6編 坂和コラム 

〈はじめに〉 開設の辞
1) 2019年は1949年生まれの私にとって70歳の節目の年になったが、その1年を経て、新たに東京五輪の年、2020年を迎えた。2015年9月の大腸ガン、翌2016年11月の胃ガンの手術を経た私は「5年生存率」等の言葉をはじめて覚えながら、それなりの不安を持ち、それなりの身体的苦労を重ねながら、弁護士業務と映画評論家業務そしてプライベートな生活を重ねてきた。汚い話だが、大腸ガン、直腸ガンで肛門近くにあったがんを切除するためには、肛門括約筋も一部切除しなければならなかったため、必然的に排便が困難になる。場合によれば、人工肛門を一生つけ続けなければならない可能性もある。そう宣告された時は「何のこっちゃ?」と思っていたが、現実には半年間も人工肛門をつける生活を余儀なくされたうえ、その後も、手術あとの狭窄という新たな問題が生じたため、更に様々な問題が発生した。そのため、これではまともな社会生活を営めないのでは?と心配をする日々もあった。
2) しかし、人間の身体の回復力、適応力はすごいもの。詳しくは書かないが、徐々に徐々に、本当に少しずつだが、それが改善し、その改善に合わせた生活リズムも確立してきた。私の身体は今やほぼ完全に回復し、仕事にも遊びにも自信を持ち始めることができた2019年だった。しかし、2020年は仕事面で大きな変化が起きそうだ。それは現時点ではまだ発表できないが、基本的にはあまり望ましいものではない。しかし、それはそれ、現実に起きることは仕方がないから、真正面からそれを受け止め、新たな局面は自分自身で切り開いて行かなければならない。
3) 2019年11月にホームページのリニューアルに着手し、2020年4月にはそれが完成する。そこで、2020年1月以降の新企画として「SHOW - HEYコラム」を立ち上げることにした。坂和総合法律事務所のホームページをはじめて作ったのは、2001年10月。自社ビルである西天満コートビルに事務所を移転したことが契機だが、そこで同時に始めたのが、「趣味のページ」としての映画評論だった。それが、いかにも私の本性にぴったり合致したため、その後、鑑賞した映画の数は合計3000本を超え、出版し続けた「SHOW - HEYシネマルーム」も計45冊に上っている。しかして、今回のホームページのリニューアルを契機として新たに始めることにしたのが「SHOW - HEYコラム」だ。
4) 「SHOW - HEYコラム」の原型は、「シネマ本」で余白のページを埋めるために書いていたコラムにある。私にとって毎日4〜5紙の新聞を読み、情報を整理するのは何よりの基本作業。一時はテーマごとにスクラップもしていたが、ネット上の検索が容易になった昨今はそこまでせずとも必要な時に必要な情報を取り出すことは容易。私は映画評論を書くたびにそれを活用してきたし、「SHOW - HEYコラム」を書くたびにそれをやってきた。さらに、近時は年に2回発行している「事務所だより」の巻頭言を書くためにも、その作業を続けている。しかし、「シネマ本」の空白をコラムで埋めるのは字数をピッタリ合わせないといけないからそれがストレスになる。しかも、一時に集中してやらなければならないため、それもしんどい。他方、新聞を読むたびに、ニュースを読むたびに、あるいは映画を見るたびに、「ああ、このネタでコラムを書きたい」と思うことが時々あるが、残念ながら私にはそれを発表する場所がなかった。2019年末には「日産のゴーン会長、レバノンへ逃亡!」という、あっと驚くニュースが世界を駆け巡ったが、これは翌日すぐにでも「SHOW - HEYコラム」で書きたいネタだ。そこで思いついたのが、ホームページに新たに「SHOW - HEYコラム」を設けることだ。
5) 文章を書くことが大好きで、今や弁護士業よりもそれが本業になっている私は、感動する映画を見た日は明け方にベットの中で半分眠りながら半分文章を練っていることがよくある。平々凡々たる日々を過ごしている時はそういう体験は少ないが、感動的な映画を見た日や、面白い人と出会い刺激的な議論を交わした日、講演会に向けてレジュメを準備しなければ、というプレッシャーと戦っている日、そんな時に、それが多い。この「SHOW - HEYコラム開設の辞」も12月31日にテレビをつけたまま眠りにつき、明け方4時頃にテレビを消した後に一人でベットの中で考えていた文章だ。もっとも、翌朝になるとその一部分を忘れ、2、3日経つとそのほとんどを忘れてしまうから、あらためて最初から文章を練らなければいけないことになるのだが・・・。
6) そんなわけで、ここに、2020年1月からの「SHOW - HEYコラム」の開設を宣言したい。なおこの「開設の辞」を公にするについては、「三国志」で有名な諸葛孔明の「出師の表」や、「坂の上の雲」で有名な秋山真之の「連合艦隊解散の辞」のような名文を考えていたが、どうやらそれはムリ。しかし、せめてこの「SHOW - HEYコラム」のタイトルだけは、吉田兼好の「徒然草」のような、ちょっと気の利いたものを考えたい。今はまだムリだが、半年くらいの間には発表したいと考えている。

 なお、「坂和コラム」については2004(平成16)年3月11日に1度創設し、その時に、次の「創設の辞」を書いた。また「その際にコラム1」として「加害(元)少年の仮退院を聞いて−神戸児童連続殺傷事件を考える-」を書いた。本来ならこれは削除すべきだが、参考として残しておきたい。                                                                                  2020年1月7日記
 
  (参考) 創設の辞を読む
                                       
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