弁護士 坂和章平による
   「独断」と「偏見」にもとづく

                映 画 評 論
                  2009年下半期(2009年9月1日~12月31日分)
                         更新日 2011(平成23)年5月21日

 〔目 次〕
               注) タイトルの後ろの(年)の表示は映画の製作です。
                  本文はネタバレを含みます。

洋09-140 ホースメン(2008年)     

       <角川映画試写室>             2009年9月1日鑑賞
        (アメリカ映画)                 2009年9月2日記
   ・・・ホースメンとは、ヨハネの黙示録における赤・黒・緑・白の4人の騎士
    のこと。
      7つの大罪をテーマとした『セブン』(96年)の向こうを張った(?)、
    サディスティック・サスペンス・スリラーとは?そしてその美学と恐怖とは?
      美しき殺人者に扮するアジアン・ビューティー章子怡(チャン・ツィイー)に
    注目だが、どちらかというとサスペンションの世界へは深入りしない方
    が・・・。


日09-141 わたし出すわ(2009年)     

        <アスミック・エース社内DVD試写>   2009年9月2日鑑賞
        (日本映画)                   2009年9月3日記
   ・・・小雪主演の森田芳光監督作品。そして、何とも意味シンなタイトル。
    こりゃ絶対観なくては!と思ったが・・・。
     小雪が出すのはお金。「わたし出すわ」と言われた男3人、女2人の
    同級生たちの対応とその未来は?
     そこから見える人間像がテーマだが、民主党への政権交代が実現した
    今、子ども手当を目玉とする現金支給の功罪と共に、その意味をさまざまな
    視点から考えたい。アイデアは出色だが、さて作品としての出来は?


洋09-142 アバンチュールはパリで(2008年)   

        <GAGA試写室>        2009年9月4日鑑賞
        (韓国映画)             2009年9月4日記
   ・・・“韓国のゴダール”“エリック・ロメールの徒弟”と評される、韓国の奇才
    ホン・サンス監督の作品をはじめて鑑賞。
     何とも言えないキャラのおじさんを主人公とした韓国初のブログ映画
    (?)、そしてウッディ・アレン監督を彷彿させるウィットに富んだ会話劇
    を堪能したい。
     それにしても、男女の恋のアバンチュールは興味深い。そして、その原動
    力は男のあくなきエッチへの願望?
     「愛してる」という言葉が苦手な日本人と、婚活上級者向けの教科書
    として本作は最適!


日09-143 白日夢(2009年)          

        <ユウラク座>         2009年9月6日鑑賞
        (日本映画)           2009年9月7日記
   ・・・武智鉄二監督、愛染恭子主演そして本番映画男優佐藤慶、それが話題を
    呼んだ1981年版『白日夢』のビッグネーム。その『白日夢』を、愛染恭子
    監督がリメイク!こりゃ必見と思ったが・・・?
      シンプルイズベストの逆をいく複雑なストーリーは私には煩雑で、イライラ
    するだけ。
      しかして、大きく期待した肝心のセックスシーン、本番シーンは?


日09-144 クヒオ大佐(2009年)   

        <東映試写室>         2009年9月10日鑑賞
        (日本映画)            2009年9月11日記
   ・・・こりゃ個性派俳優堺雅人の代表作に!徹底的に尽くしてくれるバカな
    弁当屋の女社長(松雪泰子)や、若い身体を捧げてくれるエリート学芸員
    (満島ひかり)のお陰もあり、つけ鼻をしたクヒオ大佐=堺雅人の騙しの
    テクニックは絶好調?
      クヒオの日(9月10日)に配布された「夕刊恋愛サギ」では「結婚詐欺
    クヒオ大佐 女性食い物に?」と報道されたが、なぜ女たちはこんな男に
    コロリと騙されるの?「私に限って・・・」と思っているあなたが、一番騙され
    やすいのかも?
      その意味では、騙す側も騙される側も、こりゃ必見!


洋09-145 アンナと過ごした4日間(2008年)   

        <宣伝用DVD鑑賞>        2009年9月11日鑑賞
        (フランス、ポーランド映画)      2009年9月12日記
 →大阪日日新聞「弁護士坂和章平のLAW DE SHOW」(09.10.31)掲載
   ・・・えらく楽しげな邦題だが、ポーランド生まれの「幻の巨匠」作品らしく、
    内容は重厚、そして描かれる愛の姿は深遠だ。
      とはいっても、覗きがテーマだからわかりやすい?いやいや『ディスター
    ビア』(07年)と対比すれば、その違いは?
      セリフとその解説を極端に排した本作の鑑賞とその理解は大変だが、
    これこそがホントの芸術、ホントの映画!


洋09-146 出発(1967年)      

        <宣伝用DVD鑑賞>        2009年9月12日鑑賞
        (ベルギー映画)            2009年9月12日記
   ・・・『アンナと過ごした4日間』(08年)に続いて、イエジー・スコリモフスキ
    監督の金熊賞受賞作品を鑑賞。
     1960年代後半のヌーヴェルヴァーグ作品らしく、レーサーを目指す
    主人公マルクの生きザマは無軌道で危なっかしい。恋人のミシェルもポルシェ
    の盗みに加担するなど、一歩誤れば2人の人生は台無しに。
     しかし、そんなスレスレのところに青春の瑞々しさが輝くから不思議。
     時代を越えたきらめきを今、あらためて実感!


洋09-147 コネクテッド(保持通話/CONNECTED)(2008年)
                                     
 

        <テアトル梅田>        2009年9月14日鑑賞
        (香港、中国映画)         2009年9月16日記
   ・・・
ハリウッド作品を香港の陳木勝(ベニー・チャン)監督がリメイク!
    その発想にビックリだが、こりゃ本家以上に面白い?
      まずは、誘拐され、1本の電話が命綱となる美女の子供を思う切なさと
    強さに注目!そして、一見頼りなさそうなメガネ男の義侠心にも注目だ!
      カーチェイスの醍醐味とスリル満点の追跡劇を楽しみながら、ハッピー
    エンドを迎えたいが、きっとどこかに大波乱が?


