弁護士 坂和章平による
   「独断」と「偏見」にもとづく

                映 画 評 論
                          (2006年1月2日~鑑賞分)
                         更新日 2011(平成23)年9月12日
 〔目 次〕
               注) タイトルの後ろの(年)の表示は映画の製作です。
                  本文はネタバレを含みます。


日06-1 配達されない三通の手紙(1979年)     
       <シネ・ヌーヴォ>           2006年1月2日鑑賞
         (日本映画)             2006年1月5日記
     ・・・ある日発見された日付の違う3通の手紙には、妻の死亡を悼む
       文章が・・・。これは一体何・・・?そして誰が、何のために・・・?
        『宋家の三姉妹』ならぬ「唐沢家の三姉妹」を中心に、山口県萩市の
       名家を舞台として展開される「犯人捜し」のスリルとサスペンスはさすが。
        しかし、エラリー・クイーンの原作時と違い、現代ニッポンでは、
       戸籍制度が充実しているから、「謎の妹」が2人も登場するのは
       ちょっと不自然・・・?
        こんな指摘は、イヤミな弁護士評論家だけかもしれないが、
       やはり一工夫いるのでは・・・?


演06-2 Les Miserables「レ・ミゼラブル」(2006年) 
       <梅田芸術劇場メインホール>   2006年1月3日観劇
           (日本ミュージカル)       2006年2月2日記
     ・・・ジャン・バルジャンを中心とする人間模様に感動し、1832年のパリを
       舞台とし、市民革命を目指してバリケードで闘う学生たちの姿に酔いしれ
       ること必至。
        そして、『オン・マイ・タウン』をはじめとする美しいバラードや、「戦う者
       の歌が聴こえるか?」と高らかに歌われる『民衆の歌』などは耳にこびり
       ついて離れない名曲ばかり。
        1988年4月12日の第1回目の鑑賞以来、18年ぶり2度目の
       「レ・ミゼ」は至福の3時間となった。
        日本での上演は遂に2000回を超えたが、俳優陣は充実の一途。
        3000回を目指して更に発展してほしいものだ。

日06-3 わるいやつら(1980年)    
       <シネ・ヌーヴォ>           2006年1月4日鑑賞
        (日本映画)              2006年1月13日記
     ・・・野村芳太郎監督の「病院モノ」第2弾は、松本清張の原作で、
       総合病院の院長に収まっている二世のボンボンが主人公。
        女たらしだけならまだしも、金と欲が絡んでくるとちょっとヤバイ橋を
       渡ることに・・・。
        それにしても、薬の管理はきっちりしてもらわなければ・・・。
        その末路の哀れさにはゾッとするが、所詮それも身から出たさび・・・?
        しかし、よくこれほど「わるいやつら」を集めたものと、あなたも感心
       するのでは・・・?

日06-4 鬼畜(1978年)      
       <シネ・ヌーヴォ>           2006年1月4日鑑賞
        (日本映画)              2006年1月11日記
     ・・・真面目で勤勉な(?)夫には囲い者の女がいた。しかも、3人の
       子供まで・・・。それを知った妻が怒り狂ったのは当然だが、何と
       今日からはその子供たちを押しつけられることに・・・。
        そこから始まる地獄の日々。そしてその中で芽生えたある
       気持とは・・・?
        人間は本来、善かそれとも悪か?それは永遠に不知なるテーマ
       かもしれないが、あなたの心の奥底にも、この主人公たちと同じ気持は
       きっとあるはず。すると、あなたも人間ではなく、ひょっとして鬼畜・・・?

日06-5 疑惑(1982年)      
       <シネ・ヌーヴォ>           2006年1月4日鑑賞
         (日本映画)             2006年1月19日記
     ・・・埠頭から海の中へ車が突っ込み、妻は救助されたが夫は死亡。
       後妻の球磨子はその名前どおりの(?)毒婦。
       そして夫には、3億円の保険金が。捜査陣は色めき立ったが、
      球磨子はあくまで堂々としたもの・・・。
       実在の事件をヒントに野村芳太郎監督・松本清張コンビが見事に
      映画化したものだが、今日まで語り継がれている見モノは、桃井かおり
      VS岩下志麻の「対決」。
       女の業と欲の深さをまっすぐに掘り下げた人間ドラマの面白さは絶品。
       さらに「鑑定」「現場検証」を含めた本格的法廷ドラマとしても
      十分楽しめるため、法科大学院の教材としてもピッタリ・・・。

日06-6 迷走地図(1983年)     
       <シネ・ヌーヴォ>           2006年1月9日鑑賞
         (日本映画)             2006年1月13日記
     ・・・次期総理確実と目されている第二派閥領袖夫人の秘書への
      ラブレターという設定には多少無理があるものの、1970年代から
      1980年代にかけての自民党派閥政治の生態をこれほど興味深く
      国民に示す名作は他にないだろう。
        今、松本清張が生きていたら2001年4月以降の小泉改革の
      展開と2005・9・11総選挙、そして「自民党とりわけその派閥の
      変貌」をどのように描くだろうか?
        安易な企画が多い昨今、あらためてこんな骨太映画の登場を
      期待したいものだが・・・。

日06-7 最終兵器彼女(2006年)       
       <東映試写室>            2006年1月10日鑑賞
        (日本映画)              2006年1月11日記
     ・・・これは、「サイカノ」の愛称で親しまれている高橋しん原作の人気コミック
      を映画化したものとのこと。しかし子ども向けあるいは少女向けアニメ
      としてつくるのならまだしも、一般向け映画としては、そのあまりの
      バカバカしさにびっくり・・・?
       主人公2人を中心とした男女4人の凡庸なセリフ回しにうんざりする
      とともに、「日本滅亡」という危機があまりにも安易に描かれている
      のでは・・・?

日06-8 五瓣の椿(1964年)     
       <シネ・ヌーヴォ>           2006年1月10日鑑賞
        (日本映画)               2006年1月13日記
     ・・・『極妻』シリーズで年増女のスゴ味(?)をみせる岩下志麻は
       知っていても、20歳代の可憐で美しい彼女を知らない若者が
       多いはず。
        なぜ、むさし屋の一人娘おしのが、男たちへの復讐に命を
       燃やすことになったのか?そして、その殺しのテクニックは?
        死体の側におかれた一輪のまっ赤な五瓣の椿の意味する
       ものは・・・?
        そんな娘ゴコロの哀しさとちょっとエロティックな姿をタップリと
       味わいたいものだ。
        そして同時に「御定法」が空洞化している時、自力で正義の鉄槌を
       下すことの可否についても、じっくりと再検討してみる必要が・・・。

洋06-9 エミリー・ローズ(2005年)        
       <試写会・ナビオTOHOプレックス> 2006年1月13日鑑賞
         (アメリカ映画)             2006年1月14日記
     ・・・ムーア神父の手による悪魔祓いの儀式によって19歳の少女が死亡。
       神父は過失致死罪で起訴された。そんな実話にもとづき展開される
      本格的法廷ドラマは、迫力満点!
       敏腕女性弁護士の反論のポイントは、「悪魔の存在」の可能性。
       しかし、法廷でそんな審理がホントにできるの・・・?
       そして、判決の行方は・・・?
       法科大学院の教材として推薦したい第一級映画の登場だ。

洋06-10 スタンドアップ(2005年)   
       <梅田ピカデリー>          2006年1月14日鑑賞
        (アメリカ映画)            2006年1月16日記
     ・・・ハリウッドビューティーを代表するシャーリーズ・セロンが『モンスター』
       (03年)に続いて、汚れ役に挑戦。時代は1989年、舞台は凍てつく
       北ミネソタの鉱山。そしてテーマは女性差別とセクハラ・・・。
        日本がバブルで浮かれていたあの時代、アメリカの鉱山という
       「男の職場」でこんなすさまじい差別があり、そこから「スタンドアップ」
       した女性たちがいたことに感動。
        弁護士を兼ねる映画評論家(?)として、「クラス・アクション」の解説
       にも寄与して、この映画の意義をアピールしなければ・・・。

日06-11 燃ゆるとき(2006年)       
         <東映試写室>         2006年1月16日鑑賞
          (日本映画)           2006年1月17日記

     ・・・今ドキ、こんな日本型会社の「企業戦士」がなぜ主人公に・・・?
       思わずそう考えた私だったが、典型的なアメリカ会社とも、
      「ホリエモン型」会社とも異なる日本企業とその社員の姿が
      たしかにここに・・・。もっとも、それをプラス評価するためには、
      小泉改革の進展とデフレの克服そして株価の回復が前提だから(?)、
       「ポスト小泉」を軸とした2006年の日本の経済運営が、問わ
      れるはず・・・。
        『金融腐蝕列島・呪縛』(99年)ほどのインパクトには乏しく、また、
      ちょっと出来すぎの感はあるものの、さすがに高杉良の経済小説は
      面白い・・・。

洋06-12 ナルニア国物語 第1章ライオンと魔女(2005年)
         <試写会・梅田ピカデリー>   2006年1月17日鑑賞
          (アメリカ映画)           2006年1月18日記

     ・・・『ロード・オブ・ザ・リング』の原作『指輪物語』と並ぶ、20世紀を代表
     するイギリスの作家C.S.ルイスの超大作が遂に映画化。
       ナルニア国とは?その歴史とは?そしてなぜそこにも戦いがあるのか?
      さらに、ライオンの姿をしたアスラン王と「白い魔女」とはどんな因縁が?
      そして、この映画の主人公となる、2人のアダムの息子と2人のイブの娘
      とは?
       日本人には全く想像もつかない国ナルニアを、あなたはいかにイメージ
      できるか?そして『ロード・オブ・ザ・リング』と同じように、「第1章」以下
      続いていく複雑なストーリーにどこまで迫れるか?
       全米NO1の大ヒットだが、あなたの感性と知性が試されることになる、
      この映画は、果たして島国ニッポンでも大ヒットするだろうか?そのキー
      ワードは、ただ1つあなたの「想像力」・・・。

日06-13 博士の愛した数式(2006年)       
       <道頓堀東映パラス>      2006年1月22日鑑賞
        (日本映画)            2006年1月24日記
     ・・・オレは数学がキライだったから法学部に入り弁護士になった。
       そう自負(?)している私だが、この映画を観てあらためてくっきりと
      思い出したのは、中学1年生最初の数学の授業風景。
       もしあの時、ルート先生のような授業にめぐりあっていたら・・・?
       オレは今ごろ弁護士ではなく数学者・・・?
       国語だけではなく数学のレベル低下が問題となっている昨今、
      愛をもって数学に接し、愛をもって人に接することのすばらしさを、
      この映画からしっかりと実感したいものだ

洋06-14 レジェンド・オブ・ゾロ(2005年)       
       <梅田ピカデリー>           2006年1月22日鑑賞
        (アメリカ映画)             2006年1月24日記
     ・・・舞台は1850年のカリフォルニア。テキサスでアラモ砦が陥落した
      14年後だ。アメリカの31番目の州になるか否かを決める「住民投票」
      をめぐる善と悪の闘いがテーマ。
       「ゾロ」の威力は健在だが、妻と息子の占めるウエイトが大きいのが
      本作の特徴。
       したがって、人間ゾロの観賞とキャサリン・ゼタ=ジョーンズによる
      女活劇の観賞もしっかりと。
       ところで、最大の敵をフランス人伯爵と設定したのは、ひょっとして
      イラク戦争の遺恨・・・?

洋06-15 力道山(2004年)       
       <試写会・大阪府立体育会館 第2競技場> 
                                2006年1月23日鑑賞
        (韓国、日本映画)             2006年1月25日記
     ・・・これはスゴイ!『力道山』上映にふさわしく、「大阪府立体育館」で
      開催された試写会は緊張と熱気に包まれ、2時間29分がアッという
      間に過ぎていった。
       「物語」でしか知らなかった力道山が、今私の目の前に・・・。
       そのファイトもすばらしいが、何よりもその生きザマのすさまじさには、
      ただ圧倒されるのみ。
       1月23日の堀江貴文氏逮捕で、また1人のヒーロー(?)を失った
      日本では、今後も個性と覇気を失った「右へならえ」人間ばかりが
      増殖していくのだろうか・・・?
       そんな流れに対して、『力道山』が少しでも警鐘を鳴らしてほしい
      ものだが・・・?

洋06-16 フライトプラン(2005年)       
       <梅田ピカデリー>             2006年1月28日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年1月30日記
     ・・・この映画のテーマは、『パニック・ルーム』(02年)に続く母と娘との絆。
       その舞台は密室だが、メチャ広い超ハイテクのジャンボジェット機内。
       機長の責任の重さは当然だが、キーパーソンになるのは、9・11テロ
      以降配置されるようになったエアマーシャル(私服航空保安官)。
       目が覚めたら傍で眠っていたはずの娘がいなくなっていたうえ、
      誰もそんな娘は見たことがないと・・・。
       そんなバカな!しかし彼女に不利な客観的な事実はさらにドンドン
      積み重ねられていくことに・・・。そんな絶望的な状況の中で発揮される、
      少しおばさん風になったジョディ・フォスター(?)の母親パワー全開の
      熱演に拍手!

洋06-17 プライドと偏見(2005年)       
       <三番街シネマ>             2006年2月2日鑑賞
        (イギリス映画)              2006年2月3日記
     ・・・18世紀末のイギリスの片田舎を舞台に展開される2つの恋愛模様は、
      今も共通する論点ばかり。しかし、女の子に相続権がないあの時代
      では、財産のある男との結婚が、最大のテーマ。
       「あいつは偏見に満ちた奴」そして「プライドの高い女は嫌い」なはず
      だが、さて意外な恋の成り行きは?
       今どきの単純な「純愛ドラマ」ではなく、骨太で複合的、それでいて
      スピード感に満ちた恋愛模様をタップリと楽しめるはず。
       それにしても20歳のキーラ・ナイトレイは、きれいだよ・・・。

洋06-18 ミュンヘン(2005年)       
       <梅田ピカデリー>           2006年2月4日鑑賞
        (アメリカ映画)             2006年2月6日記
     ・・・「アカデミー賞作品賞・監督賞など5部門にノミネート」と報じられた
      スティーヴン・スピルバーグ監督の問題作が遂に公開!
       1972年のミュンヘンオリンピック開催中、現実に起きた人質事件に
      対して、イスラエル政府は断固報復を決断した・・・。
       国家とは?民族とは?家族とは?使命とは?
       1人また1人と報復テロが進んでいくにつれ、そんな根源的な問いかけ
      に次第に重みが・・・。
       お気軽に楽しむ映画が多い昨今、たまにはこんな重厚な魂の問い
      かけについて、じっくりと考えてみたいものだ。

演06-19 信長(2006年)       
       <大阪松竹座>           2006年2月5日観劇
        (歌舞伎)               2006年2月6日記
     ・・・歌舞伎界を代表するプリンス市川海老蔵が演ずる「信長」は、
      作・演出の出来の良さと相まって、ユニークですこぶる魅力的。
        これなら小泉総理も自らの姿をダブらせてご満悦になるのも
      当然・・・?
        セリフ劇の中で展開される三人三様(信長、光秀、秀吉)、二人二様
      (お濃、お市)の群像劇における個性、思想、価値観、生きザマの
      ぶつかり合いも真剣で、そこから学ぶ哲学も多いはず。
        もっとも、「天の声」を聞いたとする信長が天下統一はおろか、
      明の国からローマまでの征服を考えていたというのは、非現実的!
       信長を神がかり的な存在に祭り上げすぎるのは、ちとヤバイの
      では・・・?

洋06-20 プロデューサーズ(2005年)      
       <試写会・ナビオTOHOプレックス>  2006年2月7日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年2月8日記
     ・・・2001年にトニー賞史上最多12部門を受賞したミュージカル『プロデュ
      ーサーズ』が映画化。主役は、史上最悪のミュージカルをプロデュース
      して、一攫千金を狙う2人のおじさんプロデューサー。
       いかにコケるショーをプロデュースするか?
       「逆転の発想」から生まれるストーリー展開は、バカバカしいものだが、
      いかにもブロードウェイ・ミュージカルらしく(?)、楽しさいっぱい。
       そのズッコケぶりをとことん楽しむことができれば、あなたも一流の
      エンターテインメント・・・?

洋06-21 PROMISE(2005年)     
       <梅田ピカデリー>           2006年2月11日鑑賞
        (中国映画)               2006年2月13日記
     ・・・陳凱歌(チェン・カイコー)監督が描き出す摩訶不思議な神話の世界に
      おいて、「約束」「運命」をキーワードに展開される、4人の男たちと1人の
      女の人間模様はそれなりに面白いもの。
       しかし、感動性、重厚性、ドラマ性のどれをとっても、『北京ヴァイオリン』
      (02年)、『始皇帝暗殺』(98年)、『さらば、わが愛/覇王別姫』(93年)
      に及ばない、今風のワイヤーアクション映画。
       「米中融合」「中台融合」は政治の世界、軍事の世界だけにして、チェン
      ・カイコー監督には「これぞ21世紀の中国映画」という中華製の感動作を
      つくってもらいたいものだが・・・。

演06-22 マンマ・ミーア!(2005年)     
       <大阪四季劇場>            2006年2月12日観劇
        (日本ミュージカル)           2006年2月13日記
     ・・・これを観るのに理屈はいらない。1970年代を懐かしむ気持と
       ABBAの曲を一緒に口ずさみ、ノリノリで身体を動かす体力と
       気力があればいい。
        それが団塊の世代を中心としたおじさん、おばさんたちが、ABBAの
       楽曲のみ22曲で構成された楽しいミュージカル『マンマ・ミーア!』を
       観劇するための大切な視点。
        娘の父親が3人の男のうちの誰だかわからなくたって何が悪い!
        そんな「開き直り」の是非を問う議論すらも不要とする楽しさを、
       みんなで共有したいものだ。
        そしてフィナーレはもちろん総立ちで・・・。

日06-23 県庁の星(2005年)        
       <東宝試写室>           2006年2月13日鑑賞
        (日本映画)             2006年2月14日記
    
産経新聞大阪府下版(平成18年3月3日)「That´sなにわのエンタメ」掲載
     ・・・「郵政民営化」法の成立後、行政改革・公務員改革が焦眉の
       課題となっている現在の日本において、実にタイムリーな企画が
       実現した。
        人気コミックの映画化とあなどるなかれ!
        200億円のプロジェクトを80億円に圧縮するには、政官業の癒着
       へのメスと公務員の意識改革が不可欠だが、その端緒はタダで
       飲み放題となっていた公務員たちのコーヒーを一杯100円にする
       ことから・・・?
        これなら今どきの学生諸君にも、役所の構造改革の必要性が、
       ひしひしと実感できるはず・・・。
        リクルート活動中の学生必見の映画として推薦したいものだ。 

洋06-24 ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR(2004年) 
       <東宝試写室>           2006年2月14日鑑賞
        (ロシア映画)            2006年2月15日記
     ・・・ロシア文学の二大双璧は、トルストイの『戦争と平和』とドストエフ
      スキーの『罪と罰』だが、近時ロシア国内でベストセラーとなっている
      のが、全く新しいジャンルの小説であるセルゲイ・ルキヤネンコに
      よる『ナイト・ウォッチ』3部作とのこと。
       これは「光の世界」と「闇の世界」との対立を軸とし、特殊な能力を
      もった「異種(アザーズ)」の行動に焦点をあてたもの。
       それを映画化したこの第1弾は、何と「ロシア興行史上NO1ヒットを
      記録!」したらしい。
       さてロシアはともかく、世界市場においてこの『ナイト・ウォッチ』は、
      どのような評価に・・・?

洋06-25 ファイナル・カット(2004年) 
       <ユウラク座>             2006年2月16日鑑賞
        (アメリカ映画)            2006年2月17日記
     ・・・人間の全生涯を記録するために脳に埋め込まれた装置、それが「ゾー
      イ・チップ」。ある近未来社会では、人が死ぬとこのチップが摘出され、
      カッター(編集者)の手によって追悼上映会を開催するのがセレブたちの
      流行。
       ホンマかいな・・・?
       他方、人間の「記憶」はかなり主観的なもので、客観的な「記録」とは
      異質なもの。とすれば、そんな神をも冒涜するような「ゾーイ・チップ」が
      いつまでも流行するはずはなく、何か大問題が起こるのでは・・・?

日06-26 カミュなんて知らない(2005年)     
       <東宝東和試写室>        2006年2月17日鑑賞
        (日本映画)             2006年2月18日記
    産経新聞大阪府下版(平成18年4月28日)「That´sなにわのエンタメ」掲載
     ・・・いかにも思わせぶりなタイトルに魅かれたが、その内容はスゴイの
      ひとこと。
       「人殺しを経験してみたかった」ということだけで、ホントに主婦を殺せる
      のか?そんなテーマの解釈に悩みながら、『タイクツな殺人者』のクランク
      インを目指して頑張る学生たちの姿から、私たち団塊の世代は何を学ぶ
      ことができるだろうか?
       カミュばりの「不条理な世界」などと難しいことを言わなくても、何が真実
      で、何が虚構かを見極めることは難しいもの。
       主演の交代劇というハプニングを経て、やっとクランクインすることができ
      た劇中劇に、「アクション!」の声がかかった。そのスクリーンいっぱいに
      広がる主婦刺殺現場の生々しさを観れば、その見極めの難しさをタップリ
      と思い知らされるはず・・・。

洋06-27 美しき野獣(2005年)          
       <心斎橋パラダイススクエア>   2006年2月19日鑑賞
        (韓国映画)             2006年2月20日記
     ・・・撮影中にともに30歳の誕生日を迎えたという青春スターの
      クォン・サンウと演技派ユ・ジテの共演だが、その役柄は野獣の
      ような刑事とクールで知的な検事。
       この全く正反対の2人が巨大な悪の組織の摘発に執念を燃やす
      というストーリーだが、結末は何とも意外な方向に・・・?
       『美しき野獣』というタイトルがピッタリの映画だが、さて韓流ファン、
      クォン・サンウのファンのおばちゃまたちは、こんなハードボイルドな
      映画をどう採点するの・・・?

日06-28 疾走(2005年)           
       <ホクテンザ2>          2006年2月19日鑑賞
        (日本映画)             2006年2月20日記
     ・・・重松清の原作にSABU監督が惚れて映画化したものだが、
      そのタイトルを含めて、絵でいえば「抽象画」・・・?
        ここに描かれる兄弟像が1つの焦点だが、それ以上に人間の不幸
      とは?差別とは?宗教とは?そして生きることとは?という重たい
      テーマがずっしりと伝わってくる秀作。
       私が尊敬する韓国の『受取人不明(Address Unknown)』(01年)、
      『春夏秋冬そして春』(03年)、『サマリア』(04年)のキム・ギドク監督
      作品との共通点を強く感じたが、さてあなたは・・・?

洋06-29 プリティ・ヘレン(2004年)        
       <東映試写室>        2006年2月21日鑑賞
        (アメリカ映画)         2006年2月22日記
     ・・・ゲイリー・マーシャル監督による『プリティ・ウーマン』(90年)、『プリティ・
       ブライド』(99年)、『プリティ・プリンセス』(01年)に続く「プリティ・シリー
       ズ」第4作は、ケイト・ハドソン扮するキャリアウーマンが、姉の残した3人
       の子育てに悪戦苦闘しているうちに、1番大切なものを見つけ、女の
       幸せに目覚めていくというお話。
        しかし、これって時計の針をかなり逆回転させているのでは?
        今はやりの(?)アメリカの「新保守主義」の中には、古き良きアメリカを
       懐かしむこんな風潮も含まれているの・・・?

洋06-30 ダイヤモンド・イン・パラダイス(2004年)    
       <梅田ピカデリー>       2006年2月26日鑑賞
        (アメリカ映画)         2006年2月28日記
     ・・・「007シリーズ」のジェームズ・ボンドと同じく知的でダンディな主人公
      マックスだが、一方は超エリートスパイであるのに対し、こちらは超エリート
      泥棒・・・。
       またジェームズ・ボンドは生涯独身(?)で女性関係華やかだが、マックス
      は知能・肉体ともに優秀な(?)1人の女性にぞっこんで、公私ともにいつも
      一緒。マックスが狙う次のターゲットは難攻不落の財宝「ナポレオン・ダイ
      ヤモンド」だが、そうなると、既に泥棒稼業を引退し、バカンスを楽しもうと
      する恋人との間に不協和音が・・・?
       お色気タップリでコメディタッチの「バケーション映画」を、頭を空っぽにし
      て楽しめばいいのだが、ここにも女性上位の姿がはっきりと・・・?
       そして最後に待っているのは、意外にヒューマンな結末・・・。

洋06-31 沈黙の追撃(2005年)        
       <ユウラク座>         2006年2月26日鑑賞
        (アメリカ映画)         2006年2月28日記
     ・・・今回のセガールによる「沈黙シリーズ」は、人間を洗脳し、マインドコント
      ロールすることによって、世界制覇をもくろむテロ集団がお相手。
       自由の身と10万ドルの報酬を条件に、セガールは昔のプロ仲間を結集
      してテロ集団のボスの暗殺と捕虜の奪還という任務に挑むが、そのストー
      リーは今までのシリーズ以上に壮大でダイナミックなもの。
       登場人物が多く、わかりにくいという難点はあるものの、例によって気分
      転換にはもってこい・・・。

日06-32 明日の記憶(2006年)       
       <東映試写室>       2006年2月27日鑑賞
        (日本映画)         2006年2月28日記
     ・・・大ヒットした韓国映画『私の頭の中の消しゴム』(04年)に続く、若年性
      アルツハイマー病をテーマとした映画だが、この主人公は仕事・家庭の両
      面において円熟期にある49歳のサラリーマン。
       ここまでギリギリの局面になると、必然的に家族や夫婦の絆の強さが浮
      かび上がってくるが、「明日はわが身」と思うだけに、観ていて身につまさ
      れることがいっぱい・・・?
       男のあなたなら、泣きじゃくる渡辺謙の姿を観て思わず涙するので
      は・・・?

