男の嫉妬心を踏まえながら、『人間失格』のサマをしっかりと!
   そしてくれぐれも、こんな生きザマをカッコいいと思わないように・・・。


洋10-10 悲しみよりもっと悲しい物語(2009年)      

       <角川映画試写室>       2010年1月19日鑑賞
       (韓国映画)              2010年1月23日記
   ・・・あの元気なクォン・サンウが末期ガン?そんな設定の違和感プラス
   ヒネったストーリー構成には賛否両論が?
      詩人監督らしい珠玉のセリフは参考になるが、男も女もここまで無理を
   せず、自分の気持に忠実に生きた方がベターでは?邦題の意味をしっかり
   噛みしめ、悲しみの限界を極めれば、涙、涙また涙・・・?


洋10-11 霜花店(サンファジョム) 運命、その愛(2008年) 

       <角川映画試写室>       2010年1月19日鑑賞
       (韓国映画)              2010年1月21日記
   ・・・『王の男』(05年)に継ぐ、韓国の時代劇歴代2位の興行成績はR-18
   指定のおかげ?『ラスト、コーション(色、戒/LUST,CAUTION)』(07年)
   とよく似た生ツバものの性愛シ-ンに注目だが、筋骨たくましい男同士の
   ベッドシ-ンは?
     俺の代わりに王妃を抱け!国王からのそんな命令に端を発した
   男女3人の愛憎劇は、「去勢」シ-ンを含めてトコトン韓国流!日本風の
   あっさり味ばかりではなく、たまにはこんな濃い「フルコ-ス」を味わって
   みては?


洋10-12 ラブリーボーン(2009年) 

       <試写会・御堂会館>       2010年1月21日鑑賞
       (アメリカ映画)              2010年1月23日記
   ・・・本作の映像美の見せどころはヒロインが住む「中間の地」だが、
   「三途の川」になじんだ日本人には「中間の地」はちとわかりづらい?
      14歳で無念の死を遂げた少女は、「中間の地」からいかなる方法で
   現世に生きる家族と連絡を?また、父親や妹による犯人捜しにいかなる
   協力を?
      連続殺人鬼への憎しみは当然だが、『SAW』色を排して家族の再生に
   焦点をあてた本作にはアカデミー賞の呼び声も・・・。
      しかし、こんなファンタジー色の強い映画は、好き嫌いがハッキリ
   別れるかも?


日10-13 スイートリトルライズ(2009年) 

       <GAGA試写室>       2010年1月25日鑑賞
       (日本映画)              2010年1月26日記
   ・・・大森南朋と中谷美紀がダブル不倫!こりゃ見逃せない!そう期待したが、
   結果はサッパリ。あの腑抜けのようなベッドシーンは一体ナニ?また、まず
   妻が、続いて夫が不倫に陥っていく必然性は一体どこに?私にはそれが
   サッパリ。そのうえ、いかにも甘ったるい結末も、私は大いに不満。
      江國ワールドは透明性が持ち味かもしれないが、しょせん不倫は
   ドロドロ劇なのでは?


洋10-14 ハート・ロッカー(2008年)     

       <角川映画試写室>       2010年1月26日鑑賞
       (アメリカ映画)              2010年1月27日記
   ・・・爆弾処理班とは?あなたは、その任務と戦死の確率を知ってる?なぜ
   優秀なアメリカの若者たちはそんな任務に?普天間基地の移転問題で
   迷走する、平和ボケした日本人は本作からそれをしっかり学びたい。
      日々生死の境目で生きる3人の主人公の人間観と世界観を、女性監督の
   キャスリン・ビグローが見事に描写。その緊迫感はすばらしい。
      こりゃひょっとして、『アバター』(09年)を大ヒットさせているジェームズ・
   キャメロン監督とともに、アカデミー賞を分け合い?


洋10-15 シェルター(2009年)     

       <角川映画試写室>       2010年1月28日鑑賞
       (アメリカ映画)              2010年1月29日記
   ・・・二重人格から多重人格へ、そして解離性同一性障害へ。精神医学の
   進歩は著しいが、さてその実態は?ジュリアン・ムーア扮する精神分析医が
   直面する四重人格の男は一体ダレ?
      キーマン、キーウーマンとなる牧師と祈祷師、そして信仰と十字架という
   キーワードに注意しながら難解な物語を読み解きたい。
      『パラノーマル・アクティビティ』(09年)が好きな人はハマるかもしれない
   が、恐がり屋は避けた方が・・・?


洋10-16 カラヴァッジョ 天才画家の光と影(2007年)  

       <角川映画試写室>                2010年1月29日鑑賞
       (イタリア、フランス、スペイン、ドイツ合作映画) 2010年2月1日記
   ・・・レンブラント、ベラスケス、フェルメールなどと並ぶ、バロック絵画の巨匠を
   はじめて認識!その特徴は第1に写実性、第2に光と影のあざやかさだが、
   なぜ今までこんな巨匠を知らなかったの?それは、彼が一方で無頼の徒
   だったから?
      西暦1600年前後のわずか38年の人生は、スペイン派とフランス派が
   対立する教会の上に成り立ったものだが、問題は彼のDNA。
    もっとも、そんな激しいDNAのおかげで擁護派と敵対勢力の対立は鮮明に
   なったし、彼を取り巻く女性たちも数多い。そうなると、悲惨な最期ながら、好き
   放題に生きた後悔のない人生だったのかも・・・。


日10-17 おとうと(2009年)     

       <梅田ピカデリー>       2010年1月30日鑑賞
       (日本映画)              2010年2月1日記
   ・・・よくできた利口な姉と、でき損ないのどうしようもない弟。吉永小百合と
   笑福亭鶴瓶が見事にそんな凸凹ぶりを見せてくれるが、その中で山田洋次
   監督が描くのは、家族の絆。
      「神聖にし侵すべからざる存在」色があまりにも強い吉永小百合以上に
   存在感を見せつけるのが、「主演男優賞ノミネートもあり!」と感じさせる
   笑福亭鶴瓶の演技。
      家族はもとより地域コミュニティ、民間ホスピスと、見せられるのは
   理想像ばかりだが、めっきりイヤなご時世になっている今、たまにはこんな
   映画で心を洗ってみては。


洋10-18 渇き(2009年)     

       <東映試写室>         2010年2月2日鑑賞
       (韓国映画)              2010年2月3日記
   ・・・バンパイア映画に食傷気味の私だが、「神父と人妻との禁断の恋」を
   テーマにしたパク・チャヌク監督のバンパイア映画は必見!
     バンパイア映画の定型シーンには少しうんざりだが、収穫は『ラスト、
   コーション(色、戒/LUST,CAUTION)』(07年)、『霜花店(サンファジョム)
   運命、その愛』(08年)と並ぶ「三大性愛シーン」に挑んだ、新星キム・オクビン
   の裸身。そしてまた、地味な前半から後半は一転艶かしくなる彼女の変身ぶり。
     したがって、作品としては星3つだが、彼女の熱演を高く評価して星4つに。


洋10-19 アイガー北壁(2008年)     

       <東映試写室>              2010年2月3日鑑賞
       (ドイツ、オーストリア、スイス映画)    2010年2月4日記
   ・・・『八甲田山』(77年)が実話にもとづいた映画なら、『アイガー北壁』も
   それは同じ。また、「天は我々を見放した」と絶叫したくなる悲しい結末も同じ。
   そもそも、人間が厳しい自然に挑むこと自体が問題なの?思わずそんな
   感慨も・・・。
     日本陸軍の威信を賭けた「雪中行軍」と同じく、1936年の北壁への
   挑戦はナチスの威信を賭けたものだが、人間ドラマが動くのはきっと
   それとは別次元。
     これぞ新聞記者魂!という人物との対比を含め、悲しい結末から浮か
   びあがる人間ドラマを堪能したい。


洋10-20 フィリップ、君を愛してる!(2009年)     

       <アスミック・エース社内DVD試写>   2010年2月5日鑑賞
       (フランス映画)                 2010年2月8日記
   ・・・『クヒオ大佐』(09年)のウソは女は騙せても男にはバレバレだったが、
   本作の主人公スティーヴンのウソは?
     彼の詐欺の腕前は『クヒオ大佐』以上、そして脱獄の腕前は『板尾創路の
   脱獄王』(09年)以上?しかし、愛する人から「ウソで固めた関係はもう
   ウンザリ!」と三下り半をつきつけられては、元も子もない?そこでIQ169の
   天才詐欺師がとった一世一代の大ウソとは?
     『霜花店(サンファジョム) 運命、その愛』(08年)の同性愛は生々しく
   重かったが、こんなヤンキー流の陽気で楽しい同性愛なら大歓迎?



洋10-21 抱擁のかけら(2009年)     

       <梅田ピカデリー>            2010年2月7日鑑賞
       (スペイン映画)                2010年2月8日記
   ・・・『ボルベール<帰郷>』(06年)では、あえて美貌に蓋をして、たくましい
   女性像を存在感タップリに演じたペネロペ・クルスが、本作ではヘップバーン?
   それともソフィア・ローレン?と思うような「スペインの名華」としての
   美しさを存分に。そしてまた、大富豪の愛人役と、映画監督と恋に落ちる
   女優役を体当たりで熱演!
     意味シンなタイトルに暗示される、14年前の愛憎劇とは?そして、あれは
   事故?それとも・・・?そんなミステリー色も交えながら、あくまで人生を
   前向きに描くペドロ・アルモドバル監督の構成力とストーリー展開に拍手!


洋10-22 マイレージ、マイライフ(2009年)     

       <東宝試写室>              2010年2月9日鑑賞
       (アメリカ映画)                2010年2月12日記
   ・・・日本航空が破綻した今、マイレージが保護されたのは朗報だが、
   1000万マイルという途方もない数字の達成者は何人?
      タイトルはラブコメ風だが、リストラ宣告人という主人公の職業が
   異色なら、ネットで解雇通告というアイデアを出した新入社員も異色。さらに
   女だてらに「お気楽な大人の関係」を売りにする美女まで登場!
      アカデミー賞は『アバター』(09年
)で決まり!本作を観れば、そんな
   思い込みがナンセンスなことがよくわかる。
      ちなみに私の見どころは、西川美和監督の『ゆれる』(06年)並みの
   主人公の気持ちの「揺れ」だが、さてその帰結は?


洋10-23 NINE(2009年)     

       <角川映画試写室>           2010年2月10日鑑賞
       (アメリカ映画)                2010年2月20日記
   ・・・不振に陥ったチョー有名映画監督と彼をめぐる多くの美女たちとの
   相関図が、華々しい歌と踊りの中で大展開!
     それはそれで楽しいのだが、彼はなぜ不振に?そして、美女たちと
   愛を交わすことによって、なぜ再生が可能に?
     そこらあたりが私にはイマイチだから、作品もイマイチ・・・?


洋10-24 Dr.パルナサスの鏡(2009年)     

       <TOHOシネマズ梅田>        2010年2月11日鑑賞
       (イギリス、カナダ映画)           2010年2月16日記
   ・・・撮影途中でのヒース・レジャーの死亡にもかかわらず、テリー・ギリアム
   監督はジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウというビッグネームを
   代役として見事に名作を完成!そう褒めてあげたいところだが、私の目には
   本作はイマイチ。
      だって、あの幻想の世界、夢の世界に私はどうしても違和感が・・・。
   パルナサス博士と悪魔のMr.ニックとの約束をめぐるメインストーリーも
   キレが悪く、その履行争いをめぐる展開もピンとこない。
      したがって、純真無垢なお子様にはいいかもしれないが、世間ズレした
   大人には本作はちょっと・・・?


洋10-25 ずっとあなたを愛してる(2008年)    

       <テアトル梅田>            2010年2月11日鑑賞
       (フランス、ドイツ映画)          2010年2月12日記
   ・・・『イングリッシュ・ペイシェント』(96年)の美人女優が、冒頭にみせる
   「ひどい顔」はインパクトが大!
     15年間も会っていない妹と手さぐりで距離感を埋める作業が続く中、
   ムショ帰りの女が「私はここにいる」と言える日はいつ来るの?
     淡々とした会話劇の中で描かれる人間観察力はさすが著名小説家の
   監督デビュー作だが、なぜ彼は小説ではなく映像で本作を発表?
     クライマックスで明かされる「子殺しの真相」を含め、切なさで胸がいっぱい
   になるが、たまにはハリウッド映画にない魅力をこんな作品で!


日10-26 ゴールデンスランバー(2009年)    

       <TOHOシネマズ梅田>        2010年2月13日鑑賞
       (日本映画)                  2010年2月17日記
   ・・・野党初の首相が凱旋パレードで暗殺!ケネディ大統領暗殺犯と言われ
   ているオズワルドにされるのは一体ダレ?そんな大胆な問題提起は
   社会性十分だが、映画のつくり方はテレビドラマの延長?なぜ、こんなに
   登場人物が多いの?そしてマンガ的キャラが突出しているの?
      「小泉劇場」ならぬ「逃走劇場」を、仲間たちの人物像を描きながら
   ワイドショー的に追っただけでは、あまり意味がないのでは?


