2013(平成25)年 年頭のごあいさつ 

  1)昨年11月14日の安倍晋三自民党総裁との党首討論の席で野田佳彦総理は突然、11月16日の衆議院解散を宣言。正直に馬鹿がつく、と父親から言われた総理はこれによって「近いうち解散」の約束を守ったわけだが、他方では「第三極」が未結集のうちに、という計算も働いたはずだ。投票日は東京都知事選挙と同じ12月16日。解散宣言と同時に突如あれこれの新党が増殖しはじめたが、それは所詮茶番劇。民主党の政権喪失は確実だが、師走選挙第1の焦点は政権奪還を目指す安倍晋三自民党の議席の伸び。第2の焦点は敢えて石原慎太郎と組んで「代表」を譲り、自らは「代表代行」となった橋下徹大阪市長率いる「日本維新の会」を中心とする第三極がどこまで議席を獲得するか、だ。09年8月30日の「政権交代」が大いに国益を損ね、国民の生活を台無しにしたことが明白になった今、限られた選択肢の中とはいえ、この投票においてすべての有権者の知恵が試され、良くも悪くもこの国の新たな第1ラウンドの形が決まるはずだ

2)昨年9月11日の野田総理による尖閣諸島国有化宣言以降、日中関係は最悪となり、日中国交回復40周年の各種事業も吹っ飛んだ。「政冷経熱」の関係も壊れ、車を中心とした日本製品のボイコットや観光客の激減は深刻だ。しかし、出版を軸とした私の中国との文化交流はそんなことに負けず、ますます強まっている。莫言さんのノーベル文学賞受賞を心から祝福したい。

3)2012年は世界的に指導者交代の年となったが、3月に再び大統領に返り咲いたロシアのプーチンは?5月に新大統領となったフランスのオランドは?11月にアメリカ大統領に再選されたオバマは?また11月15日に胡錦涛に代わって新たな共産党総書記に就任し、13億人の中国を率いていく習近平は?12月19日投票による韓国の新大統領は?そして、これら各国の新指導者と渡り合うはずの、日本の新総理とその政権の枠組みは?「決められない政治」との決別は不可欠だが、それは同時に外交・安全保障問題における緊張感の増大を伴うはず。戦後67年間続いた平和の意味を確認しつつ、新たな日本国の出発を目指したい。

4)3・11東日本大震災からの復興は、復興基本法、復興庁設置法、特区法、復興財源確保法などの制定にもかかわらず、遅々として進まない。復興予算の「流用」問題はもっての他。園子温監督の『ヒミズ』(12年)や『希望の国』(12年)そして杉野希妃プロデュース・主演の『おだやかな日常』(12年)等の東日本大震災をテーマとした問題提起作からしっかり学びたい。

5)
ヨーロッパの経済が心配なら、中東での火種も心配。考えればキリがないが、少なくとも私たちは「この国のかたち」に責任を持たなければ。皆様の今年一年のご健康を心から願っています。

2013(平成25)年元旦

    坂和総合法律事務所

     所長 弁護士 坂 和 章 平