洋06-33 スティーヴィー(2002年)      
       <東映試写室>        2006年3月1日鑑賞
        (アメリカ映画)         2006年3月4日記
     ・・・スティーヴィー少年のビッグ・ブラザーであったスティーヴ・ジェイムス監
      督が、10年後に再会した時、スティーヴィーは24歳。
       既に前科10犯を重ねていたうえ、撮影中には、少女に対する性的虐待
      容疑によって逮捕・・・。
       そんな現実の事件を含めて、監督はスティーヴィーとどう向き合ってドキ
      ュメント映画を完成させるのだろうか?またその是非、功罪は?
       あまりにも重いテーマで答えは出せないものの、考えさせられることがい
      っぱい・・・。

洋06-34 送還日記(2003年)       
       <松竹試写室>       2006年3月2日鑑賞
        (韓国映画)         2006年3月4日記
     ・・・南(韓国)から北(北朝鮮)へ「送還」されるのは、非転向長期囚の北の
      スパイたち。この映画の主人公は、30~40年という長期の拘束と拷問に
      耐え、非転向を貫いた人物を中心とする9名の人たちだ。
       南北朝鮮分断の悲劇は、さまざまな映画のテーマとして描かれている
      が、これは何ともすごいドキュメント映画。
       戦後日本の60年間の平和をかみしめながら、じっくりと鑑賞したいもの
      だが、そのためにはあなたの感性を研ぎ澄ますことが大切だよ・・・。

洋06-35 南極物語(2006年)     
       <東宝試写室>            2006年3月3日鑑賞
         (アメリカ映画)           2006年3月4日記
     ・・・日本版『南極物語』(83年)は、昭和基地に取り残された2匹のカラフト
       犬を描いた感動作だったが、ディズニー版のこれは、鎖でつながれた
       まま基地に残された8匹の犬ぞり犬の物語。
        人間と犬との愛情もテーマだが、何よりも犬たちの人間以上の(?)
       団結力と利口さにビックリ・・・。
        やはり映画はこういう単純な感動作が1番・・・。

洋06-36 シリアナ(2005年)      
       <道頓堀東映パラス>        2006年3月5日鑑賞
         (アメリカ映画)           2006年3月6日記
     ・・・中東の石油をめぐる利権争いはアメリカ最大の世界戦略のテーマだが、
      近時そこに「割って入っている」のが中国。米中接近の裏側(?)での石油
      をめぐる駆け引きは・・・?
       よくぞこんな生々しいテーマの映画をハリウッドが、と感心できる出来ば
      えに。もっとも某石油国の跡目争いとそれに絡むCIA、そして石油会社の
      M&Aとそれに絡む弁護士たち、さらにはエネルギーアナリストなど多彩な
      登場人物たちが織りなす複雑な物語の理解は大変だが、世界戦略の裏側
      をのぞくのだから、そりゃ仕方ないか・・・?

洋06-37 春が来れば(2004年)       
       <ソニー・ピクチャーズ試写室>   2006年3月6日鑑賞
         (韓国映画)             2006年3月9日記
     ・・・作品は少ないものの、韓国映画の1つの重要なジャンルを占めるのが
      『八月のクリスマス』(98年)、『春の日は過ぎゆく』(01年)などの静かで
      心温まる作品。その物語のメインとなるのは当然男女の恋愛模様だが、こ
      の映画はそこに私の大好きな『スウィングガールズ』(04年)張りの(?)音
      楽の要素がいっぱい。
       たとえ音楽大会で優勝できなくても、男と女、先生と生徒、そしてまた男と
      女を結びつけていく、主人公が作曲したトランペットの小作品があればいい
      ・・・?やっぱり俺には、音楽をメインとした感動作が1番・・・。
       中年オヤジになりつつあるチェ・ミンシクの、ダサイくせにカッコいい姿に
      も惚れ惚れ・・・。

洋06-38 クライング・フィスト(2005年)    
       <東映試写室>           2006年3月6日鑑賞
         (韓国映画)            2006年3月9日記
     ・・・アメリカや日本に比べてボクシング映画の名作が少ない韓国にやっとそ
      れが登場した。韓国映画らしく2人の主人公の性格は激しいが,そのキャ
      ラは対照的。2人の決勝戦はボクシングの試合というよりも人生そのもの
      をかけた勝負。「格差社会」批判が噴出している日本だが、勝者と敗者が
      分かれるのはそんなに悪いこと・・・?少なくともこの試合の「敗者」がそう
      思っていないことはたしか。
       『春が来れば』(04年)に続いて1日に2本もチェ・ミンシクの主演作を観
      て両作品で涙を流すとは思っていなかったが・・・?


コ06-39 オービック・スペシャル・コンサート2006
                 ~コバケンの日本の歌~
   
       <東京・サントリーホール>        2006年3月7日鑑賞
         (コンサート)               2006年3月8日記

洋06-40 家の鍵(2004年)        
       <東宝東和試写室>          2006年3月8日鑑賞
         (イタリア映画)            2006年3月9日記
     ・・・父と息子の絆をテーマとした映画は数多いが、このイタリア映画は16歳
      の障害児が主役。
       それまで関係を断っていた若い父親は、今あらためて彼をどう理解し、
      今後どう向き合っていくのだろうか・・・?そして『家の鍵』というタイトルに
      込められた思いとは・・・?
       思わずフゥーとため息が出ることを覚悟の上で、真剣に鑑賞しなくては
      ・・・。


洋06-41 アンダーワールド:エボリューション(2006年) 
       <ソニー・ピクチャーズ試写室>   2006年3月9日鑑賞
         (アメリカ映画)            2006年3月10日記
     ・・・「アンダーワールド」の世界で争うヴァンパイア(吸血鬼族)とライカン(狼
      男族)の抗争第2弾は、第1作と同じく相手の生き血を吸うことによって力
      をつけたり、死んだ人間が狼男として復活したり、淡白な日本人には不
      向きな西洋流の抗争・・・?

        またそのメーキャップのため余計に人物と名前が一致しないうえ、その
      物語は複雑で難解。
       そこで物語の理解はさておき、圧倒的に女性上位に描かれているヒロ
      インの活躍ぶりに注目するのも1つの見方・・・?そのカッコよさはあの『バ
      イオハザード』(02年)のミラ・ジョヴォヴィッチと同じ・・・?

洋06-42 SPL(殺破狼)/狼よ静かに死ね(2005年) 
       <ユウラク座>         2006年3月12日鑑賞
        (香港映画)           2006年3月13日記
     ・・・タイ映画『マッハ!』(03年)の刺激を受けて(?)、『男たちの挽歌』シリ
      ーズ以来久しぶりに本格的香港アクション映画が登場した!
       アクション映画でもやはり泣かせるストーリーがあった方がベター。
       スクリーン上で観せる男たちの熱い闘いは迫力いっぱいだが、同時に
      そこには父と子の「人情話」がタップリ盛り込まれているうえ、その邦題ど
      おり、男たちには悲しい結末が・・・。
       男の美学を貫くことはやっぱりしんどいネ・・・。


洋06-43 忘れえぬ想い(2003年)  
       <東映試写室>          2006年3月13日鑑賞
         (香港映画)           2006年3月14日記
     ・・・『PROMISE』(05年)では浮き世離れした(?)王妃役を演じたセシリ
      ア・チャンが香港アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した名作を、涙を
      タップリ流しながら鑑賞。
       明日は韓流「涙の女王」チェ・ジウ主演の『連理の枝』(06年)の鑑賞だ
      が、さてその涙比べは・・・?
       死んだ恋人の子供を引き取り、ミニバスの運転手としてしっかりと生きて
      いく・・・。こんな意地っ張りで頑固な女はかなわんと思いつつ、絶対に見放
      すことができないのがこういうタイプ。切なく、危なっかしい人生だが、それ
      でもそんな健気な生き方の最後は何とかなるもの・・・。だからこそ、人間っ
      ていいもの、そして映画っていいものなのだ・・・。


洋06-44 連理の枝(2006年)       
       <試写会・大阪厚生年金会館芸術ホール> 2006年3月14日鑑賞
         (韓国映画)                   2006年3月15日記
     ・・・前半のコミカルな展開はマンガ的だが、後半に入るとさすがに「涙の女
      王」の本領を発揮。雨の中、窓越しの抱擁シーンではあちこちからすすり
      泣きの声が・・・。
       そこで、さらに「意外な事実」が判明し、後は一気呵成に涙のクライマック
      スへ・・・。永遠の愛を象徴する「連理の枝」をバックにした、ケイタイでの
      1人芝居は、チェ・ジウの代表的演技になることまちがいなしだが、さて、
      映画のヒットの行方は・・・?


洋06-45 スピリット(2006年)     
       <梅田ピカデリー>            2006年3月21日鑑賞
         (中国映画)               2006年3月22日記
     ・・・中国では有名な、清朝末期の実在の武術家、霍元甲(フォ・ユァンジャ)
       の生涯を、その人間性に焦点をあてて描いた異色作。
        1910年9月14日に上海で開かれた史上初の異種格闘技戦での
       闘いがハイライトだが、その当時、日本が西欧列強とともに中国で
       やったことは・・・?
        3月19~20日に近代都市上海をこの目で見学し、21日に96年前の
       上海の姿をスクリーン上で観たのも、何かの縁・・・。
        しかしあまりの観客の少なさが心配・・・?


日06-46 嫌われ松子の一生(2006年)     
       <東宝試写室>             2006年3月22日鑑賞
        (日本映画)               2006年3月23日記
     ・・・昭和22年に福岡県で生まれた松子が、平成13年に遺体として発見
      されるまでの53年間の人生を、多様な登場人物と多様な視点から
      描いた異色作。
        ミュージカル仕立てのように昭和歌謡をうまく活用しながら、
      「これで人生が終わったと思いました」と再三くり返す松子の生きザマを
      見事に浮かびあがらせる手法は中島哲也監督の独壇場・・・。
       ユーモラスなシーンも満載だが、キリスト教徒でないあなたの目にも
      きっと松子が神サマに近づいていることがわかるはず・・・?
       こんな、面白くて泣ける映画を私は大好き!


洋06-47 サウンド・オブ・サンダー(2005年)  
       <梅田ピカデリー>          2006年3月26日鑑賞
        (アメリカ映画)            2006年3月27日記
     ・・・タイムスリップをネタとした映画は多いが、タイムトラベルを「商売」と
      した映画はまだまだ未開拓分野・・・?
        2055年には、リッチ層の憧れは超豪華客船での世界一周の旅行に
      代わって、タイムマシンによる「白亜紀ハンティング」になるかも・・・?
       『華氏四五一度』などのSF作家レイ・ブラッドベリの原作の映画化
      だが、タイムウェイブ(進化の波)による地球のそして人類の破滅を
      救うものは一体何・・・?
        あまり真面目に考えても仕方ないと割り切って、想像上の物語と
       危機を乗りこえていく姿を楽しむことができればそれで十分なの
       だが・・・?


洋06-48 うつせみ(空き家/Bin-Jip)(2004年)  
       <ヘラルド試写室>          2006年3月29日鑑賞
        (韓国・日本映画)          2006年3月31日記
     ・・・キム・ギドク監督第11作はセリフなしの2人の主人公を登場させた
      超異色作!不幸な人妻はたくさん存在するはずだが、天才監督には
       現実的にはありえないような、まさに「うつせみ」の世界が見えるのだ
      ろう・・・。静かな展開の中に漂う緊張感は、2004年9月のべネチア
      国際映画祭で監督賞受賞にふさわしいもの。是非多くの人がこの
      映画を観て「キム・ギドク論」を展開してもらいたいものだ。


洋06-49 RENT/レント(2005年)    
       
<ヘラルド試写室>          2006年3月29日鑑賞
        (アメリカ映画)            2006年3月31日記

     ・・・ブロードウェイで大ヒット中の若者向けミュージカル(?)の映画化だか、
      その現代的テーマの激しさとボヘミアン達の生きていく姿勢には誰もが
      圧倒されるはず・・・。『マイ・フェア・レディ』や『サウンド・オブ・ミュージ
      ック』と違って、自分で口ずさめるような歌ではないが、セリフが極端に
      少なく、ハードでロックンロールな歌声が充満するスクリーンにはただ、
      感動あるのみ・・・。


洋06-50 GOAL!(2005年)          
       <東映試写室>            2006年3月30日鑑賞
     (アメリカ、イギリス合作映画)      2006年3月31日記

     ・・・3月21日、考えられない視聴率を記録して、日本列島を席巻したのは
      「王ジャパン」率いるWBC戦だったが、サッカーだって負けてはいない。
       ラテン系のアメリカ青年が、多くの困難を乗り越えてイングランドのサッ
      カーチームで成功するまでのサクセスストーリーは、ストーリーの先が
      読めるとはいえやはり感動的!本人の努力が第1であることは当然だ
      が、「成功」に不可欠なものは先輩や同僚そして恋人たちとのめぐり
      合い・・・。さまざまな人に支えられてこその成功であることを、今さら
      ながら実感し、最後の「ゴール」をかたずを飲んで見守ろう・・・。


洋06-51 トゥー・フォー・ザ・マネー(2005年)    
        <ホクテンザ2>            2006年3月31日鑑賞
        (アメリカ映画)            2006年4月3日記

     ・・・アル・パチーノとマシュー・マコノヒーの共演という豪華な顔ぶれにもか
      かわらず、大阪での上映はホクテンザ1館だけというのは、フットボール
      の試合をターゲットとした「スポーツ賭博」というウラ社会を描いている
      ため・・・?
        実話にもとづく映画らしいが、「金のために結ばれた2人」(トゥー・
      フォー・ザ・マネー)なら、やはりいつかは別れていく運命・・・?もっとも、
      いくら的中率80%を越える彼でも、WBCでの「王ジャパン」の優勝を
      当てることはできなかったのでは・・・?

洋06-52 沈黙の脱獄(2005年)          
       <ホクテンザ1>            2006年4月2日鑑賞
        (アメリカ映画)            2006年4月3日記

     ・・・スティーヴン・セガール主演の『沈黙シリーズ』は安定した面白さを
      キープしているが、10作目ともなると少しマンネリ気味・・・?今回は
      相棒の選択はいいのだが、肝心の敵役がカッコをつけるばかりで、
      あまりにも弱すぎるため、セガールのアクションにも緊張感がまるで
      なし・・・。
       また、奪われた2000万ドル追求のストーリーも中途半端なうえ、
      2人の女優がもうひとつ・・・。せめて、ベッピンの1人ぐらいは登場
      させてくれなければ・・・?


日06-53 憂國(1965年)           
       <東宝試写室>          2006年4月3日DVD完成試写
        (日本映画)            2006年4月3日記

     ・・・「戦後60年」が総括され、憲法改正論議がタブーでなくなった今、40
      年前の『憂國』がDVDとして甦った。1936年の2・26事件を背景と
      したわずか28分のシンプルで美しい「ドラマ」は、三島由紀夫の心情を
      赤裸々に吐露したもの。賛否両論が分かれるのは当然だが、『男たち
      の大和/YAMATO』(05年)を観て涙したという今ドキの若者たちが
      これをどう感じるのか、是非聞いてみたいと私は思うのだが・・・。


日06-54 好きだ、(2005年)           
       <テアトル梅田>           2006年4月3日鑑賞
        (日本映画)              2006年4月4日記

     ・・・静かな静かな映画。テレビの喧騒音に慣れた耳には、しばらくの間異和
      感があるものの、次第に集中力が・・・。
       男の私は、特にスクリーン上に表れる、17歳の宮﨑あおいと34歳の永
      作博美のしぐさと表情、そしてごくわずかのセリフに集中・・・。
       多少凝りすぎの感はあるものの、何とも奥深く、意味シンなタイトルと、日
      本映画でしか表現できないであろう繊細さに感動・・・。


洋06-55 カサノバ(2005年)          
       <ヘラルド試写室>           2006年4月5日鑑賞
        (アメリカ映画)             2006年4月6日記

     ・・・いや、知らなかったなあ。こんな有名な実在のプレイボーイが18世紀
      のベネチアにいたなんて・・・。
       ハンサムで知的かつ女性を喜ばせるベッドテクニックも堪能、と言って
      もそのプレイボーイぶりを自慢しただけでは、面白いストーリー構成はム
      リ。そこで登場させたのが、斬新な女性解放論を展開する美しい娘。
       プレイボーイを目指すあなたなら、東西文明の結節点となる自由都市ベ
      ネチアでの、華やかな仮面カーニバルをハイライトとして展開されるドタバ
      タ劇を楽しむとともに、恋愛のマル秘テクニックをしっかりと学びたいもの
      だが・・・?


洋06-56 パパラッチ(2004年)          
       <ユウラク座>           2006年4月8日鑑賞
        (アメリカ映画)           2006年4月11日記

     ・・・1997年のダイアナ妃の交通事故を契機として、一躍世間に名を挙げた
      (?)のがパパラッチ。
       「フライデー」と言われている日本とはケタ違い(?)のその横暴ぶりは、
      まさに目が点に・・・?
       この映画はそんな極悪パパラッチに対する、若きハリウッドスターの捨て
      身の反撃をスリリングに描くもの。「まさかここまで・・・」と思いつつ、スクリ
      ーン上で展開されるハリウッドスターVSパパラッチとの「仁義なき闘い」
      と、新たに登場するベテラン刑事VSハリウッドスターとの知恵比べは実に
      スリリング。
       しかして、その結末は?それは絶対内緒・・・。


日06-57 ライフ オン ザ ロングボード(2005年)   
       <東映試写室>         2006年4月12日鑑賞
        (日本映画)           2006年4月13日記

     ・・・この映画のテーマは、定年後のスローライフのお薦め。しかし、民主党
      の代表選に敗れた菅直人氏が団塊党の結成を目指したことからもわかる
      ように、55歳でサラリーマンを定年退職して、スローライフへ一直線という
      考え方は・・・?
       もっとも、単身種子島に渡り、サーフィンに挑戦する姿を観ていると、これ
      ってスローライフの楽しみ方ではなく、新しいことへの再チャレンジなので
      は・・・?
       しかして、ハイライトとなる「ポセイドン」への挑戦は・・・?


楽06-58 芸能生活60年 三代目桂春團治 
                 極付十番落語会(2006年)
 
       <ワッハホール>      2006年4月6日鑑賞
        (落語)            2006年4月13日記

     ・・・芸能生活60年を記念して「10日間公演」にチャレンジした、76歳の三
      代目桂春團治師匠に拍手!さて、その充実ぶりは・・・?


洋06-59 DAISY(2006年)  
       <試写会・ナビオTOHOプレックス> 2006年4月13日鑑賞
        (韓国映画)                2006年4月14日記

     ・・・オランダを舞台に展開される、韓国風純愛ラブストーリーと、アンドリュ
      ー・ラウ監督らしい香港風銃撃アクション=男の闘いの両立を目指した映
      画のタイトルは、「心の底からの愛」を花言葉とする『DAISY』。
       ヒロインは、広場で似顔絵を描く画家の卵。彼女の前に座る2人の男性
      のうち、さてどちらが「運命の人」・・・?
       意外な展開を見せていく、よくできた脚本によって、切ない愛の姿がくっ
      きりと・・・。唯一の欠点は、ナレーションの多用か・・・?さて、あなたの採
      点は・・・?

洋06-60 イベリア 魂のフラメンコ(2005年)  
       <テアトル梅田>           2006年4月14日鑑賞
        (スペイン映画)           2006年4月15日記

     ・・・これは新聞評によれば、「音楽と舞踊の融合」した「ドキュメンタリー映
      画」とのこと。そしてスクリーン上で「演じられる」ピアノ組曲『イベリア』を
      ベースにした全18曲の「芸術性」は、たしかにすばらしいもの。
       しかし、私が予測しなかったのは、そこに物語性が全くないこと。「語るべ
      きストーリーは音楽に内包されている」と監督は語っているらしいが、いくら
      芸術性が高くても、理解力の低い私は、ジッと観ていてしんどかったという
      のが本音・・・。しかも登場する「芸術家」たちは、おじさん、おばさんばかり
      だから、視覚的にも・・・?そんな俺ってヘン・・・?さて、あなたは・・・?

洋06-61 リバティーン(2005年)        
        <テアトル梅田>          2006年4月15日鑑賞
         (イギリス映画)          2006年4月20日記

     ・・・これは17世紀イギリスに実在した放蕩詩人、第2代ロチェスター伯爵の
      破天荒な生涯を、ジョニー・デップならではの演技力で描いた映画。酒と女
      に狂うだけならバカでもできるが、彼は天才的劇作家だった(らしい)!
       ところが、フランスで100年後に有名になったマルキ・ド・サドと同じよう
      に、国王に迎合しないそのポルノチックな作風は困ったもの・・・。
       「放蕩と破滅」という、天才芸術家によくあるパターンのストーリーだが、
      天才俳優がそれを演じたからさらにすごいことに。もっとも、こんなマニアッ
      クな映画の評価は、賛否両論極端に分かれるのも当然だが・・・?


日06-62 子ぎつねヘレン(2006年)        
        <道頓堀角座>        2006年4月16日鑑賞
        (日本映画)           2006年4月19日記

     ・・・動物と男の子の心の交流を描いた涙と感動の物語、というのが春休み
      の親子連れを狙ったこの映画の謳い文句。しかし、視覚、聴覚、味覚とい
      う三重苦の子ぎつねが生きていくために闘う姿は全く見えず、少年のやさ
      しさが目立つだけ。
       したがって、人間ヘレン・ケラーとサリヴァン先生との壮絶な闘いが感動
      を呼んだホンモノのヘレンのお話とは大違い・・・。
       「尊厳死」の議論が高まる今、こんな甘っちょろい、キレイごとではなく、も
      っと本音で切り込んだ議論とストーリー構成が必要なのでは・・・?

洋06-63 タイフーン/TYPHOON(2005年)  
        <国際シネマ>        2006年4月16日鑑賞
        (韓国映画)           2006年4月20日記

     ・・・「南北分断」は韓国映画特有の重たいテーマ。南への亡命に裏切られ、
      姉と生き別れになった弟は、今や海賊となって、アメリカ船から衛星誘導装
      置を強奪したが・・・?
       その逮捕に向かう若き海軍士官の任務と、姉弟の再会は・・・?そして
      「タイフーン作戦」とは一体ナニ・・・?
       台湾、タイ、マレーシア、ロシアと広がる舞台の中で、くり広げられる人間
      味あふれる物語と、多少陳腐ながらもスケール豊かな物語に脱帽・・・。
       もっとも、「○○さん、ステキ」だけの韓流おばちゃまファンには、ちょっと
      難しすぎるかも・・・?


洋06-64 ファイヤーウォール(2006年)  
        <道頓堀角座>          2006年4月16日鑑賞
        (アメリカ映画)           2006年4月20日記

     ・・・コンピューターネットワークへの不正アクセス問題は、「Winny」の例を
      挙げるまでもなく大問題!いくら銀行のコンピューターシステムが鉄壁の
      「ファイヤーウォール」であっても、その設計者自身がその気になれ
      ば・・・?
       そんな現代的かつ現実的な10億ドル強奪ゲーム(?)に巻き込まれたハ
      リソン・フォードが、家族を守るために果敢に闘うのがこの映画。還暦を超
      えてなお、若者顔負けのアクションをこなすハリソン・フォードの姿は、感動
      的ですらあるが・・・?

日06-65 チェケラッチョ!!(2006年)       
        <東宝試写室>         2006年4月17日鑑賞
        (日本映画)            2006年4月20日記

     ・・・『スゥイングガールズ』(04年)、『リンダ リンダ リンダ』(05年)、『ビー
      トキッズ(BEAT KIDS)』(05年)に続く、バンド結成をめぐる「3人+1
      人」の高校生たちの青春を描く楽しい映画。
       舞台は沖縄。音楽はラップ。そして「チェケラッチョ」とは・・・?
       個性豊かで面白い登場人物たちと、興味深い恋愛論や親子論が飛び
      出すうえ、あれほどヘタクソだった演奏とラップも、最後にはノリノリ・・・。
       気分転換には、『チェケラッチョ!!』が1番・・・?

バレエ06-66 チャイコフスキー記念 東京バレエ団
                 ジャベール=ディアギレフ
   
        <フェスティバルホール>    2006年4月18日鑑賞
        (バレエ)              2006年4月22日記

        1.ベトルーシュカ
        2.ギリシャの踊り
        3.
ボレロ
     ・・・バレエが高尚な芸術であることを認めつつ、音楽に合わせて舞台でただ
      踊るだけのバレエを私はあまり好きではない。ストーリーがわからないもの
      は特に・・・。
       そんな私でも、ボレロだけには感心!