洋10-27 インビクタス/負けざる者たち(2009年)    

       <TOHOシネマズ梅田>        2010年2月14日鑑賞
       (アメリカ映画)                 2010年2月17日記
   ・・・弱小だったラグビーチームを、ワールドカップで優勝させたい!長い
   監獄生活から大統領に「転身」した南アフリカのマンデラ大統領が、そんな
   熱い思いを全国民に掲げたのは一体なぜ?
      民主党のマニフェストが色あせつつある今、「融和」と「友愛」を対比させ、
   またリーダーシップのあり方を対比させながら、1995年の「あの試合」を
   見守りたい。
      もっとも、映画としては英雄讃美色が強く、意外に単純・・・?


洋10-28 息もできない(2008年)    

       <GAGA試写室>         2010年2月16日鑑賞
       (韓国映画)                2010年2月19日記
   ・・・債権取り立て屋といえば、大阪人はすぐに『ミナミの帝王』の萬田銀次郎を
   思い出すが、監督・製作・脚本・編集・主演を一人でこなしたヤン・イクチュン
   演ずる取り立て屋は、暴力、暴力、また暴力。そんな男に真正面から
   文句をつける女子高生もたいしたものだが、そうなったのは2人とも家庭が
   悪く、育ちが悪いから?
      そんな偏見は、本作のすばらしい完成度を観れば吹き飛ぶはず。
   とりわけ、女子高生のひざ枕でひげ面の中年男が涙するラブシーン(?)は
   感動的。韓国映画の頑張りに大拍手!
      ちなみに、原題『糞バエ』と邦題との対比もお忘れなく。


洋10-29 ウディ・アレンの夢と犯罪(2007年)    

       <角川映画試写室>         2010年2月17日鑑賞
       (イギリス映画)              2010年2月20日記
   ・・・「ロンドン3部作」最終章は、兄弟の愛と確執をテーマとした夢と犯罪の
   物語。同じ労働者階級なのに、兄と弟は対照的。そして、夢の
   挫折は借金から。
      借金から殺人に手を染めるストーリー展開は少し唐突だが、後半
   展開される、『罪と罰』を思わせる兄弟間の心の葛藤は見どころ十分。
      しかして、ウディ・アレン監督が用意した意外な結末とは?


洋10-30 オーケストラ!(2009年)    

       <GAGA試写室>         2010年2月26日鑑賞
       (フランス映画)              2010年2月27日記
   ・・・チャイコンのバイオリンとオーケストラが響きわたる中、父と子の
   出生の秘密に涙した『北京ヴァイオリン』(02年)に続く感動作が登場!
     ペレストロイカ以前のロシアでは、ユダヤ人の弾圧が。そんな中、
   ボリショイ交響楽団の新進指揮者の運命は?そして30年後の今、
   彼らが目指した究極のハーモニーはいかなる形で実現を?
     激動の国ロシアならではのすごい脚本と、感動のクライマックスに
   涙する名作に拍手!


洋10-31 第9地区(2009年)    

       <GAGA試写室>          2010年2月26日鑑賞
       (アメリカ映画)               2010年3月1日記
   ・・・安い予算でも、新人監督でも、スターなしでも、企画さえ良ければ
   映画は大ヒット!その典型が本作だが、まずはあなたの常識を覆す
   独創的なエイリアンの姿に注目!
     「人間以外立入り禁止」の看板が溢れる南ア、ヨハネスブルグの風景
   は異様だが、謎の感染によってエイリアンのアイデンティティを持つことに
   なった主人公は大変。さて、彼の生きザマは?
     そして、奇想天外な物語の行き着く先に、見えてくるものは?


洋10-32 しあわせの隠れ場所(2009年)    

       <梅田ピカデリー>          2010年2月28日鑑賞
       (アメリカ映画)               2010年3月1日記
   ・・・「実話にもとづく映画」は多いが、アメフト選手のサクセスストーリー
   そのままの本作が、アカデミー賞作品賞にノミネートされたのは意外。
     もっとも、直感力があり、行動力と突破力にも優れた魅力的な母親を
   演じたサンドラ・ブロックが、主演女優賞にノミネートされたのは当然?
     「予定調和」の映画には何の意外性もないが、「しあわせの隠れ場所」
   をわかりやすくかつハートフルに確認するには、本作は最適?


日10-33 ソラニン(2009年)    

       <アスミック・エース社内DVD試写>  2010年3月4日鑑賞
       (日本映画)                  2010年3月5日記
   ・・・宮﨑あおいの主演!しかも、ギターとヴォーカルに初挑戦!そう聞いて
   期待に胸を躍らせて試写室へ行ったが・・・?
     今ドキの若者の悩みってこんなもの?そこで闘わされる人生論ってこんな
   薄っぺらいもの?もう少ししっかりしろよ!特に若い男たちは!
     そんなイライラが充満した126分は、ひょっとして血圧にも悪影響・・・?


洋10-34 シャッター アイランド(2010年)    

       <東宝試写室>             2010年3月9日鑑賞
       (アメリカ映画)               2010年3月10日記
   ・・・誰が正常で、誰が異常?脳の科学や医学が急速に進歩した今、人間の
   脳そのものに細工することが可能に?
     マーティン・スコセッシ×レオナルド・ディカプリオのコンビによる
   『ディパーテッド』(06年)はラスト20分の銃撃戦が衝撃だったが、本作は
   ラスト30分の「言葉の対決」に注目!
     すると、あなたの目の前にいる連邦保安官はホンモノ?それとも・・・?
   「これぞミステリー!」という結末に、あっと驚かされること確実な名作の
   登場に拍手!。


洋10-35 シャーロック・ホームズ(2009年)    

       <梅田ピカデリー>           2010年3月21日鑑賞
       (アメリカ映画)               2010年3月24日記
   ・・・シャーロック・ホームズは知的でクールな英国紳士とばかり思っていた
   が、本作にみる肉体派ホームズは?そんな意外なキャラで本作は大ヒット
   らしいが、そのアクションのスピードについていくのは大変。
     他方、本業の推理の冴えはお見事。死から甦るほどの魔力を持つ難敵
   に何度も苦杯をなめさせられながらも、最後には遂に・・・。
     ちなみに、名推理にもTPOが必要だが、それが学べるのはあるシーン
   から・・・。


日10-36 花のあと(2009年)    

       <梅田ブルク7>           2010年3月22日鑑賞
       (日本映画)               2010年3月25日記
   ・・・庄内の海坂藩に凛々しき女剣士登場!『真夏のオリオン』(09年)での
   一瞬の敬礼姿が目に焼きついた超美人女優北川景子が、初の時代劇で
   それを静かに熱演。さて、その殺陣は?
     見どころは、瞬時の恋心を生んだ竹刀の試合でのあの一瞬。さて、今ドキの
   若者たちはそれをいかに理解?
     密通と政官の不正は昔も今も同じだが、海坂藩はそれをいかに解決?
   そして、今の日本では・・・?


洋10-37 17歳の肖像(2008年)    

       <ソニー・ピクチャーズ試写室>   2010年3月26日鑑賞
       (イギリス映画)               2010年3月29日記
   ・・・1961年のイギリスはダサい国で、憧れはパリとは何とも意外。他方、
   魅力的な年上の男性に魅かれる16歳の女ゴコロは万国共通?
     「教育」は大切だが、どんな教育から何を学ぶかが最も大切。さて
   ヒロインが描いた17歳の肖像とは?そして、めくるめく日々を過ごす中、
   ヒロインが学んだ教訓とは?
     受賞は逃したものの、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた
   みずみずしい16歳のヒロインに注目!


洋10-38 月に囚われた男(2009年)    

       <ソニー・ピクチャーズ試写室>   2010年3月26日鑑賞
       (イギリス映画)               2010年3月29日記
   ・・・あなたは月の裏側でたった一人で3年間働くことができる?そんな
   契約書にサインできる?英国アカデミー(BAFTA)賞新人監督賞を受賞した
   才能が描き出す、西暦某年のSF世界とは?
      月面から採れるヘリウム3を毎日地球に送れば後は自由時間だが、
   最大の敵は孤独。人間はそれにどこまで耐えられる?ロビンソン・クルーソーの
   物語と対比するのも一興だが、やはりそれとは境遇が・・・。


洋10-39 運命のボタン(2009年)    

       <東宝試写室>             2010年3月30日鑑賞
       (アメリカ映画)               2010年3月31日記
   ・・・ボタンを押せば誰かが死ぬが、100万ドルが手に入る。ある日、そんな
   選択を迫られたら、あなたはどうする?知らない人ならオーケー。それが
   多くの人の答えかもしれないが、ホントに罪の意識に耐えられる?
     そんなシンプルな問題提起から始まる、35歳の新鋭監督の作品は
   魅力的だが、アメリカ航空宇宙局(NASA)の話をはじめとする脚本の
   ややこしさが少し難?
     クライマックスは、ラストに訪れる究極の選択。そんな事態にならない
   のが一番だが、もしそうなったらあなたはどんな選択を?


洋10-40 マイ・ブラザー(2009年)    

       <GAGA試写室>           2010年4月5日鑑賞
       (アメリカ映画)               2010年4月7日記
   ・・・兄弟の確執を描く新旧名作は『ゆれる』(06年)と『エデンの東』(55年)
   だが、そこに割って入ったのがデンマークの女流監督スサンネ・ビアの
   『ある愛の風景』(04年)。それを海兵隊員におきかえたアメリカ版リメイクが
   本作だが、なぜそれが今?
      「話せること」と「話せないこと」があるのは当然だが、話せない苦悩の
   重さとは?そして、本作にみる家族の絆と人間の再生とは?
   ナタリー・ポートマンの熱演に拍手しながら、じっくり味わいたい名作だ。


洋10-41 プレシャス(2009年)    

       <東宝試写室>            2010年4月5日鑑賞
       (アメリカ映画)               2010年4月7日記
   ・・・映画は観客に夢を与える芸術だが、巨大な肉体を持つ16才の黒人の
   女の子とそれを虐待し続けるこれまた巨大ママが主人公では、ちょっと?
   しかも、舞台ははきだめのようなニューヨークのハーレム。文字も読めず、
   実の父親のレイプによって今回は2度目の妊娠。何ともひどい設定だ。
     そんな作品が大ヒットし、アカデミー賞助演女優賞と脚色賞を授賞したから
   すごい。さて、そのすごさとは?格差、格差と叫んでいる日本の甘さは本作を
   見れば明らか。また教育の大切さについても・・・。


日10-42 トロッコ(2009年)    

       <東映試写室>            2010年4月8日鑑賞
       (日本映画)                2010年4月9日記
   ・・・夫を失った妻が、8歳と6歳の息子を連れて夫の実家に里帰り。そんな
   風景はどこでもあるが、それが台湾という設定が本作のミソ。山口百恵の
   『ひと夏の経験』はセンセーショナルな話題を呼んだが、台湾へ赴いた
  子供たちにとっての「ひと夏の経験」とは?
      本作の理解には、日本統治時代の台湾の理解が不可欠だから、是非
  その勉強を。その上で、自然の美しさと素朴な人情を実感しながら、母と
  息子たちの成長をしっかり見届けたい。


日10-43 半分の月がのぼる空(2009年)    

       <シネ・リーブル梅田>        2010年4月11日鑑賞
       (日本映画)                2010年4月12日記

   
・・近時の難病モノ、純愛モノにはちょっと見飽きた感があるが、本作には
  あるヒネリが・・・・。それを売りモノにするといやらしい(?)が、ラストに向け
  て展開される怒涛の謎解き(?)は結構面白い。
     前半一人だけ浮いた感のある芸達者な大泉洋は、後半一体どんな役割
  を?そして、前半嫌なヒロイン感も垣間見せた美女忽那汐里の演技力は?
  「ああ、なるほど!」と納得しつつ、感動の涙も流れるはずだ。


日10-44 パーマネント野ばら(2010年)    

       <東映試写室>            2010年4月14日鑑賞
       (日本映画)                2010年4月15日記

   
・・菅野美穂8年ぶりの主演!それに期待したが、どちらかというと
  菅野美穂の演技より、主役を食ってしまった(?)小池栄子の怪演に注目!
     「パーマネント野ばら」に集うのは不幸な女たちばかりだが、それは
  ナゼ?そして、菅野美穂の抑えた演技が目立つのは、一体なぜ?
  しかして、あっと驚くある「ヒネり」の賛否は?
     婚カツに精を出す草食系男子も、たまにはこんな刺激的な女の生態を
  知れば女の見方が変わるかも?


洋10-45 ザ・ウォーカー(2010年)    

       <試写会・梅田ピカデリー>      2010年4月15日鑑賞
       (アメリカ映画)                2010年4月16日記
   ・・・世界滅亡。それはあまり考えたくない設定だが、生き残った男はなぜ
   ひたすら西を目指す“ウォーカー”に?
     他方、彼が毎日読む「ある本」とは?そして、街の支配者が執拗に
   「ある本」を求めたのはなぜ?
      『座頭市』(89年)ばりのアクションあり!美女の登場あり!ハラハラ
   ドキドキの展開あり!そんな中で次第に神々しくなっていくデンゼル・ワシン
   トンに感動!絶対のお薦め作が、ここに登場!