日09-148 ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~(2009年)  

        <東宝試写室>        2009年9月15日鑑賞
        (日本映画)            2009年9月16日記
   ・・・太宰治生誕百年を迎えた今年、その映画化ラッシュの中で
    根岸吉太郎監督がモントリオール国際映画祭で最優秀監督賞を受賞!
     太宰治といえば自殺、自殺といえば太宰治。そしてそもそも、太宰
    文学は敗北の文学?ところが、本作のテーマは「暗いだけじゃない」
    らしい。夫とは対照的な、松たか子演ずるヴィヨンの妻(=太宰治の妻)の
    生きザマとは?
     ちなみに、本作ではタイトルの他、意味シンなサブタイトルにも注目を。


洋09-149 ココ・アヴァン・シャネル(2009年)    

        <梅田ピカデリー>        2009年9月21日鑑賞
        (フランス映画)            2009年9月23日記
   ・・・男だって女だって、時代を切り開き、人間の価値観を変えるのは異端児。
    そんな真理が、19世紀末から20世紀初頭の時代を女だてらに自立しようと
    もがくオドレイ・トトゥ演ずるシャネルの姿を観ればよくわかる。
     もっとも、銀座のママさんたちの出世競争と同じく、あの時代では
    なおさら女の武器の活用と男の援助は不可欠?
     2人の男との絡みの中、若き日のシャネルが示す生きザマは、まさに
    「ファッションは廃れても、スタイルは廃れない」との名セリフどおりだ。
     さて、不安で不透明な今の時代、彼女の生き方から何を学ぶ?


日09-150 カムイ外伝(2009年)       

        <梅田ピカデリー>        2009年9月22日鑑賞
        (日本映画)             2009年9月23日記
   ・・・大学時代の愛読書『カムイ外伝』が映画化!あの唯物史観と階級闘争
    史観にもとづく(?)長編漫画は映像化不可能だったのでは?
     約2時間の物語に、どんなエッセンスを盛り込むの?そして、下忍で
    抜け忍のカムイを松山ケンイチがいかに熱演?こりゃ必見!
     今ドキの映画にはCGとVFXの活用が不可欠だが、「人生で最も
    過酷な撮影(ロケ)になった」という崔洋一監督は、その調和点をどこに?
    それによって、本作の好き嫌いと評価が大きく分かれるのでは?


洋09-151 スター・トレック(2009年)    

        <ホクテンザ2>        2009年9月23日鑑賞
        (アメリカ映画)          2009年9月24日記
   ・・・今から30~40年前、TVの『宇宙大作戦』シリーズで観たカーク船長や
    スポック副長が、再び最新映像で目の前に。
      バルカン人は思い出したが、巨大宇宙船ナラーダに乗るネロ船長とは
    一体ダレ?彼はなぜ地球人やバルカン人に復讐を誓っているの?
      それが若き日のカーク船長やスポック副長たちの前に立ちはだかる
    難関だが、前向きの姿勢さえあればきっと解決できるはず。
      映像技術の進歩とそれが映画に与える感動の意味を考えながら、たまには
    こんな超大作の鑑賞もいいのでは?

 


日09-152 さまよう刃(2009年)     

        <東映試写室>        2009年9月25日鑑賞
        (日本映画)           2009年9月26日記
   ・・・少年たちに愛娘をレイプされ殺されてしまった父親のとるべき行動とは?
      他方、少年の逮捕と殺人者となった父親の二方面捜査を余儀なくされた
    警察の正義とは?
      予定調和(?)の結末もあっと驚くオチも演出過剰気味だが、考える素材と
    しては十分。
      構成上の難点もチラホラだが、裁判員裁判と裁判への被害者参加が
    始まった今、こんな映画からあなたの価値観をしっかりと。


洋09-153 母なる証明(2009年) 

        <GAGA試写室>           2009年9月25日鑑賞
        (韓国映画)                2009年10月1日記
 →大阪日日新聞「弁護士坂和章平のLAW DE SHOW」(09.10.24)掲載
   ・・・久々に骨太の、映画らしい映画を堪能。もっともそれは、集中しなければ
    わかりにくいこと、観ていて疲れることと同義語であり、2度観ることを要求
    されることかも?
     「米餅少女」と称される女子高生殺害の真犯人は誰?そんなミステリーの
    視点からも興味深いが、それ以上に味わいたいのは原題の「MOTHER」
    とは?
     出来の悪い息子ほど可愛いらしいが、本作にみる母と息子の絆とは?
     あっと驚く結末を含め、あなたの心に残る一作となること確実だ。


洋09-154 スペル(2009年)        

        <GAGA試写室>        2009年9月28日鑑賞
        (アメリカ映画)           2009年9月30日記
   ・・・サブプライムローン問題以降、銀行のローンデスクは大変だが、そんな
    身近な問題(?)をサム・ライミ監督がものすごいホラー映画に。
      売りの1つは映像効果だが、それ以上にヒロインの闘う勇気に感動。
      もっとも、呪いや呪文の世界が人間の力を越えたものだとしたら、彼女の
    闘いはカラ回り?ハッピーエンド?それとも?
      あっと驚く結末まで、興味は尽きないが・・・。


日09-155 沈まぬ太陽(2009年)     

      <試写会・TOHOシネマズ梅田>    2009年9月28日鑑賞
        (日本映画)                2009年10月5日記
  →大阪日日新聞「弁護士坂和章平のLAW DE SHOW」(09.10.17)掲載
   ・・・日本航空の再建問題、日本郵政公社西川善文社長の退任問題、さらに
    福知山脱線事故の調査情報漏洩問題に揺れるJR西日本など、民主党
    新政権下で注目される各種社会問題の理解には本作がピッタリ?そう思え
    るほどタイムリーな骨太作品に注目!
      1960年代の高度経済成長期を、半官半民の巨大企業国民航空内で
    生きる企業戦士たちの生きザマとは?対照的な人生を歩む恩地(渡辺謙)と
    行天(三浦友和)の姿から、あなたは何を学ぶ?
      日本国の根本的変革が求められる今、就カツ中のあなたもたまにはこんな
    大きな視点から勉強を。