洋06-67 STAY(2005年)          
        <東映試写室>        2006年4月21日鑑賞
        (アメリカ映画)         2006年4月21日記

     ・・・何が現実で何が幻か?自分は一体何者なんだ?自分が今生きている
      世界はナニ・・・?精神科医と、3日後の21歳の誕生日の日に自殺すると
      予言した患者との間で、そんな意味シンな「シーン」が次々と・・・。しかし、
      「斬新なビジュアル」よりもセリフ劇の方が好きな私には、この2人に絡む
      女性や盲目の博士を含め、サッパリ訳がわからない。
       なぜ?なぜ?なぜ・・・?「この映画の謎は、頭で考えても決して解けな
      い」し、「あなたの感覚が試される!」そうだから、我こそはと思う人は是非
      チャレンジを・・・。もっとも、そういう私はリタイア組を選択したが・・・?

洋06-68 デュエリスト(2005年)       
        <梅田ピカデリー>       2006年4月23日鑑賞
        (韓国映画)            2006年4月24日記

     ・・・TVドラマの『チュオクの剣』から「独立」した若い女刑事ナムスンと
       偽金づくりに絡む”悲しい目”との間でくり広げられるデュエル(決闘)と
       純愛を描いた映画がコレ・・・。
        映像の美しさ、そしてデュエルと音楽との融合の完成度はさすが
       だが、肝心の「立ち回り」は所詮コミックもの・・・?
        若手代表の美男美女はそれぞれハードなアクションを熱演して
       いるが、さてそれに対するあなたの評価は・・・?

洋06-69 ニュー・ワールド(2005年)   
        <梅田ピカデリー>      2006年4月23日鑑賞
        (アメリカ映画)         2006年4月24日記

     ・・・ドヴォルザークの交響曲『新世界より』とは、言うまでもなく
       アメリカ新大陸のこと。
        時代は今から400年前の1607年。
        アメリカの少年少女なら誰もが知っているのが、ポカホンタス伝説。
        これを素材として、ネイティブ・アメリカンのヒロインであるポカホンタス
       とバーニジアの総督ジョン・スミスとの間の純愛と、その後2人が
       たどった数奇な運命を描いたのがこの映画。
        ポカホンタスはイギリスに渡り、国王陛下との謁見まで許されたが、
       そんな彼女の夫となった男性は・・・?
        テレンス・マリックという大監督がアメリカの原点を見つめ直すべく
       自ら脚本を書き、渾身の思いをこめた作品だが、さて、その
       出来は・・・?そしてその評判は・・・?

洋06-70 ココシリ(2004年)           
      <ソニー・ピクチャーズ試写室>     2006年4月26日鑑賞
        (中国映画)               2006年4月27日記

     ・・・この映画は海抜4700mの中国青海省チベット高原において、
       チベットカモシカの密猟者を追いつめていく、民間の山岳パトロール隊
       の命がけの活動を描く感動作。
        「ココシリ」とはチベット語で「青い山々」、モンゴル語で「美しい娘」の
       意味だが、この映画を観れば、山の厳しさに圧倒されるはず。
        自然の脅威の前に隊員たちの命が次々と失われていく中、
       密猟犯の逮捕は・・・?
        キーパーソンは1人の取材記者。
        彼の眼を通したことによって、事態はどのように・・・?
        マスコミ報道の価値についても改めて再認識できるはず・・・。

洋06-71 柔道龍虎房(2004年)           
        <PLANET+1試写室>     2006年4月28日鑑賞
        (香港映画)              2006年4月29日記

     ・・・これは何とも珍しく、香港のジョニー・トー監督が、黒澤明監督の『姿三
      四郎』(43年)にオマージュを捧げるべくつくった、香港の「柔道映画」。
       といっても、「山嵐」の技が披露されるわけではなく、2人の若き柔道家
      と、これに絡む歌手志望の若い女性の生き方を描くもの・・・?
       注目すべきは、「網膜色素変性症」の怪(?)と、姿三四郎VS檜垣源之
      助ばりの、林立する高層ビルをバックとした野外での対決シーン。
       さあ、こんなオモロイ映画(?)を、あなたはどう評価する・・・?

洋06-72 ブロークバック・マウンテン(2005年)   
        <シネ・リーブル>        2006年5月1日鑑賞
        (アメリカ映画)          2006年5月2日記

     ・・・アカデミー賞作品賞こそ『クラッシュ』(05年)に譲ったものの、ベネチア
       国際映画祭「金獅子賞」など各種の映画賞を総ナメにした注目作。
       ところが、そのテーマは、何とカウボーイ同士の同性愛・・・!
        世間からの冷やかな視線、家族の崩壊などさまざまな問題を引き起しな
       がらも、20年にも及ぶ2人の男の「心揺さぶられる愛の物語」は、多少
       異和感はあるが、やはり前宣伝のとおり美しいもの・・・。
        大作志向が続くハリウッドでもこんな映画が認められたことに
       驚くとともに、台湾出身のアン・リー監督に、心からの大きな拍手を!

洋06-73 美しき運命の傷痕(2005年)   
        <テアトル梅田>
     (フランス、イタリア、ベルギー、日本合作映画)
                             2006年5月2日鑑賞
                             2006年5月3日記

     ・・・主人公は美しい三姉妹とその母親。
       『宋家の三姉妹』(97年)は近代中国の歴史に大きな足跡を
      残したが、この映画における三姉妹とその母親はそれぞれ男性
      との愛に悩み傷つき、そして人間の「運命」と「偶然」に翻弄されて
      いくことに・・・。
       的を得た邦題にも感心したが、ポーランドの巨匠キェシロフスキ監督
      がダンテの『神曲』に想を得て書いた「天国」「地獄」「煉獄」の
      三部作のうち、「地獄」をベースにして、タノヴィッチ監督がつくった
      この映画がアピールする問いかけは実に深く重いものが・・・。
       しかし、この映画をより深く理解するためには、かなり突っ込んだ
      勉強が必要だよ・・・。

洋06-74 ふたりのベロニカ(1991年)   
        <テアトル梅田>           2006年5月3日鑑賞
        (フランス、ポーランド映画)     2006年5月5日記

     ・・・はじめて観たポーランドのキェシロフスキ監督の作品がコレ。
       1991年のカンヌ国際映画祭で見事主演女優賞を射止めた
      イレーヌ・ジャコブは、キェシロフスキ監督の「最後のミューズ」と
      呼ばれるにふさわしく、みずみずしい魅力がいっぱい。
       同じ年、同じ日、同じ時刻に生まれたポーランドのベロニカと
      フランスのベロニカが織りなす悲しい「運命」と「偶然」の物語に、
      あなたもハマっていくこと必至・・・。
       神秘的なストーリーを、美しい音楽とともにしっかりと集中して楽しみ
      たいものだ。

演06-75 松竹座公演マリー・アントワネット        
        <大阪松竹座>          2006年5月4日観劇
        (日本ミュージカル)        2006年5月5日記

     ・・・大地アントワネット(?)は、脚本が命!
       そこでは、『ベルばら』におけるフェルゼン伯爵や「首飾り事件」の
      主役たちが登場するとともに、ロシアの怪僧ラスプーチンを彷彿させる
      占い師や、大阪弁をしゃべるアントワネットの「そっくりさん」まで
      登場するサービスぶり。
       大地真央の美しさとベルサイユ宮殿の華々しさが満パイの「マリー・
      アントワネット物語」だが、さまざまなエッセンスの「融合」というよりも
      「ごった煮」の感じも・・・?
       他方、バスティーユ襲撃の血ナマ臭さやギロチンの露と消えた
      革命裁判の非情さなどは語りだけだから、そのスペクタクル性や
      緊迫性は少し期待外れ・・・。
       もっとも、そんな難しいことを言わず、多くの大阪のおばちゃん観客と
      同じように、大地アントワネットの美しさと聡明さ、そしてその悲劇の
      サマに涙すればいいだけなのかも・・・?

洋06-76 ブラッドレイン(2005年)        
        <ユウラク座>           2006年5月5日鑑賞
        (アメリカ、ドイツ映画)      2006年5月8日記

     ・・・ヴァンパイア(吸血鬼)映画に今回はじめて登場したのは、人間と
       ヴァンパイアとの間に生まれた「ダムフィア」の美しき女戦士「レイン」。
        彼女が復讐を誓う相手は、母親を殺し、今や最強のヴァンパイアと
       して君臨している父親。その復讐劇に絡むヴァンパイア退治を使命
       とする「業火の会」を含めて、いろいろと複雑なストーリーが・・・。
        しかし、この映画最大のポイントは、女戦士の美しさと強さ。
        さて、あなたの採点は・・・?

洋06-77 僕の大事なコレクション(2005年)    
        <ホクテンザ2>         2006年5月5日鑑賞
        (アメリカ映画)          2006年5月8日記

     ・・・タイトルからは一体何の映画かサッパリわからないうえ、「ウクライナで
      の自分探しの旅」というテーマも何となく難しそう。しかし、1館だけでひっそ
      りと上映される映画にも、時々「掘り出しモノ」がある・・・。
       島国ニッポン人にはわかりにくい東ヨーロッパの地図を思い浮かべなが
      ら、民族問題とりわけユダヤ人問題の複雑さと深刻さを勉強してみよう。
       そうすれば、「先祖探しの旅」はすなわち「自分探しの旅」だということが、
      あなたにもわかるはず・・・。

洋06-78 ロンゲスト・ヤード(2005年)     
        <ホクテンザ1>       2006年5月6日鑑賞
        (アメリカ映画)       2006年5月8日記

     ・・・八百長疑惑で追われた元NFLのトップ・プレイヤーが刑務所
       の中へ。ここから始まった「看守チーム」VS「囚人チーム」による
       アメリカンフットボールの試合はガチンコ対決。しかし、その試合で
       囚人チームは勝つことが許されないものだった・・・。
        そこで彼は再び八百長を?いや、それは人間の尊厳が
       許さないはず。さて、彼の取るべき途は・・・?
        個性豊かな(?)囚人チームの面々が持ち前のパワーを
       炸裂させたスポーツ・アクション・エンタテインメントを、少しだけ
       理屈づけをしながら(?)、タップリと楽しもう!

洋06-79 Vフォー・ヴェンデッタ(2006年)   
        <道頓堀東映パラス>         2006年5月7日鑑賞
         (アメリカ映画)             2006年5月8日記

     ・・・2020年の近未来のイギリスは独裁国家となり、国民は圧政の
      下にあった。21世紀の初頭「世界の憲兵」と君臨していたアメリカは
      既に植民地に・・・。
       これは、そんな恐ろしい想定の下につくられた奇想天外な「革命
      エンタテインメント」映画だが、意外と真面目に考えさせられる面も・・・?
       「月光仮面」も「怪傑ゾロ」もあくまで「正義の味方」だが、この映画に
      登場する仮面の男”V”の本性は・・・?
       そして美しきナタリー・ポートマンは、この映画ではどんな役柄を・・・?
       アメリカン・コミックと異なり、ブリティッシュ・コミックは奥が深く(?)、
      「火薬陰謀事件」と「ガイ・フォークス・デイ」の勉強が不可欠だよ・・・。

日06-80 バルトの楽園(2006年)       
        <東映試写室>         2006年5月9日鑑賞
        (日本映画)            2006年5月10日記

     ・・・徳島県鳴門市の板東俘虜収容所を舞台に、会津流武士道とハーグ条約
      に則り、青島攻防戦におけるドイツ人捕虜と村民との融和を目指すのは、
      松平健扮する松江所長。
       いかなる時代であっても、真の武士同士の心は通じ合うもの。そして、
      音楽が与える感動は万国共通のもの。そんな当たり前のことを率直に教え
      てくれるのがこの映画。
       大晦日にベートーベンの『第九』を聴く日本人のルーツがここに・・・。

洋06-81 ピンクパンサー(2006年)     
        <試写会・御堂会館>        2006年5月9日鑑賞
        (アメリカ映画)             2006年5月10日記

     ・・・ご存知『ピンクパンサー』のスタートは、1964年の『ピンクの豹』
       から。それから約40年。新たな装いで再スタートした
       『ピンクパンサー』は、クルーゾー警部の真面目な(?)間抜けぶりに
      ズッコケの連続で、観客は爆笑のウズに・・・。
       もっとも最後には、意外とカッコいいクルーゾー警部の真骨頂が・・・?
       やっぱり映画はオモロイのが1番。こんな映画サイコー!


V洋06-1 春の日のクマは好きですか?(2003年)   
        <自宅>           2006年5月12日ビデオ鑑賞
        (韓国映画)          2006年5月27日記

     ・・・一風変わった主人公の女の子ヒョンチェは、あの『リンダ リンダ 
      リンダ』(05年)のボーカル役のソンちゃんことペ・ドゥナ。
       美術書に書き込まれた愛のメッセージに、女友達と共に一喜一憂、
      右往左往するヘンな物語は、メルヘンチックでもあり、いかにもペ・ドゥナ
      にピッタリ・・・。
       それにしても、身近でいつも見守ってくれる大切な男性を軽視する
      のはよくあること。しかし、いつかはそれに気づかなければ、大損をこく
      ことに・・・。さて、ヒョンチェの場合は・・・?


洋06-82 ナイロビの蜂(2005年)      
        <梅田ピカデリー>      2006年5月13日鑑賞
        (イギリス映画)         2006年5月13日記

     ・・・ケニアのナイロビには、貧困の他エイズや結核など深刻な社会問題が
      いっぱい・・・。そんなナイロビのテントで医療活動に従事するのは、この
      映画で見事アカデミー賞助演女優賞を受賞したレイチェル・ワイズ。
       こんな彼女に対して牙を剥く、製薬会社をメインとした「巨悪」とは・・・?
      そして、妻死亡後、夫がその軌跡を追う中ではじめて知った妻の実像とは
      ・・・?
       美しい「夫婦愛」に胸を打たれること必至の感動作だが、微動だにしない
      (?)「巨悪」に対しては、多少のいらだちも・・・?


洋06-83 アンジェラ(2005年)         
        <梅田ピカデリー>      2006年5月14日鑑賞
        (フランス映画)         2006年5月15日記

     ・・・リュック・ベッソン監督の記念すべき監督第10作目は、
      スーパーモデルをヒロインに起用した、いかにも現実離れした物語・・・。
       借金まみれで生きる希望を失い、自殺を決意した中年男と、彼に
      対して「あなたと同じことをする」と告げてセーヌ河に飛び降りた
      金髪の大オンナとの不思議な物語の展開は・・・?
       「アンジェラ、君は一体何者なんだ?」とあなたも考えながら、
      自分の人生をあらためて考えてみよう。
       監督自身が、「決してエンディングの秘密を明かさないでください」と
      アピールしているが、アッと驚くその結末とは・・・?


日06-84 トリック劇場版2(2006年)          
        <東宝試写室>        2006年5月15日鑑賞
        (日本映画)           2006年5月18日記

     ・・・初主演の仲間由紀恵を一躍有名にしたのが連続テレビドラマの
      『トリック』だが、彼女は今や超売れっ子に・・・。
       コミカルな阿部寛とのコンビの冴えと、「売れっ子奇術師」のトリック
      見破り能力はお見事なものだが、所詮テレビドラマの延長・・・?
       まあ、あまり固いことを言わずに楽しめばいいのだろうが・・・。


洋06-85 夢駆ける馬ドリーマー(2005年)     
    <試写会・大阪厚生年金会館芸術ホール> 2006年5月15日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年5月29日記

     ・・・レースで前脚を骨折したサラブレッドの「復活」は至難のワザ。
        しかし、馬を愛する家族の熱意さえあれば・・・?
        そんな夢のような物語だが、天才子役ダコタ・ファニングを
       含めた頑固者の3代親子が馬に対して示す愛情をみれば、
       「なるほど」とうなずけるもの。
        仔馬を産ませて稼ごうというプランが不可能とわかった時、
       今や馬主の地位を父親から引き継いだ少女は、年に1度の重賞
       レースへの出走を決意。
        「そんな、無茶な・・・」と思うことでも、願いをかければ夢はかなえ
       られるのだろうか・・・?
        「競走馬モノにはずれなし」と実感!


洋06-86 フーリガン(2005年)          
        <ヘラルド試写室>        2006年5月16日鑑賞
        (アメリカ、イギリス映画)     2006年5月18日記

     ・・・「フーリガン」とは、サッカーの試合において集団で過激な行動を展開
      するサポーターのことだが、イングランドにおけるその実態がこれほど
      とは・・・?その若者たちの「応援合戦」は、あたかもヤクザの抗争のよう
      ・・・?
       また、アメリカとイギリスの「違い」に大いに驚くとともに、恋愛模様抜きの
      『ウエスト・サイド物語』として、若者たちの抗争ぶりとその悲劇をじっくりと
      鑑賞しよう。


洋06-87 ルー・サロメ~善悪の彼岸・ノーカット版(1977年) 
        <東映試写室>             2006年5月16日鑑賞
     (イタリア、フランス、西ドイツ合作映画)  2006年5月19日記

     ・・・約20年前にセンセーションを巻きおこしたヨーロッパ映画の名作が、
      今ノーカット版で再登場!
       19世紀末、天才哲学者ニーチェらと、男2人+女1人の三位一体の
      共同生活を実践したルー・サロメは、自由奔放に生きていくことを目指した
      女性。日本で言えば、さしずめ松井須磨子・・・?
       それから100年後、「性の自由」が過度に進んだ今の日本社会におい
      て、あらためてサロメの生き方を確認する意味はどこに・・・?


洋06-88 ダ・ヴィンチ・コード(2006年)    
      <試写会・ナビオTOHOプレックス>      2006年5月18日鑑賞
        (アメリカ映画)                 2006年5月18日記

     ・・・今年1番の話題作を、5月20日の世界同時公開に先立って鑑賞。
        原作を読んでいない私にとって、複雑に絡み合う「謎解きゲーム」は
      難しいが、そのスリリングな展開は緊張感がいっぱい。興味深いのは、
      「聖杯」「マグダラのマリア」など、イエス・キリストに直接絡む物語の数々
      と、中世ヨーロッパを特徴づける秘密教団や結社の存在・・・。
       アッと驚いたのは、イエス・キリストにはある女性との間に生まれた子供
      がいたという「仮説」。映画を観ているとそれなりの説得力があるが、さて、
      その真相は・・・?こりゃ、カトリック教会との一悶着は必至・・・?


日06-89 佐賀のがばいばあちゃん(2006年) 
        <試写会・梅田ブルク7>     2006年5月18日鑑賞
        (日本映画)             2006年5月22日記

     ・・・漫才ブームの火付け役となったB&Bの島田洋七が書いた自伝小説が
       ベストセラーとなり、遂に映画化。そして全国ロードショーへ・・・。
        「がばい」とは佐賀弁で「すごい」ということ。吉行和子演ずる
       「がばいばあちゃん」の名言集だけでも十分面白いが、「子育て論」の
       教材としても最適。
        それにしても、「貧乏」って悪いものではないということを、あらためて
       再確認・・・。

洋06-90 風のファイター(2004年)       
        <ホクテンザ1>           2006年5月21日鑑賞
        (韓国映画)              2006年5月22日記

     ・・・あのプロレスの「力道山」に続いて、あの極真空手の「大山倍達」が
      スクリーン上に登場!
       1971年に連載を開始した『空手バカ一代』は、司法試験の受験
      勉強の真っ最中であったにもかかわらず、強く私の印象に残る迫力
      ある劇画だった。
        雪山での修行の様子は想像を絶するもので、これは肉体のみならず
      心を鍛え、「克己心」を養うためのもの。
        こんな苛酷さに比べれば、「弱い自分がいた」などというのはもっての
      ほかだし、新司法試験も旧司法試験もチョロいもの・・・?
        もっとも、アンディ・フグに続く選手が登場しなければ、「Kー1」の
      リング上での劣勢挽回はとても・・・?


洋06-91 玲玲の電影日記(2004年)  
        <東宝試写室>           2006年5月22日鑑賞
        (中国映画)              2006年5月23日記

     ・・・今や中国映画の市場拡大は著しいが、文化大革命の時代(1966~
      1976年)には、「野外映画館」が大はやり・・・。
       女優の夢を断たれた美しき主人公の娘、玲玲も大の映画好き。しかし、
      転校生の悪ガキとともに過ごした幸せな日々は長く続かず、時代の波の
      中、さまざまな葛藤と不幸な出来事が・・・。
       母と娘、そして悪ガキ坊主による「映画」を通じた人間模様が、1972年
      生まれの女性監督の手によって情感豊かに綴られていく。
       『活きる』(94年)ほどのダイナミックさはないものの、中国現代史の学習
      にも最適。


日06-92 笑う大天使(ミカエル)(2005年)     
        <東映試写室>           2006年5月25日鑑賞
        (日本映画)              2006年5月25日記

     ・・・小田一生監督が長編映画監督デビュー第1作に採用したのは、
      天才、川原泉の名作コミック。
       「猫かぶりお嬢様」と大阪弁丸出しの庶民派キャラを両立させた
      上野樹里のコミカルな演技には好感が持てるが、所詮は少女マンガ。
       したがって、私のようなオッサンにはお手上げ・・・?
       乙女チックな雰囲気と意外にハードなアクション(?)を楽しむことが
      できればいいが、そうでなければ、ベッピン揃いのお嬢様方の観賞に
      専念するのも1つの手・・・?


洋06-93 トンマッコルへようこそ(2005年)  
        <東宝東和試写室>         2006年5月26日鑑賞
        (韓国映画)               2006年5月27日記
   産経新聞大阪府下版(平成18年10月6日)「That´sなにわのエンタメ」掲載

     ・・・トンマッコル村とは自給自足の山奥の村で、村民たちは争うことすら
       知らない、いわばユートピア。
        朝鮮戦争の真っ只中、そんな村を訪れたのは、米軍パイロット、
       韓国軍兵士、人民軍兵士という「3組」の「お客さん」・・・。
        こりゃ大騒動が起こること必至だが・・・?
        2005年韓国で大ヒットしたこの映画は、日本人でも誰が観ても
       よく理解でき、感動できること請け合い!
        緊張感と笑いを同居させ、あの名作『誰がために鐘は鳴る』(43年)の
       ラストシーンを思い出しながら、人間愛のすばらしさをたっぷりと
       味わいたいものだ。


洋06-94 ポセイドン(2006年)          
        <梅田ピカデリー>           2006年5月27日鑑賞
        (アメリカ映画)              2006年6月7日記

     ・・・なぜか『日本沈没』(73年)のリメイクと時を同じくして、あのパニック
      映画の名作『ポセイドン・アドベンチャー』(72年)が登場人物を一新して
      再登場!
       日本沈没は338.54日だが、「ポセイドン号」の沈没は数時間・・・?
      ところが、こんな大作ながら上映時間を98分に抑えた(?)ため、10名の
      老若男女の脱出劇のスピードは目の回るような忙しさ。ついていくのに
      アップアップで、やっと脱出できたと思った途端、どっと疲れが・・・。
       注目は、CGの粋を集めた冒頭の2分半だが、前作や『タイタニック』
      (97年)と比較して、あなたの採点は・・・?


洋06-95 迷い婚~すべての迷える女性たちへ(2005年) 
        <ホクテンザ2>           2006年5月28日鑑賞
        (アメリカ映画)             2006年5月29日記

     ・・・幼い頃に死亡した母親は、結婚直前に駆け落ちの経験が・・・。
      それが1967年の映画『卒業』のモデルだった!すると私の父親は、今の
      パパ?それとも花嫁エレンを略奪した、あのダスティン・ホフマン扮した
      ベンジャミン・・・?主人公、サラの頭は混乱するばかり・・・。
       さらに問題は、突撃取材に出かけたサラが、ケビン・コスナー扮する
      中年紳士に魅かれたこと。これでは、ひょっとすると祖母、母、娘の三世代
      が、1人の男と「寝て」しまうことに・・・?
       1967年と1997年という時空を超えて展開する、父親捜しと自分捜しの
      旅の結末は、幸せそれとも不幸せ・・・?


洋06-96 緑茶(2002年)         
        <東映試写室>           2006年5月29日鑑賞
        (中国映画)              2006年5月31日記

     ・・・中国第六世代監督、張元(チャン・ユアン)が描く、現代北京を舞台と
      した一風変わった恋愛模様は、フランス映画『昼顔』風・・・?
       メガネをかけた勝ち気なインテリ女とバーでピアノを弾く悩ましげな
      高級娼婦は、雰囲気は正反対だが顔はうり二つ。そんな2人の女(?)に
      翻弄される男を演ずるのは、中国随一の名俳優、姜文(チアン・ウェン)。
       「緑茶」占いは、ホントそれともインチキ・・・?それを見定めるためには、
      本場中国茶のお勉強と、三里屯をはじめとするオシャレな北京のまちを
      散策する「緑茶ツアー」が必要かも・・・?


日06-97 日本沈没(2006年)        
        <試写会・NHK大阪ホール>    2006年5月29日鑑賞
         (日本映画)              2006年6月1日記

     ・・・1973年のメガヒット作『日本沈没』から33年。日本沈没の新しい
      科学的根拠と美しいVFX技術を携え、また愛と感動の物語を軸に据えた
      作品として、今見事に甦った。
       しかし、阪神・淡路大震災においてその不十分さが指摘された
      「危機管理体制」が、未曽有の国難にもかかわらず、この映画では明確に
      意識されていないのは大いに不満。
       それやこれや、この映画から学ぶべきさまざまな視点を、坂和流評論
      の中でタップリと・・・。


日06-98 雨の町(2006年)         
        <東映試写室>             2006年5月30日鑑賞
        (日本映画)                2006年6月1日記

     ・・・人間社会の中に入り込んでいる異生物の「侵入者」は、ハリウッドでは
      エイリアンや宇宙人そして悪魔だが、日本の田舎村の言い伝えでは
      それが「あまんじゃく」・・・。
       コトの始めは、「臓器の無い子供の死体が流れ着いた」というニュース。
      それを取材する記者が出会ったのは、数十年前に死亡したはずの2人の
      小学生。こんなかわいい子供が、「あまんじゃく」・・・?
       「悪さ」をしないのなら人間との共存も可能では、とつい思ってしまうが
      それはヤバイ・・・?そして、ひょっとしてあなたのすぐ側にも、こんな
      「あまんじゃく」がいるのでは・・・?