日10-46 シーサイドモーテル(2010年)    

     <アスミック・エース社内DVD試写室>   2010年4月16日鑑賞
       (日本映画)                   2010年4月17日記

   
・・山の中にありながら、シーサイドモーテルとはこれいかに?それが本作の
   テーマだが、それがわかるのはラスト。4つの部屋の中で営まれる、
   個性豊かな男女の騙し合い騙され合いの人間模様は興味津々だ。
     詐欺罪は犯罪だが、人間はそして男と女は騙し騙されながら
   生きていく動物。不確実な今の時代を生きる若者たちは、本作に登場する
   したたかな男女の騙し合いから、「何か」を学ばなければ!


洋10-47 モリエール 恋こそ喜劇(2007年)    

     <テアトル梅田>                2010年4月18日鑑賞
       (フランス映画)                  2010年4月20日記

   
・・イギリスのシェイクスピアは知っていても、フランスのモリエールは?
   そんな日本人が多い中、絶好の教科書が!
     モリエールを演ずる「フランスのジョニー・デップ」もいいが、ストーリーの
   軸は金持ちの商人が担っているから、それに注目!
     『アマデウス』(84年)のモーツァルトも相当ヤンチャだったが、若き日の
   モリエールもそう。なぜ、モリエールは「喜劇の神様」に?それはきっと若き日の
   こんな人生のおかげ。
     「人間万事塞翁が馬」とはよく言ったものだが、悲劇と喜劇も背中合わせ!
   そんな実感をタップリと。


洋10-48 エンター・ザ・ボイド(2010年)    

     <角川映画試写室>              2010年4月19日鑑賞
       (フランス映画)                  2010年4月20日記

   
・・日本にもさまざまな鬼才がいるが、フランスの鬼才が7年前の『アレック
   ス』(02年)に続いて、映画至上空前のタブー映像を!
     テーマはドラッグとセックス、そして欲望と犯罪。その舞台は、なぜか
   魔都TOKYOだ。
     あなたは魂の輪廻転生を信じる?愛する妹を求めて浮遊する魂の
   行き着く先は?ケバい色彩にドッと目が疲れるが、それ以上にこの難解さを
   あなたはどうキャッチ?


日10-49 アウトレイジ(2010年)    

      <東映試写室>               2010年4月20日鑑賞
       (日本映画)                   2010年4月21日記

   
・・「世界のキタノ」が、監督としても俳優としても自分に最もよく似合う
   ヤクザ映画に回帰。彼の脚本が暴力団の組織内抗争になったのは、
   政治的にも経済的にも、そして若者の生き方的にも「内向き志向」となっている
   ニッポンの現状の反映?
     暴力シーン、殺害シーンの残忍さへのこだわりはキタノ流だが、血なま
   ぐさい抗争に明け暮れる男たちの頭の悪さが目につくのが欠点?武闘だけで
   生き残れないのは世の常で、出世のためにはそれなりの戦略と戦術が必要だ。
   そんな視点で本作を観れば、誰が死に誰が生き残るかは、おのずと明らか?


洋10-50 パリ20区、僕たちのクラス(2008年)    

      <GAGA試写室>              2010年4月22日鑑賞
       (フランス映画)                 2010年4月23日記

   
・・「荒れた教室」は日本でも大問題だが、そこにメスを入れるのはタブー?
   日教組との対決はイヤ?
     元教師で、『教室へ』の著者がみずから教師役で出演し、ホンモノの
   中学生24人を登場させた本作がカンヌ国際映画祭でパルムドールを
   受賞したのはなぜ?それを考えるとさすがフランス!さすがカンヌ!
     「人種のるつぼ」、パリ20区の中学校は大変。そこで言葉を教え、
   国語を教えることの意義は?言葉と国語の劣化によるニッポン国の
   沈下を考えるために、そして民主主義とは?人権とは?を掘り下げる
   ためにも本作は必見!


日10-51 孤高のメス(2010年)    

      <東映試写室>              2010年4月23日鑑賞
       (日本映画)                 2010年4月26日記

   
・・09年7月、自公政権の「あだ花」のように改正臓器移植法が成立し
   たが、その20年前にある外科医が脳死肝移植を決行!場合によれば、
   殺人罪で起訴。そんなリスク覚悟で彼はなぜ?
     1人でも多くの生命を救いたい!そんな純粋な思いは、先例踏襲に
   明け暮れる旧態然とした医療の世界を変えることができるの?今ドキ珍
   しい真正面からの問題提起を、しっかりと受け止めたい。


洋10-52 ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い(2009年)   
                                           

       <テアトル梅田>              2010年4月25日鑑賞
       (イタリア、スペイン映画)           2010年4月26日記

   
・・オペラ『ドン・ジョヴァンニ』の誕生には天才劇作家ダ・ポンテの存在が!
     『アマデウス』(84年)ではサリエリを、本作ではダ・ポンテを知ったが、
   モーツァルトとダ・ポンテは似た者同士?どっちもどっち?
     また、放蕩生活を送る主人公ドン・ジョヴァンニは想像上の産物?
   それともダ・ポンテそのもの?これは現実?それともオペラ?
     そんな渾然一体となった劇中劇の傑作が、『恋におちたシェイクスピア』
   (98年)に続いて誕生!こりゃ必見だが、男の生き方だけは主人公を真似
   しないよう・・・。


洋10-53 あの夏の子供たち(2009年)  

       <東映試写室>              2010年4月26日鑑賞
       (フランス映画)                2010年4月26日記
 
  ・・・映画のプロデュースは、バクチみたいな仕事?世界経済が落ち込む中、
   プロデューサーの仕事は大変だ。人間味もあり、実績もある夫が自殺した
   のは一体なぜ?
      本作の見どころは、そんな痛手から再生していく妻と3人の娘たちの
   姿だが、さてその説得力は?


洋10-54 ボーダー(2007年)  

       <GAGA試写室>            2010年4月27日鑑賞
       (アメリカ映画)                2010年4月28日記

   ・・・ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノの二大俳優がはじめて本格共演!
   脚本は『インサイド・マン』(06年)に続いて、ラッセル・ジェウィルスが執筆!
   こりゃ面白いはず。
     そう、たしかに面白いが、なぜロバート・デ・ニーロとアル・パチーノを
   コンビの刑事役に?犯人VS刑事とした方が、より2人の個性が引き立つの
   では?そう考えるあなたは未熟。そして、まんまと脚本家と監督の術中に・・・。
     逆に、途中でその狙いがわかれば、あなたは映画の達人?


洋10-55 ウルフマン(2010年)  

       <TOHOシネマズ梅田>         2010年5月2日鑑賞
       (アメリカ映画)                 2010年5月6日記

   ・・・若者「ドラキュラ」が増殖する昨今、重厚な「狼男」が登場!満月の夜、
   「死を悼む身の毛もよだつその雄叫び」はどのように響きわたるの?また、
   忌まわしい過去に彩られた、父と子の物語はどんな展開を?
      二大俳優の「心理対決」と「肉体の激突」に注目しながら、呪いに
   打ち勝つ愛の姿を模索したい。しかして、必然的に導かれる悲しい愛の
   結末とは?


日10-56 失恋殺人(2010年)  

       <シネ・リーブル梅田>         2010年5月3日鑑賞
       (日本映画)                 2010年5月6日記

   ・・・江戸川乱歩の原作『妻に失恋した男』は、「ピストル自殺?それとも・・・?」
   がテーマだが、本作のラストはかなり意外。
     NHKの朝ドラのヒロインが、文芸エロスに挑戦!そんな期待はほぼ
   満たされるが、なぜ歯科医は探偵依頼を?なぜ、診察室の中でエッチを?
   そして、ピストル自殺を仮装するための構想は?そんな、肝心のストーリー
   構成が甘いのが難点。
     しかして、あなたはこんな結論に納得できる?


洋10-57 タイタンの戦い(2010年)  

       <梅田ピカデリー>            2010年5月4日鑑賞
       (アメリカ映画)                 2010年5月6日記

   ・・・旧約聖書の『ノアの方舟』や『バベルの塔』では神をも恐れなくなった
   人間が一方的に悪いが、ギリシャ神話の時代は?神に反旗を翻し戦いを
   挑んだ、ゼウスの子「半神半人間」ペルセウスの物語は、意外に人間的な
   神サマが多く面白い。
     さまざまな化け物クリーチャーにも注目だが、神と人間が対立する中での
   権力闘争の姿と、父と子の絆を描く人間的ストーリーとして読み解いた方が、
   きっと有益だ。


日10-58 鉄男 THE BULLET MAN(2009年)  

       <GAGA試写室>            2010年5月7日鑑賞
       (日本映画)                 2010年5月11日記

    ・・・面白いだけの(?)ハリウッド製『アイアンマン』(08年)や『ウルフ
    マン』(10年)に比べ、『鉄男 THE BULLET MAN』は人間の本性へ
    切り込むから奥が深い。
      人間の身体が鉄になる?そんなバカな!そんなテーマに20年間も
    真面目に取り組んできた塚本晋也監督が、本作にぶつけた問題意識とは?
      鋼鉄に化す原動力は怒り。すると、その変化は自律的?それとも
    他律的?今のニッポン、あなたの怒りは?その怒りのはけ口とおさめ方は?
    それを真剣に考えることが「日本沈没」の防止策かも?


日10-59 川の底からこんにちは(2009年)  

       <東映試写>               2010年5月11日鑑賞
       (日本映画)                 2010年5月14日記

    ・・・PFFスカラシップから、また名作が誕生!タイトルも奇妙だが、
    天下の美女満島ひかりのキャラもかなりヘン。しかし、今はこんな
    ヒロインが面白い!
      前半のキーワードは「しょうがない」と「中の下」だが、後半のそれは
    「開き直り」と今ドキ禁句とされている「頑張る!」。
      面白いストーリーを堪能するとともに、佐和子と同世代の君たちこそ、
    本作を観て感動を共有すべきでは?


日10-60 春との旅(2010年)  

       <アスミック・エース社内DVD試写> 2010年5月11日鑑賞
       (日本映画)                 2010年5月19日記

    ・・・頑固でわがままな祖父との2人旅が始まったのは、孫娘のある発言が
    きっかけ。心の重い、つらい旅を2人はどのように乗り切り、いかなる
    成長を?
      過疎問題、老人問題は深刻だが、本作にみる家族たちの心の営みを
    みれば、きっと明日に希望が。
      ハリウッドに名優クリント・イーストウッドあれば、日本にも名優・仲代
    達矢あり!心温まる人間模様をこの名作でじっくりと味わいたい。


洋10-61 ザ・ロード(2009年)  

       <角川映画試写室>            2010年5月13日鑑賞
       (アメリカ映画)                 2010年5月19日記

    ・・・近未来。人類は壊滅的打撃。その中で生き残った男たちは?
    そんな設定下、一人で西を目指すのが『ザ・ウォーカー』(10年)なら、
    父と子で南を目指すのが本作。
      なぜ南(西)へ?到着後の展開は?『ザ・ウォーカー』はそんな興味に
    十分応えてくれたが、本作はそこがイマイチ。父と子の絆というテーマは
    感動的だが、もう少し娯楽色が必要では?


日10-62 ふたたび─swing me again─(2010年) 

       <GAGA試写室>             2010年5月14日鑑賞
       (日本映画)                  2010年5月17日記

    ・・・長年療養所にいたハンセン病の父親を息子が受け入れ。そう聞いた
    妻や孫たちの反応は?
      そんな問題提起をしながらも、映画はあくまで娯楽。そう割り切れば、
    ジャズとトランペットを通じた祖父と孫の心の交流は、心温まる感動作に。
    2人のロードムービーの行き着く先は、さて?
      イヤな事件が多発する昨今、50年の時空を超えたライブ演奏の
    クライマックスを楽しみながら、温かい心を取り戻したい。


洋10-63 グリーン・ゾーン(2010年)  

       <TOHOシネマズ梅田>          2010年5月16日鑑賞
       (アメリカ映画)                 2010年5月18日記

    ・・・大量破壊兵器は存在しなかった!すると、2003年3月19日
    イラク開戦の正当性は?
      アメリカは民主主義の国、自由の国。だからこそこんな政府批判
    映画(?)がつくれるわけだが、同時に平気で国民を騙す国?他方、情報
    源の正確性について、一介の現地指揮官がここまで文句をつけられるの?
      マット・デイモンの動きをみていると、日本の5.15事件や2.26事件を
    彷彿?決してそんなことはないが、こんな行動はかなりの絵空ゴト?
      黒澤明監督の『七人の侍』(54年)における真の勝者は百姓だったが、
    さて本作の勝者は?