洋09-156 戦場でワルツを(2008年)      

        <東宝試写室>                  2009年10月5日鑑賞
(イスラエル、ドイツ、フランス、アメリカ合作、イスラエル映画)2009年10月7日記
大阪日日新聞「弁護士坂和章平のLAW DE SHOW」(09.11.28)掲載
   ・・・第81回アカデミー賞外国語映画賞で『おくりびと』(08年)の対抗馬、
    というより本命だった本作が遂に日本で公開!
      「アニメーションとドキュメンタリーの融合」とは?そして原題『WALTZ 
    WITH BASHIR』のバシールとは?
      イスラエル人監督アリ・フォルマンが19歳の時に兵士として体験したのが
    1982年のレバノン侵攻だが、当時の記憶が全くないのはナゼ?
      64年間平和を享受していた日本は、常時戦時体制のイスラエルとは
    対極の立場。そんな日本の若者こそ本作を観て、イスラエルの若き兵士
    たちの苦悩を少しでも理解する必要があるのでは?
 


洋09-157 ジュリー&ジュリア(2009年)    

        <ソニー・ピクチャーズ試写室>    2009年10月7日鑑賞
        (アメリカ映画)               2009年10月8日記
   ・・・ジュリア・チャイルドって誰?ジュリー・パウエルって誰?日本人には全然
    なじみのない2人を、アカデミー賞ダブルノミネートの新旧女優メリル・ストリ
    ープとエイミー・アダムスが前作とうってかわって、楽しく熱演!明るく前向き
    に希望を忘れずに!そんなメッセージをしっかりと受けとめたい。
     鑑賞後はきっと牛肉の赤ワイン煮込みや舌平目のムニエルを食べたくなる
    だろうが、ダイエット志向のあなたには、やはり『のんちゃんのり弁』(09年)
    の方がベター?


日09-158 ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない
                           (2009年)
   

       <アスミック・エース社内DVD試写>  2009年10月8日鑑賞
        (日本映画)                 2009年10月10日記
大阪日日新聞「弁護士坂和章平のLAW DE SHOW」(09.11.21)掲載
   ・・・ニッポン国全体がヘコむ中での格差の拡大と失業の増大は由々しき問題。
     かつてもてはやされたIT業界も、今はブラック会社が横行?そんな時代
    状況下、エンタメ性をタップリ含んだ問題提起作が登場!
     世界一長いタイトル(?)を誇るだけでは無意味。さて、中卒でニート歴8年
    という主人公の就職は?ブラック会社内で彼はどんな問題提起を?
     他方、本作のメッセージを、世のニート諸君はどう受けとめる?


日09-159 サイドウェイズ(2009年)    

        <角川映画試写室>          2009年10月9日鑑賞
        (日本映画)                2009年10月10日記
   ・・・人生とワインの共通点は?そんなシャレたテーマで迷える中年男2人の
    ワイナリーめぐりを描いた名作が、ハリウッド版『サイドウェイ』(04年)。
     その日本版リメイクの舞台は信州ワインのワイナリーではなく、何と
    カリフォルニアワインの産地ナパ・バレー。
     4人の登場人物の寄り道の多い人生をワインになぞれば、それぞれ
    ナニ?極上品もいいが、ピークを過ぎた味わいも・・・。
     しかして、あなたの人生の到達点をワインに例えれば?


日09-160 引き出しの中のラブレター(2009年)   

        <梅田ピカデリー>            2009年10月10日鑑賞
        (日本映画)                 2009年10月13日記
   ・・・伝えられずにいる言葉、ありませんか?ラジオを通じたそんな問いかけに、
    思わぬ大反響が!それは、メールやインターネットなどの情報化がとことん
    進んだ現代社会においても、なお人間は伝えられない想いを抱えている
    ため?
      もっとも、意味シンなタイトルとは裏腹に、本作の中身は理想的な作り物
    の世界。だって、結果的に想いがすべて相手に伝わるのだから。
      しかし、作り物の映画で一瞬でもそんな幸せを噛みしめることが
    できれば、それで十分?


洋09-161 狼の死刑宣告(2007年)     

        <テアトル梅田>            2009年10月12日鑑賞
        (アメリカ映画)              2009年10月13日記
   ・・・『狼よさらば』(74年)の続編ともいういべき「ヴィジランテ映画」で、
    ケビン・ベーコンはいかなる狼ぶりを?
     裁判員裁判が始まった今、復讐=私的制裁を肯定する『さまよう刃』
   (09年)や本作がヒットするのは困ったもの?.
     セガール映画と同じでヴィジランテ映画にもたくさんの「予定調和」が
    あるが、それを割り引いても映画が面白ければそれでオーケー?


日09-162 ゼロの焦点(2009年)   

        <東宝試写室>            2009年10月14日鑑賞
        (日本映画)               2009年10月16日記
大阪日日新聞「弁護士坂和章平のLAW DE SHOW」(09.11.7)掲載
   ・・・『椿三十郎』(07年)や『私は貝になりたい』(08年)に続いて、東宝が
    松本清張の名作のリメイクに挑戦!金沢の雪、能登の荒海、あの断崖、
    そして昭和32年の風景を、犬童一心監督はどのように演出?
     人間ドラマでは、野村芳太郎版(1961年)以上に広末涼子、中谷美紀、
    木村多江の3大女優比べの妙に注目!他方、存在感をみせる男優は誰?
     山崎豊子原作の『沈まぬ太陽』(09年)と共に大ヒットを期待したい
    が、さて?