洋06-99 オーメン(2006年)       
        <東宝試写室>              2006年5月31日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年6月2日記

     ・・・『ローズマリーの赤ちゃん』(68年)、『エクソシスト』(73年)と並ぶ、
      三大悪魔ホラーの1つ『オーメン』が、装いを新たに再登場!2006年
      6月6日の到来とともに、悪魔の子がスクリーン上で大活躍を開始・・・?
       悪魔の子誕生の発端は、ある病院で外交官の妻の子が密かに取り替え
      られたところから・・・。聖書が悪魔の数字666をキーワードとして人類に
      指し示したさまざまな言葉は、悪魔の出現を予言したものだが、果たして、
      善良なる人間は、こんなかわいい子供悪魔に太刀打ちできるのだろう
      か・・・?
       結末に示される善と悪のコントラストは絶妙で、これでは、あなたの周り
      にも悪魔が存在していることを、当然の前提としなければ・・・?


日06-100 不撓不屈(2006年)       
        <試写会・御堂会館大ホール>     2006年6月1日鑑賞
        (日本映画)                 2006年6月6日記

     
産経新聞大阪府下版(平成18年6月9日)「That´sなにわのエンタメ」掲載
      ・・・姉歯元一級建築士が国会で吐いた「弱い自分がいた」は、ライブドアや
       カネボウの粉飾決算事件にみる公認会計士など、他の専門家諸氏にも
       波及・・・?
        しかし、「不撓不屈」の精神の持ち主、飯塚毅税理士は、そうではなか
       った!昭和38年以降の「飯塚訴訟」に勝利し、TKC全国会を立ち上げ
       た彼の業績の確認も大切だが、それ以上に学ぶべきことは、その愚直
       なまでの熱い生き方。
        「戦後60年」の今、また1つ絶好の教科書の誕生だ。


日06-101 死者の書(人形アニメーション映画)(2005年) 
        <東映試写室>             2006年6月2日鑑賞
        (日本映画)                2006年6月10日記

     ・・・日本が誇る国文学者、折口信夫氏の小説『死者の書』が、人形アニメ
      で登場。
       時代は8世紀半ばの奈良時代。當麻寺(たいまでら)に伝わる中将姫の
      當麻曼陀羅(たいままんだら)の伝説が、色鮮やかに展開される。
       人形アニメ映画大好き人間はハマってしまうかもしれないが、私には
      どうも・・・?いずれにしても、大津皇子(おおつのみこ)の悲劇など、
      歴史的背景の勉強が不可欠だよ・・・。


日06-102 雪に願うこと(2005年)      
        <テアトル梅田>            2006年6月4日鑑賞
        (日本映画)                2006年6月6日記

     ・・・北海道・帯広の「ばんえい競馬」を軸に展開される兄弟の物語は、
      東京国際映画祭史上初の四冠を獲得!
       東京での夢が破れて帰郷した弟に比べ、地元に根を張った「大将」の
      生き方と存在感は圧倒的!こんな映画を観れば、都市と地方、金持ちと
      貧乏人という「格差」を嘆く前に、人間としてやるべきことが見えてくるの
      では・・・?
       さらに、サラブレッド競走馬の華麗さはなくとも、1トンのそりを曳く巨漢馬
      たちのレースが、人間たちに教えてくれる教訓も多いはず・・・?


日06-103 花よりもなほ(2005年)       
        <梅田ピカデリー>            2006年6月4日鑑賞
        (日本映画)                 2006年6月6日記

     ・・・『誰も知らない』(04年)に続く是枝裕和監督の作品は「仇討ち物語」
       だが、時代が『忠臣蔵』と同じというところがミソ・・・?
        耐震強度偽装問題、ホリエモン騒動に続いて村上ファンドの強制
       捜査等、近時の日本のキーワードは「偽装」。そんな中、『忠臣蔵』と
       正反対の弱いお侍が、「破れ長屋」に住む底辺の町民たちの応援を
       うけて決行する「偽装」仇討ちは、そんなに肯定されていいの・・・?
        「大願成就」にいい気にならず、その是非論も真面目に
       検討しなければ・・・?


洋06-104 美しい人(2005年)           
        <東映試写室>             2006年6月6日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年6月9日記

     ・・・9人の女優たちが、10~14分の寸描で示す9つの物語は、人生の
      一瞬を切り取ったものだが、それぞれに痛みや傷、そして人生の重みが
      いっぱい・・・。
       ロドリゴ・ガルシア監督が、こんなショートストーリーの大家であることは、
      2005年のロカルノ映画祭が最優秀作品賞のみならず、9人の女優全員
      に最優秀主演女優賞を贈ったことからも明らか。
       若いベッピン女優を楽しむのではなく、ベテラン女優たちから、9話
      それぞれのタイトルにあるような人生をしっかりと学びたいものだが・・・。


洋06-105 我愛你(ウォ・アイ・ニー)(2003年)  
        <東映試写室>             2006年6月7日鑑賞
        (中国映画)                2006年6月8日記

     ・・・中国第六世代監督の旗手、張元(チャン・ユアン)が描く
       「ドキュドラマ」のテーマは、犬も喰わないはずの夫婦ゲンカ。
        中国四大美女の1人徐静蕾(シュー・ジンレイ)が夫に対して
       ヒステリックにわめく姿はあまり観たくないが、彼女がそうなったの
       にはある深い理由が・・・?
        わが身、わが夫婦を省みながら、スクリーン上でくり広げられる
       「夫婦ゲンカ」の根の深さ、そして「我愛你」という言葉にトコトン
       こだわるオンナ心をじっくりと研究してみたいもの・・・?


洋06-106 幸せのポートレート(2005年)  
        <東宝試写室>             2006年6月8日鑑賞
        (アメリカ映画)              2006年6月9日記

     ・・・キャリアウーマンだって、いやそうだからこそ「理想の結婚」を
      夢見るもの・・・?しかし、理想の恋人の実家に招かれながら、
      彼女はそこでは居心地が悪く、彼のファミリーたちとの間には
      大きな違和感が。これは一体何・・・?
       「頑張った生き方」VS「自然な生き方」の対比が、家族との
      対話やさまざまなハプニングの中で抽出されていく。
       そして彼や彼女たちが最後に選んだ結論は全く意外なもの・・・?
       世間体や既成観念にとらわれない生き方の実践は、
      やはりアメリカ人が一番手・・・?


洋06-107 胡同(フートン)のひまわり(2005年)  
          <東宝試写室>         2006年6月9日鑑賞
           (中国映画)            2006年6月10日記

     ・・・1976年の文化大革命終焉後の、中国30年の歴史の中、北京の
      胡同(フートン)を舞台に描かれるのは、父子の確執の物語。
       「下放」によって絵筆をとれなくなった父親が、才能を認めた息子に
      託したのは、画家への道。しかし、息子は9歳、19歳、32歳の時点
      で、それぞれどんな対応を・・・?
       張楊(チャン・ヤン)監督の体験談(?)を踏まえたこの映画は、
      都市法政策をライフワークとする私には、北京のまちづくりを考えるうえ
      で必見だが、2008年の北京オリンピック・ツアーを考えている人たちも、
      今からこの映画で勉強を・・・。


洋06-108 トランスポーター2(2005年)     
        <道頓堀東映パラス>     2006年6月11日鑑賞
        (フランス映画)          2006年6月13日記

     ・・・車をBMWからアウディA8に変えたものの、ジェイスン・ステイサム
      扮する「トランスポーター」=「運び屋」フランクのキャラは前作と同じ。
       今回の敵の狙いは、遺伝子組換え型のウィルスを使い、
      米大統領たちの首脳を殺害し、麻薬撲滅サミットをぶち壊すこと。
       「守れない約束はしない」。これがフランクの「ルール4」だが、
      さて彼は・・・?
       カーアクションから水上スキーやジェット機まで、目もくらむような
      アクションの切れ味は、偽装・偽装でイラつくあなたの欲求不満の解消に
      もってこい・・・?


洋06-109 隠された記憶(2005年)     
        <テアトル梅田>              2006年6月11日鑑賞
    (フランス、オーストリア、ドイツ、イタリア映画) 2006年6月12日記

     ・・・スクリーンいっぱいに広がる送り届けられてきたビデオテープ
       の再生画面。そこには幸せに暮らす家族の瀟洒(しょうしゃ)な家が。
        しかし一体誰が?何のために・・・?その後も続くテープが、
       次第に過去の内面にさかのぼっていく中、家族の心の中には不安と
       いらだちが・・・。
        そして必然的に6歳の時の「ある記憶」に・・・。
        カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞したハネケ監督による
       「隠された記憶」への問題提起は奥深く衝撃的だが、同時にひどく
       難解・・・?目を皿のようにしてスクリーンを凝視することと、
       映画鑑賞後のディスカッションが不可欠・・・?


日06-110 着信アリ Final(2006年)        
        <東宝試写室>              2006年6月12日鑑賞
         (日本映画)                2006年6月16日記

     ・・・ハリウッドでのリメイクが決定した大人気シリーズの「Final」の舞台は、
      修学旅行先の韓国の釜山。
       「いじめ」の加害者たちへの復讐は、おなじみの「死の着メロ」だが、
      今回は転送すれば死を免れることができるという新工夫が。そんな表示
      を見たクラスメートたちは、次第にパニックに・・・。
       いじめにあった2人の美少女の友情を軸とした「呪いの連鎖」は、
      ホントにFinalを迎えることができるのだろうか・・・?


洋06-111 カーズ(2006年)             
        <東宝試写室>              2006年6月14日鑑賞
         (アメリカ映画)              2006年6月16日記

     ・・・宮崎駿のアニメとは異なり、ディズニーのアニメはただひたすら楽しさ
      を追及・・・?圧倒的に多い「動物モノ」に対して、これはそのタイトル
      どおり、車がすべての「登場人物」だが、主人公の天才レーサーを
      はじめとして、それぞれのキャラは楽しさがいっぱい。
       今ドキの「ませた」子供たちにピッタリの趣向だが、大人たちは、
      この物語に込められた奥深い「人間論」にも注目を・・・。


洋06-112 親密すぎるうちあけ話(2004年)  
         <東映試写室>            2006年6月16日鑑賞
         (フランス映画)             2006年6月17日記

     ・・・精神分析医を訪れたはずの美しい人妻の勘違いから、彼女の話を
      聞いてしまった税理士。そこから始まった不思議な男と女の物語は、
      ある意味で危険がいっぱい。
       しかし、刺激的なセリフと官能的な「想像」が広がりながら、くり返されて
      いく出会いは実にオシャレ。そして、その行く末に興味シンシン・・・?
       もっとも、結果オーライだったからよかったものの、くれぐれもこんな
      「出会い」に期待して、大火傷することのないように・・・?


日06-113 初恋(2006年)           
        <テアトル梅田>            2006年6月17日鑑賞
         (日本映画)              2006年6月20日記

     ・・・3億円の強奪犯人は女子高生だった!
       そんな奇想天外な発想で世間をアッと言わせた原作者、中原みすず氏
      は、1968年12月10日当時、新宿で何をしていたのか・・・?
       そして、『初恋』というタイトルがつけられたのは、なぜ・・・?
       孤独でピュアな雰囲気を豊かな表情で「熱演」するのは、10代最後
      の作品となった宮﨑あおい。その存在感をタップリとかみしめながら、
      「あの時代」を考え、「あの時代」の若者の生き方を感じたいものだ・・・。


日06+1 紅薔薇夫人(2006年)     
        <ユウラク座>              2006年6月17日鑑賞
        (日本映画)

日06-114 LIMIT OF LOVE 海猿(2006年)  
        <ナビオTOHOプレックス>       2006年6月18日鑑賞
          (日本映画)               2006年6月19日記

     ・・・北朝鮮からのミサイル、テポドンの発射は本当にあるのか?
        そんな危機が迫る昨今(?)、海上保安庁の「海猿」たちの役割は
       重大!
        それに比べれば大型フェリーの座礁に伴う乗客600名の
       救出という任務はチョロいもの・・・?しかし現実は・・・?
        絶望的状況を再三切り抜ける主人公の根性はたいしたもの。
        しかし『ポセイドン』(06年)と対比すれば、任務中の人生談義や
       プロポーズの甘さは、いかにも日本的・・・?
        また、テレビ局と連動させた大ヒットの連続を率直に喜んで
       いいの・・・?

洋06-115 青春漫画~僕らの恋愛シナリオ~(2006年)  
        <東宝東和試写室>            2006年6月20日鑑賞
        (韓国映画)                  2006年6月21日記

     ・・・お馴染みの(?)韓国版純愛ドラマだが、幼なじみの男女間の友情が、
      ある「突発事故」の後、恋心へと変容していくサマ(?)がポイント・・・?
       前半のコメディタッチはタイトルどおりの「青春漫画」だが、後半からク
      ライマックスに向けて、涙の抱擁シーンとなるか否かに注目。
       ところで、女優を目指すキム・ハヌルはいい味を出しているが、
      ジャッキー・チェンに憧れるクォン・サンウのオカッパ頭はどうも・・・?

日06-116 DEATH NOTE(デスノート)(前編)(2006年) 
        <梅田ピカデリー>            2006年6月21日鑑賞
        (日本映画)                 2006年6月23日記

     ・・・若者に大人気のカリスマコミックの映画化は、興行的には大成功!
       劇場内は若者でいっぱい。そしてポップコーンだらけ・・・?
       法の正義の無力さを痛感した主人公は、「デスノート」によって
      犯罪者を死亡させ、理想的な社会を築いていこうとする。
       これは正義なのか、それとも大量殺人にすぎないのか・・・?
      ドストエフスキーの『罪と罰』並み(?)の大テーマが、宗教と無関係に
      ゲーム感覚で語られることに多少の戸惑いを覚えるが、さて、あなたの
      評価は・・・?
       天才「ライト」と天才「エル」との出会いが、前編のラスト。
      さて、今秋公開の後編での決着はいかに・・・?

洋06-117 アフロサッカー(2004年) 
        <ホクテンザ1>            2006年6月24日鑑賞
         (タイ映画)               2006年6月26日記

     ・・・タイ南部からマレーシアにかけての森に住むサガイ族のサッカー
      チームが、バンコクで開催される国王杯のゲームに出場。
       その目的は、優勝し、サガイ族を今襲っている謎の疫病から救って
     くれると信じられている優勝カップを手に入れること。そんなチームの
     監督は、サッカー賭博の八百長試合でヤクザに追われているパオトゥー。
       野性味あふれる裸足のサッカーで、果たして彼らはエリートチームに
     勝てるのだろうか・・・?
       W杯で日本が1次リーグ敗退を決めた直後に、こんな映画を観たのも
     何だか皮肉・・・。もし、サガイ族の技術がサムライブルーのチームに
     伝授されていれば・・・?

日06-118 恋するトマト~クマインカナバー(2005年) 
        <東映試写室>            2006年6月27日鑑賞
        (日本映画)               2006年6月30日記

     ・・・日本の農業問題・食糧問題は、都市問題・環境問題とともに深刻
      (なはず)だが、大っぴらに議論されることの少ないテーマ。そして、
      農家の跡取り問題も・・・。
       日本とフィリピンを股にかけた(?)テーマは「トマト」。そしてその
      ココロは、土と水と太陽。
       思いがけないラストはかなり感動的。農家の長男坊も元気を出して
      嫁取りの努力を続け、農業の仕事に誇りを持たなければ・・・。

日06-119 紙屋悦子の青春(2006年)     
        <東映試写室>              2006年6月27日鑑賞
        (日本映画)                 2006年6月30日記

     ・・・『父と暮せば』(04年)と同じように、まるで舞台を観ているような
      映画では、俳優たちの演技力が決め手!
       昭和20年3月30日の「お見合い話」から始まる数日間の「出来事」
      を通して、悦子の青春とあの時代の若者たちの生き方が、俳優たちの
      静かな、しかし、しっかりとした演技力によってアピール!
       若者たちの凶悪犯罪が続出している今、どんなお説教よりも、
      こんな映画を観せる方が効果的だと思うのだが・・・。
       黒木流の良質な映画がこれで最後になったのは、実に残念。
      黒木和雄監督に合掌・・・。

洋06-120 X-MEN:ファイナル ディシジョン(2006年) 
        <試写会・リサイタルホール>      2006年6月29日鑑賞
        (アメリカ映画)                2006年7月1日記

     ・・・数多いマーベル・コミックス社の『X-MEN:ファイナル ディシジョン』
      をはじめて観たが、その壮大さにビックリ。
       スパイダーマンやハルク、そしてスーパーマンのような1人のヒーロー
      ではなく、人間に対する「ミュータント」という新たな「種」を創造した
      ところが、このシリーズのミソ・・・?
       しかし今回は、ミュータントから人間に戻すための新薬「キュア」が
      開発されたから大変。「ブラザーフッド」+「オメガ・ミューティーズ」の
      連合軍と人間との対立~戦争を解消するため、ミュータントの
      「X-MEN」たちは、どのように行動するのだろうか・・・?
       もっとも『スターウォーズ』と同じように、勢力図やそれぞれの
      キャラクターをよく整理して観ないと、中年のおじさんたちにはよく
      わからないかも・・・?

洋06-121 キンキーブーツ(2005年)       
        <ヘラルド試写室>            2006年6月30日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年7月3日記

     ・・・「キンキー」ブーツとは、「変態」ブーツ・・・。
       モノづくりの現場が苦戦しているのはイギリスの田舎町も同じだが、
     倒産しかけの靴工場立て直しのために、ドラッグクイーン御用達の
     セクシーブーツをつくりはじめるとは・・・?
       何とも不可思議な映像の中に描かれる、ケッタイな友情と愛情(?)、
     そして「企業は建物ではなく人だ」と熱く訴えかける企業再生の姿は、
     結構、感動的・・・。
       今日からは「一体僕に何ができる・・・?」は禁句にして、何でも
     ナンバーワンを目指さなくっちゃ・・・。 

洋06-122 ウルトラヴァイオレット(2006年)      
        <道頓堀東映パラス>          2006年7月2日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年7月6日記

     ・・・美しいロングヘアーと大胆な「へそ出しルック」で両手に持つ銃を操り、
      剣での闘いにも挑むファージの「女戦士」は、『バイオハザード』を
      超えた(?)ミラ・ジョヴォヴィッチ。
       平庸な物語にはちと失望だが、彼女のカッコいいアクションだけで、
      どこまで満足できるかがポイント・・・?
       もっとも、正直なところこの手の映画には少し飽きてきた・・・?

洋06-123 ジャスミンの花開く(茉莉花開/Jasmine Women)(2004年)
                                     
 
        <シネ・リーブル梅田>          2006年7月2日鑑賞
        (中国映画)                 2006年7月5日記

     ・・・上海を舞台に、1人の女優が茉(モー)・莉(リー)・花(ホア)という
       三世代の女性役を。描く時代は、激動する中国の1930年、1950年、
       そして1980年という3つのポイント。
        そんな主役を張れる女優は、アジアンビューティーの代表、章子怡
       (チャン・ツィイー)をおいて他にいない。
        長年、張藝謀(チャン・イーモウ)作品の撮影監督をつとめた侯咏
       (ホウ・ヨン)が10数年温め、やっと実現させた監督デビュー作は、
       章子怡の、章子怡による、章子怡のための映画・・・。
        1人3役による「百変化」の演技をじっくりと鑑賞するとともに、
       雨の中での出産シーンをはじめとする熱演と彼女の女優魂に拍手!

日06-124 蟻の兵隊(2005年)      
        <東映試写室>              2006年7月5日鑑賞
        (日本映画)                 2006年7月6日記

     ・・・『延安の娘』(02年)に続く池谷薫監督のドキュメンタリー映画第2作は、
     日本軍の山西省残留問題に真正面から斬り込んだもの。
       当時の初年兵で、今は80歳になる奥村和一は、自らの「殺人の記憶」
     を告白しながら、監督らとともに山西省寧武へ。
       そこで明らかになる数々の衝撃の事実とは・・・?
       注目すべき作品だが、私としては終戦後なお武装解除せず、
     インドネシア独立のために戦った日本将兵を描いた『ムルデカ』(01年)
     と対比するためにも、奥村氏が語る「残留は命令だった」という実態
     をもっと掘り下げてもらいたかったと思うのだが・・・?

洋06-125 パイレーツ・オブ・カリビアン
           /デッドマンズ・チェスト(2006年)
 
        <試写会・梅田ピカデリー>        2006年7月5日鑑賞
        (アメリカ映画)                2006年7月6日記

     ・・・今年の夏は2003年に続いて、パイレーツ(海賊)が劇場をジャック!
       思わずそんな予測をするほどの楽しい大活劇に大満足・・・。
       「契約」概念が大切なことは前作と同じで、”深海の悪霊”デイヴィ・
      ジョーンズから「契約」違反を追及された、キャプテン・ジャック・スパロウ
      が目指すものは・・・?
       ”深海の悪霊”と”深海の魔物”の襲撃に耐えきれず、ジャック船長は
      ブラックパール号とともに、海の藻屑と消えてしまうのだろうか・・・?
       いや、そうなったのでは、2007年5月公開の第3作が成り立たない。
      すると、ジャックはやはり不死身・・・?

洋06-126 サムサッカー(2005年)       
      <ソニー・ピクチャーズ試写室>       2006年7月6日鑑賞
        (アメリカ映画)                2006年7月7日記

   ・・・これは、先日観た『アフロサッカー』(04年)と同じようなサッカー映画
    ではない。
      サムサッカーとは「親指を吸う癖」を持った人のこと。オレゴン州の、
     ごく普通の中流家庭で暮らす17歳のジャスティンがそれ。
      たかが指を吸う癖、されどその癖は・・・?
      両親や弟との葛藤、教師や恋人との葛藤を経て男は成長するもの・・・?
      そんな青春時代の生き方を、2005年ベルリン国際映画祭銀熊賞
     「最優秀男優賞」を受賞した新星が演じている。
      「大切なのは、答えのない人生を生き抜く力だ。」ということを学ぶことが
     出来れば、あなたも合格・・・?

日06-127 ゲド戦記(2006年)         
        <東宝試写室>           2006年7月7日鑑賞
         (日本映画))            2006年7月8日記

   ・・・宮崎駿の長男、宮崎吾朗の第一回監督作品は、彼が高校生の
     頃に出会ったというアーシュラ・K.ル=グウィン原作の「ゲド戦記」。
      そこに描かれるのは、人間の「生と死」そして内なる「光と影」の物語・・・。
      「影があるから光がある」「死があるから生がある」という当たり前
     のことをこれ程深く追及しなければならないのは、永遠の生を求める
     傲慢な人間や、魔法使いが登場したため・・・?
      アニメの世界、ファンタジーの世界ながら、そこで交わされる会話や
     その奥に潜む思想はえらく難しく、息子の作る映画は父親以上に
     難解かも・・・?正直、ちょっと疲れたなあ・・・。

洋06-128 M:i:Ⅲ(2006年)          
        <敷島シネポップ>           2006年7月9日鑑賞
        (アメリカ映画)              2006年7月10日記

   ・・・トム・クルーズの『M:i』シリーズは、スタントなしのダイナミックで華麗な
    アクションが売りモノ・・・?
     40歳を超えた今回もそれは健在で、不可能なミッションの遂行を
    可能にするイーサンの活躍は、梅雨時のイライラをスカッとさせたい人
    には最適・・・。
     もっとも今回はそれに加えて、子供の生まれた婚約者ケイティ・ホームズ
    との「私生活よろしき」を踏まえて(?)、イーサンの人間味と家庭味も
    スパイスをきかせているが、さてその成否は・・・?

洋06-129 カポーティ(2005年)        
        <ソニー・ピクチャーズ試写室>    2006年7月10日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年7月11日記

   ・・・「ノンフィクション・ノベル」という新しいジャンルの小説『冷血』を、
     カポーティが完成させたのは、一家4人惨殺事件の殺人犯ペリーの取材
     にもとづくもの。
      しかし、ペリーを支援しつつも、小説を完結させるためにはペリーの死刑
     執行が不可欠・・・。
      すると、作家カポーティが真に望んでいたものは、一体ナニ・・・?
      そして、『冷血』完成後の彼の生き方は・・・?
      そんな重く難しいテーマを、カポーティ役で見事アカデミー賞主演男優賞
     を受賞したフィリップ・シーモア・ホフマンが熱演しているが、日本ではやっと
     今秋に公開。それは、日本人受けのするハリウッド流のド派手な映画では
     なく、地味で重いテーマを扱った作品だから・・・?
      それならそれで、グッタリと疲れることを覚悟のうえで、じっくりと鑑賞したい
     ものだが・・・。

洋06-130 トランスアメリカ(2005年)     
        <松竹試写室>             2006年7月12日鑑賞
        (アメリカ映画)              2006年7月13日記

   ・・・主人公の「女性になるための性別適合手術を受ける直前の男性」
    とともに、NYからLAへの大陸横断=トランスアメリカの旅に出る17歳の
    若者は、実は彼(彼女?)の息子。
     以降、この2人それぞれの両親(継父)たちを巻き込んだテンヤワンヤの
    ストーリーが展開されるが、終わってみるとオカマいやトランスセクシャルを
    テーマとした、不思議な心温まる物語に仕上がっている。
     『ブロークバック・マウンテン』(05年)のアン・リー監督が、アカデミー賞
    監督賞を受賞したのに続き、アメリカでは今年も「この手」の映画が
    有力・・・?