洋10-64 ブライト・スター いちばん美しい恋の詩(2009年)  

       <東映試写室>               2010年5月17日鑑賞
       (イギリス、オーストラリア映画)      2010年5月19日記

    ・・・ランボーや中原中也は知っていても、ジョン・キーツは?日本とイギリス
    で知名度が全然異なる、伝説の詩人の悲恋物語の展開は?
       『ロミオとジュリエット』のような波乱万丈の展開はなし。また、詩集
    『輝く星よ』に散りばめられた言葉は官能的だが、2人の恋はあくまで
    プラトニック。そこに物足りなさを感じるか、それとも美しさを感じるかは
    あなた次第。また、それによって本作の採点も?


日10-65 告白(2010年)  

       <東宝試写室>               2010年5月18日鑑賞
       (日本映画)                  2010年5月21日記

    ・・・久しぶりに、邦画のものすごい衝撃作に遭遇!
      当初30分間も続く衝撃的な告白が、序章に過ぎなかったとは!
    二転三転する展開に翻弄された挙句、ラストにこんな結末が待っていよう
    とは!天才・中島哲也監督の見事な演出に拍手!
      なお、共犯理論とりわけ共謀共同正犯と間接正犯の成否という
    刑法論的視点を持てば、更に興味深いはず・・・。


洋10-66 プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂(2010年)  

       <試写会・TOHOシネマズ梅田>      2010年5月18日鑑賞
       (アメリカ映画)                  2010年5月20日記

    ・・・たまには頭をカラッポにして冒険大活劇も。そんなニーズにピッタリの
    本作だが、権力闘争あり、ラブロマンスあり、兄弟愛ありの人物相関図
    にも注目!さらに、イラク開戦の根拠となった大量破壊兵器の存否と
    同じ論点も。
       クライマックスはタイムスリップ=時計の針の逆戻しだが、その機能を
    いかに使いこなせば効果満点に?


洋10-67 アイアンマン2(2010年)  

       <GAGA試写室>               2010年5月20日鑑賞
       (アメリカ映画)                  2010年5月22日記

    ・・・『アイアンマン2』が、前作以上の大ヒット!パワードスーツのパワー
    アップ、アイアンマンの人間的側面の描写、ミッキー・ロークの悪役ぶり、
    スカーレット・ヨハンソンのセクシーさ等々、見どころも十分だ。
      他方、国防のための兵器選びをこんな風におもしろおかしく楽しんで
    いいの?韓国の哨戒艦「天安」の爆発と沈没が北朝鮮の魚雷によるもの
    だとわかった今、そんな危機感も。
      それはともかく、いくら大作化が進んでも、この手の映画の飽きは
    どうしようもなし・・・?


洋10-68 レポゼッション・メン(2010年)  

       <東宝東和試写室>             2010年5月21日鑑賞
       (アメリカ、カナダ映画)             2010年5月22日記

    ・・・サブプライムローンが終わったら、20年後の今は人工臓器ローン
    問題が?アメリカの金融工学も大忙しだ。
      そこで活躍するのが人工臓器回収人=レポゼッション・メンだが、
    その法的権限は?それが若干不明確だが、それは本筋とは無関係。
      回収人から被回収人へ。そんな展開の中深まっていく矛盾は、
    どこでどう爆発するの?そこに注目!逃走から対決へ!ラストに向け
    て物語はそんな王道を歩むが、あっと驚く付け足し的展開の賛否は?


洋10-69 パリより愛をこめて(2010年)  

       <梅田ピカデリー>             2010年5月23日鑑賞
       (フランス映画)                  2010年5月25日記

    ・・・『TAXi④』(07年)や『96時間』(08年)など、リュック・ベッソンと
    ピエール・モレルのコンビ作の売りは、ド派手なカーチェイスとアクション。
      そこで、『フェイス/オフ』(97年)以降すっかりアクション俳優ぶりが
    板についたジョン・トラボルタをパリに招き、彼のためのアクション映画を
    完成!とは言っても、裏ストーリーは相棒の見習い捜査官と恋人との悲恋。
      「あっと驚く意外性」を軸に95分にまとめた構成力はさすがだが、
    あの名作『ロシアより愛をこめて』(63年)の完成度にはとても・・・。


日10-70 BOX 袴田事件 命とは(2010年)  

       <GAGA試写室>             2010年5月24日鑑賞
       (日本映画)                  2010年5月26日記

    ・・・裁判員法の施行から約1年。その被告人数530人。まだ死刑判決は
    ないが、近い将来には・・・。
      そんな中、高橋伴明監督が死刑判決を書いた裁判官の目を通して、
    約40年前の袴田事件を検証!その現代的意義は?人が人を裁くとは?
    誤った死刑判決を書いた裁判官の苦悩とは?
      そんな重いテーマをじっくりと考えたい。しかして、あなたがそれを学ぶ
    視点とは?


日10-71 FLOWERS(2010年)  

       <東宝試写室>               2010年5月25日鑑賞
       (日本映画)                  2010年5月27日記

    ・・・1936年から3つの時代の命をつないだ6人の女性たち。そこには
    どんな営みが?「あの時代は良かった」の感慨も、閉塞ニッポンの嘆きも、
    女性の強さの前にはひれ伏すはず。
      対比したいのは、激動する中国の3つの時代を生きた茉(モー)、
    莉(リー)、花(ホア)を章子怡(チャン・ツィイー)が一人で演じた『ジャスミン
    の花開く(茉莉花開/Jasmine Women)』(04年)。1対6の対比も
    さることながら、出産にまつわる女の闘いと女の幸せは日中共通だと痛感!
      「保守的」との批判は当然だが、本作が今ドキの若い女性の結婚離れと
    子供はいらない症候群の歯止めになれば・・・。


日10-72 ロストクライム ─閃光─(2010年)  

       <角川映画試写室>            2010年5月26日鑑賞
       (日本映画)                  2010年6月4日記

    ・・・なぜ今、「3億円事件」を映画化?それは、昭和という激動の時代を
    総括できる題材だから。
       事件が起きた1968(昭和43)年という時代の象徴は全共闘運動。
    伊藤俊也監督は、そこに3億円事件の「深層」を見い出したが・・・。
       他方、「もし犯人が警察上層部の師弟だったら・・・」という「大胆な
    仮説」にビックリ!えっ、警察権力ってここまでやるの?という驚愕と共に
    本作を味わいたい。そして、なぜ公訴時効が完成し、犯人が見つからない
    のかを今一度考えたい。


日10-73 必死剣鳥刺し(2010年)  

       <東映試写室>               2010年5月27日鑑賞
       (日本映画)                  2010年5月29日記

    ・・・藤沢周平原作映画の7作目。「必死剣」とは何とも縁起が悪いが、
    どんな剣?また、「鳥刺し」で人が斬れるの?
      しかしてまずは、一瞬で決まるこれまでの殺陣とは違う、長丁場の
    生々しい殺陣に注目!次に、あっと驚く権力闘争の種明かしと、一夜限りの
    ラブシーンに注目。
      そして、第3の注目は『ジョゼと虎と魚たち』(03年)の怪演とは異質の、
    静かな熱演をみせた池脇千鶴。あの熱く訴えかけるような目で見つめら
    れれば、男なら・・・。
      星5つは『たそがれ清兵衛』(02年)、『武士の一分(いちぶん)』(06年)
    に続く3本目だが、あなたの採点は?


洋10-74 クレイジー・ハート(2009年)  

       <試写会・梅田ピカデリー>        2010年5月28日鑑賞
       (アメリカ映画)                  2010年6月4日記

    ・・・『レスラー』(08年)では逃したアカデミー賞主演男優賞を、同じ
    テイストの本作でジェフ・ブリッジスがゲット!
      興味深いのは、今は落ち目となった中年男が子持ちの女とめぐり会う
    中で再生への道を歩み始めるという物語の軸は同じでも、結論が正反対に
    なること。
      2度目の過ちを頑に許さない彼女の姿勢には多少「異論あり」だが、
    「歌は人生そのもの」のセリフと、「傷ついたものにしか歌えない愛」を
    歌った名曲をはじめ、数多くの名曲をじっくりと味わいたい。


日10-75 RAILWAYS[レイルウェイズ](2010年)  

       <梅田ピカデリー>            2010年5月30日鑑賞
       (日本映画)                  2010年6月1日記

    ・・・49歳だって夢を追ってもいいんじゃない!いや、49歳の今しか
    そんな行動はとれないのでは?
      政治も経済も低迷どころか真っ暗闇のニッポン国に、心温まる大人の
    ファンタジー映画が誕生!年収は?老後の保証は?そんな現実問題は
    さておき、岡村孝子の名曲『あなたの夢をあきらめないで』の大人版を
    ほっこりと楽しみたい。
      もっとも、主人公の真似はしない方が安全かも・・・。


洋10-76 アデル ファラオと復活の秘薬(2010年)  

       <アスミック・エースDVD試写>       2010年6月2日鑑賞
       (フランス映画)                  2010年6月3日記

    ・・・ナタリー・ポートマン、ミラ・ジョヴォヴィッチに続くリュック・ベッソン
    が発掘した新ミューズは?
     時代は1911年だが、新ヒロインの行動力は女インディー・ジョーンズばり!
    美術館で卵から怪鳥プテロダクティルスが孵化し、ミイラが蘇るアイディアは
    面白いが、こりゃ『ナイトミュージアム』(06年)の二番煎じ?
       遊び心満載の本作の登場人物は顔もキャラも個性的だが、日本人的
    好みからはイマイチ?また、あれこれの演出もちょっとマンガ的?


洋10-77 華麗なるアリバイ(2008年)  

       <GAGA試写室>               2010年6月4日鑑賞
       (フランス映画)                  2010年6月8日記

    ・・・小さな村の大邸宅に集まったのは9人の男女。フランス映画らしく
    自由奔放な男女関係が見モノだが、そのキーマンはピエール。妻、
    現愛人、元愛人、かつての恋人が一堂に会する中、なぜピエールは
    殺されたの?さあ、ここから始まる怒濤の推理とは?
      アガサ・クリスティーの原作『ホロー荘の殺人』は名探偵が名推理を
    重ねていくらしいが、本作のテイストは別。おしゃれで味わい深い本作
    の面白さは、あなた自身の目で。


洋10-78 冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(2009年)  

       <シネ・リーブル梅田>             2010年6月6日鑑賞
       (フランス、香港映画)               2010年6月8日記

    ・・・アイデア良し!脚本良し!撮影良し!そして俳優良し!そうなりゃ
    鬼に金棒。杜琪峰(ジョニー・トー)監督の大人向けハードボイルドの
    完成型がここに登場!
      キーワードは復讐、約束、記憶喪失そして男の美学。北野武監督の
    『アウトレイジ』(10年)の特徴は我鳴り立てる「全員悪人」だったが、
    本作の殺し屋はみんなクールで紳士的。死ぬも美学、生き残るも美学の
    カッコ良さをタップリと。
      もっとも、この長い邦題はナニ?一工夫を。


洋10-79 闇の列車、光の旅(2009年)  

       <GAGA試写室>             2010年6月11日鑑賞
       (アメリカ、メキシコ映画)           2010年6月12日記

    ・・・豆満江を越える脱北者は後を断たないが、彼らはなぜ命がけで国境を
    越えるの?『フローズン・リバー』(08年)は舞台こそ違え、そんな現実を
    直視させたが、本作もそれは同じ。彼らはなぜホンジュラスからメキシコを
    経てアメリカへの危険な旅を?
      「移民」モノ、「国境越え」モノの名作がまたここに誕生したが、本作は
    「ロミオとジュリエット」ばりの悲恋が胸を打つ。
      いかにもグッドな邦題をしっかり確認しながらその切なさを噛みしめ、
    かつノー天気な日本を反省する素材にしたい。


洋10-80 ガールフレンド・エクスペリエンス(2009年) 

       <試写会・テアトル梅田>         2010年6月17日鑑賞
       (アメリカ映画)                 2010年6月18日記

    ・・・社会問題作と娯楽作の「二足のわらじ」を履くスティーヴン・
   ソダーバーグ監督が、1時間2000ドル(約18万円)の高級エスコート嬢
   の生態に注目。全米NO.1ポルノ女優の起用に一瞬頭クラクラ。その肉体
   は?そのサービスは?
     そんな期待は当然だが、クライアントと恋人の境目とは?本作に
   見る高級エスコート嬢のビジネスモデルとは?
     どうも、そんな論点が本作本来のテーマ。すると、肝心のエッチ度は・・・?