洋09-163 脳内ニューヨーク(2008年)     

        <アスミック・エース社内DVD試写>  2009年10月19日鑑賞
        (アメリカ映画)                2009年10月20日記
   ・・・『マルコヴィッチの穴』(99年)、『エターナル・サンシャイン』(04年)を
    生んだ天才脚本家チャーリー・カウフマンの頭の中が、凡人に理解しがたい
    のは当然?
     それは、自分の頭の中にあるニューヨークを本物のニューヨークの中に
    作りはじめたフィリップ・シーモア・ホフマン演ずる主人公の頭の中と同じ?
     時間軸が?登場人物が?そしてストーリー全体が?しかし、そこで描か
    れる人生とは?生きるとは?そして死とは?それをしっかりと!


洋09-164 イングロリアス・バスターズ(2009年)   

        <東宝東和試写室>          2009年10月20日鑑賞
        (アメリカ映画)               2009年10月22日記
大阪日日新聞「弁護士坂和章平のLAW DE SHOW」(09.11.14)掲載
   ・・・ヒトラーをテーマとした最高傑作はチャップリンの『独裁者』(40年)だが、
    タランティーノ監督の本作はそれとは違う意味での大傑作。こりゃ面白い!
     主役のブラッド・ピット扮するアルド中尉以上に、ユダヤ・ハンターの異名を
    とるナチス将校の存在感が圧巻。そして、2人の美女の役割にも注目!
     映画のフィルムの可燃性は?そんな専門知識を学びつつ、異色の
    エンタメ巨編を堪能したい。


洋09-165 ジャック・メスリーヌ Part1 ノワール編
                            (2008年)
   

        <角川映画試写室>          2009年10月21日鑑賞
        (フランス映画)              2009年10月29日記
   ・・・日本が石川五右衛門、アメリカが『パブリック・エネミーズ』(09年)の
    ジョン・デリンジャーなら、フランスには「社会の敵NO.1」と呼ばれた
    銀行強盗王ジャック・メスリーヌが!「ノワール編」と聞けば何となく
    ロマンティックだが、さてその実態は?
     青春時代は『俺たちに明日はない』(67年)のボニーとクライドに憧れて
    も仕方ないが、それはあくまで反面教師として観なければ。1960年代、
    70年代のさまざまな「トピックス」と合わせて学習できれば、最高だが・・・。


洋09-166 千年の祈り(2009年)   

        <GAGA試写室>          2009年10月21日鑑賞
        (アメリカ映画)             2009年10月23日記
 →大阪日日新聞「弁護士坂和章平のLAW DE SHOW」(09.12.5)掲載
   ・・・アメリカ育ちの中国人監督や俳優が、小津安二郎の『東京物語』(53年)
    風の静かな父娘の会話劇を完成!
     一人娘の離婚を父親が心配するのは当たり前。北京からアメリカに
    飛んだ父親が見た娘の生活ぶりは?
      プライバシー面からは多少問題あり(?)だが、告白タイムのクライマック
    スと、そこから生まれる心の安らぎの描写は絶品。たまには、こんな静かな
    小品で心の洗濯を。 


洋09-167 ジャック・メスリーヌ Part2 ルージュ編
                            (2008年)
   

        <角川映画試写室>        2009年10月22日鑑賞
        (フランス映画)            2009年10月29日記
   ・・・ジャックにとっては、32回の銀行強盗以上に4回の脱獄が自慢。もしそう
    なら、それを許すフランスの裁判制度、監獄制度の問題点は?そして、
   非常に目立つフランス警察の無能ぶりは?体重の増加に正比例するか
   のような、ジャックの暴走ぶりをしっかりチェックしたい。
     ハイライトは大迫力の21発の銃撃シーンだが、これはどこまでが事実?
     歴史的にはそんな興味も?同時にこれにて、ほっと安心。しかし、ちょっ
   と残念?


日09-168 さそり(2008年)       

        <ユウラク座>          2009年10月24日鑑賞
        (日本映画)             2009年10月27日記
   ・・・私が大好きだった太田雅子改め梶芽衣子主演の名作『女囚さそり』が、
    水野美紀主演、香港のスタッフと俳優陣によってリメイク。こりゃ必見、
    と思って公開初日に鑑賞したが・・・。
     スタイリッシュな映像展開はオーケーだが、『さそり』最大のポイント
    である「恨み」の説明は?幸せな結婚を控えていた松島ナミが、なぜ
    女囚701に?さそりに?そして復讐の鬼に?
     後半のワイヤーアクションの多用と日本刀登場のバカバカしさを含め、
    もう少し脚本をしっかり練らなければ・・・。


洋09-169 きみに微笑む雨(好雨時節) (2009年)  

        <GAGA試写室>          2009年10月27日鑑賞
        (韓国、中国映画)           2009年10月28日記
   ・・・あなたは「好雨知時節」で始まる唐時代の詩人、杜甫の詩を知ってる?
     四川省の成都を舞台に英語劇で展開される、チョン・ウソン演ずる
    韓国人男性とモデル出身の新星高園園(カオ・ユアンユアン)扮する中国人
    女性の再会と愛の行方は?
     雨も降るタイミングが大切なら、愛も同じ。「恋愛映画の巨匠」ホ・ジノ監督
    らしくその描写の細やかだが、攻める男とはぐらかす女の姿に私はつい
    イライラ。さて、あなたのご意見は?