日06-131 ダメジン(2006年)        
        <東宝東和試写室>           2006年7月14日鑑賞
        (日本映画)                 2006年7月14日記

   ・・・夏休みに向けて、大人のための「脱力系」映画の登場!
     「ダメジン」とは特別な新語ではなく、ダメな人間のこと。働かずに
    生きていく方法ばかりを考えている3人組が、ある日「インドへ行けば、
    一生ブラブラできる」と言われたことからその気になった。さあ、それからの
    3人組の行動は・・・?
     よくもまあケッタイな人々が、と感心するほどたくさんの変人たちが
    登場する。顔の絵を描いた紙袋で顔を隠した変人たちによる銀行強盗は、
    犯罪とは思えず、一種の清涼剤・・・?
     ビックリするのは、今をときめく伊東美咲のチョイ役での登場だが、
    さて、それはなぜ・・・?

洋06-132 ビッグ・リバー(2006年)     
        <テアトル梅田>               2006年7月14日鑑賞
        (日本・アメリカ合作映画)          2006年7月18日記

   ・・・2001年の9・11テロ以降、アメリカの秩序や価値観は大きく転換
    したが、日本人にはその意識は希薄。しかし、舩橋淳監督と1人自由に
    アメリカを旅する日本人青年には、混沌とした社会になったからこその
    新たな人間の結びつきを追及する意欲が・・・。
      日本人青年とパキスタン人の中年男性そしてアメリカ人の若い女性と
    いう奇妙な取り合わせによるアメリカ大陸横断の旅は、果たして何を
    求めるもの・・・?そしてその行きつく先は・・・?
     一風変わったロードムービーから、さてあなたは何を学ぶことができる
    だろうか?

日06-133 風のダドゥ(2006年)      
  <宣伝用ビデオ鑑賞>(梅田ガーデンシネマにて公開中)
                             2006年7月17日鑑賞
        (日本映画)              2006年7月18日記

   ・・・阿蘇山ふれあい牧場を舞台に、馬との対話と人生経験豊かな
     じいたちとの心のふれ合いを通じて、1人の少女が再生することに・・・。
      京大・阪大・大阪府大等の大学生の凶悪犯罪が世相を賑わし、
     精神的に病んだ少年少女たちが増えている中、たまにはこんな希望と
     再生の物語で心を洗いたいもの。
      圧巻はクライマックスで静かに語られるじいの遺言。
      あなたの頰に涙が伝わってくること請け合い・・・?

日06-134 マスター・オブ・サンダー 決戦!!封魔龍虎伝(2006年)
                                         
 
        <ヘラルド試写室>           2006年7月18日鑑賞
        (日本映画)                2006年7月19日記

   ・・・倉田保昭VS千葉真一という日本アクション界二大巨頭初の共演、
    という売り込みどおり、おじいさんパワーの炸裂は見事なもの。
     また、冒頭の6分間にわたる悪鬼と150名の弟子たちとの対決という、
    ワンシーンアクションもお見事!
     しかし、本来の主人公であるその孫たち7名のアクションは、どこか
    マンガ的・・・?
     あの若くカッコよかった志穂美悦子の、凛々しいアクションシーンの再現
    を期待していたのだが・・・?

洋06-135 グエムル 漢江の怪物(2006年)  
        <試写会・リサイタルホール>      2006年7月18日鑑賞
        (韓国映画)                 2006年7月20日記

   ・・・韓国に登場した怪獣(怪物)は、ソウルを流れる漢江に住むグエムル。
     ブラックユーモア的なその誕生秘話には少し首をかしげるが、
    「韓国のスピルバーグ」と讃えられる36歳のポン・ジュノ監督の独創性が、
    あちこちにキラリキラリと・・・。
     何よりもすごいのは、韓流の家族愛の強さとその迫力。娘を怪物から
    救出するための一家あげての涙ぐましい行動力に、あなたはきっと圧倒
    されるはず・・・。

洋06-136 ザ・センチネル 陰謀の星条旗(2006年)  
        <東宝試写室>             2006年7月19日鑑賞
        (アメリカ映画)              2006年7月20日記

   ・・・マイケル・ダグラスにまたひとつサスペンス・スリラーの代表作が誕生した。
      ファースト・レディ(大統領夫人)と、それを警護するシークレット・
     サービスの責任者との不倫という設定は、ありえないことだからこそ、
     もしそれが本当なら・・・?
      他方、大統領暗殺の陰謀を企む暗殺団の正体は?
      そしてそれとツルむ内部の裏切り者は・・・?
      裏切り者!はめられた!大統領が危ない!という二転三転のスリルと
     サスペンスに富んだ展開に、あなたもきっと満足できるはず。
      しかし、私には1つだけ不満な点も・・・。

洋06-137 トリスタンとイゾルデ(2005年)  
        <東宝試写室>            2006年7月21日鑑賞
        (アメリカ映画)             2006年7月22日記

   ・・・『ロミオとジュリエット』の物語は知っていても、『トリスタンとイゾルデ』に
     ついて知っているのはタイトルだけで、その内容は多くの人が知らない
     はず・・・?
      ワーグナーの全三幕、4時間余の楽劇だって、きちんと観たり聴いた人は
     少ないのでは・・・?そんなハンディキャップがあっても、恋物語は観れば
     誰でも理解でき、堪能できるもの。
      しかし、ローマ帝国が去った後の、アイルランドに支配されていたイギリス
     の暗黒時代(5世紀)の時代状況を学べば、その悲劇性とこの物語が今日
     まで継承されている意味がより深くわかるはず。そして、そのために
     読むべき資料はタップリと・・・。

洋06-138 夜よ、こんにちは(2003年)  
      <宣伝用ビデオ鑑賞>(7月1日から第七藝術劇場他で上映)
       (イタリア映画)              2006年7月23日鑑賞
                               2006年7月24日記

   ・・・「赤い旅団」「キリスト教民主党」「党首アルド・モロの誘拐」「1978年」、
     これらのキーワードをきちんと説明できる日本人は少ないはず。
     イタリアで現実に起きた「党首誘拐」とその「殺害」という悲劇を、
     イタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ監督が客観的事実を踏まえたうえで、
     想像力豊かに(自由奔放に)描いた傑作がこれ。
      こんな映画が日本で上映されることに感激するとともに、日本の
     民主主義や政治を語るうえでこれをきっちりと勉強しなければ・・・。

洋06-139 グッドナイト&グッドラック(2005年)  
      <宣伝用ビデオ鑑賞>(5月13日からナビオTOHOプレックス他で上映)
        (アメリカ映画)              2006年7月23日鑑賞
                               2006年7月24日記

   ・・・今日まで語り継がれている伝説のニュースキャスターがエド・マロー。
      1953年マッカーシー上院議員による「赤狩り」旋風の恐怖の中、
      「報道のCBS」の名と報道人としてのプライドを賭けた彼のニュース
     番組は敢然とこれと対決。
      それから半世紀、今の日本のテレビ事情はエド・マローが憂えたとおり、
     娯楽を詰め込んだただのboxに成り下がっているうえ、MやFそして
     Tキャスター(?)たちの専横ぶりはあまりにひどいもの・・・。
      今や一億総白痴化とともに、一億総洗脳状態に・・・?
     そんな中、この映画の価値は計りしれないが、国民がバカなら
    宝の持ち腐れ・・・?
      マスコミ関係者をはじめ、学生以上の知識人必見の映画だが、
     さてあなたはこの映画から何を学ぶ・・・?

日06-140 ただ、君を愛してる(2006年)  
        <東映試写室>               2006年7月26日鑑賞
        (日本映画)                  2006年7月27日記

   ・・・『いま、会いにゆきます』(04年)に続く純愛モノだが、主人公はどこにでも
     いそうな今ドキの大学生。しかし、実は2人とも変な(?)コンプレックスを
     持っていた・・・。
      若手実力派女優、宮﨑あおいの1人2役「的」な演技が見モノ。
     前半では肉体的に未成熟な女子学生が、後半からクライマックスに向けて
    見せる美しく女らしく成長した魅力は、その差が大きいだけに余計に
    目立つもの。
     「彼女はよくウソをつく」というナレーションから始まる物語だけに、
    ウソがポイント・・・。そして、ウソには涙を誘うウソや、ずっとつき続けて
    ほしいウソもあることが、この映画を観ればよくわかるはず・・・。

日06-141 スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ(2006年)  
        <東映試写室>               2006年7月26日鑑賞
        (日本映画)                  2006年7月27日記

   ・・・お子様映画(?)まで、と思いつつ、やはり「あやや」こと松浦亜弥が
    四代目スケバン刑事になる(?)と聞き、これは観ておかなければと楽しみ
    にしていたが、やはり所詮コミック・・・?
     謎のサイト「エノラゲイ」によるゲーム感覚の爆弾遊び(?)や聖泉学園内
    でのいじめというテーマは、いかにも今風だが、そんな中、四代目麻宮サキ
    はどんな活躍を・・・?
     あややの母親役を初代スケバン刑事、斉藤由貴が演じているのを見ると、
    20年の歳月の重みがひしひしと・・・。

洋06-142 記憶の棘(2004年)          
        <東宝試写室>               2006年7月27日鑑賞
        (アメリカ映画)                2006年7月28日記

   ・・・死に別れた夫への想いにやっと別れを告げ、幸せな再婚に踏み切った
     ヒロインの前に突然、「僕は彼の生まれかわりだ」と名乗る少年が・・・。
      そんな面白いアイディア(?)にもとづくちょっとミステリアスな夫婦愛(?)
     が次々と展開されていくが、そんな話をあなたは信じる?それとも・・・?
      美しい金髪が売りモノのニコール・キッドマンが大胆なショートヘアで
     登場し、10歳の名子役との間で謎めいた中にも官能的な演技を
     披露するが、映画全体の評価は賛否両論に分かれそう。
      さて、あなたの採点は・・・?

洋06-143 ユア・マイ・サンシャイン(2005年)  
        <東宝試写室>               2006年7月27日鑑賞
        (韓国映画)                  2006年7月28日記

   ・・・『私の頭の中の消しゴム』を抜く大ヒットとなったラブストーリーの
    ヒロインはHIV感染者、そしてヒーローは嫁不足に悩む農家の長男坊
    という異色の設定だが、何とこれは実話にもとづく物語・・・。
     不器用な出会いから結婚へ、そして幸せの絶頂から苦難と離別の道へ。
     ドラマティックな展開を見せる激動の物語にあなたは引き込まれるはず。
     そして、「僕は君を死ぬまで離さない」という言葉が真実であることが、
    クライマックスの刑務所での面会シーンで・・・。
     これで泣けなかったら、あなたの感性はちょっと心配・・・?


洋06-144 五月の恋(2004年)          
       <宣伝用ビデオ鑑賞>(6月3日から梅田ガーデンシネマで上映)
       (台湾、中国映画)          2006年7月30日鑑賞
                             2006年7月31日記

   ・・・「五月の雪」をキーワードとして、台湾の若者とハルピンに住み京劇の
     練習に励む女子学生との遠距離恋愛(?)を瑞々しく描いた秀作。
      そのきっかけは、僕は「メイデイ」のアシンだというメールでのウソ。
      島国ニッポン人は、この2人の恋愛模様を楽しむだけではなく、これを観て
     中台問題のポイントも勉強しなければ・・・。
      そしてこういう形で、中台の融和がうまく進めばいいのだが・・・。


洋06-145 愛より強く(2004年)         
        <東映試写室>          2006年7月31日鑑賞
        (ドイツ映画)            2006年8月1日記

   ・・・2004年ベルリン国際映画祭の金熊賞をはじめ数々の賞を受賞したのは、
     32歳のトルコ系ドイツ人である新鋭監督のこの作品。
      舞台は前半がドイツのハンブルク、後半がトルコのイスタンブールだが、
     それは主役の男女が2人ともトルコ系ドイツ人であるため・・・。
      移民問題に悩むドイツという社会問題を前提として、キリスト教(ドイツ)と
     イスラム教(トルコ)の違い、そしてまた、偽装であっても結婚することでしか
     解放されない女性という難しい問題のお勉強が必要。
      ここで描かれる大人のラブストーリー(?)は日本人にはかなり疲れる
     内容だが、真実の愛があれば、必ずハッピーエンドになるわけではない
     こともわかるはず・・・。


日06-146 UDON(2006年)         
        <東宝試写室>          2006年8月3日鑑賞
         (日本映画)             2006年8月7日記

   ・・・今ドキなぜさぬきうどんがテーマ、と思わないでもないが、
     さぬきうどんブームは一過性であっても、その本質は奥深いものと
     理解できれば、この映画の 「感動」が伝わってくるはず!
      「たかが、うどん」「マンガみたいなコメディ映画」と侮ることなかれ!
     さぬきうどんが織りなすさまざまな笑いの奥にある、父と息子の葛藤や
     男と女のラブロマンス、そして人間の生きザマそのものについて、
     あなたも考えさせられ、感動を受けること確実・・・。


洋06-147 インサイド・マン(2006年)       
        <ホクテンザ2>          2006年8月5日鑑賞
        (アメリカ映画)            2006年8月7日記

   ・・・タイトルからは何の映画かわからないが、この映画は銀行強盗の
     完全犯罪を描くもの・・・。
      犯人たちの工夫の第1は、人質にとった約50名の職員と顧客全員に
     犯人と同じ服装をさせること。これによって犯人と人質は完全に一体化し、
    人質はたちまち共犯者に・・・。
      この映画の紹介はこれだけで十分だろう。素晴らしい脚本に基づく
    完全犯罪の楽しさと快感(?)をあなたもタップリと味わえること確実。
      もっともそれは、映画の中だけの話に。
      この映画をヒントにして、新聞紙上を賑わすような犯罪を起こしては
     ダメよ・・・。
      『DEATH NOTE』に熱中するゲーム感覚の若者たちが
     増えている今、念のために・・・。

日06-148 釣りバカ日誌17 あとは能登なれハマとなれ!(2006年) 
                                        
        <梅田ピカデリー>          2006年8月6日鑑賞
        (日本映画)               2006年8月7日記

   ・・・『釣りバカ』シリーズ第17作は、「スズケン伝説のマドンナ」を演ずる
    石田ゆり子がヒロイン役として登場。
     能登半島を舞台に、郷土色豊かに展開されるのは、そのヒロインの再婚
    をめぐる物語。
     その分、若干レギュラー陣の存在感が薄いきらいはあるものの、
    シリーズ本来の楽しさはサブタイトルどおり・・・。
     さらに今回は、スーさんの経営哲学が燦然と輝いていることにも要注目!

洋06-149 16ブロック(2006年)         
        <ソニー・ピクチャーズ試写室>    2006年8月8日鑑賞
        (アメリカ映画)              2006年8月8日記

   ・・・ブルース・ウィリス扮するくたびれた中年刑事の任務は、裁判所まで
     証人を護送すること。
      その距離はわずか16ブロック。すなわち大阪でいえば
     梅田ー淀屋橋間程度。
      ところがこの証人を狙うのは、組織ぐるみの不正が暴露されることを
     恐れるNY市警のあるグループ。
      そんな日本でも大阪でもよくある物語が、よく練られた脚本にもとづいて
     展開されるが、若干ネタバレの部分も・・・。
      アイデア勝負の映画は、最後まで観客を騙さなければ・・・。

洋06-150 ラジニカーント★チャンドラムキ 
         踊る!アメリカ帰りのゴーストバスター(2005年) 

        <東映試写室>              2006年8月9日鑑賞
        (インド映画)                2006年8月10日記

   ・・・「インド映画が元気!」とは聞いていたが、ここまでとは・・・。
     「兄貴」ことインドのスーパースター、ラジニカーントが、歌うわ!踊るわ!
    立ち回るわ!と大活躍!
     その反面、「呪われた館」を舞台としたミステリー風、ホラー風の幽霊退治
    の物語もしっかりと・・・。
     そして、150年の時空を超えた館の中での物語には、女の
    情念もタップリと・・・。
     こんな充実度いっぱい、何でもブチ込みあり(?)のインド映画だが、
    やはり2時間46分は長い・・・?

日06-151 ヅラ刑事(2006年)           
        <東映試写室>            2006年8月10日鑑賞
        (日本映画)               2006年8月11日記

   ・・・タイトルどおりの何ともバカバカしい映画に、思わず苦笑・・・。
      パンフレットには、ノリノリの河崎実監督をはじめ、お友達の
     マンガ家たちがサークル感覚で(?)いろいろと自画自賛しているが、
     所詮ギャグ満載のテレビドラマの延長・・・?
      大物歌手(?)モト冬樹もこんなアホバカ・バラエティー路線の初主演に
     喜ばず、もっと別の道を模索してもらいたいもの。
      それにしても、「ハゲ」とか「ハゲ茶ビン」というセリフの過激さには、
     身に覚えのある人は、いたたまれないのでは・・・?

日06-152 日本以外全部沈没(2006年)      
        <東映試写室>            2006年8月10日鑑賞
        (日本映画)               2006年8月11日記
   産経新聞大阪府下版(平成18年9月1日)「That´sなにわのエンタメ」掲載

   ・・・ただいま大ヒット中の草彅版(?)『日本沈没』の向こうを張って、
     『日本以外全部沈没』が登場!パロディ版とバカにすることなかれ。
      その中にこめられた数々のメッセージは、ギャグ映画(?)がお得意の
     河崎実監督に似合わず真剣そのもの・・・?
      異例の長期政権となった某首相の下での日米関係と日中韓関係の
     あり方をはじめ、外国人受け入れで溢れかえったニッポン国の中で
     見せる日本民族の寛容性や民主主義の成熟度が大きな注目点。
      これは、「ポスト小泉」後のニッポンを考える上で絶好の
     教材だと私は確信したが・・・?


洋06-153 スーパーマン リターンズ(2006年)     
        <梅田ピカデリー>            2006年8月12日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年8月14日記

   ・・・アメコミの大人気キャラであるバットマン、スパイダーマン、キャットウーマン
    らの元祖(?)スーパーマンが、今夏地球上にリターン!
     しかし、愛する彼女には息子がいたし、不倶戴天の宿敵は、アメリカ大陸
    の沈没とスーパーマン退治の秘策を・・・。
     お馴染みのスーパーマンスーツのスタイルと、「弾よりも早く、機関車より
    も強い」力に懐かしさは覚えるものの、新鮮味はほとんどゼロ・・・?
     ハリウッドのアメコミ路線も、いい加減に修正しなければ、良質な日本映画
    に駆逐されること必至・・・?


日06-154 東京フレンズ The Movie(2006年)    
        <梅田ピカデリー>            2006年8月13日鑑賞
        (日本映画)                 2006年8月15日記

   ・・・「一番最初に描いた夢を、あなたは今も、覚えてる?」という問いかけを
    テーマに、大塚愛たち4人の女の子が、それぞれの夢を追うおしゃれ
    な物語。
     もっとも、その実態を見れば、『東京フレンズ』というよりは『居酒屋フレンズ』
    の方が合っていると思うのだが・・・。
     彼女がメジャーデビューを果たし、武道館で力いっぱい歌うクライマックス
    シーンは感動的だが、それができたのは努力と才能そして幸運のおかげ
    ・・・。したがって司法試験の受験生たちも、「夢は誰にでも叶うもの」
    などと、ゆめゆめ勘違いしないことが大切。
     もっとも、俺のささやかな夢は、主題歌の『ユメクイ』は完全にマスター
    すること・・・。


洋06-155 レイヤー・ケーキ(2004年)      
        <ホクテンザ1>            2006年8月13日鑑賞
        (イギリス映画)             2006年8月14日記

   ・・・麻薬の密売という裏社会できちんと生きていくため最も必要なものは、
     表社会と同じ(?)「信頼」。
      主人公が自らに課す11のルールは、「目立たぬように、焦らぬように、
     似合わぬことは無理をせず」という河島英五の「時代おくれ」の歌詞を
     彷彿させるものだが、その最後は「好調なうちに引退しろ」というもの。
      他方、「下っ端チンピラから上層部ボスまで、裏社会の階層
     (レイヤー)をケーキに例えた言葉」がレイヤー・ケーキ(Layer Cake)。
      凝りに凝ったストーリー展開の中、主人公はうまく自分の描く人生設計
     どおりの道を歩けるのだろうか・・・?


日06-156 ラフ(2006年)            
        <東宝試写室>            2006年8月14日鑑賞
        (日本映画)               2006年8月15日記

   ・・・『タッチ』(05年)に続き、長澤まさみを起用してのあだち充の原作
    コミックが映画化された。
     2人の男性間で揺れ動くヒロイン像は同じだが、野球より水泳の方が、
    「東宝シンデレラ」の美しい水着姿を拝めるだけラッキー・・・。
     そんなエロオヤジ的評論は別としても、ちょっと無理な設定が目につくの
    は、私だけ・・・?
     果たして、『NANA』(05年)、『電車男』(05年)に続く、3匹目のドジョウ
    はいるのだろうか・・・?


洋06-157 もしも昨日が選べたら(2006年)      
      <ソニー・ピクチャーズ試写室>     2006年8月15日鑑賞
        (アメリカ映画)              2006年8月16日記

   ・・・「もし自分の生活を自由にコントロールできるリモコンがあったら・・・」と
    いうアイデアが、この映画の出発点。早送り、巻き戻し、一時停止、そのうえ
    音量調整や同時画面ができればそりゃ便利なもので、人生が一変すること
    まちがいなし・・・。
     ところが、その万能リモコンがいつしか持ち主の意思を離れて、自動で
    持ち主の人生をコントロールすることになれば、そりゃ大変!
     原題の『CLICK』に対する邦題には実に深い意味が込められている
    ことが、映画を観ればわかるはず・・・。
     さて、あなたは「もしも昨日が選べたら」どんな人生を・・・?


洋06-158 ザ・フォッグ(2005年)          
        <ソニー・ピクチャーズ試写室>      2006年8月18日鑑賞
        (カナダ、アメリカ映画)            2006年8月19日記

   ・・・最近流行りの(?)細菌系の化け物ではなく、幽霊船が登場する復讐モノは
     夢とロマンがあるもの・・・?
      そして、それをより効果的に演出するのが「ザ・フォッグ」。
      深く濃い霧に覆われた中で展開される復讐劇の恐さと面白さは・・・?
     そしてその行き着く先は・・・?
     なお、あなたが法学部の卒業生なら、この復讐劇を生んだ原因が
    「契約不履行」にあることを、しっかりと指摘しなければ・・・。


洋06-159 プルートで朝食を(2005年)      
        <テアトル梅田>            2006年8月19日鑑賞
        (イギリス映画)             2006年8月25日記

   ・・・近時増えているオカマ映画の1つ(?)だが、『トランスアメリカ』ほど
    ハードではなく、『プルート』=冥王星のタイトルからもわかるとおり、
    メルヘンチックな香りを漂わせた心温まる作品。
     テーマは主人公による母親探しの旅とその中での自分探しの旅だが、
    物語の充実度は他に類をみないほどいっぱい。
     さて、そんな彼の旅が行きつく先は、幸せそれとも不幸せ・・・?

日06-160 時をかける少女(2006年)      
        <テアトル梅田>         2006年8月19日鑑賞
        (日本映画)             2006年8月25日記

   ・・・ひょっとしてタイムスリップもののはしりとなったのが、筒井康隆原作
     の『時をかける少女』・・・?
      主人公も芳山和子から女子高生紺野真琴に代替わりしたらしいが、
     「タイムリープ」を媒介として描かれる男2人女1人の友情物語(?)は、
     思春期特有の瑞々しさでいっぱい・・・。
      そりゃ同じアニメでも、訳のわからない抽象論を振り回す『ゲド戦記』(?)
     より、このフレッシュな物語の方が面白いのは当然。
     もっとも、高校生たちのあの荒っぽい乱れた言葉遣いには、ただ唖然・・・?


日06-161 美しい夏キリシマ(2002年)      
        <テアトル梅田>         2006年8月20日鑑賞
        (日本映画)            2006年8月23日記

   ・・・敗戦を間近に控えた霧島を臨む宮崎の小さな農村。そこには、
     黒木監督の分身ともいえる、親友を見殺しにしてしまったという心の
     キズを抱えた中学校3年生の少年が、祖父の下で暮していた。
      敗戦間近といえども、村の人々や軍人たちそして使用人たちには
     それぞれの生活の営みがあった。
      しかし、8・15の玉音放送によって、少年は立ち直れないまま終戦の
     日を迎え、その日を境に大人たちも大きなキズを・・・。
      以降、この少年はどのような人生を歩むのか、そして日本国は
     どのような歩みを始めるのか・・・?
      黒木監督の自分自身への問いかけが、すべての観客の胸に響いてくる
     はず・・・。


洋06-162 アルティメット(2004年)      
        <ホクテンザ2>           2006年8月20日鑑賞
        (フランス映画)            2006年8月21日記

   ・・・リュック・ベッソンが、監督業以上に力を注いでいる(?)製作業において
    、『YAMAKASI』に続いて贈る驚異のフレンチ流スタント・アクション!
      CGなし、ワイヤーなしで走る、飛ぶそして素手で闘うというアクショ
    ンの原点は、育ちも流儀も両極端な2人のスターの肉体によって、
    「これぞ限界」というレベルまで・・・。
      焦点は、時限爆弾の時限装置の解除というよくあるテーマだが、
    あっと驚く「発想の転換」に注目を。
     そうでなければあなたは、真の悪がどこにあるのかを見誤るかも・・・?