日10-81 踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!(2010年)
                                       
 

       <東宝試写室>           2010年6月18日鑑賞
       (日本映画)               2010年6月19日記

    ・・・洋画では、12年ぶりに『タイタニック』の興行収入18億4500万ドル
    を、『アバター』が更新!邦画では、『踊る大捜査線』シリーズ『THE MO
    VIE2』の173.5億円が断トツだが、さて3匹目のどじょうは?
      「客寄せ」の三大ネタは引越し、セキュリティそして健康診断だが、さて
    そのココロは?
      テレビドラマ的展開と「受け」狙いのセリフが好きな人はタップリ堪能
    すればいいが、ヘンコな私にはイマイチ・・・。


日10-82 東京島(2010年)  

       <GAGA試写室>           2010年6月23日鑑賞
       (日本映画)                2010年6月24日記

    ・・・漂着した無人島で始まった、43歳の女と16人の若者たちの生活
    とは?そのバランスは難しいが、さらにそこに屈強な6人の中国人が
    漂着!さあ、そこで展開されるパワーバランスとは?そして、意外な
    生命力を見せる女の生きザマと選択とは?
      そんなテーマは今日的かつ現実的で面白いが、後半のドタバタ劇
    は少し残念。極限状況下での女の生きザマ論と昨今の日中若者論に、
    論点を絞った方がよかったのでは?


洋10-83 コロンブス 永遠の海(2007年)  

       <テアトル梅田>             2010年6月27日鑑賞
       (ポルトガル、フランス合作映画)     2010年6月28日記

    ・・・ポルトガルには、100歳超にしてなお現役映画監督を続ける
    マノエル・ド・オリヴェイラ監督が!新藤兼人監督以上の「怪物」だ。
      「コロンブスはポルトガル人だった!」という本作のテーマは、日本人
    には馴染みが薄いから要注意!
      事前学習がなければ本作の美しさが理解できず、「郷愁」という
    キーワードにたどり着けないかも・・・。


洋10-84 ヤギと男と男と壁と(2009年)  

       <GAGA試写室>         2010年6月28日鑑賞
       (アメリカ、イギリス映画)       2010年6月29日記

    ・・・あなたは超能力を信じる?信じる人も信じない人も、こりゃ必見!
    もし、超能力を専門とする部隊があれば?念動力や透視力そしてキラ
    キラ眼力があれば何だって・・・。
      ジョージ・クルーニーら4大俳優がこぞって出演したのだから、原案
    となった『実録・アメリカ超能力部隊』はきっとホンモノ!その判定を含む
    本作の評価は、あなた自身の目で。


洋10-85 彼とわたしの漂流日記(2009年)  

       <東映試写室>         2010年6月29日鑑賞
       (韓国映画)             2010年6月30日記

    ・・・『東京島』(10年)に続いて、漂流モノを鑑賞。女1人に男23人の
    漂流も大変だが、男1人での漂流はロビンソン・クルーソー並みに大変!
    とはいっても、なぜソウルの中心を流れる漢江(ハンガン)の中に孤島が?
      自殺男の死にザマと生きザマを観察するのは、超望遠レンズをつけた
    デジカメで月を撮影する引きこもり女。2人の対話のきっかけは「訓練
    空襲」だから、ここでも日韓の違いは顕著!
      タイムリーなキャラ設定の面白さ、そして孤独と対話、絶望と希望と
    いう深遠なテーマへのチャレンジに拍手!


洋10-86 ジェニファーズ・ボディ(2009年)  

       <GAGA試写室>         2010年7月1日鑑賞
       (アメリカ映画)             2010年7月2日記

    ・・・『トランスフォーマー』シリーズの若手美女と、『マンマ・ミーア!』
    (08年)の若手美女が共演!
      1人はセクシーさで売る小悪魔(?)だが、もう1人は地味で臆病な
    女の子?なぜそんな2人が親友に?ある日のある出来事を境に、小悪魔
    が本当の悪魔に変身?
      本作を観れば、ガールズの心理と生理が丸わかり?


洋10-87 ミックマック(2009年)  

       <角川映画試写室>         2010年7月9日鑑賞
       (フランス映画)             2010年7月12日記

    ・・・主人公プラス7人の侍VS軍需産業の対決!そんな社会問題を
    ヒューマンタッチでユーモラスに表現!注目は、濃いキャラとユニーク
    な作戦の数々。既成の価値観にとらわれない自由な発想が面白い。
      マイケル・ムーア監督流の「告発」も面白いが、ジャン=ピエール
    =ジュネ監督のフランス流ユーモア心はもっと面白い。映画はこんな
    風につくり、楽しまなくちゃ。
      そして鑑賞後、「世界が平和でありますように」とのメッセージを
    みんなで共有しなければ・・・


日10-88 オカンの嫁入り(2010年)  

       <角川映画試写室>         2010年7月15日鑑賞
       (日本映画)               2010年7月17日記

    ・・・「新旧演技派女優」が母娘役で共演!前半は宮﨑あおい
    のふくれっ面が目立つが、そりゃ一体なぜ?それは本作のタイトル
    からも推測できるが、カワイイ系の大阪風肝っ玉かあさん(?)を
    演ずる大竹しのぶの真の心根は?
      パニック障害という設定や後半のあっと驚く展開は多少つくりモノ風
    だが、白無垢をポイントにしたストーリー展開は十分面白い。
      こりゃきっと、おおさかシネマフェスティバルの大賞候補に?


洋10-89 セックス・アンド・ザ・シティ2(2010年)  

       <梅田ピカデリー>         2010年7月18日鑑賞
       (アメリカ映画)             2010年7月20日記

    ・・・進歩的女性に大人気(?)の例の4人組が、今度はアラブ首長
    国連邦の首都アブダビで大活躍!
      ファッションも見モノだが、それ以上のポイントは彼女らの生き方。
    今回の論点はキャリーをめぐるものがメインだが、五十女は意外と
    真面目?
      他方、サマンサの美しさへの執念と性欲のたくましさにはビックリ!
    これがR-15指定の要因だが、さてそんなシーンの必然性は?


洋10-90 インセプション(2010年)  

       <梅田ピカデリー>         2010年7月19日鑑賞
       (アメリカ映画)             2010年7月20日記

    ・・・「真夏の夜の夢」程度なら理解できても、「夢の中へ入れ!」とか
    「他人の頭の中のアイデアを盗め!」はサッパリ?
      レオナルド・ディカプリオは3階層から成る夢の世界を設計する役、
    渡辺謙はインセプション=ターゲットの意識下にアイデアを植えつける
    行為を依頼する役だが、こりゃ難解!
      この手の映画が好きな人にはたまらないだろうが、還暦を超えた
    オッチャンには理解不可能!これではせっかくの美人の登場も台なし?
      しかして、ラストに訪れる結末は現実?それとも夢?


洋10-91 ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ
  
        オリジナルバージョン、デジタル・リマスター版(1976年)
 

       <テアトル梅田>         2010年7月21日鑑賞
       (フランス映画)            2010年7月22日記

    ・・・近時ハリウッドでも韓国でも同性愛(ゲイ)の名作が増えているが、
    フランスでは1976年既にその「名作」が!もっとも当時は、悪評9対好評1
    だったらしいが、それは時代がゲンズブール監督の才能についていけな
    かっただけ?
       注目は、後に「エルメスのバーキン」として有名になった、両性具有と
    見まちがうような女優ジェーン・バーキン。
       異常性愛だって愛は愛。そうは思いつつ、本作にみる若者たちを
    瑞々しいと共鳴できるか、それとも不潔と感じるかは、あなたの感性次第?


日10-92 花と蛇3(2010年)  

       <東映試写室>         2010年7月28日鑑賞
       (日本映画)            2010年8月2日記

    ・・・かわいい顔だちに似合わない大きなおっぱいが持ち味の小向美奈子が
   『ハナヘビ』のヒロインに挑戦!とは言っても、アイドルからストリッパーへの
   華麗な変身を果たした25才の彼女なら、「学園祭の女王」から
   「アルゼンチンタンゴの女王」への変身を果たした先輩の杉本彩超えも可能?
      他方、劇場映画的なスリリングなストーリー展開を期待したが、
   調教色一色だけでは・・・?
   さらに、この結末はちょっとあっけなさすぎでは・・・?


洋10-93 シングルマン(2009年)  

       <GAGA試写室>         2010年7月30日鑑賞
       (アメリカ映画)             2010年8月3日記

    ・・・トム・フォードと聞いてわかる人は、かなりのファッション通!
    稀代のファッションデザイナーが選んだ初監督作品は、自らの人生を
   投影した(?)何とも微妙なゲイの物語。
     最愛のパートナーを亡くした主人公が下した結論とは?そんな彼の
   今日一日の行動とは?そして、あっと驚く逆転また逆転の結末とは?
     アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた内面の演技に注目し、
   ゲイの愛の深さを学習したい。


洋10-94 ミレニアム2 火と戯れる女(2009年)  

       <GAGA試写室>         2010年8月2日鑑賞
       (スウェーデン映画)         2010年8月3日記

    ・・・鼻のピアス、背中のタトゥーなど、「異相」が売りモノ(?)のヒロインが
    なぜ誕生?そんな『ミレニアム』シリーズは、今世界中で大ヒット。 
    その理由は簡単。面白いからだ!
      ミレニアム社のジャーナリストが殺されたのはなぜ?そこにリスベットの
    指紋が残っていたのはなぜ?そんな展開から始まる2部では
    『寒い国から帰ったスパイ』(65年)並み(?)の複雑な背景事情に注目!
    その中で解き明かされる、あっと驚くリスベット出生の秘密とは?
       ハイライトはラストの死闘。身長150cm、体重40kgのリスベットの
     身体のどこにこれだけのエネルギーが・・・?


洋10-95 ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(2009年) 

       <GAGA試写室>         2010年8月2日鑑賞
       (スウェーデン映画)          2010年8月3日記

    ・・・秘密を知りすぎた奴は消せ!それが秘密組織の鉄則だが、
    そう簡単に殺されたのではたまったものではない。瀕死の重症から
    復帰したリスベットを待ち受けるのは、殺人未遂罪の裁判闘争。
     ミカエルの妹が弁護士だったのは幸運だが、裁判で争うには
    証拠がなくっちゃ!有罪の立証よりも、精神鑑定の力によって
    リスベットを精神病院へ。それが検察側の方針だが、そこに登場する
    精神鑑定医とは?
      3部ではハリウッドや日本とは異質のスウェーデンにおける
    法廷闘争の面白さをタップリ堪能し、かつ学習したい。


洋10-96 美人図(2008年)  

       <角川映画試写室>         2010年8月3日鑑賞
       (韓国映画)                2010年8月5日記

    ・・・宮廷画家は男に限定!朝鮮王朝のあの時代は、そりゃ当然。
    しかし、「劉備玄徳が女であった!」という仮説が成立するのなら、
    韓国人なら誰でも知ってるシン・ユンボクだって・・・。
      女を捨てて、一心不乱に画の勉強を。それが順調に進めばいいが、
    男に心を燃やすことになれば、宮廷画家と恋する女の二股かけは?
      美しいベッドシーンを目に焼きつけながら、4人の男女の確執を眺め、
    あの時代の「不条理」をあぶりだすのも面白いのでは?


日10-97 悪人(2010年) 

       <東宝試写室>         2010年8月5日鑑賞
       (日本映画)             2010年8月11日記

     ・・・こんなことが殺人事件に発展するの?やっぱり
    出会い系サイトって恐い。ところが、同じサイトで出会った
     2つの孤独な魂が触れ合うこともあるから不思議。
      孤独かつ孤立する若者たちと、今を楽しく生きる若者たち。
     対照的な若者の生態が描かれるが、そのどちらもヘン。
       さらに、世代間の隔絶も明らかだ。そんな中、
      絶望的な逃亡劇=愛の逃避行の行き着く先は?
    ちなみに、この後予想される裁判劇をあなたはどう読み解く?


洋10-98 ボローニャの夕暮れ(2008年)  

       <テアトル梅田>         2010年8月7日鑑賞
       (イタリア映画)           2010年8月10日記

    ・・・邦題では、何の映画かよくわからないが、「ジョヴァンナのパパ」
    という原題ならバッチリ!
       戦争前夜、学校内でクラスメイトの殺人事件が発生。その犯人は
    何と、わが最愛の一人娘。そんなバカな
娘はなぜ?美しい妻と、
    少しオクテの娘の間で揺れ動く、小太りの冴えない中年男の心がいじらしい。
       それにしても、クールで美しい母親のこの対応は一体なに?父親には
     容易に見えない娘と母親の確執とは?そして、最後に訪れる意外な結末を、
    あなたはどう解釈・・・?


洋10-99 ソルト(2010年)  

       <梅田ピカデリー>         2010年8月8日鑑賞
       (アメリカ映画)             2010年8月10日記

    ・・・美しすぎるロシアの女スパイとアメリカ人スパイの交換が実現!
    東西冷戦の時代ならいざ知らず、今でもそんな話があるの?そう思って
    いると、アメリカを代表する女優アンジェリーナ・ジョリー扮するイヴリン・
    ソルトがロシアの女スパイだったとは!しかし、それってホント?
       前半のキャッチコピー「あなたは見抜けますか?彼女は一体、何者
    なのか?」も面白いが、後半からの「はたして彼女の正体は?
     そして真の目的は?」をテーマとした怒濤の展開は特筆もの。
    ノー天気な日本人も、この映画を観て少しは国益の衝突や核の危機を
    感じとらなければ!