洋09-170 ソフィーの復讐(非常完美)(2009年)   

        <GAGA試写室>          2009年10月28日鑑賞
        (中国、韓国映画)           2009年10月29日記
   ・・・今やすっかり「国際派女優」に成長した章子怡(チャン・ツィイー)が、
    不気味だった『ホースメン』(08年)からガラリとイメチェンして、初の
    コメディに!
      ハリウッド的薫りいっぱいの中国語ラブコメの登場は、米中融合?
    それとも中国の米国進出?中国・韓国・台湾の美男美女6人が大活躍
    だが、日本人俳優はゼロ。これでは東アジア共同体での日本のリーダー
    シップ発揮はとても無理?
      日本人俳優も私のように中国語をしっかり勉強して、東アジアに
    羽ばたかなければ・・・。


日09-171 パンドラの匣(2009年)       

        <テアトル梅田>          2009年10月31日鑑賞
        (日本映画)             2009年11月2日記
   ・・・結核療養所(健康道場)が舞台だが、太宰治には珍しく、恋と友情を描いた
    ユートピア的な明るい作品。それが『パンドラの匣』だが、セリフ回しには
    違和感あり!
     また、「やっとるか」-「やっとるぞ」、「がんばれよ」-「ようしきた」の
    セリフは、何度使えば気が済むの?
     芥川賞作家川上未映子の起用は大冒険だが、その成否は?パンフレット
    は自画自賛気味だが、単調でスローテンポな展開に私は思わず
    あくびが・・・。


日09-172 曲がれ!スプーン(2009年)       

        <東宝試写室>          2009年11月2日鑑賞
        (日本映画)              2009年11月2日記
   ・・・本広克行監督が『サマータイムマシン・ブルース』(05年)に続いて
    二匹目のどじょうを狙った本作の、抱腹絶倒、ミラクル超能力コメディぶりは?
   また、上野樹里と比較した、長澤まさみのコメディアンヌとしての魅力ぶりは?
     超能力を信じる?信じない?それはあなたの自由だが、心が豊かに
   なるのは、さてどちら?
     ちなみに、登場人物が多すぎると論点がボケる傾向が強いが、さて
   本作は?


洋09-173 パリ・オペラ座のすべて(2009年)   

        <テアトル梅田>          2009年11月3日鑑賞
        (フランス、アメリカ映画)      2009年11月5日記
   ・・・タイトルどおり、フレデリック・ワイズマン監督が84日間の密着取材に
    よって、約350年の歴史を持つパリ・オペラ座のすべてをスクリーン上に。
     厳しい練習風景と本番での完成された美しさは圧巻!甘やかされた
    若者たちが増えている昨今、やっぱり競争が不可欠だと痛感したのは私
    だけ?
     満席の観客たちも、充実した160分を過ごせたことに大満足のはずだ。


洋09-174 (500)日のサマー(2009年)   

        <角川映画試写室>         2009年11月10日鑑賞
        (アメリカ映画)              2009年11月17日記
   ・・・男女間の友人関係はたくさんあるが、その場合はセックス抜きが当然。
    したがって、ホレた女から「恋人はイヤだが、友人ならオーケー」と宣言され
    たら、さてあなたは?
     そんなちょっと風変わりな設定で描かれる500日間の恋愛(友人)模様
    だが、意外にもセックスもタップリと・・・。そうなると、還暦を迎えた私のよう
    な男には、ヒロインの価値観は理解不可能?
     本作は婚カツに励む諸君の教科書としても最適だが、こりゃ中級編ないし
    上級編!


日09-175 今度は愛妻家(2009年)       

        <東映試写室>          2009年11月11日鑑賞
        (日本映画)              2009年11月12日記
 →大阪日日新聞「弁護士坂和章平のLAW DE SHOW」(09.12.26)掲載
   ・・・タイトルに思わずドキリ!さだまさしの『関白宣言』を連想しながら、
    くり返しそれを口にした人も多いのでは?
     前半展開される豊川悦司と薬師丸ひろ子の軽妙な会話劇とスレ違い
    ぶりに、思わずニコニコ。しかし、M・ナイト・シャマラン監督並み(?)
    の展開をみせる後半は、きっと涙ポロポロ。
     オカマ役がハマリ役の石橋蓮司と妊娠騒動の張本人水川あさみら
    の熱演を受け、後半にみる夫婦の行き着く先は?


洋09-176 カティンの森(2007年)     

        <GAGA試写室>          2009年11月12日鑑賞
        (ポーランド映画)            2009年11月18日記
 →大阪日日新聞「弁護士坂和章平のLAW DE SHOW」(09.12.12)掲載
   ・・・映画は観て楽しむもの、明るく笑って明日への糧とすべきもの。そういう
    考え方もあるが、本作はそうではなく、学ぶためのものだ。
     あなたは、ポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督を知ってる?カティン
    の森での大虐殺を知ってる?
     戦後日本はアメリカに占領されたが、もし北海道や東北地方がソ連に
    占領されていたとしたら?そんな想像をめぐらせながら本作を鑑賞すれば、
    きっと戦慄を覚えるばず。そして、歴史を語り伝えることの大切さに心震える
    はずだ。
     すごい映画が登場!こりゃ必見!


洋09-177 サヨナライツカ(2009年)  

        <試写会・ブルク7>         2009年11月16日鑑賞
        (韓国映画)                 2009年11月18日記
   ・・・中山美穂が12年ぶりに主演!大胆な性愛シーンに挑戦!そんな期待
   でいっぱいだったが、タイトルを含むわかったようなわからないようなテーマ
   設定に違和感あり!また、25年後の再会とその展開にも違和感あり!
   そのうえ、こりゃまるでミポリンのファッションショー?
     外見も大切だが、もう少し人間の内面に深く切り込んでもらわなけれ
   ば・・・。


洋09-178 ヴィクトリア女王 世紀の愛(2009年)  

        <GAGA試写室>          2009年11月17日鑑賞
        (イギリス、アメリカ映画)       2009年11月18日記
   ・・・ヴィクトリア女王の若き日は意外と知られていないが、ドイツの貴公子
    アルバート公に自ら求婚したのはなぜ?女王の孤独と多くの責任から
    生まれる苦悩を少しでも理解したい。
      他方、政権交代が実現した今、民主党はイギリスの議会制度を重宝
    しているが、本作にみるその実態は?そんな視点も大切だ。
      さらに、少子高齢化に悩む昨今、3男4女の橋下徹大阪府知事を上回る
    4男5女を設けたヴィクトリア女王の生き方から、日本女性が学ぶものは?


