2012(平成24)年 年頭のごあいさつ 

3・11東日本大震災直後に書いた『市民と法』の論文『東日本大震災にみる不動産と復興計画・復興立法をめぐる諸問題』で私は、復興計画・復興立法のあり方を模索するとともに菅直人民主党政権の無策ぶりを憂えた。また朝日新聞の「ニッポン前へ委員会」が5月10日締切りで募集した「東日本復興計画私案」に私は、『震災復興担当大臣を国民投票で!』という大胆かつ現実的・実践的な論文を提出したが、残念ながら落選。しかし、就任9日後に辞任に追い込まれた松本龍氏やそれに代わって震災復興担当大臣に就任した平野達男氏の存在感の無さを考えれば、やはり坂和私案を採用すべきだったのでは?国会では建築制限の立法だけは決めたが復興計画・復興立法は遅々として進まず、復興院の全体像すら確立していない。この国は一体どうなってしまったのだろうか?

2)そんな中11月27日(日)に実施された大阪市長と府知事のダブル選挙では、大阪維新の会が圧勝!開票と同時に橋下徹新市長と松井一郎新知事の当選が決まったことによって「府市100年戦争に終止符」が打たれ、大阪都構想の実施に向けた第一歩が始まった。議会の承認、住民投票、地方自治法の改正など各種ハードルは高いうえ、その中味の詰めが不可欠だが、争点が明確に示された中での「民意」は重い。大阪府下の民主・自民・公明の既成政党が機能不全に陥る中、国政への進出も視野に入れた維新の会の動きに注目したい。野田佳彦「どじょう内閣」が行き詰まったら、ひょっとして今年中に総選挙と政界再編成も?

3)昨年は中東各地では「ジャスミン革命」の嵐が吹き荒れ、ヨーロッパ各国では政権交代が相次いだが、今年はアメリカ、ロシア、中国などが選挙と指導者交代の年。太平洋を挟んで米中の政治的・経済的・軍事的な「せめぎ合い」が厳しさを増す中、自由だけはまかり通るものの国益という視点がほとんど失われている今の日本国は、いかなる外交を?

4)経済的不況が続き日本社会の閉塞感が強まる中、弁護士や弁護士会を取り巻く情勢は法科大学院の淘汰・再編、新人弁護士の就職難など、ますます厳しくなっている。昨今の若者たちに蔓延する「内向き志向」が弁護士にも広がれば、その活力が失われることは必至だ。私はここ10年以上、都市問題の実践とそれに関連する数々の法律書の出版活動、映画評論家活動、そして中国関連プロジェクトの展開など、あくまで独自の活動を目指してきた。そんな中、昨年も作家・莫言との対談、上海への出版打合せ旅行などの中国関連プロジェクトが順調に続いたが、日中国交回復40周年を迎える今年はさらにそれを発展、加速させたい。

5)
3年間続いたNHKの『坂の上の雲』が終了した今あらためて日本の「立ち位置」を確認し、私たち国民1人1人が今後どんな選択をし、どんな行動を取るのかを考えたい。皆様の今年一年のご健康を心から願っています。

2012(平成24)年元旦

    坂和総合法律事務所

     所長 弁護士 坂 和 章 平