日10-100 十三人の刺客(2010年)  

       <東宝試写室>         2010年8月11日鑑賞
       (日本映画)             2010年8月13日記

    ・・・暴君を討つ!そこで集まった刺客は、12人の侍プラス1人の山の民。
   暗殺だけなら刺客より忍者のほうが適任では?そう思うシーンもあるが、
  エンタメのためには「斬って、斬って、斬りまくれ!」の方が。
     見モノは、ラスト50分の死闘。その前半は痛快だが、後半は?三池監督に
   してはオーソドックスな作りが目立つが、その賛否は微妙?


日10-101 桜田門外ノ変(2010年)  

       <東映試写室>         2010年8月12日鑑賞
       (日本映画)             2010年8月13日記

    ・・・1853年の黒船騒動から1868年の明治維新政府成立までの幕末維新
   モノで、意外に知られていないのが、1860年3月3日に起きた桜田門外の変。
   その原因は、尊皇攘夷派=水戸藩VS開国派=井伊直弼大老の
   対立だから、その論点整理をしっかりと。
      また、坂本龍馬は誰でも知っているが、現場指揮官だった関鉄之介は
   ほとんど無名。天下国家のためと信じて実行した暗殺は間違いだったの?
      本作からは、そんな鉄之介の心の叫びと生きザマをしっかり受けとめ、
   かつ学びたい。


洋10-102 ベスト・キッド(2010年)  

       <梅田ピカデリー>         2010年8月14日鑑賞
       (アメリカ映画)             2010年8月16日記

    ・・・師弟愛を軸にロマンスも少し。そして、ハイライトは決勝戦!
    そんな単純なストーリーでも、バランスさえ良ければ・・・。
     空手からカンフーへ!老師が中国人なら、主人公も黒人の少年へ!
   さらに舞台は北京へ!
     そんな変更を加えたリメイク版は大ヒットし、制作費が安いから
   大儲け?米中接近のご時世(?)の中、今後はこんなつくり方の
  ハリウッド映画が増えるかも?


日10-103 死刑台のエレベーター(2010年)  

       <角川映画試写室>         2010年8月17日鑑賞
       (日本映画)                2010年8月20日記

    ・・・このタイトルを聞いて、「あっ、ジャンヌ・モロー!」と浮かんでくるのは、
    何歳まで?何とも思わせぶりなタイトルとスリリングな展開、そしてバックに
   流れる不安げな音楽。そんな名作が、なぜか今リメイク!
      夜の街をさまよい歩くジャンヌ・モローの姿は今でも鮮明に覚えているが、
    赤いロングコートを颯爽と着こなした吉瀬美智子は?登場人物や
   ストーリー展開は同じだが、その人物設定や小道具は?
     暴走する若者はいつの時代も思わぬ役割を果たすものだが、本作に
    みる「バカ者」たちの行動は?


日10-104 キャタピラー(2010年)  

       <テアトル梅田>         2010年8月21日鑑賞
       (日本映画)             2010年8月23日記

    ・・・四肢を失い言葉を失って故郷へ戻った軍神サマと、それを支え続ける
    銃後の妻の生キザマとは?食うこと、寝ることは当然だが、男にはそれ
    以外の欲があるから、軍神サマも、その妻も大変。若松孝二監督が
    そんな衝撃的なテーマに挑戦!こりゃ8・15を迎えて必見!
      寺島しのぶが
銀熊賞当然と思えるオールヌードを見せながら、そんな
    役を熱演!
勲章も大本営発表もいいけど、ホントに価値のあるものとは?
      政治的経済的に混迷する中、今や生き方すらきっちり定められない
    今ドキの若者こそ、こんな映画必見だが・・・。


洋10-105 シークレット(2009年)  

       <サンプルDVD鑑賞>      2010年8月21日鑑賞
       (韓国映画)              2010年8月23日記

    ・・・殺人現場に妻の遺留品が!そんな現実に直面した夫の職業は刑事。
    こりゃヤバイ!さて、その対応は?こりゃきっと妻には何らかのシークレット
    が。
    しかし、実はそれ以前に夫にもあるシークレットが・・・。原題も邦題も実に
    ピッタリ!
       被害者が凶悪な組織のボスの弟だったことがミソ。ボンヤリと
    浮かび上がってくる犯人像に対しては、警察の捜査が先?それとも
    ボスの復讐が先?
       韓国映画らしい二転三転する、スリルとサスペンスをタップリと楽し
    みたい。


洋10-106 瞳の奥の秘密(2009年)  

       <シネ・リーブル梅田>          2010年8月29日鑑賞
       (スペイン、アルゼンチン映画)       2010年8月30日記

    ・・・こりゃすごい!こりゃ面白い!あの賞、この賞の受賞が伊達でない
    ことは、鑑賞後の充足感ですぐにわかる。
      まずタイトルがいい。そして、中盤からぐいぐい引き込まれるスリル
    とサスペンスがいい。また、一貫して抑制されながら、ラストシーンで
    解放される(?)男と女の愛の姿がいい。さらに特筆すべきは、ラストに
    向けてのいくつかの驚愕の展開。こりゃ今年のベストワン作品かも?
      やはり名作映画は、何よりの心のよりどころだ。


洋10-107 義兄弟(2010年)  

       <角川映画試写室>        2010年8月30日鑑賞
       (韓国映画)               2010年8月31日記

    ・・・1950年に勃発した朝鮮戦争から60年。今なお、いや金正日から
    三男・金正雲への権力承継問題が現実化している今、南北分断の
    悲劇は一触即発の危機に・・・?
      そんな中で登場したのが、550万人を動員したという本作。韓国国家
    情報院要員のハンギュと北朝鮮工作員のジウォンは、いかなる暗闘を?
    そう期待していたが、本作は『義兄弟』というタイトルがピッタリの
    甘さがいっぱい。ひょっとして、これはノー天気で平和な日本の雰囲気
    に、韓国映画も毒されたのでは・・・?


洋10-108 メッセージ そして、愛が残る(2008年)  

       <GAGA試写室>            2010年8月31日鑑賞
       (ドイツ、フランス、カナダ映画)      2010年9月2日記

    ・・・今ではM・ナイト・シャマラン監督の『シックス・センス』(99年)
    のネタは明らかだが、本作のタイトル「メッセージ」の特別な意味とは?
      冒頭にみる交通事故のシーンを見ると、思わず「人の命の儚さよ」
    と思ってしまうが、だからこそ人生は面白い?しかして、フランスの
    ベストセラー小説のテーマは、「人の命の期限が見えるとしたら・・・」と
    いうもの。
      さあ、そんな中で描かれる大人の愛の姿とは?そして、生きること
    の大切さとは?


日10-109 ゲキ×シネ「蛮幽鬼」(2010年)  

       <試写会・梅田ブルク7>        2010年8月31日鑑賞
       (日本映画)                 2010年9月2日記

    ・・・4人の若者が鳳来国(ほうらいこく)から果拿の国(かだのくに)へ
    留学した目的は?彼らの仲違いはなぜ?そこにうごめく陰謀とは?
      上川隆也、堺雅人、稲森いずみ、早乙女太一ら異色のゲスト陣と、
    劇団☆新感線お馴染みのレギュラー陣が織りなす波瀾万丈のドラマは
    スケールがデカい。いつもながらの、中島かずきの構成力に感服!
      宗教を心のよりどころにした国の支配。それは聖徳太子が
    目指した路線とも重なるが、さて蛮教VS蛮心教の教義対決は?
      民主党の代表選が始まった今、本作にみる権力闘争から学ぶのも
    いいが、「国のため!民のため!」の叫びを聞かせたい。


洋10-110 小さな村の小さなダンサー(2009年)  

       <シネ・リーブル梅田>        2010年9月5日鑑賞
       (オーストラリア映画)          2010年9月6日記

    ・・・時代は1970年代はじめ。文化大革命とバレエ。江青女史
    とバレエ。そんな意外な組み合わせの中から、主人公ツンシンの波乱
    の人生が!これはすべて実話。なるほど、映画から学べることは
    実に多い!
      バレエシーンのすばらしさはピカイチだが、色恋沙汰(?)からだけ
    の亡命劇は、やはり若気の至り?私はそう思わざるをえない。
      そのマイナスのため、本作はあえて星4つに・・・。


日10-111 大奥(2010年)  

       <試写会・梅田ピカデリー>    2010年9月9日鑑賞
       (日本映画)               2010年9月10日記

    ・・・ある疫病によって、男の数は女の4分の1に。すると、男は女にモテて
    いいのでは?そうもいかないことが、「序章」を観ているとよくわかる。
      しかして、美男3000人を集めた大奥の存在は実需?それとも権威
    の象徴?映画中盤はそんな論点を考えながら、さまざまな確執を楽しみ
    たい。
      そして、本作からはリーダーの改革力や突破力を学びたい。時あたかも
    民主党の代表選挙の真っ只中だが、新リーダーのそれは・・・?


洋10-112 バイオハザードⅣ アフターライフ(2010年)  

       <梅田ピカデリー>        2010年9月12日鑑賞
       (アメリカ映画)            2010年9月13日記

    ・・・ミラ・ジョヴォヴィッチ扮する最強の女戦士アリスが、アンブレラ社と
    対決!その戦いの目的は?その結果は?他方、ウイルス感染によって
    大量に発生したアンテッドたちの動向は?
       人類の近未来を先取りしたバイオハザードのテーマは深刻なもの
    だが、スクリーン上で展開される「パート4」のストーリーとアクションは?
    「パート4」への興味を「パート5」に繋げていくには、さらに一工夫も
    二工夫も必要だが・・・。


洋10-113 冬の小鳥(2009年)  

       <東映試写室>           2010年9月13日鑑賞
       (韓国、フランス映画)         2010年9月15日記

    ・・・1975年頃の韓国には「孤児輸出問題」があったらしいが、それ
    ってナニ?その実態は?それは、9歳の時養女となってフランスへ
    渡った体験を持つ、女流監督による本作を観ればよくわかる。
      実の父親から捨てられた絶望とは?そして、養護施設での交流
    の中で見い出した再生とは?
      日本人には馴染みの薄いテーマだが、ここでも映画から学べる
    ことがいっぱい!


日10-114 ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う(2010年)  

       <GAGA試写室>        2010年9月15日鑑賞
       (日本映画)             2010年9月16日記

    ・・・とことん弾けた女たち!冒頭の恐ろしい映像に、まずはビックリ!
    女たちの計画は保険金殺人。そのキーワードは「熟成」と「ドゥオーモ」
    だが、さてその意味は?
      本作の目玉は佐藤寛子の全裸の演技。ヌードには必然性が不可欠
    だが、石井隆監督ならその点はバッチリ!女優の急成長はヌードから
    ・・・?
      とことん「性善説」の代行屋の甘さと、とことん恐ろしい女たちの生態
    をしっかり確認しよう。


洋10-115 フェアウェル さらば、哀しみのスパイ(2009年) 

       <テアトル梅田>        2010年9月19日鑑賞
       (フランス映画)          2010年9月21日記

    ・・・ソ連邦崩壊の原因はいろいろあるが、それを誘発した「フェア
    ウェル事件」とは?ゴルバチョフが果たした役割もすごいが、一介の
    情報部員がやったこともすごい。
      ハリウッド型のスパイ活劇とは全く異質の重厚な人間ドラマに注目!
    彼はなぜ命懸けで、重大な国家機密情報の流出を?
      日本国が中華人民共和国の日本自治州になろうかという危機に
    陥っている今、彼ほどの真剣さでこの国の行方を考えてみる必要が
    あるのでは?


洋10-116 彼女が消えた浜辺(2009年)  

       <テアトル梅田>        2010年9月20日鑑賞
       (イラン映画)            2010年9月22日記

    ・・・この邦題はグッド!リゾート地で楽しく過ごすはずだったバカンスも、
    突然「彼女が消えた」ことによって一変。エリはどこへ消えたの?ひょっとして
    海の中?
      ストーリーの本筋をきっちりと押さえ、次々と提供される情報をしっかり
    整理しながら、『キサラギ』(07年)と同じように怒濤の推理を楽しみたい。
      それにしても、イラン映画にこんな秀作があったとは・・・。


洋10-117 約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語(2009年) 

       <角川映画試写室>            2010年9月28日鑑賞
       (ニュージーランド、フランス合作映画)  2010年10月4日記

    ・・・「ワイン党」の諸氏には、「ワインづくりは人生と同じ」という本作は
    必見!しかし、「天使」 の登場には、きっと賛否両論が・・・。
      本作が描く人生の試練は数多い。人生の頂点からどん底へ!誰だって
    そんな体験はしたくないが、それによって最高のワインが完成できる
    としたら?
      それにしても、本作鑑賞後はワインの味わい方が変わるはず・・・。


洋10-118 ロビン・フッド(2010年)  

       <試写会・TOHOシネマズ梅田>  2010年9月28日鑑賞
       (アメリカ映画)               2010年9月30日記

    ・・・ロビン・フッドは誰でも知っているが、本作が描くのはそんなロビンの
    誕生秘話?
      ロビンが十字軍に従事したってホント?リドリー・スコット監督は
    自由奔放な仮説の下、筋骨たくましいロビン像をエンタメ性豊かに
    表現!
      同時に弁護士の私としては、1215年のマグナカルタに注目!民主
    主義が機能不全に陥っている今、こんな映画からその原点を考える
    必要があるのでは?