日09-179 板尾創路の脱獄王(2009年)  

        <試写会・梅田ブルク7>      2009年11月19日鑑賞
        (日本映画)               2009年11月25日記
   ・・・板尾創路って誰?私はそれすら知らなかったが、テレビの前のあなたなら
    きっと知っているのでは?そんな板尾が「脱獄モノは面白い」の伝統を守る
    エンタメ作を初監督、初主演!
      脱獄は1度でも難しいのに、彼はなぜ何度も脱獄を?それ以上の疑問は、
    なぜ簡単に捕まるの?それはあなた自身が観て確認しなければ。
      実録モノではない、オリジナル脚本の完成度の高さと面白さに拍手!


洋09-180 副王家の一族(2007年)     

        <テアトル梅田>         2009年11月21日鑑賞
       (イタリア、スペイン映画)      2009年11月26日記
   ・・・時代はイタリア統一に揺れる19世紀。舞台はシチリア島。ブルボン家の
    「副王」であるウゼダ家の当主とその長男の確執を軸に展開される「大河ド
   ラマ」はスケール感いっぱい。つまり、もうひとつの『山猫』(63年)の誕生だ。
     しかし、アラン・ドロンとクラウディア・カルディナーレが共演した
    あの華やかさは、本作のどこに?
     今日的には「憎悪が人間を鍛える」という哲学を「友愛」の哲学と対比させ、
    日本国のあり方を検証する視点をもてば、非常に有益だが・・・。


洋09-181 2012(2009年)       

        <梅田ピカデリー>       2009年11月22日鑑賞
        (アメリカ映画)           2009年11月25日記
   ・・・1999年7月の「ノストラダムスの大予言」がハズれてくれたのに、
    マヤの予言で2012年12月21日に人類が滅亡するとは!
      検討点の第1は、秘密を知る人間と知らされない人間の2種類が
    あること。第2は、誰を救う?誰を見捨てる?の基準をめぐる対立。
      ローランド・エメリッヒ監督による究極のディザスター映画は見どころ満載
    だが、実はこれは究極の考えさせる映画?そんな視点によれば、日本の
    危機管理は?ミサイル防衛は?友愛だけでホントにいいの?


洋09-182 ジェイン・オースティン 秘められた恋(2007年) 

        <テアトル梅田>       2009年11月23日鑑賞
        (イギリス映画)           2009年11月27日記
   ・・・女性心理を巧みに描いたジェイン・オースティンの恋愛小説は次々と
   映画化されているが、本人自身の恋愛は?ヴィクトリア女王は4男5女を
   設けたが、ジェイン・オースティンの結婚は?子供は?
     18世紀末のイギリスにおける婿選びの基準は愛ではなく、身分・カネ
   と現実的。駆け落ちは今では日常茶飯事だが、そんな時代状況下での
   駆け落ちの利害得失は?
     家族を犠牲にする愛はもろい。そんな正攻法の恋愛論にあなたも納得?


日09-183 真幸くあらば(2009年)    

        <東映試写室>       2009年11月25日鑑賞
        (日本映画)           2009年11月26日記
   ・・・死刑囚と面会人との心の交流と純愛を描いた名作はキム・ギドク監督
    の『ブレス』(07年)をはじめ数多いが、ここに更なる一本が追加。
     音楽監督森山直太朗作曲の静かなピアノ曲が流れる中で展開される、
    婚約者を殺された女と死刑囚との心の交流とは?なぜ2人の間に、究極の
    愛、禁断の恋が生まれたの?そして、手を触れ合うことさえできない2人の
    性愛の発露は?
     万葉集と有間皇子。そこに出典をもつタイトルの読み方を含めて、
    深く静かに検討したい。


洋09-184 海角七号/君想う、国境の南(2008年)  

        <東映試写室>       2009年11月26日鑑賞
        (台湾映画)           2009年11月30日記
 →大阪日日新聞「弁護士坂和章平のLAW DE SHOW」(09.12.19)掲載
   ・・・台湾のNO1ヒット作がやっと日本へ上陸!朝鮮も台湾も日本が占領・
   統治していたが、その国民性の違いは?日本への反日度、親日度は?
   同時進行する今昔2つの恋愛劇をホントに理解するためには、そんな視点
   も必要だ。
     また、クライマックスで涙を流すためには、シューベルトの『野ばら』を
   知っていることが不可欠。したがって、おじさん、おばさんたちは涙を流し
   ていたが、さて今ドキの日本の若者は?


洋09-185 マッハ!弐(2008年)  

        <GAGA試写室>       2009年11月26日鑑賞
        (タイ映画)             2009年11月28日記
   ・・・メチャ面白かった『マッハ!』(03年)のパート2の登場だが、今回は
   ①CGなし、②ワイヤーなし、③スタントマンなし、④早回しなしの4原則に、
   「ムエタイ以外も使います」がプラス1。類まれな身体能力を誇るトニー・
   ジャーが魅せる、剣術、棍棒を含むオールラウンド格闘技にしばし酔いし
   れたい。
     もっとも、時代設定の是非は?ヒネリすぎたラストの是非は?やっぱり
   この手の映画は、シンプル・イズ・ベストでは?