洋06-163 幻遊伝(2006年)         
        <角川ヘラルド試写室>          2006年8月21日鑑賞
        (日本、台湾合作映画)           2006年8月23日記

   ・・・台北生まれで流暢な中国語をあやつる(?)田中麗奈が、あるハプ
     ニングによって遠い昔の台湾にタイムスリップ・・・。
      互いに1人2役で共演するのは、台湾のイケメン俳優、陳柏霖。
      そして『幻遊伝』というタイトルにふさわしくそこに登場するのは
     懐かしいキョンシー・・・。
      何ともバカみたいな物語だが、時空を越えた『幻遊伝』ならば、
     これで良しとしよう・・・?
      それにしても、日台交流はいいものの、果たして中国は今後どのように
     介入してくるの・・・?


日06-164 TOMORROW/明日(1988年)      
        <テアトル梅田>             2006年8月23日鑑賞
        (日本映画)                 2006年8月23日記

   ・・・1988年、はじめて黒木和雄監督は「あの戦争」と向き合い、
     後に「戦争レクイエム3部作」と呼ばれる第一歩を刻んだ。
      時は1945年8月8日。舞台は長崎。原爆投下の1日前、そこには
     結婚式に集う人々、出産直前の妊婦、恋人との別れに悲しむ女たちなど
     長崎市民の織りなす生活の1コマ1コマがあった。
      そして夜が明けた8月9日午前11時20分、それらの人々の営みは
     一瞬にして・・・。
      スクリーン上には原爆の悲惨さを訴えるものは何もないが、私たち
     観客は未来をすべてお見通しの神サマと同じような目で観るだけに、
     それがかえって深い悲しみと憤りに・・・。
      戦後世代に語り継いでいかなければならない必見の映画!

洋06-165 プラダを着た悪魔(2006年)      
        <試写会・厚生年金会館芸術ホール>  2006年8月24日鑑賞
         (アメリカ映画)                 2006年8月28日記

   ・・・「プラダを着た悪魔」とは、アカデミー賞最多ノミネートを誇る名女優
    メリル・ストリープ扮する、ファッション誌のカリスマ編集長のこと。
     そのアシスタントという世界中の女性が憧れる仕事に就いた主人公は、
    果たしてその激務に耐え、生き残ることができるのだろうか・・・?
     若き主人公に扮するアン・ハサウェイのカッコ良さは、ため息の出るような
    ファッションの数々を含めて、若い女性の生き方の指針となるはず・・・。
     もっとも、そのためには、仕事や男の選択についての強い意思が必要。
     自分自身の生き方に悩んでいる今ドキの女性必見の映画が、
    ここに誕生・・・。

洋06-166 ブラウン夫人のひめごと(2001年)      
        <宣伝用DVD鑑賞>(8月26日OS梅田にて公開)
                                2006年8月24日鑑賞
        (フランス映画)               2006年8月31日記

   ・・・フランス「愛の三部作」の第一弾は、 シュテファン・ツヴァイクの
    小説『女の24時間』を大胆に脚色したもの。
     ①1910年、②1935年、③2001年という、3つの時間軸を
    錯綜させながら描かれるのは、すべてを捨てて燃え上がる女の恋・・・。
     『エマニエル夫人』(74年)を彷彿させる(?)怪しげなタイトルながら、
    ハードなセックス描写はゼロ。しかしエロチックな香りを漂わせながらの
    愛の描写は、やはりフランス映画がベスト・・・。
     さて、あなたは、この映画からどんな愛のお勉強を・・・?

日06-167 ディア・ピョンヤン(2005年)      
        <東宝東和試写室>           2006年8月25日鑑賞
         (日本映画)                2006年8月28日記

   ・・・在日朝鮮人として日本に生まれた娘が、自分のカメラで、戦後50年間、
    朝鮮総聯の幹部として活動を続けてきた父親を撮り続けた異色の
    ドキュメンタリー映画。
     父親と娘との対話を核としながらも、両親の歩みや先に「帰国者」となった
    3人の兄たちをめぐる家族のあり方が明示され、さらに娘の結婚をテーマと
    して北朝鮮(籍)への差別の実態が提示される。
     横田めぐみさん事件や日本人拉致問題そしてミサイル発射問題とはまた
    別の、在日朝鮮人の視点によるさまざまな問題提起は、実に貴重。
     1日も早い日朝国交正常化が望まれることを実感するとともに、ほのぼの
    とした家族愛に拍手!

洋06-168 夢遊ハワイ(2004年)      
        <東宝東和試写室>         2006年8月25日鑑賞
        (台湾映画)               2006年8月28日記

   ・・・この台湾映画はあくまで「夢遊」ハワイだから、その舞台は本場ハワイ
    ではなく、台湾東部の海辺のまち花蓮。
     台湾にも韓国と同じく兵役の義務があるが、除隊間近の2人の主人公を
    中心とする4人の男女が織りなすちょっと変わった雰囲気の青春群像劇は、
    ゆったりとしたもので、いかにもハワイ的・・・?
     ヒロインを精神を病んだ女子学生と設定したところがミソだが、さてその
    可否は・・・?

洋06-169 MAXX!!!鳥人死闘篇(2004年)      
        <ホクテンザ1>              2006年8月26日鑑賞
        (フランス映画)               2006年8月28日記

   ・・・高層ビルをよじ登り、ビルからビルへと飛び移る「YAMAKASI」たちを
     主人公にした、フランス映画には珍しい大衆向け娯楽作品だが、さてその
     出来は・・・?
      少年時代から鍛えあげたその技のすばらしさは感嘆モノだが、
     チャイニーズマフィアVS日本人ヤクザの抗争という設定は、いかにも
     陳腐・・・?
      しかして、クライマックスにおける日本刀を振り回しての全面戦争と、
     「YAMAKASI」たちの格闘技は、もうハチャメチャ・・・?
      さて、これで日頃の鬱憤晴らしはできるかナ・・・?

洋06-170 僕の、世界の中心は、君だ。(2005年)     
        <道頓堀角座>              2006年8月27日鑑賞
        (韓国映画)                 2006年8月28日記

   ・・・多くの日本人が涙した『セカチュー』(04年)がラブストーリーの国に
    輸出されたが、さてその出来は・・・?
     最高の制服姿を見せ美人薄命を地でいくヒロインは、映画初出演となる
    ソン・ヘギョ。他方、学校一の美女から告白されるヌーボーとした相手役は
    チャ・テヒョンだが、これが何ともハマリ役・・・。
     病気をネタとした(?)シンプルな物語の中に、おじいさんが語る珠玉の
    初恋物語を挿入したところがミソ・・・?
     もっとも、公開初日から客がガラガラなのが気がかりだが、これはタイトルが
    悪いせい・・・?それとも、韓流そのものが落ち目のせい・・・?

洋06-171 ブラック・ダリア(2006年)     
        <試写会・リサイタルホール>      2006年8月28日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年8月31日記

   ・・・1947年にロサンゼルスで発生したのが、腰で切断された若い女性の
     殺人事件。それがブラック・ダリア事件と呼ばれた所以は・・・?
      『L.A.コンフィデンシャル』(97年)に続いて、ジェイムズ・エルロイ原作の
     「LAノワール4部作」の傑作を、今年のアカデミー賞ノミネート
     まちがいなし(?)というサスペンス色いっぱいの傑作に仕上げたのは、
     ハリウッドの異端児ブライアン・デ・パルマ監督。
      ファイアとアイスの異名をとる2人の刑事が主人公だが、犯罪の影に
     女あり!
      今をときめくスカーレット・ヨハンソンとヒラリー・スワンクの2人が「ファム
     ・ファタール」として登場。その怪しげな魅力と存在感にも大注目!
      このサスペンスを理解し楽しむためには、決して集中力を切らさず
     スクリーンを凝視し続けることが必要だよ・・・。

日06-172 アキハバラ@DEEP(2006年)     
        <東映試写室>            2006年8月29日鑑賞
        (日本映画)               2006年8月30日記

   ・・・アキバこと電脳都市アキハバラに集う4人のオタクに女性格闘家を加えた
    5人がIT企業を立ち上げ、革命的な検索エンジン“クルーク”を開発した。
     それを狙うのは巨大IT企業のデジタル・キャピタル社。
     さてその攻防戦は如何に・・・?
      『東京タワー』の源孝志監督がインターネットビジネスの世界に目を
    つけたのは面白いが、できればホリエモン全盛期に、そのアンチテーゼ
    として、公開してほしかったナア・・・?


日06-173 シュガー&スパイス 風味絶佳(2006年)     
        <東宝試写室>             2006年8月30日鑑賞
        (日本映画)                2006年8月31日記

   ・・・高校卒業後、「とりあえず」ガソリンスタンドで働く主人公と、元カレと別れ
    そこにバイトで入ってきた女子大生との恋は順調に育つかに見えたが・・・。
     今ドキ「優しい男」が大はやりだが、それは時として「便利な男」と
    同義語では・・・?
     「風味絶佳」とは、日本人に100年以上愛されている森永ミルクキャラメル
    に印刷されている文字だが、さてその意味は・・?
     また、「シュガー&スパイス」とは、「男は優しさだけではダメ。タフで
    なければ・・・」と同義語・・・?


洋06-174 サンキュー・スモーキング(2006年)     
        <東宝試写室>            2006年8月30日鑑賞
        (アメリカ映画)             2006年8月31日記

   ・・・タイトルだけを読めばたばこ讃歌の映画のように思えるが、さにあらず
     ・・・。
      また話術を武器にたばこ研究アカデミーの広報部長として活躍する
     主人公は、悪徳企業のお先棒かつぎのようにも思えるが、さにあらず
     ・・・。
      この映画がアピールするテーマは奥深くかつ実に人間的なもので、
     アメリカで大ヒットしている理由もよくわかるというもの。
      たばこを吸う人も目下禁煙中の人も、そして子供の喫煙に悩んでいる
     人も、この映画を観てたばこの害についてよく話し合ってみれば・・・。

洋06-175 ドラゴン・スクワッド(2005年)     
        <東映試写室>              2006年8月31日鑑賞
        (香港映画)                 2006年8月31日記

   ・・・世界各国から集められた若きエリート国際警察が、3人の国際テロリスト
    たちと対決!
     『インファナル・アフェア』『SPL(殺破狼)/狼よ静かに死ね』と同じ香り
    がする刑事ものアクションだが、多彩な登場人物の個性がそれぞれ
    光り輝いているのが大きな特徴。
     私の注目点は、断然3人の美女だが、さてあなたは・・・?
     国際色豊かな香港を舞台に展開される、個人戦の技の冴えとスピード感
    も見モノ・・・。
     中日ドラゴンズの優勝まちがいなしとなった昨今、中日ファンには
    この『猛龍DRAGON SQUAD』の公開とあわせて二重の喜び・・・?

洋06-176 上海の伯爵夫人(2005年)     
        <東宝東和試写室>               2006年9月5日鑑賞
        (イギリス、アメリカ、ドイツ、中国合作映画) 2006年9月6日記

   ・・・タイトルを見ただけで激動の時代背景の下、燃え上がる大人の恋愛
    ドラマと直感し、第2の『イングリッシュ・ペイシェント』と期待したが・・・。
      外国人租界のクラブで働くロシアの伯爵夫人と、今は失意の毎日を
     送る盲目の外交官、そして謎めいた日本人という3人のキャラは、
      1936年の上海を舞台にしているだけに面白いものの、主人公たちの
     奥底にある感情をずっと押し殺しているため、スクリーン上では
     静かな流れが続きすぎ・・・?
      1937年8月13日、第二次上海事変が勃発する中やっとその心情が
     吐露されスリリングな展開となるが、さて大きな歴史の流れに翻弄される
     中、2人の恋の物語の結末は・・・?


洋06-177 2番目のキス(2005年)     
        <東映試写室>               2006年9月6日鑑賞
        (アメリカ映画)                2006年9月7日記

   ・・・2004年のア・リーグは、ヤンキース3連勝後のレッドソックス4連勝
    で松井秀喜が泣いたが、その後の86年ぶりのワールド・シリーズ制覇も
    含めて、レッドソックスファンは大喜び・・・。
     そんな歴史的な年に照準を当てた『FEVER PITCH』(05年)が、
    『2番目のキス』という邦題で日本に登場。
     仕事中毒で勝ち組志向のキャリアウーマンと、トラキチの高校教師との恋愛
    はうまくいくの?と考えれば、それは多分ムリ・・・?
     意外に(?)快活でセンスの良い彼に、それまでの「3K」の彼氏たちとは
    違う魅力を見い出したヒロインだったが、恋模様の展開は予想どおりに
    決裂・・・?
     さてそこで、レッドソックスの奇蹟と同じような、奇蹟の逆転満塁ホームラン
    は出るのだろうか・・・?


日06-178 涙そうそう(2005年)     
        <東宝試写室>               2006年9月7日鑑賞
         (日本映画)                 2006年9月7日記

   ・・・森山良子が亡き兄への想いを歌詞に託した、夏川りみの大ヒット曲
     『涙そうそう』をモチーフに、現代沖縄版「兄妹愛」の泣かせる映画が登場!
      かぐや姫の名曲『妹』をモチーフした林隆三、秋吉久美子版『妹』や
     『昭和枯れすすき』をモチーフにした高橋英樹、秋吉久美子版
     『昭和枯れすすき』と異なるのは、血のつながった兄妹ではないこと。
      さて、その相違点はどんな影響を・・・?
     また、大切な小道具「古いアルバム」の使い方は?
     『いま、会いにゆきます』に続いて、あなたの「涙そうそう」(涙がぽろ
     ぽろあふれて止まらない)ぶりが目に見えるよう・・・。


日06-179 そうかもしれない(2005年)     
        <東映試写室>              2006年9月8日鑑賞
        (日本映画)                 2006年9月8日記

   ・・・少子高齢化が最大の社会問題となり、家族の絆が失われ、孤独死さえ
    頻発しているニッポン国・・・。老いと病は必ずやってくるが、妻はアルツ
    ハイマー病、夫はガンという状況下でみせる、2人の夫婦愛は何とも感動的!
      雪村いづみの熱演に拍手を送るとともに、タイトルの意味がやっと
    わかる最後のシーンに大注目!
      なお、感動に水をさすようだが、弁護士として指摘する3つの法的視点
    は評論本文でじっくりと・・・。

日06-180 46億年の恋(2006年)     
        <ホクテンザ2>               2006年9月9日鑑賞
        (日本映画)                  2006年9月11日記

   ・・・三池崇史監督が描く、松田龍平と安藤政信という日本映画界を代表する
     美しき少年と青年によるラブストーリーとは・・・?
     そもそも、それだけで私には???
      極端にセリフが少なく、抽象的な映像からエロティックで哀しい男たちの
     苦悩を実感せよ!ということらしいが、私の感性では、
     そりゃとても無理・・・?観客に媚びる映画は嫌いだが、監督が好き勝手
     にこね回し、「さあ、俺のイメージを理解しろ」と押しつけられるのは
     もっとイヤ・・・。久しぶりに時間の無駄遣いをしてしまったという実感が・・・。

洋06-181 この胸のときめきを(2002年)     
        <宣伝用ビデオ鑑賞>(OS劇場で公開中)2006年9月9日鑑賞
        (フランス映画)                 2006年9月12日記

   ・・・フランス「愛の3部作」の第2部は、どうしようもないダメ男と
     何度も裏切られながら、そんな男を見捨てることができない女との
     哀しい愛の物語・・・。
      アルジェリア戦争の傷跡が残る(といっても日本人には容易に
     理解できないが・・・)1968年から3つのパートに分けて綴られて
      いく物語は、イライラする面はあるものの、いかにもフランス的・・・?
     さて、何がフランス的なのかは、あなたの目でじっくりと・・・。

洋06-182 姐御~ANEGO~(2005年)     
        <宣伝用ビデオ鑑賞>
        (京都みなみ会館で9月23~25日3日間限定レイトロードショー)
        (香港映画)               2006年9月15日鑑賞
                               2006年9月16日記

   ・・・「黒社会」の狼の群れの中に否応なく入り込んだ二匹の白いウサギ・・・。
     「父親を失った女」と「夫を失った女」が、新旧の香港版『極妻』として
     火花を散らすサマは、静かな中にも迫力が・・・。
      暗殺された組長の跡目争いの中に登場するヒロインは、セーラー服を
     着ていないし、機関銃もぶっ放さないが、さてどんな行動を・・・?
      やっぱり美女が2人も入ると、ヤクザ映画にも別の趣向が明確に・・・?

洋06-183 ユナイテッド93(2006年)     
        <OS劇場>               2006年9月15日鑑賞
        (アメリカ映画)              2006年9月16日記

   ・・・「あの戦争」が戦後61年を迎えて風化し、1995年1月17日の
    阪神・淡路大震災が風化していくのと同じようには、2001年9月11日の
    アメリカ中枢部を襲った同時多発テロの風化は許さない!
     そんな決意を感じさせるポール・グリーングラス監督の「ドキュドラマ」の
    インパクトは大きく、映画という芸術のすばらしさを再認識させるもの。
     とりわけ、日本人にはハイジャックされた4機のうちの1機「ユナイテッド93」
    の動きは謎に包まれた部分が多いだけに、この映画の衝撃は大きく、
    さらなる調査が望まれることを実感!
     10月に公開される『ワールド・トレード・センター』も、これと対比して
    是非鑑賞しなければ・・・。

日06-184 出口のない海(2006年)     
        <梅田ピカデリー>            2006年9月16日鑑賞
        (日本映画)                 2006年9月21日記

   ・・・事前に「回天モノ」を2本鑑賞し、各種資料を勉強したうえ、大いなる
    期待をもって公開初日に臨んだが、予想どおり(?)市川海老蔵は
    ミスキャスト!
     戦闘場面のない戦争映画の中で、佐々部清監督が描こうとする戦争の
    そして回天の悲劇はわからないではないが、その出来はイマイチ・・・。
     8月15日を外したこともあって、公開初日の観客の入りの少なさを見れば、
    興行面での心配も・・・。
     やはり、今年の戦争モノ感動作は、クリント・イーストウッド監督の
    「硫黄島」2部作まで待たなければダメ・・・?

洋06-185 マイアミ・バイス(2006年)     
        <敷島シネポップ>               2006年9月17日鑑賞
        (アメリカ映画)                  2006年9月19日記

   ・・・マイアミを舞台に展開されるドラッグの密輸犯罪に「潜入捜査」で挑む
    のは、白人(コリン・ファレル)、黒人(ジェイミー・フォックス)2人の刑事。
     他方、犯罪組織の中で重要な役割を果たしているナゾの美女は、
    中国の大女優、鞏俐(コン・リー)。
     男の美学を描いて定評のあるマイケル・マン監督が、国際色豊かな
    犯罪モノの中に、濃密な恋物語(?)をふんだんに挿入したのが本作の特徴
    だが、さてその成否は・・・?
     今やハリウッドを代表するスターとなったコリン・ファレルのチョイ悪おやじ
    ぶりと、はじめて純愛(?)と職務遂行の間で苦悩するサマにも注目したい
    もの・・・。

日06-186 バックダンサーズ!(2006年)     
        <道頓堀東映パラス>          2006年9月18日鑑賞
        (日本映画)                2006年9月20日記

   ・・・今、女の子が元気!
      『東京フレンズ The Movie』に続いて、今度は大好きなダンスを
     通じて夢を叶える4人組の女の子が登場!
      もちろん、そこには微笑ましい恋やちょっと危なそうな恋も・・・?
      ポスト小泉の今、勝ち組・負け組批判から格差社会の是正が大合唱
     されているが、芸能界は生き馬の目を抜く競争社会で、消えていく方が
     多いのが実態・・・。
      もちろん、好きなことをやりたい、夢を叶えたいという想いは貴重だが、
     安易に「私もhiroたちに続いて・・・」と思うと、実力ありと思い込んでいる
     だけのあなたはちょっとヤバイかも・・・?

洋06-187 ラブ♡いぬ ベンジー/はじめての冒険(2004年) 
        <東映試写室>              2006年9月19日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年9月21日記

   ・・・「ベンジー映画」は1974年以降5作目という由緒あるもの。
      純血種のママに似ていないという理由で捨てられたベンジーの愛くるしさ
     はもちろんだが、犬を主人公とした映画が、これほどドラマティックで楽しい
     とは意外・・・。
      子供の頃に観た『名犬ラッシー』を思い出しながら、久々に童心に戻り、
     楽しい時間を・・・。

日06-188 アタゴオルは猫の森(2006年)    
        <ヘラルド試写室>           2006年9月20日鑑賞
        (日本映画)                2006年9月21日記

   ・・・『アタゴオル』シリーズは30年も続いている人気コミックで、とりわけ
    「ヒデヨシ」は超人気キャラとのことだが、私にはサッパリ・・・。
     スクリーンいっぱいに広がる3D-CGの世界も、その色彩感は
    すばらしいものの、肝心のストーリーと登場してくるたくさんのキャラに興味が
    持てなければ、いまひとつ・・・。
     やはり、これはオッサン1人ではなく、お子様連れで行くべき映画・・・。

洋06-189 敬愛なるベートーヴェン(2006年)    
        <東宝試写室>               2006年9月21日鑑賞
        (イギリス、ハンガリー合作映画)      2006年9月25日記

   ・・・『バルトの楽園』における日本初の第九交響曲の演奏もすばらしかった
    が、難聴に苦しむベートーヴェンが、テンポと入りを指示する美しきコピスト
    との二人三脚で指揮をする第九の演奏も感動的!
      『アマデウス』をはじめ優れた伝記映画・音楽映画は多いが、そこに
    新たに本作が加わった。
      それにしても、「野獣」ベートーヴェンにこんな人間的な優しさがあった
    ことや、アパートの隣のおばさんまで第七交響曲のメロディを口ずさんで
    いるヨーロッパ文明の高度さにビックリ・・・。
      「教育改革」が叫ばれる中、こういう映画を音楽の授業で活用しなけれ
    ば・・・。

日06-190 LOFT ロフト(2005年)      
        <テアトル梅田>             2006年9月22日鑑賞
        (日本映画)                2006年9月25日記

   ・・・千年間も湖の底で長い髪の女のミイラが保存されていたのは、
     美しさを保つために自ら泥を飲んだおかげ・・・?
      スランプに悩む中谷美紀演ずる女流作家と小説家志望の女子大生
     の失踪に悩む豊川悦司演ずる考古学者の2人は、そんな「ミイラ」と
     格闘しながら、互いの存在感と愛情を・・・?
      黒沢清監督特有の巧みなストーリー展開は緊張感いっぱいで、
     安達祐実も熱演だが、後は観客の好みの問題・・・。
      さて、あなたの評価は・・・?

洋06-191 天軍(2005年)         
        <ホクテンザ1>                2006年9月23日鑑賞
        (韓国映画)                   2006年9月26日記

   ・・・タイムスリップするのは、『戦国自衛隊1549』は織田信長の時代
    1549年だったが、韓国では李舜臣の若き頃の時代1572年。
      何でも日本の上をいきたい韓国(?)では、タイムスリップする
     武器も完全武装の自衛隊の上をいく核弾頭・・・。
      そして、南北問題を抱える韓国では、タイムスリップする人的構成は
     『トンマッコルへようこそ』と同じく、対立する北朝鮮と韓国の兵士たち。
      こりゃ何か大事件が起こらないはずがない・・・。
      民衆を守り蛮族と闘うのか、それとも本来の世界に戻るのか、
     最終的にはそれがテーマだが、さて個々の兵士たちの決断は・・・?
      奇抜なアイデアと大スペクタクル戦闘シーンを存分に楽しむことが
     できるはず・・・。

洋06-192 イルマーレ(2006年)        
        <梅田ピカデリー>            2006年9月23日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年9月27日記

   ・・・時空を越えた韓国版ラブストーリー『イルマーレ』の主人公は若者
    だったが、ハリウッドのリメイク版は、キアヌ・リーブス演ずる建築家と
    サンドラ・ブロック演ずる女性ドクターという大人の男と女・・・。
     2004年と2006年という絶対的時間差の中、湖畔に建つ美しい「光りと
    ガラスの家」をメイン舞台として展開される物語は複雑でまどっろこしいが、
    この手の映画を楽しむコツは、あまり厳密に考えないこと・・・?
     ところで、あなたならこんな時空を越えた純愛もオーケー、
    それともノンオーケー・・・?