洋10-119 クロッシング(2008年)  

       <東宝試写室>        2010年9月29日鑑賞
       (アメリカ映画)          2010年10月4日記

    ・・・『坂の上の雲』は秋山好古・真之・正岡子規3人の青春群像劇だが、
    本作はニューヨーク」市警にいる3人の警察官の群像劇。
      今、日本では大阪地検特捜部にいた3人の検事を主人公として
    激震が走っているが、本作の主人公3人の生きザマとは?
      三人三様のキャラを確認しながら、また警察と検察の違いを踏まえ
    ながら、「正義とは?」の日米比較にチャレンジしたい。
      しかして、本作が描く映画的結末の面白さとは?


洋10-120 ラスト・ソルジャー(大兵小将)(2010年)  

       <東宝試写室>         2010年9月30日鑑賞
       (中国、香港映画)          2010年10月4日記

    ・・・原題の『大兵小将』が、いかにもピッタリ!時はBC227年の中国戦国
    時代。秦による統一前の、シンプルな設定ながら波瀾万丈の物語だ。
      キーワードは、中国語学習の初心者でもわかる「挺好的(ティン・
    ハオダ)」。これを「上等だ!」と訳すのがミソだが、そのセリフの中には、
    トルストイの『戦争と平和』にも匹敵する深遠な人間観が・・・?それを
    感じとれれば、あなたの映画力は満点!


日10-121 ヘヴンズ ストーリー(2010年)  

       <東映試写室>        2010年10月5日鑑賞
       (日本映画)            2010年10月6日記

    ・・・園子温監督の『愛のむきだし』(08年)の237分を超える278分の
    本作は、現代版『罪と罰』。第1章から第9章までの章立てによる怒濤の
    展開に、時間を忘れるはずだ。
      昨今多発する、理由なき殺人による遺族の悲しみと憎しみは?頼るべきは
    法の裁き?それとも、自力による復讐?
      ラスコーリニコフによる老婆殺しは優秀な頭脳の行き着く先だったが、
    本作の主人公たちは一般市民。2つの殺人事件を軸とし、20人を超える
    登場人物が織りなす人間模様とは?
      しかして、本作はなぜ『ヘヴンズ ストーリー』というタイトルに・・・?


洋10-122 ナイト・トーキョー・デイ(2009年)  

       <シネ・リーブル梅田>      2010年10月11日鑑賞
       (スペイン映画)            2010年10月12日記

    ・・・菊地凛子主演、スペイン人女性監督によるTOKYOを舞台とした
    スタイリッシュな映像。こりゃ物語も!そう期待したが・・・。
      神秘さを保つには秘密が一番。それは「かの隣国」を見ても明らかだが、
    プロの殺し屋はやはり実力を示さなければ・・・。
      映画は脚本が命!したがって、変態じみたセックス描写が面白く、
    ラーメンをすする音が強調されても、このストーリーでは・・・?
      美しい映像と極端に少ないセリフにも注目だが、それだけでは・・・?


日10-123 乱暴と待機(2010年)  

       <シネ・リーブル梅田>     2010年10月11日鑑賞
       (日本映画)             2010年10月12日記

    ・・・まず、奇妙なタイトルに注目!こりゃ一体ナニ?1組の夫婦と1組の
    兄妹(?)、計4人の男女が織りなす物語は終始奇妙。そして、4人の
    キャラに一字ずつタイトルの漢字を当てはめたら?
      本谷有希子原作の本作は、復讐あり、覗きあり、浮気ありと人間観が
    奥深いから、ベテラン弁護士の私でも追っていくのが大変。
      しかして、本作のラストで明らかにされる、本作のエッセンスとは?


洋10-124 100歳の少年と12通の手紙(2008年) 

       <GAGA試写室>         2010年10月14日鑑賞
       (フランス映画)             2010年10月19日記

         ショートコメントのとおり。


洋10-125 三国志 第1部 第1~6話(2010年)  

       <宣伝用DVD鑑賞>      2010年10月16日、17日鑑賞
       (中国映画)             2010年10月22日記

    ・・・中国は何でもやることがデカイ。1話45分で全95話からなる『三国志』
    の総製作費は25億円、製作期間は6年!
      その第1~6話はほんの導入部だが、そこでも逆境に耐える強さや
    権謀術数の数々を学ぶことができる。全95話を観れば、きら星の如く
    登場する英雄・豪傑たちの人物像と生きザマを学ぶことができるはず
    だから、以降きっとあなたは千人力。
      今最もそれが必要なのは私ではなく、菅直人総理以下の、頼りない
    政治家たち・・・?


洋10-126 GAMER ゲーマー(2009年)  

       <東宝試写室>        2010年10月18日鑑賞
       (アメリカ映画)          2010年10月19日記

         ショートコメントのとおり。


洋10-127 ストーン(2010年)  

       <東映試写室>        2010年10月20日鑑賞
       (アメリカ映画)          2010年10月22日記

    ・・・刑務所内で勤務する仮釈放管理官とは?『おくりびと』(08年)をみれ
    ば納棺師が、本作をみれば仮釈放管理官の仕事がよくわかる。俺の刑期は
    あと3年。しかし、仮釈放管理官を女の魅力でたぶらかせば・・・?
     そんな想定はどの国でも「あり」だが、さて、その女が女房になると・・・?
     「強い女」一辺倒だったミラ・ジョヴォヴィッチの「誘う女」ぶりに、きっとあな
    たは頭クラクラ。しかし、本作が描く微妙な精神世界の構想はイマイチ。もっ
    と、単純でわかりやすい脚本で良かったのでは?


洋10-128 モンガに散る(2010年)  

       <角川映画試写室>        2010年10月21日鑑賞
       (台湾映画)               2010年10月22日記

    ・・・国際的に、アジア的に日本の若者の無気力さが目につくが、80年代
    後半の台湾の若者たちの生きざまは?韓国映画に多い学園モノかと
    思いきや、後半は実録ヤクザ路線並みの本格的な「極道間抗争」が大展開!
     しかし、それでも5人の若者たちの義兄弟の契りはみずみずしい。
    権力争い、策謀、裏切りは極道の世界では当然だが、「生まれた日は違っ
    ても、死ぬ日は同じ」という契りの履行は・・・?ラストに向けてどんどん迫力
    を増していくストーリー展開をタップリと楽しみたい。


洋10-129 黒く濁る村(2010年)  

       <東映試写室>        2010年10月22日鑑賞
       (韓国映画)            2010年10月23日記

    ・・・やっぱり韓国映画はすごい!心の底からそう実感出来る新作が登場!
    横溝正史ばりのおどろおどろしいイメージにピッタリのこの邦題は、原題の
    『苔』よりグッド。
      村人たちのこのよそよそしさはナニ?今この村で次々と殺人事件が起きる
    のはなぜ?そして、30年前には一体ナニが?この村は理想郷だった
    のではなかったの?2時間41分の怒濤の展開にきっと息を飲むはずだ。
      『黒い家』は日本版から韓国版ができたが、『黒く濁る村』については
   韓国版から日本版の企画を期待したい。


日10-130 ノルウェイの森(2010年)  

       <東映試写室>        2010年10月26日鑑賞
       (日本映画)            2010年10月27日記

         ショートコメントのとおり。


洋10-131 リミット(2009年)  

       <GAGA試写室>   2010年10月27日鑑賞
       (スペイン映画)     2010年10月29日記

    ・・・95分間の舞台は、棺桶のような閉ざされた箱の中のみ。そんな本作を
    観れば、「映画はアイデア勝負!」だと実感!
      箱の中になぜケータイが?それは人質から身代金を取るためだが、主人
    公は生き延びるためにいかなる奮闘努力を?閉所恐怖症の人は避けた方が
    いいが、人間心理の深奥に迫りたい人は必見!
      希望と絶望は、まさに紙一重。それがわかれば、明日からの生き方が変
    わるかも・・・。


洋10-132 きみがくれた未来(2010年)  

       <東宝東和試写室>    2010年10月28日鑑賞
       (アメリカ映画)        2010年10月29日記

         ショートコメントのとおり。


洋10-133 ナイト&デイ(2010年)  

       <TOHOシネマズ梅田>   2010年10月31日鑑賞
       (アメリカ映画)          2010年11月2日記

         ショートコメントのとおり。



洋10-134 超強台風(2010年)  

       <宣伝用DVD鑑賞>     2010年11月1日鑑賞
       (中国映画)            2010年11月2日記

    ・・・ディザスター・ムービーはハリウッドの専売特許ではない!中国映画だっ
    て!浙江省温州市を襲った“藍鯨(あいげい)”はニューオリンズを襲った“カト
    リーナ”にも匹敵する「超強台風」だが、そんな危機に直面した市長の対応と
    決断は?
      こんなスーパー市長、いるはずがない!一方ではそう思うが、次々と襲っ
    てくる危機の中、ベストと信じる決断と人間性あふれる行動を示す市長を見て
    いると、思わず目頭が熱くなってくる。そこで思うのは、日本になぜこんなリー
    ダーがいないの?ということだが、それって所詮ないものねだり?
      菅直人総理以下の、危機管理を担当する大臣はくだらない会議をやめて、
    早急に本作の鑑賞を!


洋10-135 我が闘争(2010年)  

       <シネ・リーブル梅田>      2010年11月3日鑑賞
       (スウェーデン映画)       2010年11月4日記

    ・・・これは何が何でも観なければ!そんな思いで50年前の記録映画を鑑
    賞。タイトルだけで何の映画かわかる人は今や少ないだろうが、こりゃ必見!
      ヒトラーによるユダヤ人迫害の実態は広く知られているが、1920~30年
    代にナチスがなぜ台頭したの?それについては知らない人が多いのでは?
      「失われた20年」が続き、政治的混迷から「日本沈没」まで予測される現
    状下、あなたはこの映画から何を学ぶ?


洋10-136 続・我が闘争/勝者と敗者(2010年)  

       <シネ・リーブル梅田>        2010年11月3日鑑賞
       (スウェーデン映画)          2010年11月4日記

    ・・・前編では、ナチスドイツの残虐性とともに、その誕生から崩壊までの歴史
    的位置づけを主に学習!しかして、続編はニュルンベルグ裁判を通して、ナチ
    スドイツの残虐性に焦点を!ある意味、前編の補完的位置づけだが、映像の
    生々しさには思わず目を覆うところも・・・。なぜ、ここまで人間性を喪失できる
    の?ひょっとして、この残虐性はあなたの中にも?そんなことを考えながら、
    権力の恐ろしさと自分の果たすべき役割をしっかりかみしめたい。


洋10-137 白いリボン(2009年)  

       <東宝試写室>                  2010年11月4日鑑賞
 (ドイツ、オーストリア、フランス、イタリア合作ドイツ映画)2010年11月9日記

    ・・・ドイツのミヒャエル・ハネケ監督が、パルム・ドール賞受賞も当然!という
    すごい映画を完成させた。お正月映画はこれで決まり!
      時代は1913年、舞台は北ドイツの小さな村。教育と宗教を2つのテーマと
    して、支配者VS被支配者という基本構造の中にがっちり組みこまれた閉鎖的
    な村の中で、次々と奇妙な事件が・・・。なぜ、こんな事件が?この犯人は一体
    ダレ?
      韓国映画『黒く濁る村』(10年)にも共通する重苦しい雰囲気が本作の大き
    な特徴だから、ぐったり疲れることまちがいなしだが、観察の奥深さとストーリ
    ー展開の面白さはピカイチ。ちなみに、まちがっても、犯人の見つからないミス
    テリーなんて・・・?などと言わないように。


日10-138 ゴースト もういちど抱きしめたい(2010年)  

       <梅田ピカデリー>      2010年11月13日鑑賞
       (日本映画)          2010年11月15日記

    ・・・恋人の死に涙する可憐なデミ・ムーアと、懸命に恋人との意思疎通を図ろ
    うとするゴースト松嶋菜々子。あなたは、どちらが好き?ありえねえ設定のファ
    ンタジーと純愛劇だが、そこには意外なスリルとサスペンスも。『恋と花火と観
    覧車』(97年)も良かったが、13年後の本作における松嶋菜々子の魅力もな
    かなかのもの。
       この手の映画については、難しいことは何も言わず、その美しさにうっとり
    できれば、それで十分?


洋10-139 ソーシャル・ネットワーク(2010年)  

       <ソニー・ピクチャーズ試写室>  2010年11月17日鑑賞
       (アメリカ映画)            2010年11月19日記

    ・・・日本では、ホリエモンこと堀江貴文が「出る杭」としてたたかれたが、さて
    「言論の国」アメリカでは?機関銃のようにくり出される膨大なセリフを、あな
    たはどう受け止める?
      「フェイスブック」って一体ナニ?年配者はそのことからして知らないだろう
    が、坂本龍馬が言うように、日本の若者は広く目を世界に広げなければ!そ
    れぞれにすさまじいエネルギーを発揮するアメリカの3人の主人公たちの生き
    ザマを、中国の「三国志」と対比しながら考えるのも一興では?