洋09-186 クリスマス・キャロル(2009年)  

        <梅田ピカデリー>       2009年11月29日鑑賞
        (アメリカ映画)             2009年12月1日記
   ・・・これまで50回以上映像化されているというディケンズの名作の
   映画化だが、今回は「パフォーマンス・キャプチャー」方式が自慢。そんな
   方式は、ファンタジー色の強い過去・現在・未来の亡霊(精霊)のイメージと
   ピッタリ?
      本作にみるスクルージの変革ぶりはお見事だが、人間ってホントにここ
   まで自己変革できるの?小沢一郎は党首選の政見演説で『山猫』(63年)の
   セリフを引用し「変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない」
   と述べたが、彼の自己変革は?
      今年のクリスマスは1番好きなクリスマス・キャロルを聴きながら
   真剣に自己変革を考えなければ・・・。


洋09-187 理想の彼氏(2009年)  

        <梅田ピカデリー>       2009年11月29日鑑賞
        (アメリカ映画)             2009年12月1日記
   ・・・今や恋愛のスタイルや男女の役割分担は何でもあり。すると、2人の
   子連れの40女と24歳の男との恋や結婚も当然オーケー?それができれば
   まさに「理想の彼氏」。そして2人の恋の展開は絶好調だったが・・・。
      キャサリン・ゼタ=ジョーンズの熟女姿の熱演ぶりには拍手だが、
   その結果起こる意外な展開とは?意外な別れとは?そして、意外な結末とは?


洋09-188 パーフェクト・ゲッタウェイ(2009年)  

        <東宝試写室>       2009年11月30日鑑賞
        (アメリカ映画)             2009年12月3日記
   ・・・殺人犯は1組のカップル!彼らは今、島の中に!
     地上の楽園ハワイは新婚旅行に最適だが、新婚旅行とバックパック
   旅行との相性は?また、クリフとシドニーのカップルに絡むあと2組の個性
   豊かなカップルの正体は?
     ネタバレ厳禁だが、犯人当ての確率は三分の一。そんな設定は、
   ひょっとしてゲーム好きのあなたに最適?


日09-189 宇宙戦艦ヤマト 復活編(2009年)  

        <東宝試写室>       2009年12月1日鑑賞
        (日本映画)             2009年12月3日記
   ・・・経済的パワーと国際競争力を低下させつつある、平和だが志を失った
   日本国の復活は?そんな願望と期待の中、あの宇宙戦艦ヤマトが復活!
     西暦2220年巨大なブラックホールの太陽系への接近により、
   地球の滅亡は必至。そんな状況下パワーアップしたヤマトが目指すのは
   イスカンダルではなく、地球からアマール星への移民船団の護衛。
   さて、その前途に立ちはだかる星間国家連合とは?
     今ドキの若い男女も、就活や婚活に悩むだけでなく、地球のため、
   愛する者のために生命をかけて任務に励む男たちの姿に感動して
   ほしいものだが・・・。


洋09-190 台北に舞う雪~Snowfall in Taipei(2009年)

        <GAGA試写室>         2009年12月7日鑑賞
        (中国、日本、香港、台湾映画)   2009年12月8日記
   ・・・台北の小さな町菁桐(チントン)で展開される、台湾のスター陳柏霖
   (チェン・ボーリン)と「小章子怡」と呼ばれる正統派美女童瑶(トン・ヤオ)
   の恋愛劇は、生活感とともに叙情がいっぱい。
     ロミオとジュリエットは悲劇的結論がミエミエだが、大きく立場の違う男女
   の恋の結末は?そんな興味とともに、地盤沈下する一方の日本の地方都市
   再生の処方箋も本作から。


洋09-191 SAW6(2009年) 

        <敷島シネポップ>      2009年12月12日鑑賞
        (アメリカ映画)          2009年12月14日記
   ・・・『SAW4』(07年)に続いて、シリーズ最新作『SAW6』を鑑賞。
   残忍な生き残りゲームが『SAW』シリーズの特徴だが、さて
   アンブレラ保険の保険査定員をターゲットとした『SAW6』のそれは?
     他方、『SAW3』以降出ずっぱりなのがジグソウの元妻ジルだが、
   死せるジグソウが残したあるモノとは?『SAW』シリーズおたくは本作の
   分析と「to be continued “SAW7”」の予測に夢中だろうが、所詮
   そこまでの意欲のない私は、2作で十分?


洋09-192 ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女(2009年) 

        <GAGA試写室>         2009年12月14日鑑賞
        (スウェーデン映画)         2009年12月15日記
   ・・・日本では『このミステリーがすごい!』大賞が大はやりだが、スウェーデン
   発の原作は、全世界で2100万部を突破した『ダ・ヴィンチ・コード』を凌ぐ
   今世紀最大の傑作ミステリー!
      主人公の一人が名探偵の明智小五郎でもシャーロック・ホームズでもなく
   ドラゴン・タトゥーの奇妙な女であるところがミソ。なぜこんな女がヒロインに?
   また、雑誌発行責任者の中年男が依頼された調査になぜここまで執念を?
      『犬神家の一族』を彷彿させる(?)おどろおどろしいヴァンゲル一族内の
   確執とは?そして、40年前の失踪事件の真相とは?
      大ヒットも当然と納得できる緻密な構成と、息もつかせぬスリリングな
   展開に拍手!こりゃ否が応でも、第2作、第3作への期待は高まるばかりだ。


洋09-193 50歳の恋愛白書(2009年) 

        <GAGA試写室>         2009年12月18日鑑賞
        (アメリカ映画)            2009年12月19日記
   ・・・邦題は官公庁的だが、原題はもっとリアルで、ヒロインの赤裸々な
   人生の告白!
      30歳も年上の出版王と結婚したヒロインだが、その若き日のハチャメチャ
   ぶりは?80歳の夫と暮らす50歳のヒロインの気持の揺れは?そして、
   15歳も年下の男となぜ50歳にして惹かれ合ったの?
      平々凡々のあなたには別世界だろうが、週刊誌的興味は津々。しかして、
   渡辺淳一の『告白的恋愛論』と対比すれば、より一層興味深いかも・・・。


洋09-194 赤と黒 デジタルリマスター版(1954年) 