洋06-193 愛さずにいられない(2005年)    
        <東映試写室>            2006年9月25日鑑賞
        (中国映画)               2006年9月26日記

   ・・・上海を舞台に、香港の美人女優と台湾のイケメン俳優を起用した
     中国映画だが、中国映画には珍しく(?)、そのテーマは美しい人妻との
     禁断の恋・・・。
      最大の注目点は、カリスマ美容師に髪をシャンプーしてもらう中から
     生まれてくる、官能美いっぱいで過激なセックスシーン。「髪は女の命」とは
     よく言ったもの・・・。
      その意味では、邦題よりも原題の『做頭』、英題の『Hands In The
     Hair』の方がピッタリだが・・・。

日06-194 虹の女神 Rainbow Song(2006年)    
        <東宝試写室>            2006年9月27日鑑賞
        (日本映画)               2006年9月28日記

   ・・・映画研究会で活躍するヒロインと、ちょっとニブい今ドキの若者を中心とした
     瑞々しい青春群像劇は魅力いっぱい。
      一万円札を折った指輪という小道具と、奇妙な水平の虹という印象的な
     テーマが面白いが、8ミリ映画『地球最後の日』のテーマが暗示する
    ものは・・・?
     この20歳の記念作をステップに、上野樹里にはさらなる飛躍を期待・・・。

洋06-195 キングス&クィーン(2004年)    
        <PLANET+1試写室>         2006年9月28日鑑賞
        (フランス映画)                2006年9月29日記

   ・・・最初の夫との間に生まれた息子を連れながら、今3度目の結婚を
    控えたノラは、父重症の知らせの中、あらためて自分の人生を走馬灯
    のように・・・。
     そんなヒロインの自由でたくましい生き方と、今、精神病院に「措置入院」
    させられた人生脱落組(?)の2番目の元夫イスマエルの生き方は、
    どこで交わり、どこですれ違うのだろうか・・・?
     2時間30分という長尺ドラマの中には親族や友人たちを含むストーリー
    がいっぱいで、観ていて疲れることまちがいなし・・・?
     しかし、こんな映画を観て、最後には「人生はすばらしい!」と言えたら
    あなたも立派なオトナ・・・。
     たまには、「トリュフォーの再来」と呼ばれるアルノー・デプレシャン監督
    による、難解だが骨太のこんな作品をじっくりと鑑賞してもらいたい
    ものだ・・・。

洋06-196 ザ・マークスマン(2005年)     
        <ホクテンザ2>              2006年9月30日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年10月7日記

   ・・・チェチェンでテロリストたちがロシアの核施設を占拠。このままでは
     核使用の危機が・・・。
      そんな生々しい設定の下に、米特殊部隊の「マークスマン」の活躍を描く
     アメリカ讃歌映画(?)だが、イラク戦争の後遺症に苦しむ現実の姿と
     大きな乖離が・・・?
      それにしても、北朝鮮の「核実験」予告の「処理」に中ロが苦労している今、
     アメリカにはそれを直ちに中止させるようなスーパーマンはいないの
     かナ・・・?

日06-197 夜のピクニック(2006年)       
        <梅田ピカデリー>           2006年9月30日鑑賞
        (日本映画)                2006年10月2日記

   ・・・第2回本屋大賞を受賞した原作者恩田陸が、母校の「歩く会」をテーマ
     として描く高校生たちの群像劇だが、テーマは単純そのもの。
      一昼夜24時間かけて80キロメートルを歩く中で生まれてくる
     「特別なもの」とは一体何・・・?
      そしてヒロインが秘かに胸に秘めた1つの賭けとその成否は・・・?
      わかりやすい映画そして優等生ばかりが登場する映画だが、
     さて、こんな映画に対して今どきの高校生の反応は・・・?

洋06-198 レディ・イン・ザ・ウォーター(2006年)    
        <梅田ピカデリー>             2006年9月30日鑑賞
        (アメリカ映画)                2006年10月4日記

   ・・・今回のM.ナイト・シャラマン監督作品は、あっと驚くドンデン返しなしの
    ナーフ(水の精)をテーマとしたおとぎ話。主人公となるアパートの管理人を
    はじめ多数の住人たちが「活躍」するのは、「ナーフ」の「うつわ」探しと、
    無事「青い国」への帰還と協力・・・。
      「現代人に対する再生を込めたファンタジー」といえばカッコいいが、
     私には、シャマラン監督がコケたとしか思えない・・・。
      さて、あなたの印象と評価は・・・? 

洋06-199 王の男(2005年)          
        <試写会・そごう劇場>         2006年10月2日鑑賞
        (韓国映画)                2006年10月3日記
  産経新聞大阪府下版(平成18年11月10日)「That´sなにわのエンタメ」掲載

   ・・・「王を笑わせなければ死刑」。李王朝史上最悪の燕山君(ヨンサングン)
    の時代に生きた2人の旅芸人を主人公としたそんな物語は、大鐘賞最多
    10部門を受賞!
     演技力はもちろん、脚本の精緻さ、登場人物のキャラの面白さ、
    綱渡りをはじめとする芸そのもののすばらしさ、どれをとっても2時間
    たっぷりと楽しむことのできる超感動作。
     中国に『さらば、わが愛/覇王別姫』があり、韓国に『王の男』があるの
    なら、日本でも女形に松田龍平を起用して、日本版『将軍の男』をリメイク
    してもらいたいものだが・・・?

洋06-200 セレブの種(2004年)         
        <ソニー・ピクチャーズ試写室>     2006年10月3日鑑賞
        (アメリカ映画)                 2006年10月4日記

   ・・・問題作を連発する黒人ニューウェーブの雄スパイク・リー監督の
    今回のテーマは、種付け(=生殖)ビジネスの可否・・・。
     精子バンクを使ったのでは優秀な種にありつけるかどうかわからない、
    そう考えたレズビアン女たちの行動は・・・?
     優秀な種をナマで提供するお仕事も大変だが、それ以上にそれは
    道徳上、倫理上許されるのだろうか・・・?
     何ゴトも進歩的なアメリカ社会を前提とした(?)実に面白い問題提起作
    だが、結末となる大円団の姿はあまりにも進みすぎ・・・?

洋06-201 ジョルジュ・バタイユ ママン(2004年)    
        <東映試写室>               2006年10月3日鑑賞
        (フランス映画)                2006年10月5日記

   ・・・フランスはもとより、三島由紀夫、岡本太郎などに多大な影響を与えた
    とされる「20世紀最大の思想家」ジョルジュ・バタイユの原作を映画化した
    R-18指定の問題作は、ポルノか芸術か・・・?
     そのテーマは、ふしだらな美しい母親と17歳の息子との近親相姦を
    軸とした<エロス>と<死の意識>・・・。
     青い海ときらめく太陽の下、きわどいセリフが流れ生々しいシーンが
    次々と描かれていくが、観ていて興奮するよりも疲れるのはナゼ・・・?
     高尚かつ深遠な思想を学習するのは大変なことだ、とあらためて実感
    ・・・?

日06-202 フラガール(2006年)    
        <シネ・リーブル梅田>         2006年10月7日鑑賞
        (日本映画)                2006年10月10日記

   ・・・実話にもとづく感動作、というふれこみはダテではない!
     ワケありの元SKDダンサー松雪泰子の教師像や炭鉱夫の娘から
    フラガールとなる蒼井優のフラダンスにもビックリだが、何よりも感動の
    涙を流すのは、昭和40年、常磐炭鉱の閉鎖という最悪の時代状況に
    対応した人間の工夫と努力する姿のすばらしさ。
     社会の変化とそれに伴う構造改革の必要性は当然だが、それは言うは易く
    行うは難しいもの。しかし、この映画を観ていると、日本人も捨てたものでは
    ないという実感と自信がムラムラと・・・。
     さて、日本アカデミー賞では何を受賞するか、今から楽しみだ・・・。

洋06-203 ワールド・トレード・センター(2006年)    
        <敷島シネポップ>             2006年10月8日鑑賞
        (アメリカ映画)                2006年10月11日記

   ・・・『ユナイテッド93』に続く9・11同時多発テロを題材とした映画は、
    オリバー・ストーン監督には珍しく(?)ヒューマンな視点を徹底させた
    ドキュメンタリータッチのもの・・・。
     主役は被害者の救助に大車輪の活躍をする警察官ではなく、逆に
    奇蹟的に救助された2人の実在の警察官。
     彼らの任務感と生き残ろうとする執念は一体どこから生まれてきたのか?
     それがこのテーマだが、今を生きる日本人として別の視点でこの映画を
    観れば、「教育再生」という安倍政権の課題のあり方も少しは見えてくる
    のでは・・・?

洋06-204 弓(2005年)    
        <テアトル梅田>            2006年10月9日鑑賞
        (韓国映画)                2006年10月10日記

   ・・・毎回感嘆させられるキム・ギドクの世界だが、第12作目のテーマは
    「決して所有することのできない少女」を通した孤独な老人の欲望と希望・・・。
     広い海に浮ぶ一隻の漁船を舞台とし、ある時は武器に、ある時は楽器にと
    大活躍する弓をモチーフとした幻想的な無言劇は、まるで舞台の上で
    綴られていく美しい神話のよう・・・。
     イレギュラーながらも平穏だった老人と少女の世界は、青年の出現により
    対立点が明確になるが、この物語にはいかなる結末が待っているの
    だろうか・・・?
     そして、「弓のようにぴんと張った人生を歩みたい」という監督のメッセージ
    を、あなたはどのように受け止めるだろうか・・・?

洋06-205 靴に恋する人魚(2005年)      
        <テアトル梅田>            2006年10月9日鑑賞
        (台湾映画)                2006年10月11日記

   ・・・30歳を超えたビビアン・スーが、『人魚姫』にヒントを得たちょっと恐い(?)
    童話の主役として登場!
     おじさん的な見どころはその美しい足だが、映画のテーマは女の物欲の
    恐さ(業)を切り口に、黒い羊と白い羊に暗示される「幸せとは・・・?」を
    観客に考えさせること・・・。
     不幸から幸せへ、幸せから不幸へ、そして教訓となるのは映画後半からの
    『マッチ売りの少女』をなぞったような急展開の物語だが、人生ってそんなに
    単純なもの・・・?

洋06-206 ウィンターソング(2005年)      
        <ヘラルド試写室>            2006年10月13日鑑賞
        (香港映画)                 2006年10月14日記

   ・・・香港のピーター・チャン監督が、台湾・中国・香港・韓国の才能を結集
    したミュージカル映画は、さらにその中でミュージカル映画を製作中。
     したがって、雪の北京での10年前の恋をベースに、金城武と周迅が
    くり広げる切ないラブストーリーは二重唱となって、美しい叙情詩を見る
    よう・・・。
     なぜ2人が北京で別れ、10年後に上海でまた再会できたのか?
    そこには第三の人物が重大な影響を・・・。理想と現実の葛藤、生々しい
    三角関係のもつれ、さらに再会の中で徐々に高まっていく激情、
    そんな中、2人の失われた愛は再び甦るのだろうか・・・?
     その行方は、色彩美に富んだスクリーンと、静かに流れる美しいラブソング
    の数々を聴きながら、あなた自身の目でじっくりと・・・。

洋06-207 アダムー神の使い 悪魔の子ー(2004年)    
        <ホクテンザ2>             2006年10月14日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年10月17日記

   ・・・近時注目のクローン人間をテーマとした意欲作。
     愛する8歳の息子を失った夫婦に対するロバート・デ・ニーロ扮する
    産婦人科のクローン人間再生の提案は説得力があり、映画が描こうとする
    テーマも明確!
     しかして、ストーリーの展開はある意味「想定の範囲内」だが、問題点
    続出の中盤からは明らかに異質な展開へ・・・。そして、実はそれが
    この映画の本質的なテーマ。
     好き嫌いはいろいろあるだろうが、問題提起としては十分・・・?
     ただ、結末は中途半端で尻切れとんぼ!しかしそれは、
    『ロード・オブ・ザ・リング』と同じように、続編製作のシグナルかも・・・?

洋06-208 氷の微笑2(2006年)    
        <東映試写室>             2006年10月17日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年10月19日記

   ・・・シャロン・ストーン扮するあのセックスアピール抜群の犯罪小説家が、
    14年ぶりにスクリーンに復帰!
     お相手は刑事から精神医にかわったが、「魔性の女」の魅力と弁舌
    そして卓越した情報収集・処理能力の前にかき回され、ボロボロに
    されていくという筋書きは全く同じ・・・。
     次々と起こる殺人事件はミステリー性とサスペンス性がいっぱいで、
    あなたの頭も混乱すること必至・・・。
     それにしても、前途洋々だった若き精神医の結末の姿を見ると、
    いくら魅力的であってもこんな魔性の女に対しては、「触らぬ神に祟りなし」が
    ベストだと痛感。おいらも、そしてあなたもせいぜい用心しなければ・・・。

洋06-209 セプテンバー・テープ(2004年)    
        <東映試写室>             2006年10月19日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年10月20日記

   ・・・この映画は、9・11テロの1年後、アフガニスタンに入ったアメリカ人が
    命懸けで撮ったドキュメント風映像が大きな売りだが、その動機は・・・?
     さらに、8時間分のテープは国防総省に押収されたままというから、
    そこには一体何が・・・?
     ところが、実際はフィクションも混在しているらしい・・・。するとさて、
    どこがホンモノで、どこはつくりもの・・・?
     『ユナイテッド93』や『ワールド・トレード・センター』とは全く違う視点から
    の「9・11モノ」だが、賛否両論が起こるはず・・・。


日06-210 天使の卵(2006年)        
        <梅田ピカデリー>             2006年10月21日鑑賞
        (日本映画)                  2006年10月24日記

   ・・・最近は人気小説の映画化が顕著。これもその1つで、100万部を
    突破した直木賞作家村山由佳の『天使の卵 エンジェルス・エッグ』が原作。
     一目惚れされる年上の女性は、発泡酒のコマーシャルで今絶好調の
    小西真奈美だが、その若い男が妹の恋人だったという設定がミソ・・・。
    しかし、悲恋小説特有のエンディング(?)に私は少し疑問も・・・?
     もっとも、そうだからこそ続編小説も好評らしいが・・・。


日06-211 太陽の傷(2006年)    
        <ホクテンザ1>               2006年10月22日鑑賞
        (日本映画)                  2006年10月23日記

   ・・・少年犯罪が多発し凶悪化している今、「少年法」の見直しと犯罪被害者
    への配慮が求められていることは明らか。そんな議論をリードしていく格好の
    映画が生まれた!
     愛する一人娘を殺され、妻も自殺に追い込まれた主人公が、1年8カ月で
    加害少年が仮退院したことを知った時の気持は・・・?
     一介のサラリーマンがホントにここまで加害少年に迫っていくことが
    できるのかという疑問はあるものの、論点整理は十分で、法科大学院の
    教材としても最適!


洋06-212 エンロン(2005年)      
        <東映試写室>             2006年10月23日鑑賞
        (アメリカ映画)              2006年10月24日記

   ・・・売上高全米第7位の巨大企業「エンロン」に2001年に起きた事件は、
    全世界を揺るがし、「コーポレートガバナンス」の議論に火をつけ、
    「企業改革法」制定の動機となった。
     そんな直近の大事件を、ドキュメンタリー映画として完成させたハリウッド
    の底力にまずは感心!
     市場原理の尊重と規制緩和の必要性は当然だが、大企業の崩壊
    もタイタニックの沈没と同じ芽であり、所詮人間のなせる技・・・?
     すべての日本国民が、自分の胸に手をあてながら考え、学習すべき教訓
    がここにあるはず・・・。


洋06-213 マリー・アントワネット(2006年)    
        <試写会・TOHOシネマズなんば>   2006年10月23日鑑賞
      (アメリカ、フランス、日本合作映画)     2006年10月24日記

   ・・・ソフィア・コッポラ監督が描く『マリー・アントワネット』は、女性ならではの
     視点が特徴。
      ベルサイユ宮殿の豪華絢爛たる宮廷絵巻が、さまざまな人間関係に
     焦点を当てながら展開されていく。
      しかし、よく知られている物語の羅列は意外と退屈で、激動する時代
     背景や高揚する民衆のエネルギーとの対峙などの熱気は伝わってこない。
      そして、私には18世紀のベルサイユ宮殿とポップ調・ロック調ミュージッ
     クとの融合(?)にも違和感が・・・。
      さらに、堂々とした(?)フェルゼン伯との不倫はいかがなもの・・・?
      良くも悪くも、これがハリウッドの描くマリー・アントワネット物語の
     限界かも・・・。


洋06-214 テキサス・チェーンソー ビギニング(2006年)  
        <角川ヘラルド試写室>         2006年10月24日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年10月25日記

   ・・・ホラー映画嫌いの私だが、「覚悟がなければ、観てはいけない」という
     警告を無視して、あえてその「名作」を・・・。
      『悪魔のいけにえ』からメンメンと続く本格的ホラーは、『テキサス・チェ
     ーンソー』でさらに進化し、人皮をかぶった殺人鬼レザーフェイスは有名な
     キャラらしい・・・。
      本作はそのタイトルどおり、その「誕生秘話」を明らかにしながら、
     2組のアベックの恐怖を描くもの。
      そしてそのキーワードは、人肉、切断、人皮etc・・・。
      鑑賞後のカレー・シチュー系の夕食にはくれぐれもご用心・・・。


日06-215 7月24日通りのクリスマス(2006年)  
        <東宝試写室>            2006年10月25日鑑賞
        (日本映画)               2006年10月26日記

   ・・・遂に日本にも本格的ロマンティック・コメディが登場した。と言いたい
     ところだが、その完成度は・・・?
      美人をブス風にするのは、メガネをかけ、ヘンな髪型にし、ダサい服装
     をさせれば簡単だが、天下の美女をそうするには、かなりの勇気が・・・?
      長崎の街をリスボンの街に見立てるという、原作とこの映画の発想は
     大好きで大いに感心。しかしアニメの王冠やポルトガル人親子の登場(?)
     など、『電車男』ほどコメディ色を強めなくてもよかったのでは・・・?
      でも、やっぱり女の子はこういう映画が大好き・・・?


日06-216 地下鉄に乗って(2006年)      
        <梅田ピカデリー>            2006年10月28日鑑賞
        (日本映画)                 2006年10月31日記

   ・・・待望されていた浅田次郎作品の映画化だが、これだけ頻繁に
    タイムスリップされると話がややこしくなりすぎて、収拾が困難に・・・?
     また東京タワー、東京オリンピックは「懐かしき昭和」の全国ネットだが、
    東京の地下鉄はあくまで東京版で、地方の人たちには昭和を代表する
    象徴ではない。
     したがって、戦後の闇市のセットの見事さや大沢たかお、常磐貴子の熱演
    は認めるものの、ストーリーとしてチグハグな面が目立つのが残念。
     ちなみにこれは原作のせいではなく、すべて監督の責任だが・・・。


洋06-217 父親たちの星条旗(2006年)     
        <梅田ピカデリー>            2006年10月28日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年10月30日記

   ・・・なぜ今、硫黄島?クリント・イーストウッド監督はなぜ2部作構成で・・・?
     その回答はものすごいマスコミの前宣伝を読めば明らかだが、戦争映画が
    大ヒットしない今の日本では、観客の反応が少し心配・・・。
     第1部は、アメリカ人なら誰でも知っている物語だが、日本人はなじみが
    ないだけに余計心配。
     しかし反面それは、栗林中将が登場する第2部への期待感にも・・・。
     「イラク戦争を始めた米国に対する間接的な批判」などと物知り顔の評論
    をする前に、まずは61年前に現実に存在した硫黄島の戦いの実態と
    その意味を、客観的、歴史的に学ぶことが大切。そう考えると、公開初日の
    観客の少なさが何よりも気になるのだが・・・。


日06-218 TANNKA 短歌(2006年)     
        <東映試写室>            2006年10月30日鑑賞
        (日本映画)               2006年10月31日記

   ・・・モデル出身の美女黒谷友香の初主演作は、年上の男性との不倫と
    若い彼氏との刺激的な愛の中を生きるヒロインを官能美タップリに描くもの。
     監督初作品となる阿木燿子が、俵万智の原作を生かしながら、
    女性の目で大胆に描くセックスシーンは見モノで、体当たり演技に挑戦した
    黒谷友香には、今後一皮も二皮もむけてもらいたいもの。
     しかし、同じモデル出身の美女伊東美咲に続いて大ブレイクするには
    少し力不足・・・?


洋06-219 カオス(2005年)        
        <東映試写室>            2006年10月31日鑑賞
        (アメリカ映画)             2006年11月4日記

   ・・・『トランスポーター』でおなじみのジェイスン・ステイサムと若手イケメン
     俳優のライアン・フィリップが刑事として大活躍。
      カオス(混沌)と「カオス理論」を真正面に据え、銀行団VSシアトル市警
     との対決を描くものだが、タイトルどおりストーリーは混沌としているうえ
     二転三転。
      そして、一件落着と思えた後、さらにあっと驚く予測できない結末が・・・。
      こんな映画は詳しい説明は不要。あなた自身がしっかりとスクリーンを
     注視すると共に、セリフにも十分集中を・・・。


洋06-220 リトル・ミス・サンシャイン(2006年)  
        <東映試写室>            2006年11月1日鑑賞
        (アメリカ映画)             2006年11月4日記

   ・・・小泉政権から安倍政権へ移行する中、最大の論点は格差の是正、
     すなわち「勝ち組VS負け組」の修正となっているが、私はそんな二分法
     には大反対!
      そんな中、「勝ち組になれ!」と鼓舞激励するフーヴァー家の家長だが、
     そんな自分を含めてファミリーみんなは「負け組」・・・?
      しかし、「負け組」の何が悪いの!そんな思いを笑いと感動の涙で
     綴り、第19回東京国際映画祭コンペ部門3冠を受賞した名作が誕生!
      こんな映画を観ていれば、今流行りのいじめや自殺もなくなると
     思うのだが・・・。


日06-221 手紙(2006年)         
        <道頓堀角座>            2006年11月3日鑑賞
        (日本映画)               2006年11月7日記

   ・・・「手紙」という言葉の温かさとは裏腹に、刑務所の検閲印入りの手紙は
    差別を受ける根源に・・・。
     殺人犯の兄を持った弟。そんなレッテルを背負った人間は、一生幸せを
    求めることも許されないのか?直木賞作家東野圭吾の原作を基にそんな
    重いテーマに真正面から切り込んだ映画だが、ちょっとストーリー構成
    に難が・・・?
     また、そんな問いに対する回答はホントにあるの・・・?また、必要なの
    ・・・?私はそう思うのだが、映画が出した一定の結論は・・・?


日06-222 DEATH NOTE(デスノート) 
              the Last name(2006年) 
  
        <梅田ピカデリー>            2006年11月3日鑑賞
        (日本映画)                 2006年11月7日記

   ・・・前編の大ヒットに続いて後編も初日から「デスノート現象」が・・・。
     観客席を埋めつくした若者達が
ゲーム感覚でライトとLとの頭脳戦に
    一喜一憂するのも悪くはないが、硫黄島2部作の『父親たちの星条旗』
    がガラガラだったことと対比すると複雑な思いが・・・。
     後編のポイントは、第2のデスノートと第2・第3の死神の登場。それによって
    物語はより複雑性を増すため、手の幅が広がると共に、天才達の活躍の場も
    広がることに・・
・。
     予告編ではライトが「勝った!」と心の中で呟いていたが、さてホント
    の結末は・・・?
     大人達も劇場に足を運び、是非キラの賛否についての議論に参加したい
    ものだが・・・。


洋06-223 ダーウィンの悪夢(2004年)    
        <東映試写室>                  2006年11月7日鑑賞
        (フランス、オーストリア、ベルギー合作映画) 2006年11月7日記

   ・・・タイトルからはサッパリわからないが、これはアフリカのビクトリア湖に
    放たれた外来種の巨大魚ナイルパーチを素材として、「弱肉強食」
    「適者生存」の法則の問題点をえぐり出した驚愕のドキュメンタリー映画。
     私たち日本人も口にしているこの魚の加工産業の進展が、地元の
    繁栄をもたらさないばかりか、逆に失業・貧困・売春・エイズ・
    ストリートチルドレンという負の連鎖を生み出しているという現実を知れば、
    あなたもきっと衝撃を受けるはず・・・。
     無知がいかに恐ろしいことか、そして飽食の時代がいかに罪であるかを
    あらためて考え直すいいきっかけにしたいものだが・・・。


日06-224 海でのはなし。(2006年)      
        <松竹試写室>              2006年11月8日鑑賞
        (日本映画)                 2006年11月9日記

   ・・・新進クリエーターによる監督初作品に、何とあの宮﨑あおいと西島秀俊
    が出演!
     父親の浮気騒動をきっかけに始まった2人の海辺での会話は、しっかり
    した演技力のおかげもあり説得力十分・・・。
     「海でのはなし」のキーワードは「抱きしめてもらいたい気分」というもの
    だが、さてその結末は・・・?


洋06-225 合唱ができるまで(2004年)    
        <松竹試写室>               2006年11月8日鑑賞
        (フランス映画)                2006年11月9日記

   ・・・この映画はそのタイトルどおり、パリ13区にあるアマチュア合唱団の
    練習風景を淡々と描いたものだが、そこに強く惹かれていくのはなぜ・・・?
     それは音楽を学ぶことの楽しさやみんなで歌うことの楽しさを求める
    子供たちや老若男女がおり、それを教えてくれる先生が情熱と喜びを
    もってその仕事に取り組んでいるから。
     モーツァルト生誕250周年の今年、ヨーロッパ文明の水準の高さを
    あらためて実感!
     私もあらためて、ドレミファの勉強をしなければ・・・。


日06-226 鉄コン筋クリート(2006年)     
        <試写会・朝日生命ホール>      2006年11月9日鑑賞
        (日本映画)                 2006年11月10日記

   ・・・知る人ぞ知る、松本大洋原作の伝説的傑作マンガ『鉄コン』の映画化
     だが、私はサッパリ知らなかった世界。しかし何事も勉強・・・。
      大阪の中之島、ニューヨークのマンハッタンと同じように(?)川に
     挟まれた宝町は義理と人情とヤクザの“地獄”のまちだが、その再開発
     (の巨大な利権)をめぐってうごめく人間模様がこの映画のテーマ。
      すると、私のライフワークである都市問題と共通点が・・・。
      てなわけで、私は興味深くこの映画を勉強できたが、さてあなたは・・・?