洋10-140  愛する人(2009年)  

       <東映試写室>           2010年11月18日鑑賞
       (アメリカ、スペイン映画)      2010年11月24日記

    ・・・生みの母親を知らない37歳の優秀な女性弁護士は今バリバリのキャリア
    ウーマンに。14歳で娘を産んだ母親は51歳の今、孤独な生活を。そんな2人
    に接点は生まれるの?
      他方、子供を産めない身体であるため養子を迎えることを決断した黒人女
    性のバトルとは?女性の心情を描くスペシャリストというガルシア監督の脚本
    はすばらしい。男には想像もつかない女性たち、子を思うことをテーマとしたド
    ラマの展開に圧倒されるはずだ。
      感動的なフィナーレにも納得。こりゃ女性のみならず、女性の心情を知りた
    いと願う男たちすべてが必見!


洋10-141 7級公務員 (2009年)  

       <東映試写室>         2010年11月18日鑑賞
       (韓国映画)            2010年11月24日記

    ・・・北朝鮮から韓国の延坪(ヨンピョン)島へ砲撃!11月23日夕方に流れた
    ニュースに私はビックリ!そんな事態のために韓国には国家情報院があり、
    本作の主人公のような女スパイがそこに所属しているのだが・・・。
      否、本作はそんなシリアスものではなく、最近のハリウッド映画『ナイト&デ
    イ』(10年)のようなアクション・ラブコメディだから、もっと気楽に楽しまなくっ
    ちゃ。そう思うのだが、根が真面目な私はつい・・・。


日10-142  白夜行(2011年)  

       <GAGA試写室>       2010年11月24日鑑賞
       (日本映画)            2010年11月25日記

    ・・・19年前に起きた密室殺人事件の謎とは?あの時はまだ幼かった容疑者
    の美しい一人娘と、ひきこもりだった被害者の息子は今、どこで、何を?
    定年後なお事件を追う刑事の執念は、一体なぜ?累計200万部。
    東野圭吾文学の最高峰がTV、舞台に続いて遂に映画化!2時間29分の
    壮大な物語の中で展開される多くの人生観から、あなたは何を学ぶ?


洋10-143 ハーモニー 心をつなぐ歌(2010年)  

       <東映試写室>         2010年11月26日鑑賞
       (韓国映画)            2010年11月29日記

    ・・・梶芽衣子主演の『女囚さそり』(72年)は徹底的に暗い女刑務所内を
    描いたが、女囚たちの心の中の悲しみを歌に託するという本作のテーマ
   では、明るさもホドホドに。
      悲しみと喜び。達成感と喪失感、そのバランスがすばらしい。
   そして何よりも、合唱団の結成とそのサクセス・ストーリーの中での
   人間同士の心のふれあいがすばらしい。日常生活の中で濁ってしまった
   あなたの心の中も、本作を観れば、きっと洗われ感動の涙を流すはずだ。


日10-144 雷桜(2010年)  

       <TOHOシネマズ梅田>    2010年11月27日鑑賞
       (日本映画)            2010年11月29日記

    ・・・ロミオとジュリエットの現代版は、ミュージカル映画の最高峰である『ウエ
    スト・サイド物語』(61年)など数多い。本作は日本版ロミオとジュリエットだ
    が、徳川時代の身分違いの恋という設定のため、いろいろと無理筋が目立
    つ。しかし、白馬にまたがった蒼井優のオリジナリティあふれる着物姿は、
    「DESIRE」を歌った時の中森明菜と同じようにベリーグッド!
      テレビの2時間ドラマ的にお気楽に楽しむには絶好だが、バカ殿様の
    バカさ加減と決断力のなさにはうんざり。そして、私はついそんな姿を菅直人
    総理に投影してしまったが・・・。


洋10-145 アメリア 永遠の翼(2009年)  

       <TOHOシネマズ梅田>      2010年11月27日鑑賞
       (アメリカ映画)            2010年11月29日記

    ・・・女リンドバーグともいうべき、アメリア・イアハートをあなたは知ってる?そ
    んなヒロインの「伝記」ともいうべき冒険と愛の物語が本作!
      『素晴らしきヒコーキ野郎』(65年)の面白さに酔いしれた私だが、支援者
    兼夫となったパットナムとの愛情物語はともかく、飛行機を飛ばすだけの伝記
    物語ではやはり映画として少し無理が・・・。
    


日10-146 ジーン・ワルツ(2011年)  

       <東映試写室>       2010年11月30日鑑賞
       (日本映画)          2010年12月7日記

    ・・・死亡肝移植をテーマとした『孤高のメス』(10年)に続いて、代理出産を
    テーマとした本作はどんな問題提起を?そう期待したが、さて・・・?
      現在の医療界の問題点は明らかだが、体制内変革を叫ぶ若手エリート医
    師の具体策とは?他方、こんな代理出産はあまりにも無茶・・・。しかして、本
    作のクライマックスをあなたはどう評価?
    


日10-147  武士の家計簿(2010年)  

       <梅田ピカデリー>    2010年12月5日鑑賞
       (日本映画)         2010年12月7日記

    ・・・近時なぜか時代劇ブームだが、ここにチャンバラなき異色の時代劇が
    登場!武士の魂は刀ではなく、そろばん!そう言い切り、自分の職分に徹す
    る御算用者の生きザマとは?
      複式簿記の体をなさない入払帳(現金出納帳)だけでも財政改革は可能!
    そんなメッセージを、借金大国ニッポンの政治家と国民はどう受け止める?
    ほのぼのとした家族の姿に微笑むとともに、そんなお勉強もしっかりと!
    


洋10-148  私の愛、私のそばに(2009年)  

       <角川映画試写室>    2010年12月6日鑑賞
       (韓国映画)          2010年12月7日記

    ・・・難病モノはもう飽きた。確かに邦画のそれはそうだが、韓国映画の本作
    は別!それは『ユア・マイ・サンシャイン』(05年)のパク・チンピョ監督が描く
    「純愛」を越えた大人の愛の演出力と、2人の俳優の演技力のおかげ。
      キム・ミョンミンの激ヤセ力とその演技にも脱帽だが、美女好きの私の注
    目は何といってもハ・ジウォン。26歳の時の『ボイス』(02年)も『セックス イ
    ズ ゼロ』(02年)も良かったが、本作の彼女は最高!こりゃ必見!ちなみ
    に、必ずハンカチは手もとに・・・。
   


洋10-149  スプリング・フィーバー(春風沈酔的晩上(2009年)
                                            
 
       <シネマート心斎橋>      2010年12月7日鑑賞
       (中国、フランス映画)      2010年12月8日記

    ・・・婁燁(ロウ・イエ)監督の前作『天安門、恋人たち』(06年)は政治的主張
    よりも『ラスト、コーション(色、戒/LUST,CAUTION)』(07年)ばりの過激
    な性描写が目立ったが、新作のテーマは同性愛(ゲイ)。こりゃ必見!3人の
    男と2人の女が織りなす恋愛劇(?)は夫婦者や恋人同士がいるため入り交
    じり、まさに原題の『
春風沈酔的晩上』のように浮遊し不安定。さてスプリング
    ・フィーバー(春の嵐)の行き着く先は?
      この手の数々の名作をしのぐ、生々しいシーンの続出にはビックリだが、
    私的には新人美女にも注目!当局からトコトン嫌われたこんな映画は、是非
    観ておかなければ・・・。
    


洋10-150  アンストッパブル(2010年)  

       <角川映画試写室>    2010年12月8日鑑賞
       (アメリカ映画)         2010年12月8日記

        ショートコメントのとおり。


洋10-151 シリアスマン(2009年)  

       <GAGA試写室>    2010年12月10日鑑賞
       (アメリカ映画)       2010年12月13日記

    ・・・『ノーカントリー』(07年)をはじめとして、コーエン兄弟の作品は毒気が多
    いが、さて本作では?平凡な人間には平凡な生き方が一番。それができれば
    幸せだが、それを希望しながら、なぜか裏目裏目に。なぜ俺だけが?なぜ俺
    だけに?そう叫んでも解決策はなさそうだ。
      さあ、ユダヤ人社会特有の存在であるラビは、そんな主人公に対していか
    なる人生の指針を?それにしても、人生ってなぜこんなに不条理なの?


洋10-152 イップ・マン 葉問(2010年)  

       <GAGA試写室>    2010年12月10日鑑賞
       (香港映画)         2010年12月14日記

    ・・・『スピリット』(06年)でジェット・リーが霍元甲を演じたのなら、ドニ
    ー・イェンは本作でイップ・マンを!ブルース・リーに武術の心と技を伝えた
    師匠がイップ・マン。時代は1950年。舞台は香港だ。
      『スピリット』のハイライトは1つだけだったが、本作は2つ。ホン師範の
    死を乗り越え、イップ・マンはボクシング・チャンピオンといかなる異種格闘
    技戦を?あれから60年。現在のイギリスと中国の力関係を考えると、隔世の
    感が・・・。


洋10-153 男たちの挽歌(2010年)  

       <東映試写室>    2010年12月13日鑑賞
        (韓国映画)      2010年12月13日記

        ショートコメントのとおり。


洋10-154 しあわせの雨傘(2010年)  

       <GAGA試写室>    2010年12月14日鑑賞
       (フランス映画)       2010年12月14日記

    ・・・清楚で美しかった若き日の「あの雨傘」も良かったが、今なお変わらぬ美
    しさを保つ「この雨傘」も意外にグッド!本作は単なる心温まるコメディでは
    なく、意外や意外、1977~78年のフランスの政治状況と女性解放の動きが
    ヴィヴィドに!こりゃいかにもフランス的な、風刺の効いた問題提起作。
      こういう映画をつくれること自体が文化なのだ、とあらためて痛感!


洋10-155 RED(2010年)  

       <角川映画試写室>    2010年12月16日鑑賞
        (アメリカ映画)        2010年12月17日記

        ショートコメントのとおり。


日10-156 冷たい熱帯魚(2010年)  

       <GAGA試写室>    2010年12月17日鑑賞
       (日本映画
           2010年12月18日記

   ・・・3時間57分の『愛のむき出し』(08年)にも驚いたが、『悪人』(10年)
   をはるかに凌ぐ園子温監督の「悪人」の描き方にビックリ!もともとワル風の
   男と女の「豹変」ぶりには納得だが、これまで真面目に働いてきた善良な
   男も女もここまで「君子豹変」できるの?
     人間の身体だって牛や豚と同じように切り刻んで処理すれば透明に!
   物的証拠がなければ、57人を殺したってきっと無罪に。そんな「悪人」の論理
   にも「なるほど」だが、さて何とも意外な本作の結末は?
     こりゃ必見!園子温監督の人間洞察力の鋭さに脱帽!


日10-157 最後の忠臣蔵(2010年)  

       <梅田ピカデリー>    2010年12月19日鑑賞
       (日本映画
           2010年12月20日記

   ・・・討入りに1人は参加できず、1人は途中で抜け出したのは一体ナゼ?なる
   ほど、こんな忠臣蔵秘話もあったのか!武士とはつらいものだ。
     役所広司と佐藤浩市の熱演は見モノ。そして、映像の美しさも出色。しかし、
   ヒロインの美しさと演技力はイマイチ?そして、人形浄瑠璃「曽根崎心中」とのコ
   ラボ(?)には、異議あり!
   


洋10-158 デザートフラワー(2009年)  

       <テアトル梅田>             2010年12月30日鑑賞
       (ドイツ、オーストリア、フランス映画
 2011年1月5日記

   ・・・ソマリアは内戦で無政府状態の国。そんな国から、なぜ世界的スーパーモ
   デルが?また、内向き志向のニッポン人は、彼女の生きザマから何を学ぶ?
     それはそれだが、本作最大の問題提起はFGM。FGM=女性性器切除とは
   一体ナニ?本作を契機に中国の宦官(かんがん)制度とあわせて勉強し、あな
   たがいかなる社会的役割を果たせるかを、しっかり考えてみなければ・・・。   
   


日10-159 ばかもの(2010年)  

       <シネ・リーブル梅田>        2010年12月31日鑑賞
       (日本映画
                2011年1月5日記

   ・・・・19歳の大学生の童貞を奪う、27歳の奔放な年上女。以降セックス三昧
   の日に男は幸せの絶頂だったが、ある日公園で受けた仕打ちとは?村上春樹
   原作の『ノルウェイの森』(10年)のテーマは喪失だったが、私には本件の
   「喪失」の方がリアルでベター!
      時は移り、10年後に再会した2人のラブストーリー(?)の展開とは?
   やっと、アル中を克服したのに・・・。やっとまともな女との結婚が見えてきた
   のに・・・。そんな声もあるだろうが、私には互いに1度ずつ呟く「ばかもの」同士
   の方が魅力的・・・。