        <テアトル梅田>         2009年12月19日鑑賞
        (フランス映画)            2009年12月21日記
   ・・・平民の出身ながら、知性と美貌を武器に貴族社会に這い上がろうとした
   青年ジュリアンの野望とは?その行き着く先は?
      人妻との許されない恋と決別した彼には、じゃじゃ馬的な侯爵令嬢との
   悩ましい恋が続くが、さていかに対応?
      鮮やかな赤と黒の色彩で復活した1954年の大作は、魅力いっぱい。
   壮大なスケールの時代絵巻と古典的な純愛(?)の展開、そして悲劇的な
   結末をタップリと堪能しよう。


洋09-195 キャピタリズム ~マネーは踊る~(2009年) 

        <TOHOシネマズ梅田>         2009年12月20日鑑賞
        (アメリカ映画)                2009年12月21日記
   ・・・『華氏911』(04年)もタイムリーだったが、世界的金融危機の原因
   となったウォール街支配への突撃取材にもとづく本作はもっとタイムリー。
     もっとも、本作を観て資本主義=キャピタリズムを悪と捉えてしまうと、
   それはミスリード?ひょっとして、マイケル・ムーア監督は社会主義者?
     他方、アメリカがウォール街支配の国なら、日本は官僚支配の国。
   そこに突撃取材をして、その本質を暴く映画監督が早く日本にも登場
   しなければ。さて、その登場はいつ?


洋09-196 フローズン・リバー(2008年) 

        <東映試写室>         2009年12月24日鑑賞
        (アメリカ映画)            2009年12月28日記
   ・・・中朝国境にある豆満江では、川が凍りつく今頃「脱北」の人間ドラマ
   が展開されているが、ニューヨーク州とカナダとの国境にある「フローズン・
   リバー」では、2人の母親が闇ビジネスをめぐってどんな人間ドラマを?
     アカデミー賞主演女優賞とオリジナル脚本賞へのノミネートは当然と
   納得できるすばらしい出来ばえに拍手!母と子の絆とは?共犯となる
   母親同士の絆とは?そして、本作にみる究極の選択とは?
     銃社会もあながち悪くないナと思わせる背景を含めて、才能豊かな
   女性監督の視点をタップリと堪能したい。


洋09-197 ユキとニナ(2009年) 

        <東映試写室>         2009年12月24日鑑賞
        (フランス、日本映画)        2009年12月28日記
   ・・・2人の9歳の少女を主人公としたおとぎ話のような物語は、諏訪敦彦監督
   特有の想像力の中、どんな展開へ?
      第58回ロカルノ国際映画祭審査員特別賞を受賞した『不完全なふたり』
   (05年)も私にはちょっと不思議な映画だったが、それは本作も同じ。
   ユキとニナが迷い込んだ森はパリの郊外ではなかったの?それを含め、私には
   ストーリー展開の必然性についていくつかの疑問があるが、そんなものは
   諏訪監督流の「作家主義」の前には屁みたいなもの?いずれにしても、私には
   諏訪敦彦監督はちょっと苦手?


洋09-198 すべて彼女のために(2008年) 

        <角川映画試写室>     2009年12月25日鑑賞
        (フランス映画)          2009年12月26日記
   ・・・まずは、冒頭の10分間に注目!ここに論点のすべてが集約!
     幸せな夫婦生活から一転、妻は殺人罪で刑務所へ。こりゃきっと冤罪。
   そこで、テーマが「脱獄」になるところがすごい。
     緊迫感いっぱいの96分に集約された人間性タップリのスリルとサスペンス
   に富む「脱獄」物語は、長編デビュー作となったフレッド・カヴァイエ監督の
   才能が随所にキラキラと。
      脱獄は「すべて彼女のために」。そんな邦題の意味をしっかりかみしめる
   べきは当然だが、さてあなたなら・・・?


洋09-199 パブリック・エネミーズ(2009年) 

        <TOHOシネマズ梅田>     2009年12月29日鑑賞

        (アメリカ映画)            2009年12月30日記
   ・・・アメリカ発の世界的金融危機が悪夢の大恐慌時代の再来とならなかった
    のは幸いだが、本作を契機にあの時代の再検証を!
     タイトルは過激だが、マイケル・マン監督とジョニー・デップには稀代の銀行
    強盗に対して同情的な目が・・・?
     それは、女の口説き方や「俺は殺されない」と交わす約束においても顕著?
    くれぐれも、善悪の視点を明確にしたうえで、この誇り高き銀行強盗の評価
    を!


洋09-200 夜ごとの美女(1952年) 

        <テアトル梅田>        2009年12月31日鑑賞
        (フランス映画)          2010年1月7日記
   ・・・渥美清とは正反対の美青年ジェラール・フィリップが、フランス版『男は
   つらいよ』に挑戦!そりゃ言い過ぎかもしれないが、第二次世界大戦終了から
   間もない1953年に、フランスでこんなロマンティック・コメディがつくられた
   ことにビックリ。寅さんシリーズのマドンナはお一人様限定だし、寅さんには
   失恋がよく似合うが、さてジェラール・フィリップは?
     夜ごとこんな夢が見れるのなら、睡眠薬が必需品?しかし、薬物依存が
   社会問題になっている昨今、美女との出会いを求めてそれ以上つき進まない
   方が安全!


洋09-201 THE 4TH KIND フォース・カインド(2009年) 

        <梅田ピカデリー>     2009年12月31日鑑賞
        (アメリカ映画)          2010年1月5日記
   ・・・地球外生命体よるアブダクション(誘拐)とは?ノームで多くの不眠症
   患者に催眠治療を施してきた女性心理学者アビゲイル・タイラー博士が、
   それを検証!
     ミラ・ジョヴォヴィッチをナビゲーターとしたそんなワケのわからない映画
   は衝撃映像でいっぱいだが、いきなり映像でそれを問われてもとまどうだけ。
     「解釈はあなた次第」と言われても、映画でいきなり問うのではなく、
   研究成果を学者の間で検証する方が先では?