日06-227 アジアンタムブルー(2006年)    
        <ヘラルド試写室>            2006年11月10日鑑賞
        (日本映画)                 2006年11月11日記

   ・・・純真無垢でちょっと天然ボケ(?)のヒロインには、竹内結子に続く
    美人女優松下奈緒を起用!一方、ふしだら(?)で半分世捨て人のような
    キャラを『トリック』の阿部寛が真剣に(?)好演・・・。
      今や、涙のストーリー構成上定番となった「重病モノ」だが、美しい音楽と
     美しいニースのまちがマンネリ化防止に大きく寄与・・・?
      末期ガンの場合、ガンとどう闘い死をどう迎えるかは現実的でナマナマ
    しい大問題だが、この映画のような死に方ができれば理想的・・・?
      大崎善生のデビュー作『聖の青春』を読んで泣かされた私は、再び
     映画化された『アジアンタムブルー』を観て泣かされることに・・・。


洋06-228 デトネーター(2005年)        
        <ユウラク座>              2006年11月11日鑑賞
        (アメリカ映画)


洋06-229 HAVEN~堕ちた楽園~(2005年)   
        <ホクテンザ1>              2006年11月11日鑑賞
        (アメリカ映画)                2006年11月17日記

   ・・・住民に税金が免除されるタックス・ヘイブンの島の中でくり広げられる
    物語のテーマは、カネ、ドラッグ、セックスそして純愛・・・。
     島に持ち込まれた大量の現ナマの行方は・・・?そして、イケメンスター、
    オーランド・ブルームの顔に硫酸をぶっかけてまで追及した純愛の結末
    は・・・?
     監督の生まれ育った島を広く紹介するのは楽しいだろうが、「13日の金
    曜日」の収束に向けて、もう少し全体のまとまりをつけなければ・・・。


洋06-230 サッド・ムービー(2005年)     
        <敷島シネポップ>            2006年11月12日鑑賞
        (韓国映画)                 2006年11月13日記

   ・・・4組の男女の別れの物語が、オムニバス形式ではなく、有機的に
     結ばれながら展開していく。
      それをリードするのは韓国のイケメン俳優チョン・ウソンと別れさせ屋
     のチャ・テヒョン。
      そして登場する4人の女優は美形ばかり・・・。
      死亡によるつらい別れ2例を含めてまさに『サッド・ムービー』の
     オンパレードだが、実はそのタイトルとは裏腹に、再生や希望の芽が
     見えるところがミソ。
      チェ・ジウを代表とする従来の「泣きの韓国映画」に、「異質な泣き」を
     注入したことに注目しながら泣いてみては・・・?


日06-231 ありがとう(2006年)      
        <東映試写室>            2006年11月13日鑑賞
        (日本映画)               2006年11月14日記

   ・・・1995年1月17日の阪神・淡路大震災から11年10カ月、遂にそれと
     真正面から向かい合い、人々に感動を呼ぶ映画が登場した。
      主人公は復興まちづくりに奔走した地元商店街のカメラ店のオッチャン
     だが、その生きザマはまさに奇跡的。
      何と還暦直前の59歳11カ月でプロゴルファーテストに合格したのだ。
      そんな途方もない夢が実現したのはなぜ?
      それは、自分が生かされているという気持を持つこと。
      すなわち「ありがとう」の気持だ。
      赤井英和がピッタリのはまり役。それを支える田中好子もいい。
      こんな映画を観れば、いじめー自殺の連鎖もなくなるはずだが・・・。


洋06-232 守護神(2006年)           
        <角川ヘラルド試写室>      2006年11月14日鑑賞
        (アメリカ映画)            2006年11月17日記

   ・・・御年52歳を迎えたケビン・コスナーが「守護神」と呼ばれた伝説の
     レスキュー・スイマー(救難士)の役に取り組んだが、その物語の
     パターンはまるで『海猿』と瓜二つ・・・?
      日本のカイホ(海上保安庁)とアメリカのUSCG(アメリカ沿岸警備隊)の
     組織体制とその役割をきちんと学びつつ、「So others may live・・・」を
     合言葉として人命救助の使命感に燃える救難士たちの姿に感動したい
     もの。
      もっとも「バディ」を重視する日本型と個人の能力+チーム力を重視する
     アメリカ型との相違点の認識もしっかりと・・・。


日06-233 犬神家の一族(2006年)      
        <東宝試写室>          2006年11月15日鑑賞
        (日本映画)             2006年11月18日記

   ・・・90歳を超えた市川崑監督と60歳を優に超えた石坂浩二のコンビに
    よる横溝正史文学の金字塔『犬神家の一族』が30年ぶりに製作された
    が、終戦直後の犬神財閥の遺産相続をめぐる「ドロドロ殺人事件」の新鮮さ
    は今なお健在!
      ただ、弁護士生活32年となった今の私には、遺言状をめぐる法的諸問題
    についての処理の甘さが目につくのだが・・・?


日06-234 それでもボクはやってない(2006年)  
        <東宝試写室>          2006年11月15日鑑賞
        (日本映画)             2006年11月18日記

   
産経新聞大阪府下版(平成19年1月19日)「That´sなにわのエンタメ」掲載
    ・・・私のケイタイは珍しくカメラ機能なし。それは私にはその機能が必要ない
     ということもあるが、それ以上にあらぬ疑いをかけられるのを防止する
     ため・・・?
      また、やむをえず乗る満員電車では必ず両手を上に・・・。
     今ドキ、それぐらいの防衛本能を働かせなければ、この映画の主人公の
     ようになる可能性が・・・。
      2009年までの裁判員制度の実施を控えた日本において、これぐらい
     丁寧に刑事裁判の実態を紹介した映画は貴重だから、
      大学はもちろん国民一般の勉強ネタとして是非ヒットして欲しいもの。
      私としても講義・講演の教材としてせいぜい活用しなければ・・・。


日06-235 僕は妹に恋をする(2006年)         
        <ヘラルド試写室>         2006年11月16日鑑賞
        (日本映画)              2006年11月17日記

   ・・・久しぶりに星1つのくだらない映画を観た。
      原作は青木琴美原作の人気コミックで、「僕妹(ボクイモ)」と呼ばれ
     ているらしいが、双子の兄弟が本気で愛し合うなどという話がなぜ
     今どきの10代の女の子の胸を焦がすの・・・?
      テーマも単調、2人だけの会話の長回しシーンのくり返しも単調、途中、
     何度あくびをしたことか・・・。


日06-236 パプリカ(2006年)           
        <ソニー・ピクチャーズ試写室>      2006年11月17日鑑賞
        (日本映画)                   2006年11月18日記
   ・・・他人の夢の中に入り込んで治療をするセラピストのコードネームが
     パプリカ。
      そこで、必然的にスクリーン上にはワケのわからないややこしい
     夢の世界が登場するが、それにはアニメが最適とばかり、美しい色彩感と
     特徴的な絵がいっぱい。しかし、どうも私には物語自体がイマイチ・・・?
      ベネチア国際映画祭へ出品されたが、金獅子賞は中国の賈樟柯
     (ジャ・ジャンクー)監督の『三峡好人』が受賞し、日本は敗北・・・。
      日本アニメも、再度ふんどしを締め直さなければ・・・。


日06-237 椿山課長の七日間(2006年)    
        <梅田ピカデリー>            2006年11月18日鑑賞
        (日本映画)                 2006年11月20日記
   ・・・浅田次郎原作のタイムスリップもの『地下鉄に乗って』に続く、
     荒唐無稽な「蘇りもの」は、意外に充実度いっぱい!
      西田敏行扮する椿山課長ら3人が、三者三様に姿を変えて現世に
     「逆送」されてきたのは、やり残したことがあったためだが、全く無関係な
     3つの物語が1本の筋にまとまっていく構成力はお見事!
      「天下の美女」伊東美咲の代表作とするには抵抗感があるが、
     椿山課長の現世での姿、和山椿によるガニ股歩きなどの熱演に拍手!
      社会不安が増大し、家族の絆が次々と失われている昨今、できれば
     これほどの喜びと満足感の中、天国へ旅立ちたいものだが・・・。


洋06-238 イカとクジラ(2005年)        
        <ソニー・ピクチャーズ試写室>      2006年11月20日鑑賞
        (アメリカ映画)                 2006年11月21日記
   ・・・タイトルからは何の映画かサッパリわからないが、これは監督の体験談を
    元にした、小説家のパパとママの離婚を契機とする家族の崩壊と再生の
    物語。
     共同監護とされた2人の男の子は、一見まともそうだがやはりヘン・・・。
     そして、両親もかなりインテリだがやはりヘン・・・。しかしそんな中でも、
    少しずつ子供は成長していくもの。さまざまな体験を経た2人の息子の再生
    と両親の再生は・・・?
     家族の絆が崩壊している今の日本でも大いに参考とすべき映画だが、
    語られるネタがすべてアメリカ的でわかりにくいのが難点。
     できれば、誰かが日本版の『イカとクジラ』を誕生させてほしいものだが・・・。


洋06-239 紅蜘蛛女(2005年)        
        <ホクテンザ1>              2006年11月23日鑑賞
        (香港映画)                 

洋06-240 ファミリー(2004年)        
        <ソニー・ピクチャーズ試写室>      2006年11月24日鑑賞
        (韓国映画)                  2006年11月25日記
   ・・・父と娘の確執と愛情を描いた2004年の地味なヒット作が今、日本に
     上陸!
      「涙の女王」は『冬ソナ』のチェ・ジウだけではなく、この映画で新人賞を
     総ナメにしたスエの異名もそれ。
      悪役となるヤクザの徹底的なワルぶりが目につくが、『グエムル 
     漢江の怪物』とはまた一味違う、韓国社会の家族の絆の濃さと
     父娘愛の強さをじっくりと堪能したいもの・・・。
      そして、いじめ、自殺が相次ぐ今の日本社会における、
     家族の絆崩壊の風潮を反省する1つの糧としなければ・・・。


洋06-241 7セカンズ(2005年)       
        <ユウラク座>              2006年11月26日鑑賞
        (アメリカ映画)              

洋06-242 キング 罪の王(2005年)    
        <テアトル梅田>             2006年11月28日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年12月1日記
   ・・・アラン・ドロンばり(?)のハンサムなガエル・ガルシア・ベルナルが、
    タイトルそのままに近親相姦、兄弟殺し、そして最後には・・・?
     その動機が、単純に父と子の確執とまとめられないところが難しいうえ、
    解釈の幅が広いのがこの映画のミソ・・・?
     キリスト教における原罪とは?旧約聖書の『カインとアベル』の物語の
    意義は?
     何となく後味の悪いものが残るが、その分いろいろと勉強ネタが増える
    かも・・・。


日06-243 無花果の顔(2006年)   
       <東宝東和試写室>             2006年11月29日鑑賞
        (日本映画)                  2006年12月1日記
   ・・・無花果は花が咲かず、実だけがなる木。
     「天才」桃井かおりは、そんな無花果の木に、人間や家族の花と実の
    つけ方を見たのだろう。
     彼女が設定したのは、1本の無花果の木に見守られた平凡な4人家族
    だが、実は4人とも桃井同様(?)かなり変わった人物・・・?
     「言葉にできないから映画にした」という「桃井語録」をかみしめながら、
    摩訶不思議なこの映画を楽しもう・・・。


日06-244 どろろ(2006年)     
        <東宝試写室>             2006年11月29日鑑賞
        (日本映画)                2006年12月1日記
   ・・・1967年連載開始の手塚マンガが、今妻夫木聡と柴咲コウの
     若手最高のコンビによって映画化!
      『十戒』(57年)とよく似た出生の秘密(?)を持つ百鬼丸と、戦乱の世の
     統一を願うため魔物との契約も辞さない父との確執がテーマだが、
     魔物(怪獣?)との闘いには、『HERO(英雄)』『LOVERS(十面埋伏)』
     のアクション監督、程小東(チン・シウトン)の尽力が大・・・。
      製作費20億円を投じた巨大エンタテインメント作品だが、さて
     『HERO(英雄)』や『PROMISE』と同じような大ヒットが実現する
     だろうか・・・?


洋06-245 007/カジノ・ロワイヤル(2006年) 
        <梅田ピカデリー>                2006年12月4日鑑賞
        (イギリス、チェコ、ドイツ、アメリカ合作映画)  2006年12月7日記
   ・・・世界を股にかけたテロリスト相手の任務達成が困難なことは過去20作
    と同様だが、今回はCGを使わず肉弾戦アクションを満載している点を
    じっくりと楽しみたいもの。
     今回新たに誕生した6代目ジェームズ・ボンドは、バクチには強いが
    女には意外と真面目・・・?
     したがって、一瞬純愛ドラマ風の展開になるが、それも時の流れ・・・?
     しかして、その結末は・・・?そして本来の任務の達成は・・・?


日06-246 NANA2(2006年)    
        <東宝試写室>             2006年12月5日鑑賞
        (日本映画)                2006年12月6日記
   ・・・奈々役が宮﨑あおいから市川由衣に変更・・・。
     それだけで「不吉な予感」がしていたが、やはり私の目には『NANA2』は
    「1作目でやめておけば良かったのに・・・」と思われる出来・・・?
     天真爛漫や天然ボケと「単なるバカ」は大違いだと思うのだが、これだけ
    男に騙され続ける奈々を見ているとちょっとうんざり・・・。
     無事に出産・結婚できたとしても、奈々が幸せを掴める確率は・・・?
     中島美嘉扮するナナも、メジャーデビューこそ果たしたものの、既に
    芸能界の泥の中にドップリと・・・?
     これでは、私の願っていたナナ×奈々の結末とはまるで大違いだが・・・。


日06-247 愛の流刑地(2006年)    
        <東宝試写室>             2006年12月7日鑑賞
        (日本映画)                2006年12月8日記
   ・・・『失楽園』に続いて一種の社会現象となった『愛ルケ』の映画化だが、
    注目の冬香役は寺島しのぶ。その演技力は折り紙付きだが、さてその
    美貌と魅力のほどは・・・?
     トヨエツはさすがの好演だし、これだけのテーマを2時間強でうまく
    まとめている点にも感心!
     ちなみに、冬香の気持を理解するためにも、色気過剰気味の美貌検事に
    是非注目を!


日06-248 武士の一分(いちぶん)(2006年)  
        <梅田ピカデリー>           2006年12月9日鑑賞
        (日本映画)                2006年12月11日記
   ・・・山田洋次監督の時代劇3部作のフィナーレは、キムタクこと木村拓哉を
    起用した「シンプル・イズ・ベスト」という言葉がピッタリの完成度の高い作品。
     前評判倒れでは、と疑っていたのが私の邪心であったことが判明して
    ひと安心・・・。
     これで俳優木村拓哉の人生観が大きく変わるかも・・・?
     そしてまた、これで一段落をつけた「大御所」山田洋次監督の今後の作品
    にはいかなる方向性が・・・?


洋06-249 硫黄島からの手紙(2006年)   
        <梅田ピカデリー>             2006年12月9日鑑賞
        (アメリカ映画)                2006年12月11日記
   ・・・第1部は硫黄島上陸作戦の戦闘シーンを圧倒的迫力で描いたが、
    第2部は栗林中将をはじめとする数人の特徴的な登場人物たちの、
    心の内面に焦点をあてたもの。
     しかし、新聞記事やパンフレットの中でさかんに紹介されている
    18kmも掘られた地下壕の実態や、それを駆使した戦闘の様子が
    あまり伝わってこないのは少し残念・・・。
     しかし、家族を思う将兵たちの気持は日米共通だから、オール日本人、
    オール日本語という異色のハリウッド映画でも、十分アメリカ人の心に
    その思いは伝わるはず・・・。
     こんなクリント・イーストウッド監督作品は、今年は何の賞を・・・?


洋06-250 ラッキーナンバー7(2005年)   
        <角川ヘラルド試写室>           2006年12月12日鑑賞
        (アメリカ映画)                 2006年12月13日記
   ・・・競走馬の薬物詐欺(?)と単純な人違いをめぐって展開される豪華な
    俳優陣によるクライム・サスペンスだが、ちょっと脚本に凝りすぎの感も・・・。
     プロの手にかかれば1発の銃弾で人が死ぬのは当然だが、主役級を
    次々と惜しげもなく殺していく演出にビックリ・・・?
     しかして、その真相は・・・?
     アッと驚くタネ明かしに、あなたは唖然・・・?


洋06-251 エラゴン 遺志を継ぐ者(2006年)   
        <試写会・大阪厚生年金会館大ホール>  2006年12月12日鑑賞
        (アメリカ映画)                   2006年12月13日記
   ・・・『ロード・オブ・ザ・リング』『ナルニア国物語』に続くファンタジー大作は、
     17歳のガキ(失礼、新進作家)の原作らしく、雌ドラゴンと17歳の
     少年ライダーの物語。
      アラゲイジア帝国とヴァーデン軍反乱軍、エルフ族とドワーフ族、
     そして闇の勢力シェイドなど、ややこしいのは『ロード・オブ・ザ・リング』
     と同じ・・・。
      『第1話』にもハイライトとなる攻防戦を設けたのはグッドだが、
     『ナルニア国物語』のライオンと同じように、火を噴くドラゴンや
     その顔になじめるかどうかがポイント・・・?


洋06-252 善き人のためのソナタ(2006年) 
        <角川ヘラルド試写室>           2006年12月13日鑑賞
        (ドイツ映画)                  2006年12月14日記
   ・・・ 『グッバイ、レーニン!』は1989年のベルリンの壁崩壊に焦点を当てた
     名作だが、この映画は「共産国家」東ドイツの恥部、国家保安省
     (シュタージ)による盗聴の実態に焦点を当てたもの。
      監視する人間と監視される人間が交わることは本来ありえない話だが、
     ベルリンの壁の崩壊によって、そんな人間の間に人間の善意や人間の
     絆が存在していたことが明らかに・・・。
      タイトルの奥深さを感じながら、じっくりとその感動を味わって
     もらいたいものだ。
      それにつけても「グッバイ、フセイン!」が実現した今、1日も早い
     「グッバイ、金正日!」と北朝鮮版『善き人のためのソナタ』の誕生が
     待たれるところ・・・。


洋06-253 ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド(2005年) 
        <角川ヘラルド試写室>           2006年12月14日鑑賞
        (イギリス映画)                 2006年12月16日記
   ・・・1975年のイギリス・ロック界に彗星のように登場した、結合体双生児
    のロックバンド、ザ・バンバンの物語の衝撃度はきわめて大!
     これはドキュメンタリーそれともフィクション・・・?
     そんな興味を深めていく中、これが「魂のロック」というものが少しは
    見えてくるはず・・・。
     彼らの切り離し手術の可否を考えるに至れば、ベトナムのシャムツインズ
    として有名なベトちゃん、ドクちゃんが、切り離し手術に成功した後の近況
    について興味深いニュースがあるので、是非そのリサーチを・・・。


日06-254 ユメ十夜(2006年)       
        <角川ヘラルド試写室>           2006年12月14日鑑賞
        (日本映画)                   2006年12月16日記
   ・・・夏目漱石の異色の短編小説『夢十夜』を、「同じ製作費」という条件で
    新旧10人の監督が競作!
     と期待したが、やはり10分の短編ではどれもイマイチ・・・?
     また、ケッタイな化け物の登場やくだらないギャグの連発にはうんざり・・・。
     もっとも、人の好みはいろいろ。こういうのがお好みの方はご随意に・・・。


洋06-255 あなたを忘れない(2006年)   
        <ソニー・ピクチャーズ試写室>       2006年12月15日鑑賞
        (日本・韓国合作映画)             2006年12月16日記
   ・・・「あなた」とは、26歳の韓国の留学生イ・スヒョン。転落した酔っぱらい客
    を救うため線路に飛び降り、結果的に電車にはねられた若者だ。
     彼はなぜそんな行動を・・・?多くの日本人はそう思ったはず。
     それは、他人に無関心、われ関せず、触らぬ神に祟りなしという病が
    日本(人)に蔓延しているため・・・。
     教育基本法改正の是非論はともかく、彼が私たちに教えてくれた人間の
    絆、人間の勇気を大切にしなければ・・・。


洋06-256 ダンジョン&ドラゴン2(2005年) 
        <ユウラク座>                2006年12月17日鑑賞
        (アメリカ、イギリス合作映画)        2006年12月18日記
   ・・・RPG(ロールプレイングゲーム)によるファンタジー世界の映像化
    「パート2」だが、サッパリわからない登場人物とややこしいストーリーを
    理解するのは、それだけで大変・・・。
     同じドラゴンでも、『エラゴン 遺志を継ぐ者』の雌竜は愛嬌があり善玉
    だったが、こちらの黒竜は姿も不気味な悪玉・・・。
     もっとも、『ロード・オブ・ザ・リング』『ナルニア国物語』
    『エラゴン 遺志を継ぐ者』など、これだけファンタジー映画が続くと
    いい加減ウンザリ・・・?


日06-257 子宮の記憶/ここにあなたがいる(2006年) 
        <角川ヘラルド試写室>        2006年12月19日鑑賞
        (日本映画)                2006年12月21日記
   ・・・産みの母親でもなければ育ての母親でもない、「子宮の記憶」。そんなもの
    がホントにあるのだろうか・・・?そんな微妙な母子関係の展開がこの映画
    の焦点。
     そして17歳の少年を柄本佑が、かつての新生児誘拐犯を松雪泰子が
    それぞれ表現力豊かに演じているのが見どころ。
     少し状況設定が異様すぎる(?)面があるものの、母と息子の関係に
    ついて考えさせるいいネタであることはたしかだ・・・。


洋06-258 世界最速のインディアン(2005年)   
        <ソニー・ピクチャーズ試写室>       2006年12月20日鑑賞
        (ニュージーランド、アメリカ合作映画)    2006年12月26日記
   ・・・63歳でバイクの世界最速記録に挑戦し、それを達成した男の物語
    が登場!
     その名は、ニュージーランド生まれの前向きな努力人間(?)バート・
    マンロー。
     そして、あの名優アンソニー・ホプキンスが『羊たちの沈黙』の
    ハンニバル・レクター役とは正反対の、陽気で人のいいおじさん役に挑戦!
     団塊世代の大量定年が何かと話題になっている昨今の日本、70歳を
    過ぎてなお世界記録を次々と更新したこんなおじさんを見習って、
    大いに夢を持たなければ・・・。


洋06-259 幸せのちから(2006年)     
        <ソニー・ピクチャーズ試写室>      2006年12月20日鑑賞
        (アメリカ映画)                 2006年12月25日記
   ・・・ホームレスから億万長者への道は証券マンになることから・・・。
     これは、アメリカンドリームを諦めなかった実在の男クリス・ガードナーの
     物語。この男の、そしてこの映画の面白い点は、父子の絆の強さが
     描かれているところ。
      日本におけるホリエモンのサクセスストーリーが崩壊した理由と
     対比しながら観れば面白いかも・・・。
      しかし、何よりも感動したいのは、自分の能力を信じあくまで前向きに
     努力するクリスの姿。
      こんなひたむきな姿を、今の多くの日本人は失っているのでは・・・?


日06-260 大奥(2006年)         
        <東映試写室>              2006年12月21日鑑賞
        (日本映画)                 2006年12月26日記
   ・・・2006年末の大奥絵巻は、映画はもちろん、大河ドラマ、コマーシャルに
     2006年トップの顔となった仲間由紀恵が主人公。
      大奥史上最大のスキャンダル「絵島生島事件」は、月光院派VS
     天英院派の女の闘いの悲惨な結末だが、さてその真相は・・・?
      アッと驚く将軍生母と側用人との道ならぬ恋も悩ましいが、
     何といっても大奥総取締、絵島の純真で一途な愛が見どころ。
      他方、その愛を信じ、磔で息絶える生島の最後の微笑みは、
     まさに男の美学・・・?


洋06-261 沈黙の傭兵(2005年)     
        <ユウラク座>              2006年12月24日鑑賞
        (アメリカ映画)               2006年12月26日記
   ・・・『シネマルーム11』の出版と軌を一にしたスティーヴン・セガールの
     『沈黙』シリーズ第11作の舞台はアフリカ。
      軍事政権の打倒、CIAの謀略、フランス軍の介入など、キナ臭い
     においが充満する中、2つの作戦が実行されるが、さてどちらが本命で
     どちらが陽動・・・?
      久々の美女の登場によって、少しはマンネリ化を払拭できたが、
     「傭兵」という職業の是非は・・・?
      この映画を楽しんだ後は、セガール「オヤジ」の「第12弾」と
     SHOW-HEY弁護士の『パート12』の双方に期待を・・・。


日06-262 バブルへGO!!タイムマシンはドラム式(2006年)  
                                     
        <東宝試写室>              2006年12月26日鑑賞
        (日本映画)                  2006年12月27日記
   ・・・「ニッポンを救う!タイムスリップ・ラブコメディ!!」が売りのバラエティー
    映画だが、その中には土地問題のエッセンスがいっぱい。
     その焦点は、1990年4月1日実施の不動産融資の総量規制!
    これによる土地バブルの崩壊は意外に早く、以降不良債権の発生、銀行や
    企業の倒産により、日本経済はガタガタに・・・。
     そして2007年の今、「もし、クレオパトラの鼻がもう少し低かったら・・・」
    と同じく、もし大蔵省によるあの発表がなかったら・・・?
     物語の軸となる広末涼子に、阿部寛と薬師丸ひろ子が絡んでいく中、
    一体どんな風に日本国の未来を切り開いていくのだろうか・・・?