2014(平成26)年 年頭のごあいさつ 

 

1)2013年7月21日の参院選挙の圧勝によって、衆参の「ねじれ現象」を解消した安倍晋三総理は、「アベノミクス」を世界に通用する言葉として定着させた上、見事に20年の東京オリンピック招致まで成功させました。円安と株高が進む中、14年4月からの消費増税も決定しましたが、金融緩和、財政出動に続く、第三の矢たる「成長戦略」を成功させ、デフレからの脱却を実現できるかどうかが今年最大の焦点です。

2)09年の8.11総選挙で「政権交代」を実現させた民主党政権とは何だったのか?橋下徹大阪市長の強力なリーダーシップの下で地方から維新のうねりを、と期待した「日本維新の会」とは何だったのか?一方ではそんな無力感と共に、他方では「自民一強」状況下での集団的自衛権の行使を禁じる憲法解釈の見直しと憲法改正問題を含め、安倍「保守」本格政権への期待も高まりますが、それもこれも経済運営と景気対策、そして目の前の現象としての「賃上げ」がうまくいってのこと。日本沈没を防ぎ、少しでも前向きな日本を取り戻すための政策総動員が求められています。

3)シリアへの軍事介入(戦争)が回避できたのは幸運でしたが、それによってオバマ大統領の求心力が低下し、ロシアのプーチン大統領の勢いが増したのは皮肉。また、日本が中国、韓国と仲良くしていくのは大切ですが、少数民族と民主的言論への圧力を強める中国の習近平体制や反日政策に精を出す韓国の朴槿恵(パククネ)大統領と、安倍総理がハラを割って話す機会は訪れるのでしょうか?今年は、例年以上に国際情勢とアジア情勢への目配りが大切です。

4)安倍総理は福島原発事故による汚染水はコントロールされていると大見得を切りましたが、さてその実態は?昨年10月、阪急阪神ホテルズはメニュー表示と違う食材の使用について「誤表示」と弁明しましたが、それが偽装であることは明白。その連鎖は近鉄・京阪等の電鉄系から、ホテルオークラまで広がりました。今年の流行語大賞は半沢直樹の名セリフ「倍返しだ!」で決まりでしょうが、「今年の漢字」は07年に続いて再び「偽」とされる可能性も。しかして、汚染水問題についての、安倍発言の偽装性は?

5)司法改革の目玉であった裁判員制度は半分定着、半分波乱含みですが、法科大学院と弁護士増員の方はボロボロで、優秀な在学生が予備試験を目指すのは当然。二流、三流の法科大学院の淘汰は目前です。衆参議員の一票の格差、非嫡出子の相続分をめぐる最高裁判所の判決がどこまで実効性を持つかは「三権分立」の観点から重要ですが、法曹界を目指す人が激減している状況を根本的に改善しないことには・・・。

6)日本一になった楽天の田中将大投手は、100億円で大リーグへ移籍するのかどうか?今年のお正月はそんな話題で盛り上がりながら、それ以上に大切な日本の針路を国民一人一人がしっかり考えたいものです。皆様の今年一年のご健康を心から願っています。

   2014(平成26)年元旦       

              和総合法律事務所

                  所長 弁護士 坂和 章平